2017年1月7日土曜日

鈴ヶ森の自転車レーン

品川区南大井の鈴ヶ森付近の旧東海道に自転車レーンが整備されていました。
利用率、左側通行率ともに上々です。



旧東海道(特別区道準幹線30号)の南端、国道15号との交差点付近から見て行きます。
一方通行の車道の左右端にそれぞれナビマークが設置されています。

路線名は品川区の道路台帳(品川区統合型地図情報提供サービス)で調べられます。


途中から青色のペイントが始まります。


自転車の通行位置。このショットでは白線の外側ですが、


通行空間の幅が狭い事もあって、
ペイントは緩やかな目安として受け取られているようです。

道路交通法施行令1–2条4項1号には
道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に二以上の車両通行帯を設けること。
という規定が有ります。旧東海道のような一方通行道路で車道の左右を自転車専用通行帯に指定しようとすると、この「片側2本以上」という規定に引っ掛かるので、少なくとも片方は法定外路面表示扱いになります。利用者側からすればどうでも良い事ですが。


レーン幅はここから徐々に広がっていきます。


真新しい歩道。セミフラット型で、縁石が車椅子対応のスロープ形状です。
縁石上の黄色い凹凸加工が縁石の段差に代わる視覚障害者向けのtactile情報ですね。


電柱が民地寄りに建てられているのが特徴的。
細街路から出てくる車の視界の邪魔になりにくいです。


路上駐車は発生していますが、車の交通量が少ないので自転車にとっては
大した問題ではないです。ただ、時おり制限速度を大幅超過する車がいるので、
ブロック舗装やハンプも有った方が良さそう。


幹線道路の自転車レーンと違い、幅広い年代に気軽に利用されています。


横断歩道手前のボラードは違法駐車の予防用でしょう。
ドライバーの法令遵守意識に期待するより、駐停車を物理的に不可能にした方が
確実かつ永続的に問題解決できます。


測定しました。


青いペイント部分が93cm幅、白線が15cm幅。


続いて街渠ブロック(車両乗り入れ部)


スロープ部分が17cm、エプロン部分が24cmです。


集合住宅のアクセス道路。突き当たりは品川区民公園で
通過交通が無いので良好な環境です。


さらに街路樹によるクランクも。

生活道路の子供や老人に危害を加えるのは通過交通とは限りません。他ならぬその地区のドライバーという可能性も有ります (*)。ドライバーに人としての倫理観を期待するより、ヒトとしての衝動性を前提に道路の側で対策を取る方がよほど建設的で好感が持てます。

* 稲垣 具志・寺内 義典・橘 たか・大倉 元宏(2014)「生活道路における地区関係者と抜け道利用者の走行速度比較分析」『土木学会論文集D3(土木計画学)』70(5), pp.I_933-I_941



この程度の交通量の道路に信号機なんて要るかな。


脇道との合流地点でなんと車道上に自転車とまれマークが!

ここは道路交通法36条2項が適用されて旧東海道の自転車が優先されるので、このマークは交通ルールについて無用な混乱を招くものと言えます。

日本で過去に濫用されてきた歩道上のとまれマークには、見通しが確保できない交差点での出会い頭事故を防ぐ為の止むを得ない措置としての意義が有ったと思いますが、車道端に自転車レーン類を引く事にはその出会い頭事故防止の意味合いも有りますから、このようなマーク設置に、もはや合理性は認められません。今までの習い性でつい設置してしまったのかな。


上の写真の車道反対側に引かれた停止線。
車のタイヤが踏まない位置ですが何故か既に剥がれ始めています。


セブンイレブンの手前で法定外レーンは終わり。
見た目の類似性からか、路側帯を通行する自転車が見られます。


路側帯を強調した区間。
この先はもう北品川まで(法定外)自転車レーンは現われません。


ピクトグラムを設置するなら

現在の道路交通法では、
  • 路側帯は原則として歩行者用の通行空間で(10条2項)
  • 自転車は車道を通行(17条1項)
  • 歩行者の横を通過する時は相応の間隔を空ける(18条2項)
事になっているので、図のようなピクトグラムの設置が考えられます。


同じ旧東海道の南品川はこのようになっています。



ちなみに最近都心部で見掛ける機会が増えてきたマリカーの本拠地はこの近く。写真は撮れませんでしたが商店街を駆け抜けるカートを見ました。


以前東京タワーの近くですれ違ったマリカー

ただ、このサービスを狙い撃ちにするかのような商標を去年暮れに任天堂が出願したそうなので、いつまで見られるか……。