購入前に疑問だった点を実際に2週間ほど使って確かめ、Q&A形式でまとめました。
先に結論だけ言うと、ちょっと多機能な腕時計としてはアリですが、ランニングやサイクリングなどの記録用途では使い物になりません。
レビュー環境
- Smart Band 9 Active (Model: M2435B1)
- Xiaomi Hyper OS (2.3.151)
- Mi Fitness (3.34.0)
- iPhone X (iOS 16.7.11)
Q. 秒が分かるデジタル時刻表示の文字盤はある?
A. 2025年6月現在、以下の5種類が確認できます。
Gadget |
Hit points |
Honeybee (※Miアプリ上の見本は12時間制だが実際は24時間制) |
Multifunctional LCD |
Pac-Man |
Q. 意外と良かった文字盤は?
A. 右に90°転倒した文字盤は一見すると色物デザインに思えますが、時計を腕の内側に付けた場合は正しい向きで読めるので見やすいです。表示項目が少なすぎるので常用はしませんが。
Pop of color |
Pop of color 2 |
Q. 画面の精細さは?
A. 普段は気になりません。アナログ時計で針が水平垂直から僅かにズレた位置に来た時は針の輪郭のジャギーが少し目立つ程度です。ただ当然ながら、いくら精細だろうと小さすぎる文字は瞬時に読み取れません(しかしそういうデザインの文字盤や画面が多い)。
Q. 文字盤が腕の内側に来るように装着しても使える?
A. 腕を持ち上げた時に画面を点ける Raise to wake 機能は文字盤を腕の外側にした方が作動しやすい印象(と言っても0.5〜1.0秒くらい遅延したり反応しなかったり)ですが、内側にした場合でも腕の持ち上げ方、手首の回し方によっては作動します。
ただし腕の内側に装着した場合は意図せず画面を体に触れさせてしまい、知らないうちに画面が切り替わっていたり設定が変わっていたりすることがあります。
Q. 画面は表示させてから何秒後に消灯する?
A. 設定→Display→Auto lockで{5秒、10秒、20秒、30秒、1分、5分}から選べます。設定した秒数未満でも腕を下げると即座に消灯します。ただしこの省電力機能は、文字盤を腕の内側にした場合は動作しないようです(装着する腕が右でも左でも同じ)。
Q. 常時点灯もできる?
A. Control center に Wake for 5 mins(5分間点けたままにする)という機能のボタンがあります。
Q. 自動明るさ調整機能がないと不便?
A. 思ったほど不便ではないです。屋内では少し眩しい、屋外では少し暗い程度の明るさに調節しておけば問題ありません。
Q. バッテリー保ちは?
A. 以下の設定で3日間は余裕で保ちます。4日目は厳しい。
- 画面輝度 約35%
- 文字盤常時表示 OFF
- 心拍数の常時測定 OFF
- 血中酸素濃度の常時測定 OFF
- ワークアウト 1日に2回、40〜50分ずつ記録
- 睡眠 Advanced monitoring, Breathing scoreともにON
製品ページの謳う「最大18日間」(標準仕様で18日間、ヘビーユースで9日間)は運動記録をほとんどしない場合(60分 or 90分/週)だとページ末尾に書かれています。
Q. 睡眠のログはどうやって取る?
A. 時計をしたまま眠れば、特に何も操作しなくても勝手に記録してくれます。ポケモンスリープ(iPhoneを枕元に置いて記録する場合)よりも正確に眠りの深さと時間を計測できている印象です。
Q. 複数のアプリを同時並行で使える?
A. ワークアウト、タイマー、ストップウォッチなど一部アプリの使用中はその機能しか使えません。現在時刻なら(ごく小さな文字で)アプリ画面右上に表示されますが、タイマーアプリではそれすらも無く、残り時間表示だけです。
Q. iPhoneのHealthと連携できる?
A. できます。予めMi FitnessとHealthを連携させておけばBand 9 Active歩数データが自動で渡されるので、Healthの歩数データを参照するタイプのアプリにも歩数が伝わります(例えばCoke ONの歩数チャレンジの進捗にも反映される)。
Q. 歩数計の精度は?
A. 100歩あるくと歩数がちょうど100増えます。ただし手を洗う動きなどでも増えるので、測定値は実際の歩数より上振れする可能性が高いです。
Q. Stravaと連携できる?
A. できます。連携の設定をしておけば、Band 9 Activeでワークアウト記録後にiPhoneでMi Fitnessを立ち上げると自動でログがStravaに転送されます。ただしMiアプリ自体が不安定でなかなか転送されないことが度々あります。
Q. 心拍計の精度は?
A. 低すぎてびっくりしました! (個人差があるかもしれませんが)チェスト・ストラップ式の心拍計(Magene 旧H64)の測定値と比べると、安静時こそほぼ同じ値を示すものの、運動中はBand 9 Activeの方が10〜30 bpmも低く出ます(稀に正確な値を示すこともあるが長続きしない)。FTPのギリギリ下を狙って維持する、といった使い方はできません。
Q. ワークアウト機能は使える?
A. 使い物になりません。Outdoor Cycling と Outdoor Running を試しましたが、前述の通りそもそも心拍計の精度が低すぎるという問題があります。その他にも、
位置情報の途絶
ワークアウト中の位置情報はスマホから専用アプリMi Fitness経由で常時取得する仕様ですが、ワークアウトの開始から数分後に "weak signal" という警告がBand 9 Activeの画面に出て位置情報が途切れることがあります。購入直後は皆無でしたが、最近は毎回です。こうなるとワークアウトを一旦終了させて再び計測開始しないとダメで、忙しい時は使っていられません。私のiPhoneの問題か、Mi Fitnessのバグかは分かりませんが、不安定すぎます。
小さすぎる文字
現在速度や心拍ゾーンなど多数の表示項目を小さな画面に詰め込んだせいで、運動中は値をパッと確認できません。数秒凝視する必要があるので、自転車なら信号待ちなどのタイミング以外は危なくて見られません。ランニング中も腕の揺れがあるので確認が困難です。
一時停止の検知不良
完全に立ち止まっても現在速度が 0 km/h にならず、3〜4 km/h 辺りでウロウロします。移動時間に占める停止時間の比率を記録したいとか、走行中だけの平均速度を知りたいなどの用途には使えません。
無意味な心拍数警告
各種ワークアウトの設定に「〜 bpm以上で警告」という項目がありますが、前述の通り心拍計の精度が低すぎるので、警告が必要な時に一貫して鳴ることが期待できません。
血中酸素濃度が確認不可
前述の通り複数のアプリを同時並行では使えないので、別アプリである血中酸素濃度の値はワークアウト記録中には見られません。
Q. 長袖インナーと併用できる?
A. 裏面のセンサー類を肌に密着させる必要があるので、袖口を時計の幅の分だけ捲っておく必要があります。写真のように着用して極力隙間ができないようにすれば日焼けは防げそうですが、長時間炎天下で活動した場合までは分かりません。
Q. じゃあ隙間には日焼け止めを塗れば良い?
A. バンドが劣化するそうです。
バンドを溶剤、洗剤、虫除け剤、香水、日焼け止め、その他の化粧品や化学薬品に直接触れさせないでください。バンドの素材が損傷し、摩耗、変色、劣化を引き起こす可能性があります。
と付属の説明書に書かれています。