2019年4月16日火曜日

文京区千石の生活道路の狭窄(特別区道 文839号)

前回の記事では良好に機能しているハンプを見ましたが、文京区千石地区といえばもう1箇所、2009年にハンプ設置の社会実験が行なわれた生活道路(地図URL)があります。

市原慎介, 吉田進悟, 小嶋文, and 久保田尚. 2011. “ハンプの短区間連続設置における周辺環境への影響および有効性の検証.” 土木学会論文集D3(土木計画学) 67 (5): 67_I_1165-67_I_1172. https://doi.org/10.2208/jscejipm.67.67_I_1165.

ハンプ通過後の再加速音を抑制するために複数のハンプを短い間隔で連続設置した結果、高い抑速効果と沿道住民からの好評を得たと2011年に報告されています。

そちらは今どうなっているんだろうと2019年2月に見に行ったところ……

無い!

無い!

区間途中に1箇所、狭窄が残っているだけでした。



道路中央が2.5m(白線含まず)、残りが左右1.1mずつ(縁石まで)

確かにこの狭窄でも自動車の速度を抑制できているように見受けられましたが、論文で成果が華々しく報じられたハンプは全て跡形も無く消えていました。

実験のスケジュールを見ると1ヶ月弱の間だけ仮設してその後は撤去となっていますが、好評だったならその後、本格導入されていてもおかしくないのに、そうなっていません。

今まで私はこの論文を根拠に、ハンプを導入するなら連続設置が望ましいだろうと考えていましたが、そのハンプが存続していない現実を見た以上、考えを変えざるを得ないですね。


関連記事