2011年10月7日金曜日

江戸川の中流域から河口まで

利根運河。
明治時代にオランダ人技師が関わって開削されたが
運河としての時代は短く、治水、導水と役割が変わっていく。
嘗ての壮大な水路計画は潰え、今は長閑な散歩道。

水田の中を散歩する犬。
都市のスプロール現象とは言うけれど、
東京をちょっと出ればまだまだこういう景色が有る。



矢切の渡し。
以前の生活の足は観光資源として途切れずに続いている。
対岸の柴又側は鉄道駅に近いが、矢切側はご覧の通り。
船に乗る観光客は往復して柴又側に帰ってしまうらしい。

北総線の鉄橋。
河川敷はサッカーで賑わう。

対岸は野球、水面はジェットスキー。

国府台辺りでは川岸に急斜面が迫る。
黒々と茂る木々に突如切れ目が現れた。
急階段が口を開けている。
妖しい魅力に抗し切れず登ってみると、


何ともハイスペックな庭園に出迎えられる。
虚を突かれた。

「里見公園」だそうです。

川に戻り再び南下。
写真のような送電線が何系統も川を渡る。

妙典。
向こう岸に地下鉄東西線の車両が見える。
写真の少し左手、河口側に新しい橋を建設中で、
妙典側の土手は通行禁止になっていた。

その妙典側の土手から見た鉄塔。
遠くの集合住宅と相俟って
狂おしい程の相似美を現出させている。

元の岸に戻って河口へ南下。
海が近付き、砂や泥が目立ち始める。

京葉線の鉄橋。
潮干狩りの家族連れが点々と見える。

海へ真っ直ぐ注ぐ江戸川放水路から分岐して
旧江戸川に入ると川の表情は一変する。
右へ左へ蛇行しつつ新中川や新川と合流。
屋形船の会社も集中している。

雑然とした一帯を抜けて河口が近付くと景色が広がる。
対岸の浦安にはディズニーランド、鉄道、高速道路。
空には羽田空港へと降下する飛行機が飛ぶ。

浦安上空を飛ぶこのルートは羽田の新滑走路に合わせて
設定されたらしいが、地元には寝耳に水で、随分揉めている。
日本に合意形成の文化が浸透するのは何十年先になるやら。

もうそろそろ海。潮臭い風を顔に受ける。

小鷺だろうか、餌を探している。
この辺りは蟹が多い。