2021年7月25日日曜日

Magene S3+ Speed/Cadence センサーの計測異常

Magene製のスピード/ケイデンス兼用センサーS3+はホイールを高速回転させた時、特定の速度帯で計測値が狂う問題があります。

問題発生を確認した具体的な条件は、

  • センサーをスピードモードに設定し、ホイールのハブに取り付ける
  • センサーとペアリングしたスマホ側のアプリでホイール周長を2096mmに設定
  • クランクを手で回し、ホイールを 0.5 km/h/sec 程度でごく緩やかに加速/減速させる
  • 速度が58〜66km/h(A)または93km/h以上(B)の範囲に入る

で、この条件下では表示速度が突如、0 km/h, 18.9 km/h, 23.4 km/h, 41.8 km/hなど(速度帯A)、または52.6 km/h, 56.9 km/h, 65.5 km/h, 73.0 km/hなど(速度帯B)にガタ落ちします(どの速度が表示されるかはホイールの実際の回転速度で決まるようです)。

また、計測異常はどのアプリ(ELITE My E-Training, Wahoo Fitness, Magene Utility)でも同様に現れるので、アプリ側の問題ではなく大元の信号を発生させるセンサー側の問題である可能性が高そうです。

そこで、「これは設計に起因する構造的な問題ではないか?」と販売者のMagene公式ストア(AliExpress内)に問い合わせたところ、「これまで10,000個以上も販売してきた。[計測異常は]その個体だけの問題だ」と自信満々に答えるので(←しかし自社在庫の別個体で再現実験をして正常な動作が確認できたとは言っていない)、同じセンサーをもう一個買い足して試験したところ、最初に買った個体と全く同じ速度帯で全く同じ症状を呈しました。

以上から、ローラー台や長い下り坂で58km/h以上の速度を出す可能性がある人、700cホイールよりハブが高速回転する小径車に乗っている人にはMagene S3+センサーはお勧めできません。