渋谷区道865号(原宿駅竹下口付近)の “ドアゾーン” ナビライン
Wikipediaに「ドア開放事故」を立項しました。
立項の背景
自転車のドア開放事故は海外の都市では発生件数で1、2を争う事故形態で、以前から問題視されていました。Wikipedia英語版では2005年に立項され、今に至るまで活発な編集が続いています。ドア開放を発端とする多重事故の映像
一方、日本ではこれまで自転車の歩道通行が一般的だったからか、対自転車のドア開放事故はそれほど目立つ事故ではありませんでした。
しかし、自転車の車道通行原則の徹底という方針の下、2010年代から車道上にペイントによる簡素な自転車通行空間が整備され始め、ドア開放事故の危険が大きい位置に自転車レーンやナビラインを整備する不適切な事例が散見されるようになりました。
不適切な整備の増加
渋谷区道865号。一番走ってはいけない危険な位置に「ナビライン」が引かれた。
事故防止で大切なのは、個々人の注意力に依存せず、危険そのものを体系的に除去・隔離することですが、日本の道路管理者は逆に危険行為を促してしまっています。
このような欠陥インフラが蔓延して死亡・重傷事故が発生する前に、計画・設計者にドア開放事故の危険性を強く意識させる必要がありました。
その一手段として、英語版Wikipediaの記事(Dooring)の日本語訳を以前から進めていたのですが、最近、渋谷区が原宿駅前に不適切なナビラインを整備してしまったのを目の当たりにしたので、一気に書き上げて公開することにしました。
内容は単純な翻訳ではなく、事故の構造的な防止策の節を充実させています。白山通りと渋谷区道の写真も反面教師として当該記事に載せてあるので、CC BY-SA 4.0の条件の下でご自由にお使いください。