2014年10月20日月曜日

チェーンクリーナー3種の比較レビュー

左から Park Tool, Finish Line, AZ のチェーンクリーナー

この3つの中ではAZのクイックゾルブが抜群に使いやすいです。

2014年10月20日 写真と文を追加



写真の左から順に紹介します。



Park Tool CB-2 Citrus ChainBrite

無色透明のサラサラとしたディグリーザーです。
同社のCyclone Chain Scrubber CM-5 に合わせて最初に購入しました。

Park Tool CM-5(改良前の初期型)

CM-5 で一回に使う洗浄液は約 50 ml、
CB-2 の内容量は 16 fl. oz (472 ml) なので、
10回分を想定した量のようです。

購入時価格は1675円(うち送料525円)だったので、
チェーン洗浄一回当たりの単価は167.5円です。

"Won't harm alloy, plastic or rubber parts."

プラスチックやゴムを溶かさないので扱いは楽です。

油っぽい粘性が有るのでチェーンオイル代わりになるかと思い、
洗浄後そのまま走ったら、5 km と経たずに
チェーンがキシキシ鳴り出しました。

また、ディグリーザー液を拭き取らないまま
チェーンオイルを差すと、オイルが分解されて溶け流れてしまい、
やはり短距離で油切れしてしまいます。

なので、洗浄後はパーツクリーナーを吹き掛けたり、
CM-5に水と中性洗剤を入れて何度かすすぎ洗いして、
ディグリーザーを完全に洗い落とす必要が有ります。
これが意外と面倒です。



FINISH LINE Citrus (Bike Chain) Degreaser

用途に応じて水で希釈して使うディグリーザーです。
いろんな希釈度を試しましたが、チェーン洗浄の場合、
ディグリーザー1:水4 くらいが限界で、
これ以上薄めると洗浄効果が心許なくなります。

「通常の頑固な汚れのクリーニングには5倍の水で希釈してください。」

ボトルタイプの内容量は 20 fl. oz (591 ml) ですが、
5倍に希釈して使う場合は 2955 ml になるので、約63回分です。
購入価格は1860円だったので、
チェーン洗浄一回当たりの単価は 29.5 円です。
(但し、本当に63回も使えるかは疑問。下記参照。)

プラスチックやゴム、塗装面を侵すので、
チェーン以外の部分に垂れたら素早く拭き取り、
中性洗剤などで完全に洗い落とす必要が有ります。
(垂れた部分のフレームが黄色に変色してしまいました。)

また、洗浄器具である CM-5 もプラスチックなので、
チェーン洗浄後はすぐに CM-5 内の廃液を捨て、
古布などで綺麗に拭き取る必要が有ります。
(CM-5 の液垂れ防止用のスポンジは
一発でモロモロになってしまいました。)

洗浄器具を洗うのが面倒

商品名に「シトラス」と入っているので環境に優しそうですが、
水生生物に有害なので、廃液をそのまま下水に流したり
土に撒いたりしてはいけません。私はビニール袋に古布を入れて
そこに廃液を注ぎ、燃えるゴミに出していましたが、
正直、この処理方法でもちょっと不安を感じます。

「水生生物に有害であり、水域環境に悪影響を
与える恐れがありますので、水に流さないでください。」

使用方法には
「乳化した油分と分解した泥汚れを水で洗い流してください。」
と書かれていますが、現実的にはこういう大雑把な洗い方はできません。

ディグリーザーは乳化作用を持っていますが、
しっかり撹拌しないと水と混ざり合わず、
ドレッシングの油分のように大きな雫のまま水面を漂います。
私はCM-5に入れる前に水とディグリーザーを
プリンカップに入れて掻き混ぜています。

(保管状態が悪いと成分が揮発して不透明のドロドロの液になり、
水と混ざりにくくなります。上で63回使えると書きましたが、
数ヶ月に一回というような使い方だと途中で劣化が進んで、
実際には十数回しか使えない可能性が有ります。)

チェーンを洗浄すると、ディグリーザーと結合していない水分は
ぽたぽた垂れ落ちますが、ディグリーザーは粘度が高いので、
汚れを取り込んだままチェーンにベッタリこびりつきます。
これを落とすのに古布やパーツクリーナーや中性洗剤をかなり消費するので、
希釈できるからと言っても実際にはそれほどお得感は有りません。
何といっても作業が非常に面倒です。



AZ 自転車用チェーンクリーナー クイックゾルブ Blcc-002

防錆剤と潤滑剤が含まれているディグリーザーです。
見た目はほぼ透明のサラサラで、臭いもそれほど強烈ではありません。

同社の類似品に「クイックゾル」という、
最後に「ブ」の付かない名前の商品が有りますが、
そちらは潤滑剤が入っていないタイプです。

私が買ったのは容量 1000 ml の大容量版で、21回分です。
購入価格は972円だったので、
チェーン洗浄一回当たりの単価は 46.3 円です。


プラスチックやゴムを溶かさないので扱いやすいです。
環境への有害性も(注記は)有りません。

CM-5 で使うとチェーンの汚れはサラサラ流れ落ち、
洗浄成分が揮発して潤滑成分が残ります。
(1回洗っただけでは汚れが少し残るので潤滑成分が黒く濁ります。)

洗い終わった直後はチェーン表面が油まみれですが、
古布で余分な油を拭き取ればそのまま走りに出られます。
洗浄後に 37 km 走りましたが、今のところ油切れする様子は全く見られません。

2014年11月4日追記

その後、注油しないまま屋外を累計267km走りましたが
油切れする気配は全然有りません。(雨天時走行は無し。)
(ローラー台での室内トレーニングも含めれば累計374km。)
エーゼットが言う「長距離」って一体何キロなんだ……。


2014年11月11日追記

チェーン洗浄後の累計走行距離が屋外走行だけで359km、
ローラー台も加えれば484kmになりましたが、まだもう少し保ちそうです。
とりあえずセンチュリーライド2本分は余裕で行ける事が分かりました。



「本品使用後に長距離走行をする場合は、
チェーン用オイルを差してメンテナンスをしてください。」

上の2つのディグリーザーと比べると、すすぎが不要な分、
実際の作業が非常に楽です。



まとめ


Park Tool FINISH LINE AZ
洗浄1回当たりの単価 167.5円 29.5円 46.3円
洗浄できる回数 約10回 約63回 約21回
樹脂、ゴムへの攻撃性 無い 有る 無い
環境への有害性 低い 水生生物に有害 低い
すすぎ洗い 大変 とても大変 しなくて良い

費用だけ見ると FINISH LINE が良さそうに思えますが
扱いが非常に面倒なので AZ がお勧めです。