今のところブラウザのブックマークに入れてあったものが中心で、このブログで引用してきた資料はまだ全部は拾い切れていません。内容は玉石混淆で、一次資料以外も含みます。
とりあえずURLだけ貼りましたが、重複の整理、分類の改善、書誌情報の付記などは今後少しずつ行なっていくつもりです。最終的には文献解題のような形にしたいんですが、資料点数がこれだけ多いと、ちょっと自分の力量では難しいかも。
2017年2月16日追記{
分量が多すぎて管理が大変なのでスプレッドシートを作りました。今後少しずつデータを移動していきます。
}
2018年1月15日追記{
現在、個人的な文献管理はZoteroに移行してしまい、このページも、移行先のスプレッドシート(今は非公開)も、編集作業が止まっています(Zotero導入以前はこのページを自分用の文献データベースとしても使っていたので頻繁に更新できていたんですが、Zoteroがあまりに便利すぎて、このページを使う機会が滅多になくなったので)。
もちろん、Zotero上に集めた文献情報も、自分一人ではなく誰もが見られるようにしたいと考えていますが、手間を掛けずに公開する方法が分からず、手付かずになっています。
}
2022年9月1日追記{
分類や検索のしやすさを考えて2022年4月に自転車政策関連の文献改題に特化したブログを新たに立ち上げました。
}
目次
/* 並べ替え中 */
文献解題
設計指針
交通法規
専門機関
大気汚染
交通容量
自転車通行インフラ
路線網
単路
自転車レーンの仕様
独立自転車道(solitaire fietspaden)
自転車歩行者道
構造分離型の自転車レーン(protected/segregated bike lane)
ドアゾーンとドア衝突事故
Share the roadとVehicular cycling
自転車ナビライン(Sharrow)
バス自転車共用レーン
追突事故
副道
ゾーン30
Fietsstraat (bicycle street; bicycle boulevard; Fahrradstraße)
生活道路の通過交通対策
車の速度抑制
filtered permeability
緊急車両の通行
shared space
交差点
交差点設計
構造分離型の交差点(protected intersection)
自転車横断帯
advanced stop lineとbike box
赤信号での右折許可(right turn on red)
アイダホ・ストップ(Idaho stop; rolling stop)
自転車の渋滞
exit construction
ラウンダバウト(海外)
ラウンダバウト(日本国内)
自転車インフラ利用実態の調査報告
インフラ整備事例(海外)
インフラ整備事例(日本国内)
工事中の仮設通路
自転車インフラ形態と事故率
道路付属物
インフラ形態の選好と安心感(subjective safety)
子供の自立と交通環境
自転車と経済活性化(bikonomics)
都市・ネットワーク計画(海外)
Fietsstad
都市・ネットワーク計画(日本国内)
ロードプライシング
自転車の基本的な特性
交通分担率
事故統計
国会会議録
自転車・道路政策の歴史
nudge
交通参加者の振る舞い (user behaviour)
Sustainable safety (Duurzaam veilig)
交通安全教育
ヘルメット
リスク補償仮説
イヤフォン
携帯電話
灯火と服装駐輪
違反取り締まり
誤謬と詭弁
実験計画と推論
未分類
凡例
但し、半角の「&」はこのブログサービスのhtmlエディターでは「&」に自動で置き換えられてしまうので、「and」に書き換えている。
文献解題(2016年3月9日追加)
記名無し. (発表年の記載無し) "Statistics Library / Protected Bike Lane Statistics". people for bikes.
構造分離型の自転車レーンに関する安全性や心理評価、経済面への影響等の研究をまとめた一覧。
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/the-first-major-academic-study-of-protected-bike-lanes-in-the-u.s.-is-out
FHWA. (2013-12). “Separated Bike Lane Planning and Design Guide—Appendix A: Literature Review”
構造分離型自転車レーン(自転車道)の安全効果を始めとする種々の先行研究を要約している。それぞれの研究デザインも厳しくチェックしており、制御されていない因子(整備前後の交通量の変化など)が含まれる研究は低く評価されている。(2017年2月15日追加)
Mikael Colville-Andersen. (2011-08-16). “The Case for Bicycle Infrastructure”. Copenhagenize.com
自転車インフラの有効性に関する先行研究のハイライトを抜き出して集めた記事。自転車インフラを不要と主張する団体への対抗措置として纏められた。(2017年2月15日追加)
設計指針
オランダ
CROW. (2007). Design manual for bicycle traffic.
http://www.crow.nl/publicaties/design-manual-for-bicycle-traffic
オランダの専門機関CROWが発行した自転車インフラの計画・設計・管理の手引きの英語版。情報量は多いが、あまり詳細な設計例は載せず、原則を提示して読者(エンジニア)に能動的な思考を求めている。
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/document000033.pdf
http://www.crow.nl/publicaties/basiskenmerken-kruispunten-en-rotondes
Mark Wagenbuur. (2012-08-09). "Separate where needed, mix where possible". BICYCLE DUTCH
オランダの道路設計が「必要なら分離、可能なら混合」を基本としている事を紹介し、セルトーフンボスからロスマーレンまでの車載動画でその実態を説明している。日本では稀な沿道住民用のアクセス側道をゾーン30として車と自転車を混合させる形態が多いのが印象的。全区間通して殆ど停車を強いられていないのもポイント。(2016年4月5日追加)
デンマーク
City of Copenhagen. (2013-12). "Focus on cycling—Copenhagen guidelines for the design of road projects"(2016年6月12日追加)
Søren Underlien Jensen et al. (2000). “Idékatalog for cykeltrafik”. Vejdirektoratet(掲載ページ)
デンマーク道路局から2000年に発表された、自転車環境向上の為の包括的な施策集。自転車通行空間の設計速度について、平坦で25 km/h、勾配区間では1%ごとに2 km/h上乗せするとしており、下り5%勾配では35 km/hと例示している (p.50)。(2016年12月30日追加、2016年12月31日概要文追加)
ドイツ
Forschungsgesellschaft für Straßen- und Verkehrswesen (FGSV). (2010). "Empfehlungen für Radverkehrsanlagen"
道路交通研究機構が発表した自転車インフラの仕様についての勧告。(2016年8月10日追加)
http://www.hs-owl.de/fb3/fileadmin/stephan_rainer/Detmolder_Verkehrstag/2009/VT-DT-2009-2_ALRUTZ_ERA_neu.pdf
(2016年8月10日追加)
イギリス
Transport for London. (2014-12-20). London Cycle Design Standards
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter1-designrequirements.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter2-toolsandtechniques.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter3-streetsandspaces.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter4-cyclelanesandtracks.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter5-junctionsandcrossings.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter6-signsandmarkings.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter7-construction.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter8-cycleparking.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-indexandglossary.pdf
https://tfl.gov.uk/corporate/publications-and-reports/streets-toolkit
(2016年8月10日追加)
アメリカ
MassDOT Highway. (2015). "Separated Bike Lane Planning and Design Guide"
https://www.massdot.state.ma.us/highway/DoingBusinessWithUs/ManualsPublicationsForms/SeparatedBikeLanePlanningDesignGuide.aspx
マサチューセッツ州運輸局による構造分離型自転車レーン(自転車道)の設計指針。従来型の自転車レーンでは車への恐怖感から自転車利用を促進できないと認め、1970年代から約40年間続いた、安心感を軽視するアメリカの自転車政策からの転換を明確に示した。
"Guide for the Development of Bicycle Facilities, 4th Edition"
https://bookstore.transportation.org/collection_detail.aspx?ID=116
(2016年12月29日追加)
Alta Planning + Design. (2014-09). “Appendix A: Bicycle Facility Design Guidelines for the San Gabriel Valley Regional Bicycle Master Plan”
http://www.sangabrielcity.com/DocumentCenter/View/2808
(2016年12月29日追加)
Alta Planning + Design. (2015-12-18). "LESSONS LEARNED Evolution of the Protected Intersection"
アメリカの道路設計コンサルタントによるprotected intersectionの詳細な解説。整備事例の紹介付き。(2016年3月7日追加)
http://nacto.org/wp-content/uploads/2011/03/Nottinghamshire-Cycling-Design-Guide-2006.pdf
http://ecommerce.ite.org/IMIS/ItemDetail?iProductCode=IR-135
http://ecommerce.ite.org/IMIS/ItemDetail?iProductCode=LP-691
http://ecommerce.ite.org/IMIS/ItemDetail?iProductCode=LP-694
http://nacto.org/publication/urban-bikeway-design-guide/
http://nacto.org/publication/urban-street-design-guide/street-design-elements/transit-streets/
http://www.islandpress.org/book/transit-street-design-guide
https://www.fhwa.dot.gov/environment/bicycle_pedestrian/publications/separated_bikelane_pdg/
Institute of Transportation Engineers. (2010). "Designing Walkable Urban Thoroughfares: A Context Sensitive Approach: An ITE Recommended Practice"
掲載ページ(URL)、オンライン版(URL)(2016年4月14日追加)
Institute of Transportation Engineers. (2015). "Integration of Safety in the Project Development Process and Beyond: A Context Sensitive Approach"
掲載ページ(URL)(2016年4月14日追加)
Oregon Department of Transportation. (1995). "Oregon Bicycle and Pedestrian Plan—An Element of the Oregon Transportation Plan"
(2016年4月14日追加)
オーストラリア
Bicycle Network. (). "Good Design Guides"
オーストラリアの民間団体が纏めた自転車インフラ構築の包括的な手引き。各種インフラ形態とそれぞれの問題点などを、各国の設計指針を引きながら紹介している。(2016年6月28日追加)
日本
「道路構造令」
道路法の下に位置付けられる政令。自転車道や自転車歩行者道、自転車専用道路(サイクリングロード)についての基本的な基準(幅員については下限値のみ)を含む。
日本道路協会(2015年8月)『道路構造令の解説と運用』
「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000495.html
国土交通省・警察庁(2007年10月)「自転車利用環境整備ガイドブック」
抜粋版 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/06/061005/03.pdf
自転車歩行者道の交差点設計例にprotected intersectionと呼べる構造のものが図示されている。(2016年8月15日追加)
国土交通省・警察庁(2012年11月)「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」
(2016年8月15日追加)
国土交通省・警察庁(2016年7月)「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」(改定版)
初版の策定以降も自転車インフラの整備がなかなか進まない状況に業を煮やし、交通の激しい幹線道路であっても簡易形態での危険な整備を容認した改定版。その他、経路全体の総リスクで判断すべき一方通行/双方向通行の問題を地点事故リスクを根拠に一方通行化へと押し切るなど、現実の利用者の安全や利便性を軽視する、原理主義的で過激な姿勢が強まった。なお、ファイルが初版と同じURLに上書きアップロードされた為、初版にはアクセスできなくなった。(2016年8月15日追加)
国土交通省(1974年11月29日)「自転車道等の設計基準」
日本道路協会(2004年5月)『自転車道等の設計基準解説』
日本道路協会(2013年7月)『自転車利用環境整備のためのキーポイント』
交通工学研究会(2015年8月6日)『自転車通行を考慮した交差点設計の手引―平面交差の計画と設計』
国土交通省「道路技術分野(幾何構造)」
静岡県道路交通環境安全推進連絡会議(2012)「静岡県自転車道等設計仕様書」
国のガイドラインより早く策定された県独自の設計指針。線形の節では曲線によるシフトの設計法を提示しており(pp.27–28, pdf p.30–31)、国と県のガイドラインのレベルが逆転している。(2016年8月21日追加)
静岡県道路交通環境安全推進連絡会議(2013)「静岡県自転車道等設計仕様書」
(2016年8月21日追加)
建設省土木研究所(2000)「混合交通下における自転車及び自動車・歩行者の適正空間配分に関する共同研究報告書」
建築限界の基礎資料になる利用者の心理評価実験の報告あり。(2017年1月6日追加)
木村 泰・本田 肇・沖本 洋人・高宮 進(2012年11月)「敷地内実験を通じた自転車道の幾何構造に関する検討」『土木計画学研究・講演集』No.46
建築限界と線形シフトに関する利用者の評価を構内仮設環境での実走実験で調査しているが如何せん実験参加者の走行速度が低すぎて現実の自転車インフラの設計の参考にはならない。線形シフトについては静岡県の設計指針を引用するも、直線的な屈曲に置き換えた劣化オプションしか提示していない。(2016年9月9日追加)
諸田恵士・大脇鉄也・上坂克巳(2009年6月14日)「自転車道及び自転車レーンの適用範囲に関する一考察」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.39
(2016年9月12日追加)
鈴木 美緒・屋井 鉄雄(2009年6月14日)「欧州の大都市における自転車走行空間の設計基準とその運用に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.39
ドイツの自転車インフラ設計指針と、ドイツ国内の各都市で実際に整備されたインフラを比較し、各都市で異なる整備方針について考察している。(2016年9月12日追加)
大脇 鉄也・濱本 敬治・木下 立也・上坂 克巳(2010年6月6日)「交通状況に応じた整備すべき自転車通行空間の選択に関する一提案」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
自転車道に対して様々な難癖を付け、その整備が最小限に留まるように条件を調整した整備形態選択フローを示している。各整備形態の予想整備延長の試算もしている。(2016年9月12日追加)
山中 英生・屋井 鉄雄・金 利昭・吉田 長裕(2011年7月)「自転車等の中速グリーンモードに配慮した道路空間構成技術に関する研究」
(2016年9月12日追加)
交通法規
"Reglement verkeersregels en verkeerstekens 1990 (RVV 1990)". Overheid.nl
http://wetten.overheid.nl/BWBR0004825/
オランダの交通標識・交通規則法。第1条が用語の定義部で、自転車の通行位置についての規定は第5条に集約されている。
Ministry of Transport, Public Works and Water Management. (2013年1月16日).
"Road traffic signs and regulations in the Netherlands". Government of the Netherlands.
https://www.government.nl/documents/leaflets/2013/01/16/road-traffic-signs-and-regulations-in-the-netherlands
RVV 1990を一般向けに分かりやすく紹介する簡約版冊子(英語版)。尤も、原文のRVV 1990も平易な表現で書かれているので、内容はあまり変わらない。
"Code de la route". Legifrance.gouv.fr
http://www.legifrance.gouv.fr/affichCode.do?cidTexte=LEGITEXT000006074228
フランスの道路法。
https://www.touring.be/fr/articles/regles-de-circulation-pour-les-cyclistes
https://www.gov.uk/guidance/the-highway-code
http://www.gesetze-im-internet.de/stvo_2013/
http://www.bicyclegermany.com/german_bicycle_laws.html
http://chicargobike.blogspot.jp/2013/04/stvzo-german-bicycle-requirements-make.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36SE265.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO185.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35SE270.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35F03101000060.html
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012199001.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO180.html
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/kyousoku/index.htm
http://members.jcom.home.ne.jp/kinmokusei/jpn_law/history.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO110.html
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/2091/dokoho/kotsukiseikijyun/index.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO106.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32SE340.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S30/S30HO097.html
専門機関
http://www.swov.nl/index_uk.htm
http://www.fietsberaad.nl/?lang=en
http://www.itarda.or.jp/
大気汚染
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3639931/
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3230442/
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21672679
http://www.theguardian.com/environment/video/2014/aug/12/london-air-pollution-public-transport-video
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/news/exhaust-ing-ride-for-cyclists
CROW. (2010). "Kruispunten en luchtkwaliteit Een vergelijking tussen rotondes, verkeerslichten en groene golven"
大気汚染への影響という観点で信号制御交差点とラウンダバウトを概説。Tovergroenや公共交通優先制御などのグリーンウェーブ制御についても実現可能性やコストを論じている。(2016年2月22日追加)
Financial Times. (2016-09-02). “Is urban cycling worth the risk?”
事故リスクや健康効果などを複数の著者がそれぞれ担当したオムニバス記事。自転車に乗る事の健康効果が一部の都市では排気ガスへの曝露による悪影響に凌駕されるという図を示している。(2017年2月15日追加)
Kaur, S., Nieuwenhuijsen, M., Colvile, R. (2005-12). "Pedestrian exposure to air pollution along a major road in Central London, UK". Atmospheric Environment, 39(38), pp.7307–7320.
モニター歩行者にロンドンの幹線道路沿いの歩道を歩いてもらい、PM2.5、超微小粒子、一酸化炭素への曝露量を調査した研究。一酸化炭素を除き、同じ歩道でも発生源に近い車道寄りの方が建物寄りよりも曝露量が多い事を明らかにした。(2017年2月15日追加)
S. Kaur, M.J. Nieuwenhuijsen, R.N. Colvile. (2007-07). “Fine particulate matter and carbon monoxide exposure concentrations in urban street transport microenvironments”. Atmospheric Environment, 41(23), pp.4781–4810
レビュー論文。粒子状物質と一酸化炭素への曝露は歩行者・自転車より車の車内の方が多い事、発生源からの距離が曝露量に大きく影響する事、固定設置のモニタリング機器は都市の道路空間における個別の利用者にとっての曝露量の推定には使えない事などの結果を取りまとめている。(2017年2月14日追加)
Christine Kendrick, Adam Moore, Ashley Haire, Alexander Bigazzi, Miguel Figliozzi, Christopher Monsere, Linda George. (2011). “Impact of Bicycle Lane Characteristics on Exposure of Bicyclists to Traffic-Related Particulate Matter”. Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board, 2247, pp.24–32
旧来の自転車レーンと路上駐車枠で車道から隔てられた自転車レーンで粒子状物質への曝露量が違うとの測定結果。車由来の汚染物質への曝露をインフラの設計で緩和できると示唆している。(2017年2月14日追加)
Hanna Boogaard, Frank Borgman, Jaap Kamminga, Gerard Hoek. (2009-09). “Exposure to ultrafine and fine particles and noise during cycling and driving in 11 Dutch cities”.
Atmospheric Environment, 43(27), pp.4234–4242
車と自転車それぞれのPM2.5や騒音への曝露レベルが移動中にどう変化するかをリアルタイムで計測した調査。モペッドとすれ違う時の上昇が激しい。(2017年2月14日追加)
交通容量
Thomas Skallebæk Buch, Poul Greibe. (2015). "Analysis of Bicycle Traffic on One-way Bicycle Tracks of Different Width". European Transport Conference
デンマークの既存の自転車道での観察を元に、自転車道の幅員と{速度、追い越し時の間隔、交通容量など}の関係を分析した研究。(2016年6月1日追加)
道路付属物
車止め
David Hembrow. (2013-08-19). "Bollards on cycle-paths provide both an opportunity and danger ("The Fifty Bollard Game")". A view from the cycle path
50本のボラードを如何に効率的に配置して都市の自転車環境を最大限に改善できるかという「ボラード・ゲーム」の紹介; ボラードの機能分類(車の進入を防ぐもの、車の進入は許すが通り抜けを防ぐもの); ボラードの最小設置間隔が、身体障害者向け自転車や3輪自転車、トレイラーバイク、カーゴバイクなどが通れるように1mとされている事; ボラードの好事例と不適切事例の紹介; オランダではボラードとの衝突事故が年数百件起きており、特に高齢の自転車利用者にとって脅威になっているとの説明。(2016年8月7日追加)
Ed Cox, Maggie O'Mara. (公開日記載なし). "Bicycle Path Entry Control". Federal Highway Administration
車止めの問題点、設計上の留意点について議論する為の教材。
(2016年8月7日追加)
風防柵
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/kelenwindscherm.pdf
看板と路面表示
鈴木清・砂川尊範・竹林弘晃・吉岡正樹・土井健司(2012年6月)「自転車案内サインの視認特性と適切な案内誘導方策に関する考察~高松中心部におけるアイマークレコーダを用いた実測調査をもとにして~」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
(2016年9月12日追加)
自転車レーンの仕様
Theo Zeegers. (2004). "Widths and other aspects of bicycle lanes". Ketting 174:16-18.
自転車レーン(視覚分離型)の基本的な分類(専用通行帯型/優先通行帯型)、他の整備形態に対する利点と欠点、望ましい幅員(1.8-2.0m、最低でも1.5m)などを手短かに纏めている。自転車レーンよりも歩道側に駐車枠を配置する構造は事故の危険が高く、採用しないようにとの勧告が出ている事にも言及している。(2016年2月11日編集)
Transport for London. (2011). "Barclays Cycle Superhighways FAQs"
ロンドンのサイクル・スーパーハイウェイに青色路面が採用された背景がp.9に書かれている。(2016年2月11日追加)
Jonathan Maus. (2016-05-12). "City debuts new ‘Tuff Curb’ to create physical separation for bikeways". BikePortland.org
ポートランド市交通局が自転車レーンの分離工作物としてプラスチック製の縁石を試験設置したとのニュース。車道から嵩上げする形態に改修する予算が出ない中、安価・迅速に整備できる工作物として、これまでボラードやランブル・ブロックなどが試されてきたが、いずれも設置から数日で車に倒され、剥ぎ取られていた。
(2016年5月14日追加)
相知 敏行・山中 英生・北澗 弘康・神田 佑亮(2012)「自転車走行時の注視分析とサイン種別の評価」『土木学会論文集D3(土木計画学)』Vol.68, No.5, pp.I_909-I_916.
(2016年6月20日追加)
木村 泰・本田 肇・沖本 洋人・高宮 進(2012)「敷地内実験を通じた自転車道の幾何構造に関する検討」『土木計画学研究・講演集』46
(2016年8月21日追加)
小柳 純也・斉藤 祐紀・小早川 悟(2011)「構造的に区画された自転車用通行路における交通の実態―構造形態と交通ルールに着目して―」『土木学会論文集 D3 (土木計画学)』
(2017年3月11日追加)
独立自転車道(solitaire fietspad)
Mark Wagenbuur. (2012-11-29). "Unbundling modes". BICYCLE DUTCH
同一の道路空間内で車と自転車の通行空間を分離するのではなく、路線レベルで両者を分ける施策がオランダではしばしば見られる事を紹介し、セルトーフンボス南部で最近行なわれた路線分化を例に、平面図や現地写真、車載動画などで解説している。(2016年5月22日追加)
構造分離型の自転車レーン(protected/segregated bike lane)
https://bikeeastbay.org/news/oakland-celebrates-new-telegraph
(2016年5月19日追加)
http://road.cc/content/news/191681-paris-unveils-its-next-generation-cycle-lanes
パリで構造分離型の自転車レーンが開通したとのニュース。自転車の交通分担率を現在の5%から2020年に15%超に引き上げる計画の一環で、他にも自転車ラック1万基増設やVelibへの電動自転車の導入も。(2016年5月29日)
Londonist Ltd. (2016-04-29). "How Good Is The East-West Cycle Superhighway?". YouTube
(2016年8月9日)
車道中央の自転車レーン(center bike lane)(この節は2016年3月15日に追加)
Ryan Sigworth. (2013-10-30). "Will cycletrack barriers on Pennsylvania Avenue work?". Greater Greater Washington.
ワ シントンDCのPennsylvania Avenueの道路中央に引かれた自転車レーンを車が違法なUターンで横切らないようにと設置された工作物が、製造元の推奨設置間隔(最大2.5m)を大 きく上回る4.5m間隔で設置されている事を伝え、その有効性に疑問を呈している。
Alexandra Waters. (2013-11-06). "I will continue to ride, bent frame and all". Greater Greater Washington.
ワ シントンDCのPennsylvania Avenueの道路中央に引かれた自転車レーンを通行中、Uターンした車に撥ねられた女性サイクリストの体験談。交差点以外でのUターンは違法だが、物理 的には簡単にUターンできてしまう構造であり、しかもドライバーからは自転車が「見えなかった」。「ペイントするだけですぐ出来る!」という利点ばかりが 強調される自転車レーンの危うさを、身を以て伝える記事だ。
R.Duarte. (2014-03-27). "Bicicleta vs Carro en hora pico Bogotá". YouTube.
コロンビア、ボゴタの道路中央に整備された自転車道をラッシュ時間帯に走行した車載動画。ワシントンDCのインフラと違い、車道との間に広い緑地帯が設けられ、嵩上げもされているので、車が横切る恐れは無さそう。
http://wamu.org/news/14/07/07/ddot_abandons_zebras_designed_to_stop_illegal_u_turns_in_pennsylvania_avenue_cycle_track
(2016年4月30日追加)
http://www.waba.org/blog/2015/04/13-u-turns-on-pennsylvania-in-one-hour/
(2016年4月30日追加)
http://urbanplacesandspaces.blogspot.jp/2015/05/designing-conflict-in-vs-designing.html
(2016年4月30日追加)
http://wamu.org/news/15/05/04/illegal_u_turns_still_pose_big_problem_on_pennsylvania_avenue_cycle_track
(2016年4月30日追加)
http://dcist.com/2015/07/cue_courtland_milloy_column_in_3_2_1.php
(2016年4月30日追加)
http://greatergreaterwashington.org/post/22844/maybe-this-can-stop-u-turns-on-pennsylvania-avenue/
(2016年4月30日追加)
http://greatergreaterwashington.org/post/27679/which-dc-councilmembers-support-fully-protecting-the-pennsylvania-avenue-bikeway/
(2016年4月30日追加)
http://greatergreaterwashington.org/post/27714/cyclists-have-long-been-asking-for-a-safer-pennsylvania-avenue-its-coming-next-month/
(2016年4月30日追加)
このブログ(2016年3月9日)「中央分離帯を自転車レーンにするアイディアについて」
自転車インフラのデザインコンペで受賞した、中央分離帯を自転車レーンとして活用するアイディアについて、多数派ユーザーの要件を無視し、車の既得権益の温存に拘ったデザインであると酷評している。
Mikael Colville-Andersen. (2016-03-15). "Bicycle Infrastructure Fail(s)". Copenhagenize.com
ワ シントンDCの(Pennsylvania Avenueの)道路中央に整備された自転車レーンに対して、単路区間での沿道へのアクセス性の悪さや安全性の懸念、速い車の流れに両脇を挟まれる点(不 安感)などを挙げ、自転車利用者を人間として見ていない、自転車を都市の移動手段として利用促進する気がない、と厳しく批判している。そして、100年を 超える歴史の中で失敗と経験を積み重ねてきたコペンハーゲンのインフラ形態(自転車道を歩道に隣接させる形態がその一つ)が既に有るのだから、それを丸写 しするだけで良かったのだと説いている。
https://www.flickr.com/photos/16nine/25780134136/in/dateposted-public/
(2016年4月30日追加)
島式バス停(bus stop bypass; floating bus stop)
David Hembrow. (2013-08-12). "Ten Bus Stop Bypasses for Bicycles. Bikes, buses and bus passengers can be in harmony only when separated (floating bus stop)". A view from the cycle path
(2016年4月14日追加)
Mark Wagenbuur. (2013-09-05). "Riding around the bus stop". BICYCLE DUTCH
(2016年4月14日追加)
The Ranty Highwayman. (2013-08-07). "If you go back to the woods today"
(2016年4月14日追加)
John Stevenson. (2014-03-27). "Cambridge bus boss calls ‘floating’ bus stop plan “absolutely ludicrous”". road.cc
ケンブリッジの道路改修計画に含まれていた島式バス停構造に対してバス会社の社長が、
Chris Iverson. (2015-05-18). "The Importance of Floating Bus Stops"
(2016年4月14日追加)
Sarah Goodyear. (2015-05-27). "Toward the Peaceful Coexistence of Buses and Bikes—A design solution known as the “floating” bus stop is gaining attention in U.S. cities.". CityLab
自転車とバスの共存が困難である事から考案された島式バス停について、アメリカではまだ殆ど導入例が無い事、オランダでは普及している事、設計上の注意点を守ればバス乗客と自転車の事故の心配は無い事などを簡単に纏めている。(2016年4月14日追加)
DenizH. (2015-07-09). "Brighton floating bus stops gets safety approval". Get Britain Cycling
イギリス南部の都市、ブライトンで2年前から供用されている島式バス停(全14箇所)で、当初心配されていた自転車とバス乗客の事故が1件も起こらなかったとの発表を伝えている。バス停のシェルターには透明なパネルを採用して自転車とバス乗客が互いに死角に入らないように配慮した他、バス停横の自転車レーンバイパス部分は敢えてゼブラを引かず、歩行者を待たせる事で、足止めされるのを嫌う自転車利用者が車道を走ってしまわないようにした、とのコンサルタントの説明を引用している。(2016年4月14日追加)
Department of Transport. (2016-03-27). "Case study Continuous cycle lanes on main radial route: Lewes Road, Brighton". GOV.UK
ブライトンのLewes Road改修計画で最大の特徴だった島式バス停について、事業背景も含めて説明している。目標の設定と事前・事後調査の概要、事業実施の手続きなどの行政面の記述も参考になる。(2016年4月14日追加)
Cycling Embassy of Great Britain. (公開日記載なし). "Floating bus stop"
一方通行 vs 双方向通行(この節は2016年3月31日に追加)
http://urbanplacesandspaces.blogspot.jp/2010/11/dutch-thinkbike-project-in-dc.html
(2016年4月30日追加)
Paul James. (2014-02-28). "Bi-directional vs Single Direction Cycleways". Pedestrianise London
Paul James. (2014-12-18). "Cycling in Rotterdam 1 of 8". Pedestrianise London
Mark Wagenbuur. (2014-08-21). "Cycle route update: it’s all in the details". BICYCLE DUTCH
Mark Wagenbuur. (2014-10-09). "Dynamic sign to indicate the fastest cycle route". BICYCLE DUTCH
Mikael Colville-Andersen. (2014-06-03). "Explaining the Bi-directional Cycle Track Folly". Copenhagenize.com
このブログ(2015年7月23日)「一方通行 vs 双方向通行」
小川 圭一・森本 一弘(2012年11月)「交差点通過回数を考慮した自転車の通行位置と進行方向による交通事故遭遇確率の比較分析」『土木計画学研究・講演集(CD-ROM)』, Vol. 46, p. ROMBUNNO.206(別URL)
https://bikeeastbay.org/news/two-way-vs-one-way-protected-bikeways
http://www.treehugger.com/bikes/why-does-bicycling-explode-streets-two-way-bike-lanes.html
全ての自転車道を双方向通行にすればドライバーが逆行自転車を予期するようになって安全になるのではという仮説を検討したオランダの論文。結論は仮説を否定している。現状でも幹線道路沿いの自転車道は総延長の72%が双方向通行であることが根拠の一つ。(2019年11月19日追加)
自転車専用信号機(この節は2016年3月11日に追加)
http://www.bicycling.com/news/advocacy/this-city-is-adding-bike-friendly-traffic-lights-at-every-intersection
Tom Fucoloro. (2014-09-10). "2nd Ave bike lane continues to wow, city plans a few tweaks". Seattle Bike Blog.
シアトルの2番通りに構造分離型の自転車レーンが開通した直後、下り坂の途中にある交差点で、何人かの自転車利用者が車用の信号機を自転車用と誤認して赤信号を突破してしまった様子が報告されている。記事の写真を見ると、車用の信号機に近接する自転車用の信号機は目立たず、スピードが出ていると見落としやすそうに思える。また、信号機が交差点の対岸にしか設置されていない点も誤認の原因になりそうだ。
Mark Wagenbuur. (2014-10-16). "Why are we waiting? Protest for longer green times". BICYCLE DUTCH
ユトレヒトで自転車の信号無視に対する警察の集中取り締まりが実施され信号遵守率が向上した結果、自転車道に100m超の大渋滞が発生。調査したところ、自転車専用信号機の青時間を調整する感応制御系の検知器が故障しており、一度の信号サイクルで本来は30秒間点灯するはずの自転車用の青が6秒間しか出ていなかった事が判明。警察の取り締まり以前は信号無視によって渋滞発生が防がれ、問題が表面化していなかった。
別の交差点では、故障ではなくバス優先制御の為であるものの、自転車の赤時間が2分間もあり、信号待ちの自転車が歩道に溢れていた。オランダ自転車協会の地元支部がユニークな抗議キャンペーンを展開し、信号のタイミングの見直しに繋がった。
(2016年7月2日追加)
Mark Wagenbuur. (2016-06-21). "Traffic lights in ’s-Hertogenbosch; an interview". BICYCLE DUTCH
セルトーフンボス市の交通信号担当者、Eric Greweldinger氏へのインタビュー。信号機は人の助けとなるべきで、無意味な足止めは最小限に抑えるべきというブレの無い視点から、信号機に関する数々の工夫について解説している:
オランダでは信号機が交差点の対岸ではなく手前側に設置されるので、交差点進入後はもう運転者から灯火の色が見えない。この配置を活かして青信号の時間を秒単位で切り詰めている。歩行者用信号機は対岸に設置されるので横断中に信号が変わるのが見える事も有るが、飽くまで発進時の信号として従えば良い。
オランダの信号機は感応制御で、車道、自転車道にそれぞれ感知器(ループコイル)が埋め込まれている。この感知器で車両の接近速度も分かるので、速度に応じて青時間の秒数をコンマ以下の単位で切り詰め、交差道路の信号を早く青に切り替えている。
ギリギリの切り詰めによって捌き残し(転回する大型トラックなど)が生じ、交差道路の進路を塞ぐ事も有るが、ドライバーも馬鹿ではないので、そういう状況で発進したりはしない。安全上必要な最低限のクリアランス時間も確保している。
個々の車道、自転車道、歩道は、それぞれのネットワークの中での位置付け(主要路線かそれ以外か)で重要度を設定し、感応制御での青時間の割り振り方に反映させている。
路線バスの優先制御は以前は常に有効だったが、現在は個々のバスに識別タグを付け、バスの時刻表と照合する事で、早着しそうなバスは待たせ、他の交通モードを通す制御に変更した(conditioned priority)。
隣り合う交差点の連携制御は、その二つがよほど近接していない限りしていない。利用者が青信号の波に乗って走れていると感じるのは、複数の交差点を連携させているからではなく、個々の交差点の感応制御系が利用者を感知し、その利用者に合わせて信号を青に変えているから。
以前はグリーン・ウェーブ制御が持て囃されていたが、この制御は設定が難しく、利用者は運が良くないと波に乗れないし、大抵は一つの方向にしか働かない。また利用者の有無とは無関係に信号サイクルが回るので、交差する道路の利用者を無駄に待たせる事も有るし、利用者毎の速度の違いにも対応できない。この為、現在は自転車用にも車用にもグリーン・ウェーブ制御は使っていない。
フローニゲンの名物である自転車用の全方向同時青制御(tegelijk groen)については、ハーグが試験後すぐに元に戻した事、信号サイクル全体の時間や個々の利用者にとっての待ち時間がおそらく延びる事を指摘し、フローニゲンにはprotected intersectionが無い事がtegelijk groenを導入した理由だろうと締め括っている。
自転車用信号機に付いている、青に変わるまでの待ち時間を表示するインディケーターは、待ち時間が交通状況に応じてリアルタイムに変わるため、数字ではなくプログレス・バーを使っている。
感応制御系の感知ループコイルの1段目は、車道は交差点の60m手前、自転車道は25m手前に設置する /*2段目は停止線の直前*/。自転車道では2つのループコイルを75cm離して設置し、自転車の速度と方向を計算している。これにより/*双方向通行の自転車道で*/交差点から離れる方向の自転車を除外できる。交差点には念の為に押しボタンも用意されているが押す機会はあまり無い。
制御系は感知器で捉えた利用者をそれぞれの優先度に応じて重み付けし、それに基づいて信号機の青時間を調整(例えば遅延しているバスを優先)したり、利用者がいなければフェイズをスキップしたりする。
車道の信号機では青に変わるまでの残り秒数をカウントダウンする表示を試験導入し、交差点の交通容量を10〜15%増やせた。事故防止の為に交通状況によっては数字を出さない工夫もしている。
交差点の感応制御系は交通事故裁判での証拠としても認められており、「自分の信号は青だった」との自転車利用者の証言を覆した事も有る。
車両一台でも感知して信号を調整する制御や、赤信号の残り時間の表示によって、信号無視は自転車でも減少したとの印象。
セルトーフンボスではピーク時間帯、ドライバーの方が自転車利用者より信号での平均待ち時間が僅かに長い。それでも全ての道路利用者は20秒以上待たされる事は基本的に無い。
現在オランダ国内には約5500箇所の信号交差点が有り、うち1268箇所は2018年までに最新の制御に更新予定。信号機と車で情報を相互にやりとりし、車の側が信号のタイミングに合わせて速度を調整できるようにする仕組みも開発中。
コメント欄には読者から各国の信号事情が寄せられている:
プラハでは自転車用の信号が常に押しボタン制御で、交差点では必ず止まってボタンを押さなければならない。横断歩道の青時間が高齢者にとって短過ぎて短気で不注意な車に脅かされている。自転車と車の混合空間ではコイルループの感度が車に合わせてあり、自転車が認識されにくい。
タスマニアでは、記事で紹介されたようなシステムを導入しようにも予算が無く、信号サイクルは手動設定、自転車用の感知器は無く、制御サーバーはほんの1年前までWindows XPだった。
北米では自転車を保護する為に右左折車のフェイズが分離されている場合が有るが、秒数が固定されており、全ての交通参加者にとって遅れに繋がるので、完全な分離信号は道路利用者からも交通管理者からも嫌われている。
トロントのバス・トラムも車体下部にトランスポンダを備えており、路面のループコイルに情報を伝えているが、どの路線の車両なのか、曲がるのか直進するのか、遅延しているのか時刻通りなのかは伝達できない。カナダでは路面の凍結・解氷があるのでループコイルの保守管理費が高い。コスト削減の為に1車線あたりループコイルを1基しか設置しておらず、速度の認識精度が低いため、最後の車が通過してから信号が変わるまで1.8〜3.0秒の無駄が発生している。
ロンドンのWestminster Bridgeでは車、自転車、歩行者の順で信号が変わるが、長過ぎる赤信号に堪え兼ねて歩行者が自転車のフェイズで集団で渡り始めてしまう。
北米でも近年は固定信号サイクル+連携制御に対する疑念が高まり、自律式信号機が注目されている。
(2016年7月2日追加)
自転車歩行者道
http://www.abc.net.au/news/2016-05-09/is-there-a-speed-limit-for-bikes-on-footpaths/7391490
(2016年5月10日追加)
國行 浩史(2012)「自転車と歩行者の交通事故の実態」『ITARDA 第15回 交通事故・調査分析研究発表会』
自転車と歩行者の事故は自転車が歩道を通行している事が原因だと思われがちだが、2007〜2011年の死傷事故統計(負傷なし/軽傷は含まれていない)では車道横断中の歩行者を車道通行中の自転車が撥ねる事故(C+D)が約27%を占め、両者ともに歩道通行中(A)の約20%より多い事が分かる(p.10, 図18の数値から計算。但しこの図18の事故件数合計は前ページの図17の件数合計と一致しない)。(2016年7月3日追加)
Road Safety GB. (2014-01-15). “Minister confirms it’s OK for cyclists to ride on pavement”
"The introduction of the fixed penalty is not aimed at responsible cyclists who sometimes feel obliged to use the pavement out of fear of traffic and who show consideration to other pavement users when doing so."
(2017年2月5日追加)
佐々木 正大・浜岡 秀勝(2007-10)「自転車の走行挙動に着目した自転車事故防止対策に関する研究」『交通工学研究発表会論文報告集』27, pp.293–296
細街路交差点での出会い頭事故防止の為、歩道を通行する自転車には歩道の車道寄り部分を通行させるべきと指摘した研究。自転車と車それぞれの反応時間や減速度から停止に掛かる距離を算出し、歩道上であっても車道寄り部分なら衝突リスクが低いとの結果を、秋田市の某交差点(具体的な場所は明かしていない)での観察も踏まえて示している。
(2017年3月30日追加)
視覚的に分離された自転車レーン
buffered bike lane (enhanced bike lane)
自転車レーンと車道、自転車レーンと駐車枠の間にバッファを挟んだ構造
painted bike lane
バッファの無い自転車レーン
Charles Montgomery. (2013-11-15). "London's 'cycling superhighways' are ideal … for kamikazes". The Guardian
ロンドンで2週間足らずの間に自転車利用者が立て続けに車に轢かれて死亡した「暗黒の11月(Black November)」の最中に発表された記事。人々の振る舞いは道路のデザインで決まるとの視点から、名ばかり「スーパーハイウェイ」の危険性を指摘し、死亡事故の多発に関してインフラの欠陥ではなく自転車利用者の危険行為を責めたボリス市長(当時)を批判している。(2016年8月7日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=fh3dSbi1zug
(2016年8月9日追加)
advisory bike lane
自転車専用通行帯の規格を満たさない、法的効力の無い帯状空間
Hamburg. (2010-09-01). "Radfahrstreifen und Schutzstreifen Sicher und komfortabel Rad fahren"
正式な自転車レーンと簡易的な保護レーンの違いを図解しているハンブルク市による広報資料。(2017年2月22日追加)
自転車ナビライン(Sharrow)
http://nacto.org/wp-content/uploads/2010/08/San-Franciscos-Shared-Lane-Pavement-Markings-Improving-Bicycle-Safety.pdf
http://nacto.org/publication/urban-bikeway-design-guide/bikeway-signing-marking/shared-lane-markings/
The City of Austin Bicycle Team. (2010-07-15) "Effects of Shared Lane Markings on Bicyclist and Motorist Behavior along Multi - Lane Facilities".
テキサス州オースティンで複数の路線にsharrowを設置し、設置前後を録画して比較した結果、自転車の走行位置の平均値が車線中央寄りに移り、標準偏差も低下(バラツキが減少)した他、自転車を追い越す車も完全に車線変更する頻度が増え、車線跨ぎでの追い越しは減った。但し、横断面構成の図から分かるよ うに、駐車帯を除いた走行車線が4車線も有る路線にsharrowを設置した例も見られ、日本の道路環境に単純に適用できる調査結果かどうかは疑わしい。 また、これは道路利用者の挙動を調査したに過ぎず、事故率の変化は不明。(2016年3月2日追加)
Angie Schmitt. (2016-01-14). "Study: Sharrows Don’t Make Streets Safer for Cycling". Streetsblog USA
下の記事(Jaffe 2016)と同じ研究の紹介記事。内容の概説に加え、地区に居住する自転車通勤者数と実際に自転車に乗って対象区間を通行した人数は別であるという、研究結果を解釈する上での注意点を指摘している他、自転車利用を促進するには単にsharrowを描くだけでなく、自動車交通の大胆な抑制策と組み合わせる必 要が有る、とのDick Van Veenのインタビューにも言及している。(2016年3月2日追加)
Eric Jaffe. (2016-02-05). "Some Bike Infrastructure Is Worse Than None at All It’s time to put the sharrow to rest". CityLab
シカゴでsharrowが設置された路線は、自転車レーンが整備された区間や何のインフラも整備されなかった区間に比べ、自転車の通行台数の伸び率も、自転車通勤者数当たりの事故件数の減少率も劣っていた、という研究発表の紹介記事。(2016年2月28日追加)
木村泰・小林寛・鬼塚大輔・今田勝昭・上野朋弥(2015年6月)「走行実験を通じた矢羽根型路面表示の寸法・設置間隔に関する一考察」『土木計画学研究・講演集(CD-ROM)』 Vol.51, p.ROMBUNNO.37
(2016年6月28日追加)
新潟市(2014)「自転車走行空間路面表示設置実験結果について ~(主)新潟黒埼インター笹口線~」
交差点内に矢羽根型路面表示を設置して車道左端を通行する自転車を直線的に誘導した実験の報告。(2016年10月7日追加)
Dick van Veen. (2015-12-02). "Sharrows: the Big Leap Forward or Just an Evasive Side Step". Urban Commuter
オランダの交通コンサルタント会社Mobyconで働く交通工学・都市計画の専門家によるゲスト投稿記事。アメリカとカナダで近年導入が増えているSharrowについて、殆どの場合道路の制限速度がそのままにされており、自転車の保護にも利用促進にもなっていないばかりか、道路管理者や政治家がそれをインフラ整備実績と捉えてしまうリスクがあると批判している。その上で、オランダでは制限速度30km/h超の道路では自転車と車の混在通行は危険すぎるとして、最低でも自転車レーン、できれば自転車道で両者を分離するのが必須と紹介している。また、単に制限速度を引き下げるだけでは不充分で、道路構造もそれに応じたもの(対向車が来ている時は車が自転車を追い越せない狭さ)でなければならないと指摘している。(2016年8月10日追加)
Fietsstraat (bicycle boulevard; Fahrradstraße)
https://bicycledutch.wordpress.com/2012/07/12/before-and-after-s-hertogenbosch-3/
(2016年5月26日追加)
https://bicycledutch.wordpress.com/2015/04/07/another-new-bicycle-street-in-utrecht/
(2016年5月26日追加)
http://www.sustrans.org.uk/sites/default/files/images/files/Route-Design-Resources/Technical%20Note%2032%20-%20Cycle%20Streets.pdf
(2016年5月26日追加)
shared space(この節は2016年2月28日に追加)
http://bicycledutch.wordpress.com/2014/06/19/sharing-space-well-in-%CA%BCs-hertogenbosch/
http://www.pps.org/reference/shared-space/
http://www.jice.or.jp/jishu/t2/pdf/nitta.pdf
http://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/35-2-07.pdf
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2013/10/3333.pdf
http://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2011data/1110/1110Shared_Space_kyoto_city.pdf
http://www.solaripedia.com/files/1233.pdf
http://www.citylab.com/cityfixer/2015/03/6-places-where-cars-bikes-and-pedestrians-all-share-the-road-as-equals/388351/
http://archive.wilsonquarterly.com/sites/default/files/articles/WQ_VOL32_SU_2008_Article_03.pdf
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/Evaluation%20Laweiplein.pdf
Rowan Moore. (2012). "Exhibition Road, London – review". The Guardian
http://trrjournalonline.trb.org/doi/10.3141/2393-03
Benjamin Hamilton-Baillie. (2016-10). "Written submission from Mr Benjamin Hamilton-Baillie (DBE0067)". UK Parliament, Written evidence
shared space第一人者が議会に提出した意見書。shared spaceの歴史的意義やその特徴を簡潔に纏めている。(2016年11月8日追加)
Weili Dong. (2012). "Traffic Conflict And Shared Space: A Before- And After- Case Study On Exhibition Road". 1st Civil and Environmental Engineering Student Conference
ロンドンのExhibition Roadの整備前後で車と歩行者のニアミスをビデオ撮影して分析し、5ヶ所の観測地点の内、通過交通を排除したThurloe Streetを除く4地点ではニアミス頻度があまり変化していない事を明らかにしている(Figure 4)。車と歩行者の交通量当たりのニアミス発生率(全観測地点合計)では整備後は改善しているとも報告しているが、図中の数字を元に地点ごとに計算すると、Thurloe Streetでの大幅減が他の地点の微増を補っているように見える。(2016年10月9日追加)
David Hembrow. (2014-04-07). "Where the crashes are: Shared Space and other bad junction designs lead to crashes and injuries". A view from the cycle path.
shared spaceとして整備されたDrachtenのLaweiplein交差点(地図URL)が、実際には事故多発地点である事を指摘している。(2016年3月10日 概要追加)
Laweipleinの事故記録
https://www.youtube.com/watch?v=iUAhEQnaE-4
https://www.youtube.com/watch?v=pHwueWgjFfQ
https://www.youtube.com/watch?v=Sf-O5o4aqcs
Mark Treasure. (2016-03-09). "Removing isn’t always better – the problem with the ‘shared space’ term". As Easy As Riding A Bike
信号や横断歩道や縁石を無くして空間を共用させようとするshared spaceは、万能の解決策としてしばしば盲目的に使われる厄介な概念であるとの指摘。大量の通過交通を処理する路線を形だけshared spaceにした結果、却って歩行者の自由な横断を妨げる事になったイギリスの失敗事例を報告し、思考停止に繋がるshared spaceという用語の使用はもう止めようと提言している。(2016年3月10日追加)
Share the roadとVehicular cycling
John Forester. Forester
Vehicular cyclingの提唱者、ジョン・フォレスター氏のホームページ。自転車は一台の車として振る舞い、扱われる事で、より安全に、より高速に、より快適に走れると主張している。(2016年7月21日追加)
https://en.wikipedia.org/wiki/Vehicular_cycling
The VEHICULAR CYCLIST
(2016年7月21日追加)
https://nextcity.org/daily/entry/bike-lane-signs-drivers-cyclists-rules-of-road
Schrödinger's Cat. (2012-12-05). "Dutch scenes in a British context". The Alternative Department for Transport
自転車道などの高コストなインフラ整備は必要無く、人々に自転車に乗るよう呼び掛ける奨励活動をもっとすべきだ、との意見に対し、その種のキャンペーンはこれまで何も達成できておらず、何年にも亘って資金を無駄にしてきたと指摘し、(イギリスで義務づけられている)車道走行を普通の人々に求める事がどれほど非現実的かを、過酷なロンドンの道路環境にオランダの日常的な自転車利用者の姿をPhotoshop合成する事で示している。(2016年5月25日追加)
Schrödinger's Cat. (2015-01-28). "More Dutch cycling scenes in a British context". The Alternative Department for Transport
上の記事への反響を受けて作られた続編。イギリスで誰もが自転車を移動手段として気軽に使えるようにするには道路を変える必要が有り、車道を走る訓練や奨励は効果が無い、との意図を改めて説明しつつ、全く同じ手順で作られたPhotoshop画像が、Vehicular Cycling思想に取り付かれている人の手に掛かれば、皮肉ではなく、逆に宣伝材料にされてしまう、と実例を紹介している。(2016年5月25日追加)
Cycliq. (2015-03-25). "Riding Shotgun with Fly6 (V2)". Vimeo
テールライト一体型のビデオカメラのプロモーション映像。サイクリストが車道通行中に車から受ける加害行為の数々が捉えられている。(2016年7月29日追加)
Christian Jekat. (2016-03-21). "Radweg abgerissen: Radfahrer sind empört". NDR.de
湖畔の自転車道を撤去し、車道混在通行に転換したハンブルクの施策が如何に利用者から不評かを伝える映像。車との混在通行は安全で合理的だと言っているのがADFC(ドイツの自転車活用推進研究会みたいな組織)会員と市の道路担当者だけで、それ以外の全員が、現実の交通実態にそぐわない施策だと批判している。(2016年3月25日追加)
Schrödinger's Cat. (2016-03-23). "Cycleway removed, people are angry". The Alternative Department for Transport
Jekat (2016-03-21) のインタビュー音声を英語に翻訳して書き起こしている。(2016年3月25日追加)
Emma Jackson. (2016-07-12). "Don't be a jerk: Snarky signs tell drivers to respect cyclists" Metro News
工事で一時的に狭くなっている橋の車道で、車から危険な追い越しをされたりクラクションを鳴らされたとの苦情が自転車利用者から寄せられ、“Cyclists can take the lane(自転車は車線の中央を通行可)Stop honking!(クラクションを鳴らすのはやめろ!)”との看板が設置されたとのオタワの報道。遠回しな“Share the road”ではドライバーに理解されず、強い表現が必要との判断。看板設置に加え、集中取り締まりも行なわれ、2時間で29人のドライバーに追い越し違反の切符が切られた。看板は工事による自転車レーン整備後に撤去される予定。(2016年8月5日追加)
Alex Bowden. (2016-09-05). "US city to replace 'share the road' signs with 'bikes may use full lane' ones". road.cc
従来の"Share the road"標識は一部のドライバーから「自転車乗りに向けられた注意標識であり、その意味は『可能な限り縁石に寄って走れ』だ」と誤解されていた事から、曖昧さの無い文言、誤解を招かない色・形状の標識に変更する事になったとのオハイオ州コロンバスのニュース。過去の類例としてオタワ州の7月のニュース(旧標識では効果が無く、ドライバーがサイクリストに警笛の濫用やハラスメントをしていた為、文言をより具体的な“Cyclists Can Take the Lane – Stop Honking”に変更した)や、オレゴン州の去年のニュース(激怒したドライバーから文句を言われた事が切っ掛けで印刷会社の社長が同様の標識を自作した)などが紹介されている。(2016年9月5日)
車の速度抑制
http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/cgi-bin/gazo.cgi?no=211796
http://www.its.leeds.ac.uk/projects/primavera/p_calming.html
http://usa.streetsblog.org/2015/11/20/zig-zag-road-striping-calms-traffic-in-virginia/
http://nacto.org/publication/urban-street-design-guide/street-design-elements/vertical-speed-control-elements/speed-table/
ゾーン30(この節は2016年3月2日に追加)
https://nextcity.org/daily/entry/slow-speed-limits-cities-edinburgh-20mph
http://www.theguardian.com/environment/bike-blog/2016/mar/15/getting-people-cycling-residential-streets-more-than-20mph-limits-rat-runs
http://www.jste.or.jp/community/faq.html
このブログ(2015年1月31日)「ゾーン30を巡るボタンの掛け違い」
日本国内の専門家が、海外でゾーン30規制が適用される路線にどのような構造要件が有るのかに言及せず、単に「生活道路」という括りで捉えて報告書を纏めた結果、歩道が無い(か極めて狭い)生活道路や商店街道路といった、車の速度が30km/hでもまだ危険な環境にゾーン30規制が導入されていると警告し、そのような環境にはwoonerf相当の規制が妥当だと指摘した。(2016年4月16日追加)
OECD International Transport Forum. (2006). "Speed Management"(掲載ページ)
ゾーン30の30km/h制限の根拠として広く引用されている、衝突事故における車の速度と歩行者の死亡率のグラフを掲載している(p.41, pdf p.42)。日本国内の研究者はこの「死亡率("Probability of fatal injury")」を「重傷率」だと誤解している節がある。(2016年6月4日追加)
Global Road Safety Partnership. (2008). "Speed management: a road safety manual for decision-makers and practitioners"
OECD (2006) のグラフを引用した資料。日本の警察庁通達の根拠になった報告書はグラフをこちらから孫引きしている。(2016年6月4日追加)
Höskuldur R.G. Kröyer. (2015-07). "Is 30 km/h a ‘safe’ speed? Injury severity of pedestrians struck by a vehicle and the relation to travel speed and age". IATSS Research, Vol.39, Iss.1, pp.42-50.
衝突事故による歩行者の重傷度と車の速度(衝突時の速度ではなく、その事故地点の平均実勢速度。例えば交差点左折時の事故なら左折中の車の速度)の関連を調べたスウェーデンの研究。(2016年4月8日追加)
CROW Fietsberaad. (2009). "Fietsers profiteren nog te weinig van veilige 30 km/uur-wegen".
要約: 30 km/h制限道路で歩行者・自転車利用者が車に撥ねられて死傷する事故が増加 (重傷事故が1995年の27件から2007年の590件、死亡事故が3件から16件) しているものの、その主たる理由は30 km/h制限道路そのものの増加である (1989年以降、30,000 km以上の道路が30 km/u-zoneに転換された)。しかし自転車利用者の重傷者数はそれ以上のペースで増えており (30 km/h制限道路1,000 km当たりの重傷者数は過去10年で2.4人から11.7人に増加)、規制速度の実効性や交差点・横断歩道の安全性を担保する策が不足している事が指摘されている。(幹線道路の制限速度の規定値である) 50 km/h 制限を30 km/h制限に転換する事で歩行者・自転車利用者の死亡事故が大幅に減少している事は事実なので、SWOVは規制速度に見合った道路構造の研究・助言を強化していく。(2016年11月27日追加)
"Making minor rural road networks safer: The effects of 60 km/h-zones".
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21545884
(2016年12月18日追加)
副道
Mark Wagenbuur. (2012-05-21). "Dutch service streets and cycling". BICYCLE DUTCH
市街地の幹線道路の側道をゾーン30化し、車と自転車を混合通行させるインフラ形態について解説している。以下、記事の要点: 側道は各交差点の手前で終わるので、その都度、車は本線に合流しなければならない; 本線と側道で異なる制限速度を設定できるので、30km/h制限の側道では自転車レーンや自転車道を省略できる; 交差点を挟んだ別々の側道の間を自転車道で接続する事で、自転車は本線に合流させられずにそのまま安全に通行できる; 近年は側道をサイクル・ストリートに改修し、自転車が優先される事を視覚的に明確化(赤い着色舗装)する例が増えている。コメント欄にも有益な指摘が見られる: 側道内の一方通行規制は自転車が除外されている場合とそうでない場合が有る(恐らく幅員による違い); (本題からは外れるが)街路樹の木陰はサイクリストにとって重要; ロンドンにも側道は有るが、本線と違って優先通行権が得られない(脇道から本線に、側道を横切って出入りする車に優先通行権が与えられている)他、交差点の手前で自転車も本線に合流しなければならない(側道が無くなった分、沿道の建物が迫り出してくる)為、側道を選ぶサイクリストは少ない; ロンドンの側道はまた、駐車空間と通行空間の区分が曖昧で、駐車が無秩序(車道の左右だけでなく歩道上にも)であり、舗装もターマックの本線に対してコンクリートで、陥没も有る。(2016年5月14日追加)
http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/kannai2005/03/10.pdf
構造的分離を伴わない簡易的な「緩速車線」の効果の試算。都内の道路では明示的に設置しなくても既に交通実態がそうなってる気もするけど。(2016年5月26日追加)
インフラ形態の選好と安心感(subjective safety)
https://www.rita.dot.gov/bts/sites/rita.dot.gov.bts/files/subject_areas/omnibus_surveys/targeted_survey/2002_national_survey_of_pedestrian_and_bicyclist_attitudes_and_behaviors/survey_highlights/index.html
http://eprints.qut.edu.au/53981/
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/survey-protected-bike-lanes-are-more-than-twice-as-comfortable-as-striped-o
http://www.cbc.ca/news/canada/calgary/cycle-track-calgary-support-1.3359497
Nathan McNeil, Christopher M. Monsere, and Jennifer Dill. (2015). "Influence of Bike Lane Buffer Types on Perceived Comfort and Safety of Bicyclists and Potential Bicyclists". Journal of the Transportation Research Board, No.2520, pp.132–142.(別URL)
http://njbikeped.org/portfolio/the-3-foot-law-lessons-learned-from-a-national-analysis-of-state-policies-and-expert-interviews/
https://departmentfortransport.wordpress.com/2014/12/26/a-study-of-the-obvious-a-franklin-on-your-shoulder-and-the-myth-of-the-inexperienced-cyclist/
http://www.cycling-embassy.org.uk/news/2016/05/26/cycling-embassy-open-letter-to-cycling-minister-over-comments-on-barriers-to-women
(2016年5月27日追加)
「心拍変動を用いた自転車利用者の幹線街路評価に関する研究」
(2016年8月9日追加)
金 利昭・木梨 真知子・根本 奈央子(2010年6月6日)「新しい自転車走行空間の受容性と整備戦略に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
自転車歩行者道以外の通行空間整備に政策を誘導する目的で各通行空間の選好度をアンケート調査したもの。回答者に対して、事故リスクが最も高いのは歩道、次いで自転車道で、自転車レーンが最も安全という根拠の不確かなダミー情報まで提示して自転車レーンに回答を集めようとしているが、それでも回答は自転車道が単独で過半数を占めている。(2016年9月12日追加)
金 利昭・渋谷 大地(2015年6月6日)「自転車利用者のストレス計測に関する研究」『第51回 土木計画学研究発表会・講演集』
Polarの無線心拍計(POLER-800CX)で得た心拍数の変動をストレス指標として用い、自転車と歩行者の混在通行環境下では、非混在環境よりもストレスが(特に歩行者で)高い事を明らかにした研究。「瞬間ストレスからみた場合、歩行者と自転車の視点では、両者とも自転車が歩道を走行するより車道走行の方がストレスが小さくなった。」とも述べているが、実験は茨城大学構内の実験街路で自転車と歩行者のみを配置して行なわれたものであり、車道走行のストレスについては本来語り得ない。(2017年1月6日追加)
矢野 伸裕(2015)「自転車が歩道を通行する理由」『月刊交通』46(5), pp.4–11
将来もし歩道通行が禁止されても歩道を通行するとの回答が大半というアンケート結果を報告し、利用者の不安や要望に応える施策が必要であると示唆している。(2016年9月28日追加)
子供の自立と交通環境(この節は2016年3月16日に追加)
http://www.psi.org.uk/children_mobility
http://gsc.sagepub.com/content/1/3/226.full.pdf+html
自転車と経済活性化(bikonomics)この節は2016年3月16日に追加
http://www.smartgrowthamerica.org/research/safer-streets-stronger-economies/
https://bicycledutch.wordpress.com/2015/09/03/candidate-cities-for-the-best-cycling-city-of-2016-announced/
http://www.nyc.gov/html/dot/downloads/pdf/dot-economic-benefits-of-sustainable-streets.pdf
(2016年5月31日追加)
http://bikepgh.org/2016/07/01/it-all-started-out-with-a-parking-problem/
(2016年7月6日追加)
交差点設計
Matt Turner. (2015-05-24). "A Dutch residential area in Utrecht". YouTube
ユトレヒトの住宅街を貫く自転車・モペッド専用道の車載動画。車道との交差箇所(0:28)はcenter refugeによって自転車・歩行者が安全確認の認知負荷を分散できるように設計されている事が分かる。(2016年4月7日追加)
http://heijmans.nl/en/bikescout/
(2016年6月21日追加)
沼田 仲穂・寺中 祐典・紫藤 聖也・北島 洋樹(2013)「自動車の左折時における自転車との衝突危険性の考察」『自動車技術会論文集』Vol.44, No.1, pp.111–118
信号交差点で道路左側の歩道から横断帯に進入する自転車と左折自動車との衝突について、ドライバーが十分な注意を払っていても避けるのが難しい場合が有る事を、実車による走行実験(認知実験と制動実験)で明らかにしている。使用車両は死角が大きいと言われる中型SUVだが、ドライバー役の被験者5名は21〜23歳の男性で、高齢者も含むドライバー全体に比べれば運転が慎重なのではないか、認知や判断が素早く的確なのではないかと思われる点に留意が必要。交差点に接近する自転車が被験者から感知された地点はバラツキが非常に大きかったものの、その平均値から、ドライバーの視野角が正面から左に78度までの範囲だと推測している。制動実験では徐行状態と再発進直後のそれぞれで、ランダムなタイミングに急制動を指示。ペダル踏み替えの時間ロスも含めた停止所要時間・所要距離を測定し、個人差も考慮して1.5秒程度の余裕が必要としている。最後に両実験の結果を組み合わせ、自転車が徐行しない限り、衝突回避は困難と結論付けている。
(2016年8月23日追加)
坪井慶英・嶋田喜昭・舟渡悦夫(2012年6月)「信号交差点部における歩行者の影響を考慮した自転車滞留特性の分析」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
交差点で自転車利用者と歩行者がそれぞれどこで信号待ちをし、互いにどこでニアミスを起こしているかを実地観察した研究。交差点周辺で自転車と歩行者を混在させるという整備方針をそのまま反映した通行・ニアミス実態を明らかにしている。
(2016年9月12日追加)
A.RAHIMI A. Rahman・小嶋 文・久保田 尚(2012年6月)「交差点における自転車安全対策に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.45, p.ROMBUNNO.306
(2016年9月12日追加)
(2016年9月12日追加)
木村 泰・本田 肇・伊藤 克広・金子 正洋(2011年)「交差点部における自転車走行特性に関する一考察」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.43
京都・五条通の自転車道で細街路との無信号交差点と、幹線道路との信号交差点のそれぞれに自転車の誘導を目的とした介入をし、ニアミスと動線の違いを実地調査した研究。無信号交差点では(車道と自転車横断帯の間に車の滞留スペースを設ける為に)車道側の自転車道の直線性を大きく損ねて歩道の延長線上の自転車横断帯に強引に誘導した結果、屈曲部でニアミスが集中的に発生し、利用者からの評価も低かった。信号交差点では交差点の角部分に自転車を誘導する青色の枠線を引いた結果、五条通を直進する自転車の約8割、交差道路から五条通に左折進入する自転車の約5割が設計意図通りの動線を描いたが、線に気付かなかった利用者もいた。(2016年9月12日追加)
石見拓也・吉田長裕(2010年6月)「車道上自転車通行帯を有する信号交差点における自転車と左折車の錯綜分析」『土木計画学研究・講演集』Vol.41, p.ROMBUNNO.375
交差点手前の自転車レーンの有無・形態がそれぞれ異なるコペンハーゲン、ポートランド、尼崎、シアトルの4都市の交差点をビデオ録画し、その映像を分析している。左折(海外では右折)車と自転車の錯綜は交差点手前で自転車と車を混在させるコペンハーゲンで多く、優先関係が曖昧になっていると指摘している。(2016年9月12日追加)
渡辺 章彦・遠藤 亮太・和田 健之・下原 翔平・島崎 敏一(2010年6月6日)「自転車走行環境の交差点付近での影響」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
自転車通行空間の形態ごとの自転車利用者の法令遵守率を比較している。しかし違反の判定基準がシビア過ぎる(「歩道の車道寄り部分を通行」や「自転車横断帯の中を通行」など)為、利用者の挙動というよりインフラの不寛容さを浮き彫りにする研究としての性格が強い。(2016年9月12日追加)
蓑島 治・金子 正洋・松本 幸司(2009年6月)「交差点における自転車の危険事象発生状況と滞留特性の把握」『土木計画学研究・講演集』Vol.39, p.ROMBUNNO.363
歩道内の自転車道を交差点手前で打ち切った大阪・中央図書館前交差点と、自転車レーンを交差点手前で打ち切った東京・西葛西8丁目交差点のそれぞれで、自転車の交差点周辺の動線やニアミス、信号待ちの滞留位置・滞留中の他の自転車との間隔を実地調査した研究。前後方向で断絶があり、左右方向でも揃っていない自転車通行空間の問題を端的に示している。(2016年9月12日追加)
小柳 純也・長田 哲平・小早川 悟(2013年6月)「自転車走行専用空間が交差した信号交差点における自転車の走行実態の分析に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.47, p.ROMBUNNO.177
(2016年9月12日追加)
構造分離型の交差点(protected intersection)
Nick Falbo(公開日記載なし; 埋め込み動画の投稿日は2014年2月14日)"Protected Intersections for Bicyclists | A new design for US streets"
自転車の安全性を確保する為に、オランダの交差点設計の知見を参考にした設計コンセプトを提示し、普及させる事を目的としたサイト。参考資料の出典付き。
Paul James. (2015-02-01). "The Left Hook Problem". Pedestrianise London
車道から左折する車と自転車道を直進する自転車の衝突防止策としてオランダの道路設計に取り入れられている工夫(縁石による段差や、多くの用途を持つ緩衝帯の重要性)を詳しく解説している。道路横断面の図で、歩道・自転車道・緩衝帯がそれぞれどのように車道平面から嵩上げされているのかが分かりやすい。(2016年5月17日追加)
Marc Caswell. (2015-06-30). "America Could Have Been Building Protected Bike Lanes for the Last 40 Years". Streetsblog USA
全米初のprotected intersection開通を前に、その構造がアメリカにとって実は目新しいものではなく、1970年代の設計指針に既に掲載されていた事を紹介し、その指針が実際の道路整備に活かされなかった背景に、Vehicular cycling思想を信奉するヴォーカル・マイノリティーの執拗な反対運動が有ったと指摘している。(2016年9月27日追加)
Michael Andersen. (2015-08-11). "America’s first protected intersection is open in Davis - and working like a charm" PeopleForBikes
アメリカ初のprotected intersectionがデイヴィスで開通した背景(オランダ視察した市議会議員が当初の改修計画では駄目だと判断、建設コンサルのMobyconに依頼、protected intersectionに設計変更して実現)を紹介し、開通後は誰も混乱せず、新しい交差点構造が安全かつ円滑に機能していると報告している。(2016年2月22日追加)
Here and Now(2015年9月30日)"‘Protected Intersection’ For Bikes Opens In Salt Lake City"
Nick Falbo氏のプレゼンテーション動画の公開から僅か1年半ほどで、protected intersectionがデイヴィスとソルトレイクシティーで実現した事を伝える記事。専門家を招いての対談音声付き。
CITE_admin. (2015-10-27). "Vancouver and the Protected Intersection". Canadian Institute of Transportation Engineers Canadian Institute of Transportation Engineers
2014年にバンクーバーで建設された、北米初のprotected intersectionの背景説明。市が目指す将来の都市像や、周囲の道路網の事情、改修対象となった交差点の設計課題などが簡潔にまとめられている。図は少なめ。(2016年4月27日追加)
Ross Kenny. (2015-11-07). "Vancouver’s Protected Intersections for All Ages and Abilities Cycling"
バンクーバー初のprotected intersectionの説明スライド。図や写真が豊富。(2016年4月27日追加)
London Cycling Campaign. (公開日記載無し). "Better Junctions"
従来ロンドンで採用されていたAdvanced Stop Line(通称 bike box)が交差点での自転車事故を防ぐには不充分だった(車がbox内に侵入する、自転車に追突する、信号が青に変わってから交差点に来た自転車を左折車が巻き込む、直進自転車と対向右折車が衝突する)と指摘し、それに代わる新たな交差点構造、cycle segregated junctionを提案している。但し、直進自転車と左折車は信号で分離する前提なので、アメリカが2015年夏にオランダの知見を参考に導入した protected intersectionとは異なり、自転車レーンのシフトは無い。二段階右折の待機スペースも心許ない。(2016年4月14日追加)
David Meyer. (2017-04-07). “Cones to the Rescue — Safer Turns at First Ave and 9th Street”. StreetsBlog NYC
交差点手前で左折車と自転車を混在させる構造の交差点で発生した左折トラックの自転車巻き込み事故を受け、その二日後にTransformation Department(対応の遅い市交通局に代わり自転車通行空間の安全を直ちに確保する為の三角コーンを設置する活動をしているゲリラ団体)が交差点に複数の三角コーンを配置したというニュース。コーンは左折車と自転車の混在を解消し、左折車に小さな半径での(つまり低い速度での)旋回をさせる効果が期待されている。日本国内の専門家が範とし、実際に日本国内で整備が広がりつつあるアメリカの交差点設計の思想が実は安全に繋がっていないと露呈する象徴的な出来事。(2017年4月13日追加)
自転車横断帯
Byron Kidd. (2013-11). "Police Systematically Removing Bicycle Crossings Around Tokyo". Tokyo By Bike
(2016年4月19日追加)
Laura Laker. (2016-04-18). "Safer cycle infrastructure possible after signage rule changes"
(2016年4月19日追加)
このブログ(2015年6月2日)「実は理想に近かった従来の交差点構造」
(2016年4月19日追加)
デンマーク
Søren Underlien Jensen, Michael Aakjer Nielsen. (1996). "Cykelfelter - Sikkerhedsmæssig effekt i signalregulerede kryds". Rapport nr. 51
信号交差点への自転車横断帯(交差点内に引かれる青い帯状の路面表示)導入の安全効果を評価した研究。全国の事故統計を元に、自転車横断帯を整備しなかったとの仮定で期待される個々の交差点の事故件数を推測し、その件数と実際に整備交差点で発生した事故件数の間に有意差が見られるかどうかを調査している。自転車横断帯を導入した32ヶ所の交差点では自転車は事故の総件数と死亡・重傷事故件数が有意に減少した。自転車横断帯以外の安全策を導入した15ヶ所の交差点でも事故件数は減少したが有意差ではなかった。主に減少した事故は左折車と対向自転車(日本の右直事故に相当)。自転車横断帯のタイプ別では、青色の帯状にペイントしたタイプが最も安全効果が高く、30cm角の白いドットを並べただけのタイプは有意差を検出できなかった。(2016年12月23日追加)
Søren Underlien Jensen, Vejdirektoratet, Trafiksikkerhed & Miljø. (1996). “Cykelfelter. Sikkerhedsmæssig effekt i signalregulerede kryds”
http://www.trafikdage.dk/td/papers/papers96/sikker/jensen/b_jensen.htm
http://www.trafikdage.dk/td/papers/papers96/sikker/jensen/jensen.pdf
(2016年12月23日追加)
Søren Underlien Jensen. (2006-10). "Effekter af overkørsler og blå cykelfelter"
(2016年12月23日追加)
(). “Sikkerhed for cyklister i kryds”
http://www.celis.dk/filer/Sikkerhed_for_cyklister_i_kryds.pdf
(2016年12月23日追加)
advanced stop lineとbike box
Dill, Jennifer and Monsere, Christopher M. (2010). "Evaluation of Bike Boxes at Signalized Intersections [Presentation]". Urban Studies and Planning Faculty Publications and Presentations. Paper 66.
オレゴン州ポートランドのbike box導入実験。ビデオ録画による挙動調査と街頭アンケートで導入前後を比較している(対照群あり)。bike boxの設置によって、赤信号の間に交差点に到着した車が停止線を越えて横断歩道に侵入する率が低下し、車が自転車に道を譲る率が向上した。bike box空間の内、自転車の信号待ちの位置は主に単路の自転車レーンの延長線上の部分で、車の前方に位置する部分で待機したのは9%だけだった。(2017年2月11日追加)
赤信号での右折許可(right turn on red)
車
https://en.wikipedia.org/wiki/Right_turn_on_red
(2016年4月19日追加)
Paul Zador, Jack Moshman, Leo Marcus. (1982-06). “Adoption of right turn on red: Effects on crashes at signalized intersections”. Accident Analysis & Prevention, 14(3), pp.219–234.
アメリカで車に対し赤信号の交差点を右折可にする法改正が為された結果、法が未施行だった州に比べて事故が20%以上増加したとの論文。(2017年2月12日追加)
ベルギー
http://road.cc/content/news/39127-belgium-moves-towards-right-turn-red-cyclists
(2016年4月19日追加)
デンマーク
http://road.cc/content/news/198965-denmark-cyclists-allowed-turn-right-red-lights
(2016年7月29日追加)
http://www.xpats.com/cyclists-allowed-run-red-light-brussels
(2016年4月19日追加)
http://www.dr.dk/nyheder/regionale/midtvest/succes-med-cyklister-drejer-trods-roedt-lys
(2016年4月14日追加)
http://cphpost.dk/news/right-turns-at-red-lights-trial-for-bicycles-a-success.html
(2016年4月14日追加)
http://road.cc/content/news/186341-danish-%E2%80%98turn-right-red%E2%80%99-trial-worked-says-government
自転車にだけ赤信号での交差点右折(日本の左折に相当)を許可するデンマークのパイロット実験が成功しているとの報道。(2016年4月14日追加)
パリ
http://www.paris.fr/actualites/apres-le-tourne-a-droite-la-ville-experimente-de-nouveaux-mouvements-pour-les-cyclistes-aux-feux-3647
(2017年2月20日追加)
http://www.paris.fr/actualites/a-partir-de-cet-ete-le-cedez-le-passage-cycliste-au-feu-rouge-est-generalise-dans-paris-2719
(2016年5月9日追加)
http://www.bbc.com/news/world-europe-33446899
(2016年5月9日追加)
http://www.theguardian.com/cities/2015/oct/27/cyclists-run-red-lights-paris-london-san-francisco
(2016年4月19日追加)
http://www.bbc.com/news/magazine-33773868
(2016年4月19日追加)
http://www.bbc.com/news/world-europe-33446899
(2016年4月19日追加)
http://www.cyclingweekly.co.uk/news/latest-news/cyclists-in-paris-are-now-allowed-to-jump-red-lights-181510
(2016年4月19日追加)
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/france/11728098/Paris-to-allow-cyclists-to-skip-red-lights.html
(2016年4月19日追加)
http://next.paris.fr/english/english/cyclists-in-paris-can-now-legally-ride-through-some-red-traffic-lights-in-the-city/rub_8118_actu_156536_port_19237
(2016年4月19日追加)
http://www.fastcoexist.com/3048776/in-paris-its-now-legal-for-bikers-to-run-the-red-lights-that-theyve-been-running-anyway
(2016年4月19日追加)
http://www.treehugger.com/bikes/city-paris-let-cyclists-go-through-some-red-lights.html
(2016年4月19日追加)
https://www.eta.co.uk/2015/07/13/cyclists-can-run-red-lights-in-paris/
(2016年4月19日追加)
アイダホ・ストップ(Idaho stop; rolling stop)
https://vimeo.com/4140910
(2016年5月9日追加)
http://brandonwhyte.businesscatalyst.com/assets/mastersprojectbrandonwhyteprintquality.pdf
(2016年5月9日追加)
サンフランシスコのWiggleルートでのデモ活動
http://www.nytimes.com/2015/10/21/us/san-francisco-may-let-bicyclists-yield-at-stop-signs.html
(2016年5月22日追加)
https://www.facebook.com/wiggparty/videos/10155921466085038/
(2016年5月22日追加)
http://abc7news.com/traffic/san-francisco-bicyclists-protest-outdated-traffic-laws/892465/
(2016年5月22日追加)
http://kron4.com/2015/07/29/san-francisco-bicyclists-protest-crackdown-on-traffic-laws/
(2016年5月22日追加)
ユトレヒトでのデモ活動
https://bicycledutch.wordpress.com/2014/10/16/why-are-we-waiting-protest-for-longer-green-times/
(2016年5月22日追加)
自転車の渋滞
https://bicycledutch.wordpress.com/2012/11/22/trouble-in-paradise/
(2016年5月22日追加)
exit construction
遠州建設(2012年8月)「瀬戸市 乗入工事」
車乗り入れ部の工事例。車用のスロープの両脇にコーナー縁石を追加している。(2017年1月8日追加)
ラウンダバウト(海外)この節は2016年2月22日に追加
CROW. (1998). "Eenheid in rotondes"
ラウンダバウトの設置、設計の指針。交通容量の計算方法と、安全確保の為の設計上の判断基準を示している。現在は紙媒体が絶版で、電子版の道路設計総合ナレッジ・モジュール(市街地編と郊外編)に移行している。
CROW. (2002). "Fietsoversteken op rotondes"
ラウンダバウトの自転車横断帯の適切な設計方法に特化した内容。上の"Eenheid in rotondes"の補遺。
CROW. (2008). "Turborotondes"
車の交通容量を確保する為に環道内を多車線にした、所謂ターボ・ラウンダバウトについて、設計や付帯設備などを解説。ターボ・ラウンダバウトが本当に適切な解決策なのかどうかの判断を助ける。付録CD-ROMには多数の基本的な設計例を収録。
CROW. (2015). "Basiskenmerken kruispunten en rotondes"
交差点やラウンダバウトが最低限満たすべき基準を記載。道路利用者にとって把握しやすく、安全に通行できる構造を議論している。
A. Dijkstra. (2005). "Rotondes met vrijliggende fietspaden ook veilig voor fietsers?" SWOV
オランダ国内のこれまでのラウンダバウト研究の展開を3段階に分けて概説している: 第1段階では、通常の交差点をラウンダバウトに転換した事で安全性が大きく向上した事が確認された; 第2段階では、ラウンダバウト内での自転車通行空間の構造によって事故率に差が有る事が確認された; 第3段階は(論文発表当時は進行形だった研究で)、ラウンダバウト出入り口の自転車横断帯で自転車に優先通行権を与えない方が事故率が低いのではないか、という点を扱っている。
なお、日本国内では2016年現在、この第2段階に関する議論までは一部の論文で指摘はされているものの、交通工学研究会による設計ガイドラインや国土交通省のラウンドアバウト検討委員会など、実務的な領域には全く活かされておらず、全国各地で欠陥構造のラウンダバウトが、その危険性について意識されないまま増加しつつある。(2016年5月22日、文の編集)
Stijn Daniels, Tom Brijs, Erik Nuyts, Geert Wets. (2009). "Injury crashes with bicyclists at roundabouts: influence of some location characteristics and the design of cycle facilities". Journal of Safety Research, Vol.40, Iss.2, pp.141–148
ラウンダバウトの安全性を構造別に比較したベルギーの研究。自転車の交通量が得られない為、ラウンダバウト以外の交差点を対照群とし、ラウンダバウト化改修の前後で事故件数を比較している。先行研究と同じく、環道の端に自転車レーンを配置する構造が、車道混在や分離自転車道方式よりも危険だとの結果が出ている。(2016年8月10日追加)
Honu. (2012-07-04). "Roundabout T-Bone Bicycle Accident 5th July 2012" YouTube
Landeshauptstadt Düsseldorf. (公開日記載なし). "Radfahren im Kreisverkehr"
自転車のラウンダバウト内の通行方法について注意事項を図解している。この図を見ると、現在日本で整備が進む、環道外縁部の自転車ナビラインは事故の誘因になる事が予想できる。現在は閲覧できないが、別のサイトに同じ図が掲載されている。(2016年8月21日追記)
David Hembrow. (2011-09-19). "Connecting a roundabout with cycle paths to a road without them" A view from the cycle path
ラウンダバウトに繋がる道路に自転車道が無くても、ラウンダバウトの周囲だけ自転車道を設置するという選択肢が有る事を、オランダの実例を挙げて紹介している。オランダ式のラウンダバウトを設計したいというイギリス人設計者の為に書かれた記事だったが、結局、その設計者は3年間に亘る助言を無視し、自転車道を設けない設計でラウンダバウトの改修工事を完了させた。
Mark Treasure. (2014-10-17). "The Perne Road roundabout design". As Easy As Riding A Bike
Hembrow氏の助言を無視して施工されたケンブリッジのラウンダバウト改修工事を批判している。
Mark Wagenbuur. (2014-12-11). "Transitions from one type of infra to the other". BICYCLE DUTCH
自転車道から車道混在通行など、異なるインフラ形態が接続する箇所では、利用者が滑らか且つ安全に遷移できるよう、設計上の配慮が必要であると述べ、イギリスの不適切な例とオランダの優れた例を列挙している。単路で自転車インフラが無くても交差点の周辺だけは車道から構造的に分離された自転車道を設けた事例も紹介している。
David Hembrow. (2014-05-23). "The best roundabout design for cyclists. The safest Dutch design described and an explanation of why this is the most suitable for adoption elsewhere" A view from the cycle path
安全なラウンダバウトの設計上のポイントを纏めている。また、オランダ国内のラウンダバウトには複数の幾何構造・運用方法の種類が有り、それぞれ安全性が異なる事を説明している。
Mark Wagenbuur. (2015-10-13). "Explaining the Dutch roundabout abroad" BICYCLE DUTCH
オランダのラウンダバウトの安全性や強みを海外に分かりやすく伝える為に、設計コンサルタント会社の知人からの求めで作成したビデオを掲載している(非常に参考になる。必見!)。同時に、その要望の背景として、北米の自転車インフラの議論が大きく変わり、単なるペイントでは駄目で、protected bike lane や protected intersection が必要だとの認識が広がっている事にも触れている。
CycleGaz. (2015-07-07). "Queen's Circus - New Cycle Infrastructure". YouTube
ロンドンで初めて環道内で車と自転車の空間を完全に分離したラウンダバウトとして2015年7月に供用開始されたQueen's Circusの車載動画。ラウンダバウトながら信号機を立てて自転車と車の流れを時間的に分離している。安全ではあるが自転車にとって通過に時間が掛かり過ぎで、自転車レーンを使わずに車と一緒に走るサイクリストの姿もちらほら見られる。(2016年4月23日追加)
Ross Lydall. (2014-08-20). "Road users split over 'magic roundabout' which separates bikes from cars". Evening Standard
(2016年4月23日追加)
Duane R. Geruschat, Shirin E. Hassan. (2005-05). “Driver Behavior in Yielding to Sighted and Blind Pedestrians at Roundabouts”. Journal of Visual Impairment and Blindness, 99(5), pp.286–302
ドライバーが横断歩行者に道を譲る率は車の速度と反比例するという研究。(2016年12月25日追加)
2016年11月11日追加{
http://teachamerica.com/RAB14/RAB14papers/RAB14ppr160_Pratelli.pdf
http://absrs.org/sajt/doc/File/B-01.pdf
http://www.fhwa.dot.gov/publications/research/safety/00068/
http://international.fhwa.dot.gov/pubs/pl03020/chp05.cfm
http://www.turboroundabout.com/turbo-roundabout.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Roundabout#Bicycles
}
ラウンダバウト(日本国内)この節は2016年2月20日に追加
交通工学研究会(2009年)『ラウンドアバウトの計画・設計ガイド(案) Ver. 1.1』
吉岡 慶祐・小林 寛・山本 彰・橋本雄太・米山 喜之(2013)「ラウンドアバウトに関する設計基準の海外比較と我が国での幾何構造基礎検討」『土木計画学研究・講演集』Vol.47 CD-ROM
「自転車の通行位置に関して、ドイツ・アメリカ・イギリスでは流出車両との巻き込み事故の危険性があるため、環道部の外端を走行させないよう、環道内に特別な路面標示等は行わないほうが良いとしている。(自動車と自転車は一列通行を推奨)」との指摘が有る。しかし、それよりも更に優れたオランダのラウンダバウト構造には全く言及していない。(2016年2月22日追加、2016年5月22日編集)
小林 寛・今田 勝昭・高宮 進(2014-12)「都市内ラウンドアバウトにおける適切な自転車通行方法に関する基礎検討」『土木技術資料』56(12), pp.42–45
車の環道とは別個の自転車通行空間を設けない前提で、自転車と車を一列に通行させるべきか、環道内の外縁を車と並列に通行させるべきかを、シミュレーション・ソフトと実走試験で評価した研究。(2017年2月17日追加)
鈴木 弘司・中村 英樹・森田 綽之・下川 澄雄・高瀬 達夫(2015-06)「ラウンドアバウト整備事例集の意義と課題」『第51回 土木計画学研究・講演集』
国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/roundabout/index.html
(2016年5月22日追加)
国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会「配布資料6 計画・設計における適用条件と留意事項について」『第3回 ラウンドアバウト検討委員会』
自転車は環道内を左側通行するものとしか書かれておらず、根拠となる資料の引用も、工学的な検討も為されていない。(2016年5月22日追加)
国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会「配布資料8 ラウンドアバウト現地視察 (静岡県焼津市関方交差点)」『第3回 ラウンドアバウト検討委員会』
初めてラウンダバウトを通行したバスドライバーが気付いた点を纏めている。バスの左折時に後方から直進のオートバイ・自転車が来た場合の巻き込み事故リスクについて懸念している。(2016年5月22日追加)
長野県軽井沢町の六本辻ラウンダバウト(2012年11月に社会実験開始)
軽井沢町役場 生活環境課 防犯交通係・長野県軽井沢警察署(2013年4月23日)「六本辻ラウンドアバウトリーフレット(日本語版)」
作成者名の記載なし(2013年9月5日)「ラウンドアバウトの現状」
国土交通省の第1回ラウンドアバウト検討委員会での配布資料。 p. 9に六本辻ラウンドアバウトの利用者アンケート結果が引用されており(引用元の資料はインターネット上では見当たらない)、現地を通行した自転車利用者 47人のうち、18人が「危険になった」と回答した事が分かる(「安全になった」は14人)。
kkkaru1(2013年11月3日) 「軽井沢町六本辻ラウンドアバウト渋滞 #1」『YouTube』
乗用車がエプロン部分に乗り上げて環道内で他の車と並走したり、環道内の車を遮って割り込む車が多数捉えられている。
長野県軽井沢町 企画課 都市デザイン室(2013年)「軽井沢六本辻のラウンドアバウト社会実験について」『道路行政セミナー』12月号
森 憲之・遠藤寛士・神戸信人・中嶋一雄(2014年5月)「軽井沢町六本辻交差点のラウンドアバウト社会実験」『国際交通安全学会誌』Vol. 39, No. 1, pp. 22-30
「別荘所有者からは海外経験が多いこともあり、ラウンドアバウトについて肯定的意見が多く見受けられた」とのアンケート結果に言及している。
作成者名表示なし(2014年9月26日)「軽井沢六本辻ラウンドアバウト社会実験」
軽井沢町(2015年3月27日)「六本辻ラウンドアバウト」『長野県軽井沢町公式ホームページ』
のの字な道(2015年6月11日)「六本辻ラウンドアバウト」
考察や現地の写真を掲載している個人ブログ。
長野県須坂市の野辺町(のべまち)交差点(2014年9月1日に運用開始)
須坂市 まちづくり推進部 道路河川課(公開日記載なし)「ラウンドアバウトの整備について」
須坂市 まちづくり推進部 道路河川課(公開日記載なし)「ラウンドアバウトの通行方法」
須坂市(2014年9月2日)「野辺町ラウンドアバウト開通式パンフレット」
長野県安曇野市の本村 円(ほんむら まどか)交差点(2015年4月15日に供用開始)
安曇野市 都市建設部 建設課(2015年4月9日)「ラウンドアバウトの整備について」
安曇野市 都市建設部 建設課(2015年4月16日)「ラウンドアバウト「本村 円」交差点が開通しました」
沖縄県糸満市の糸満ロータリー(2015年10月にラウンダバウトとしての運用実験開始)
糸満市(2015年10月2日)「糸満ロータリーのラウンドアバウト化に向けた社会実験について」
糸満市(2015年10月2日)「周知チラシ」
自転車には歩道上を歩行者と同じように通行するよう案内している。
新潟県田上町の田上あじさい交差点(2016年2月19日に供用開始)
新潟県 三条地域振興局 農業振興部・新潟県 南蒲原郡 田上町・新潟県 加茂警察署(2015年12月1日)「ラウンドアバウトパンフ_151201」
ケンオー・ドットコム(2016年2月19日) 「田上町に県内初の環状交差点「ラウンドアバウト」開通」
kenohcom(2016年2月19日)「【車載動画】新潟県内初の環状交差点(ラウンドアバウト)田上あじさい交差点」
たがみっこのブログ(2016年2月19日)「優しさと豊かさでキラリと行き交う街:田上町@田上あじさい交差点(ラウンドアバウト)説明会参加報告」
新潟市西蒲区の角田浜環状交差点(2016年3月31日に供用開始)
水庄建設株式会社(2016年5月11日最終更新)「角田浜環状交差点(ラウンドアバウト) - 主要地方道新潟中央環状線(角田浜地内)環状交差点改良工事ホームページ」
これまでの事例と同じく、自転車ナビラインを環道の外縁部に引いた構造を採用している。(2016年5月22日追加)
埼玉県羽生市須影(2017年3月30日に供用開始)
羽生市(2017年04月06日)「須影地内のラウンドアバウト(環状交差点)の開通について」
前例と同じく自転車ナビラインを環道の外縁部に引いた構造を採用しているが、自転車の通行方法についての説明が無い。リンクされている埼玉県警の説明映像(00:08'06"から)を見ると、なぜ外縁に沿って走るのが危険か、皮肉にも良く分かる。(2017年8月20日追加)
heboDJ.net(2017年4月23日)「埼玉県羽生市のラウンドアバウトを訪問」
目次
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文献解題
設計指針
交通法規
専門機関
大気汚染
交通容量
自転車通行インフラ
路線網
単路
自転車レーンの仕様
独立自転車道(solitaire fietspaden)
自転車歩行者道
構造分離型の自転車レーン(protected/segregated bike lane)
- 島式バス停(bus stop bypass; floating bus stop)
- 一方通行 vs 双方向通行
- 自転車専用信号機
ドアゾーンとドア衝突事故
Share the roadとVehicular cycling
自転車ナビライン(Sharrow)
バス自転車共用レーン
追突事故
副道
ゾーン30
Fietsstraat (bicycle street; bicycle boulevard; Fahrradstraße)
生活道路の通過交通対策
車の速度抑制
filtered permeability
緊急車両の通行
shared space
交差点
交差点設計
構造分離型の交差点(protected intersection)
自転車横断帯
advanced stop lineとbike box
赤信号での右折許可(right turn on red)
アイダホ・ストップ(Idaho stop; rolling stop)
自転車の渋滞
exit construction
ラウンダバウト(海外)
ラウンダバウト(日本国内)
自転車インフラ利用実態の調査報告
インフラ整備事例(海外)
インフラ整備事例(日本国内)
工事中の仮設通路
自転車インフラ形態と事故率
道路付属物
- 車止め
- 風防柵
- 看板と路面表示
インフラ形態の選好と安心感(subjective safety)
子供の自立と交通環境
自転車と経済活性化(bikonomics)
都市・ネットワーク計画(海外)
Fietsstad
都市・ネットワーク計画(日本国内)
ロードプライシング
自転車の基本的な特性
交通分担率
事故統計
国会会議録
自転車・道路政策の歴史
nudge
交通参加者の振る舞い (user behaviour)
Sustainable safety (Duurzaam veilig)
交通安全教育
ヘルメット
リスク補償仮説
イヤフォン
携帯電話
灯火と服装駐輪
違反取り締まり
誤謬と詭弁
実験計画と推論
未分類
凡例
著者名1[・著者名2・……](西暦の発表年月日)
「資料タイトル」『掲載媒体』掲載巻、号、ページ
auther1[, auther2, ...]. (YYYY[-MM-DD]).
"article title". journal title, Vol._, {No._ / Iss._}, {p._ / pp._-_}.
但し、半角の「&」はこのブログサービスのhtmlエディターでは「&」に自動で置き換えられてしまうので、「and」に書き換えている。
文献解題(2016年3月9日追加)
記名無し. (発表年の記載無し) "Statistics Library / Protected Bike Lane Statistics". people for bikes.
構造分離型の自転車レーンに関する安全性や心理評価、経済面への影響等の研究をまとめた一覧。
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/the-first-major-academic-study-of-protected-bike-lanes-in-the-u.s.-is-out
FHWA. (2013-12). “Separated Bike Lane Planning and Design Guide—Appendix A: Literature Review”
構造分離型自転車レーン(自転車道)の安全効果を始めとする種々の先行研究を要約している。それぞれの研究デザインも厳しくチェックしており、制御されていない因子(整備前後の交通量の変化など)が含まれる研究は低く評価されている。(2017年2月15日追加)
Mikael Colville-Andersen. (2011-08-16). “The Case for Bicycle Infrastructure”. Copenhagenize.com
自転車インフラの有効性に関する先行研究のハイライトを抜き出して集めた記事。自転車インフラを不要と主張する団体への対抗措置として纏められた。(2017年2月15日追加)
設計指針
オランダ
CROW. (2007). Design manual for bicycle traffic.
http://www.crow.nl/publicaties/design-manual-for-bicycle-traffic
オランダの専門機関CROWが発行した自転車インフラの計画・設計・管理の手引きの英語版。情報量は多いが、あまり詳細な設計例は載せず、原則を提示して読者(エンジニア)に能動的な思考を求めている。
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/document000033.pdf
http://www.crow.nl/publicaties/basiskenmerken-kruispunten-en-rotondes
Mark Wagenbuur. (2012-08-09). "Separate where needed, mix where possible". BICYCLE DUTCH
オランダの道路設計が「必要なら分離、可能なら混合」を基本としている事を紹介し、セルトーフンボスからロスマーレンまでの車載動画でその実態を説明している。日本では稀な沿道住民用のアクセス側道をゾーン30として車と自転車を混合させる形態が多いのが印象的。全区間通して殆ど停車を強いられていないのもポイント。(2016年4月5日追加)
デンマーク
City of Copenhagen. (2013-12). "Focus on cycling—Copenhagen guidelines for the design of road projects"(2016年6月12日追加)
Troels Andersen et al. (2012). "Collection of Cycle Concepts". Cycling Embassy of Denmark(掲載ページ)
Idékatalog for cykeltrafikを民間団体が改定し、デンマーク国内外に向けて望ましい自転車施策の在り方を示したもの。通行空間の分離基準の閾値は大幅に変更されている。(2016年12月30日追加、2016年12月31日概要文追加)
Idékatalog for cykeltrafikを民間団体が改定し、デンマーク国内外に向けて望ましい自転車施策の在り方を示したもの。通行空間の分離基準の閾値は大幅に変更されている。(2016年12月30日追加、2016年12月31日概要文追加)
Søren Underlien Jensen et al. (2000). “Idékatalog for cykeltrafik”. Vejdirektoratet(掲載ページ)
デンマーク道路局から2000年に発表された、自転車環境向上の為の包括的な施策集。自転車通行空間の設計速度について、平坦で25 km/h、勾配区間では1%ごとに2 km/h上乗せするとしており、下り5%勾配では35 km/hと例示している (p.50)。(2016年12月30日追加、2016年12月31日概要文追加)
ドイツ
Forschungsgesellschaft für Straßen- und Verkehrswesen (FGSV). (2010). "Empfehlungen für Radverkehrsanlagen"
道路交通研究機構が発表した自転車インフラの仕様についての勧告。(2016年8月10日追加)
http://www.hs-owl.de/fb3/fileadmin/stephan_rainer/Detmolder_Verkehrstag/2009/VT-DT-2009-2_ALRUTZ_ERA_neu.pdf
(2016年8月10日追加)
イギリス
Transport for London. (2014-12-20). London Cycle Design Standards
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter1-designrequirements.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter2-toolsandtechniques.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter3-streetsandspaces.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter4-cyclelanesandtracks.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter5-junctionsandcrossings.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter6-signsandmarkings.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter7-construction.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-chapter8-cycleparking.pdf
https://tfl.gov.uk/cdn/static/cms/documents/lcds-indexandglossary.pdf
https://tfl.gov.uk/corporate/publications-and-reports/streets-toolkit
(2016年8月10日追加)
アメリカ
MassDOT Highway. (2015). "Separated Bike Lane Planning and Design Guide"
https://www.massdot.state.ma.us/highway/DoingBusinessWithUs/ManualsPublicationsForms/SeparatedBikeLanePlanningDesignGuide.aspx
マサチューセッツ州運輸局による構造分離型自転車レーン(自転車道)の設計指針。従来型の自転車レーンでは車への恐怖感から自転車利用を促進できないと認め、1970年代から約40年間続いた、安心感を軽視するアメリカの自転車政策からの転換を明確に示した。
"Guide for the Development of Bicycle Facilities, 4th Edition"
https://bookstore.transportation.org/collection_detail.aspx?ID=116
(2016年12月29日追加)
Alta Planning + Design. (2014-09). “Appendix A: Bicycle Facility Design Guidelines for the San Gabriel Valley Regional Bicycle Master Plan”
http://www.sangabrielcity.com/DocumentCenter/View/2808
(2016年12月29日追加)
Alta Planning + Design. (2015-12-18). "LESSONS LEARNED Evolution of the Protected Intersection"
アメリカの道路設計コンサルタントによるprotected intersectionの詳細な解説。整備事例の紹介付き。(2016年3月7日追加)
http://nacto.org/wp-content/uploads/2011/03/Nottinghamshire-Cycling-Design-Guide-2006.pdf
http://ecommerce.ite.org/IMIS/ItemDetail?iProductCode=IR-135
http://ecommerce.ite.org/IMIS/ItemDetail?iProductCode=LP-691
http://ecommerce.ite.org/IMIS/ItemDetail?iProductCode=LP-694
http://nacto.org/publication/urban-bikeway-design-guide/
http://nacto.org/publication/urban-street-design-guide/street-design-elements/transit-streets/
http://www.islandpress.org/book/transit-street-design-guide
https://www.fhwa.dot.gov/environment/bicycle_pedestrian/publications/separated_bikelane_pdg/
Institute of Transportation Engineers. (2010). "Designing Walkable Urban Thoroughfares: A Context Sensitive Approach: An ITE Recommended Practice"
掲載ページ(URL)、オンライン版(URL)(2016年4月14日追加)
Institute of Transportation Engineers. (2015). "Integration of Safety in the Project Development Process and Beyond: A Context Sensitive Approach"
掲載ページ(URL)(2016年4月14日追加)
Oregon Department of Transportation. (1995). "Oregon Bicycle and Pedestrian Plan—An Element of the Oregon Transportation Plan"
(2016年4月14日追加)
オーストラリア
Bicycle Network. (). "Good Design Guides"
オーストラリアの民間団体が纏めた自転車インフラ構築の包括的な手引き。各種インフラ形態とそれぞれの問題点などを、各国の設計指針を引きながら紹介している。(2016年6月28日追加)
日本
「道路構造令」
道路法の下に位置付けられる政令。自転車道や自転車歩行者道、自転車専用道路(サイクリングロード)についての基本的な基準(幅員については下限値のみ)を含む。
日本道路協会(2015年8月)『道路構造令の解説と運用』
「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000495.html
国土交通省・警察庁(2007年10月)「自転車利用環境整備ガイドブック」
抜粋版 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/06/061005/03.pdf
自転車歩行者道の交差点設計例にprotected intersectionと呼べる構造のものが図示されている。(2016年8月15日追加)
国土交通省・警察庁(2012年11月)「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」
(2016年8月15日追加)
国土交通省・警察庁(2016年7月)「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」(改定版)
初版の策定以降も自転車インフラの整備がなかなか進まない状況に業を煮やし、交通の激しい幹線道路であっても簡易形態での危険な整備を容認した改定版。その他、経路全体の総リスクで判断すべき一方通行/双方向通行の問題を地点事故リスクを根拠に一方通行化へと押し切るなど、現実の利用者の安全や利便性を軽視する、原理主義的で過激な姿勢が強まった。なお、ファイルが初版と同じURLに上書きアップロードされた為、初版にはアクセスできなくなった。(2016年8月15日追加)
国土交通省(1974年11月29日)「自転車道等の設計基準」
日本道路協会(2004年5月)『自転車道等の設計基準解説』
日本道路協会(2013年7月)『自転車利用環境整備のためのキーポイント』
交通工学研究会(2015年8月6日)『自転車通行を考慮した交差点設計の手引―平面交差の計画と設計』
国土交通省「道路技術分野(幾何構造)」
静岡県道路交通環境安全推進連絡会議(2012)「静岡県自転車道等設計仕様書」
国のガイドラインより早く策定された県独自の設計指針。線形の節では曲線によるシフトの設計法を提示しており(pp.27–28, pdf p.30–31)、国と県のガイドラインのレベルが逆転している。(2016年8月21日追加)
静岡県道路交通環境安全推進連絡会議(2013)「静岡県自転車道等設計仕様書」
(2016年8月21日追加)
建設省土木研究所(2000)「混合交通下における自転車及び自動車・歩行者の適正空間配分に関する共同研究報告書」
建築限界の基礎資料になる利用者の心理評価実験の報告あり。(2017年1月6日追加)
木村 泰・本田 肇・沖本 洋人・高宮 進(2012年11月)「敷地内実験を通じた自転車道の幾何構造に関する検討」『土木計画学研究・講演集』No.46
建築限界と線形シフトに関する利用者の評価を構内仮設環境での実走実験で調査しているが如何せん実験参加者の走行速度が低すぎて現実の自転車インフラの設計の参考にはならない。線形シフトについては静岡県の設計指針を引用するも、直線的な屈曲に置き換えた劣化オプションしか提示していない。(2016年9月9日追加)
諸田恵士・大脇鉄也・上坂克巳(2009年6月14日)「自転車道及び自転車レーンの適用範囲に関する一考察」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.39
(2016年9月12日追加)
鈴木 美緒・屋井 鉄雄(2009年6月14日)「欧州の大都市における自転車走行空間の設計基準とその運用に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.39
ドイツの自転車インフラ設計指針と、ドイツ国内の各都市で実際に整備されたインフラを比較し、各都市で異なる整備方針について考察している。(2016年9月12日追加)
大脇 鉄也・濱本 敬治・木下 立也・上坂 克巳(2010年6月6日)「交通状況に応じた整備すべき自転車通行空間の選択に関する一提案」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
自転車道に対して様々な難癖を付け、その整備が最小限に留まるように条件を調整した整備形態選択フローを示している。各整備形態の予想整備延長の試算もしている。(2016年9月12日追加)
山中 英生・屋井 鉄雄・金 利昭・吉田 長裕(2011年7月)「自転車等の中速グリーンモードに配慮した道路空間構成技術に関する研究」
(2016年9月12日追加)
交通法規
"Reglement verkeersregels en verkeerstekens 1990 (RVV 1990)". Overheid.nl
http://wetten.overheid.nl/BWBR0004825/
オランダの交通標識・交通規則法。第1条が用語の定義部で、自転車の通行位置についての規定は第5条に集約されている。
Ministry of Transport, Public Works and Water Management. (2013年1月16日).
"Road traffic signs and regulations in the Netherlands". Government of the Netherlands.
https://www.government.nl/documents/leaflets/2013/01/16/road-traffic-signs-and-regulations-in-the-netherlands
RVV 1990を一般向けに分かりやすく紹介する簡約版冊子(英語版)。尤も、原文のRVV 1990も平易な表現で書かれているので、内容はあまり変わらない。
"Code de la route". Legifrance.gouv.fr
http://www.legifrance.gouv.fr/affichCode.do?cidTexte=LEGITEXT000006074228
フランスの道路法。
https://www.touring.be/fr/articles/regles-de-circulation-pour-les-cyclistes
https://www.gov.uk/guidance/the-highway-code
http://www.gesetze-im-internet.de/stvo_2013/
http://www.bicyclegermany.com/german_bicycle_laws.html
http://chicargobike.blogspot.jp/2013/04/stvzo-german-bicycle-requirements-make.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36SE265.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO185.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35SE270.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35F03101000060.html
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012199001.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO180.html
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/kyousoku/index.htm
http://members.jcom.home.ne.jp/kinmokusei/jpn_law/history.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO110.html
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/2091/dokoho/kotsukiseikijyun/index.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO106.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32SE340.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S30/S30HO097.html
専門機関
http://www.swov.nl/index_uk.htm
http://www.fietsberaad.nl/?lang=en
http://www.itarda.or.jp/
大気汚染
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3639931/
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3230442/
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21672679
http://www.theguardian.com/environment/video/2014/aug/12/london-air-pollution-public-transport-video
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/news/exhaust-ing-ride-for-cyclists
CROW. (2010). "Kruispunten en luchtkwaliteit Een vergelijking tussen rotondes, verkeerslichten en groene golven"
大気汚染への影響という観点で信号制御交差点とラウンダバウトを概説。Tovergroenや公共交通優先制御などのグリーンウェーブ制御についても実現可能性やコストを論じている。(2016年2月22日追加)
Financial Times. (2016-09-02). “Is urban cycling worth the risk?”
事故リスクや健康効果などを複数の著者がそれぞれ担当したオムニバス記事。自転車に乗る事の健康効果が一部の都市では排気ガスへの曝露による悪影響に凌駕されるという図を示している。(2017年2月15日追加)
Kaur, S., Nieuwenhuijsen, M., Colvile, R. (2005-12). "Pedestrian exposure to air pollution along a major road in Central London, UK". Atmospheric Environment, 39(38), pp.7307–7320.
モニター歩行者にロンドンの幹線道路沿いの歩道を歩いてもらい、PM2.5、超微小粒子、一酸化炭素への曝露量を調査した研究。一酸化炭素を除き、同じ歩道でも発生源に近い車道寄りの方が建物寄りよりも曝露量が多い事を明らかにした。(2017年2月15日追加)
S. Kaur, M.J. Nieuwenhuijsen, R.N. Colvile. (2007-07). “Fine particulate matter and carbon monoxide exposure concentrations in urban street transport microenvironments”. Atmospheric Environment, 41(23), pp.4781–4810
レビュー論文。粒子状物質と一酸化炭素への曝露は歩行者・自転車より車の車内の方が多い事、発生源からの距離が曝露量に大きく影響する事、固定設置のモニタリング機器は都市の道路空間における個別の利用者にとっての曝露量の推定には使えない事などの結果を取りまとめている。(2017年2月14日追加)
Christine Kendrick, Adam Moore, Ashley Haire, Alexander Bigazzi, Miguel Figliozzi, Christopher Monsere, Linda George. (2011). “Impact of Bicycle Lane Characteristics on Exposure of Bicyclists to Traffic-Related Particulate Matter”. Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board, 2247, pp.24–32
旧来の自転車レーンと路上駐車枠で車道から隔てられた自転車レーンで粒子状物質への曝露量が違うとの測定結果。車由来の汚染物質への曝露をインフラの設計で緩和できると示唆している。(2017年2月14日追加)
Hanna Boogaard, Frank Borgman, Jaap Kamminga, Gerard Hoek. (2009-09). “Exposure to ultrafine and fine particles and noise during cycling and driving in 11 Dutch cities”.
Atmospheric Environment, 43(27), pp.4234–4242
車と自転車それぞれのPM2.5や騒音への曝露レベルが移動中にどう変化するかをリアルタイムで計測した調査。モペッドとすれ違う時の上昇が激しい。(2017年2月14日追加)
交通容量
Thomas Skallebæk Buch, Poul Greibe. (2015). "Analysis of Bicycle Traffic on One-way Bicycle Tracks of Different Width". European Transport Conference
デンマークの既存の自転車道での観察を元に、自転車道の幅員と{速度、追い越し時の間隔、交通容量など}の関係を分析した研究。(2016年6月1日追加)
道路付属物
車止め
David Hembrow. (2013-08-19). "Bollards on cycle-paths provide both an opportunity and danger ("The Fifty Bollard Game")". A view from the cycle path
50本のボラードを如何に効率的に配置して都市の自転車環境を最大限に改善できるかという「ボラード・ゲーム」の紹介; ボラードの機能分類(車の進入を防ぐもの、車の進入は許すが通り抜けを防ぐもの); ボラードの最小設置間隔が、身体障害者向け自転車や3輪自転車、トレイラーバイク、カーゴバイクなどが通れるように1mとされている事; ボラードの好事例と不適切事例の紹介; オランダではボラードとの衝突事故が年数百件起きており、特に高齢の自転車利用者にとって脅威になっているとの説明。(2016年8月7日追加)
Ed Cox, Maggie O'Mara. (公開日記載なし). "Bicycle Path Entry Control". Federal Highway Administration
車止めの問題点、設計上の留意点について議論する為の教材。
(2016年8月7日追加)
風防柵
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/kelenwindscherm.pdf
看板と路面表示
鈴木清・砂川尊範・竹林弘晃・吉岡正樹・土井健司(2012年6月)「自転車案内サインの視認特性と適切な案内誘導方策に関する考察~高松中心部におけるアイマークレコーダを用いた実測調査をもとにして~」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
(2016年9月12日追加)
自転車レーンの仕様
Theo Zeegers. (2004). "Widths and other aspects of bicycle lanes". Ketting 174:16-18.
自転車レーン(視覚分離型)の基本的な分類(専用通行帯型/優先通行帯型)、他の整備形態に対する利点と欠点、望ましい幅員(1.8-2.0m、最低でも1.5m)などを手短かに纏めている。自転車レーンよりも歩道側に駐車枠を配置する構造は事故の危険が高く、採用しないようにとの勧告が出ている事にも言及している。(2016年2月11日編集)
Transport for London. (2011). "Barclays Cycle Superhighways FAQs"
ロンドンのサイクル・スーパーハイウェイに青色路面が採用された背景がp.9に書かれている。(2016年2月11日追加)
Jonathan Maus. (2016-05-12). "City debuts new ‘Tuff Curb’ to create physical separation for bikeways". BikePortland.org
ポートランド市交通局が自転車レーンの分離工作物としてプラスチック製の縁石を試験設置したとのニュース。車道から嵩上げする形態に改修する予算が出ない中、安価・迅速に整備できる工作物として、これまでボラードやランブル・ブロックなどが試されてきたが、いずれも設置から数日で車に倒され、剥ぎ取られていた。
(2016年5月14日追加)
相知 敏行・山中 英生・北澗 弘康・神田 佑亮(2012)「自転車走行時の注視分析とサイン種別の評価」『土木学会論文集D3(土木計画学)』Vol.68, No.5, pp.I_909-I_916.
(2016年6月20日追加)
木村 泰・本田 肇・沖本 洋人・高宮 進(2012)「敷地内実験を通じた自転車道の幾何構造に関する検討」『土木計画学研究・講演集』46
(2016年8月21日追加)
小柳 純也・斉藤 祐紀・小早川 悟(2011)「構造的に区画された自転車用通行路における交通の実態―構造形態と交通ルールに着目して―」『土木学会論文集 D3 (土木計画学)』
(2017年3月11日追加)
独立自転車道(solitaire fietspad)
Mark Wagenbuur. (2012-11-29). "Unbundling modes". BICYCLE DUTCH
同一の道路空間内で車と自転車の通行空間を分離するのではなく、路線レベルで両者を分ける施策がオランダではしばしば見られる事を紹介し、セルトーフンボス南部で最近行なわれた路線分化を例に、平面図や現地写真、車載動画などで解説している。(2016年5月22日追加)
構造分離型の自転車レーン(protected/segregated bike lane)
https://bikeeastbay.org/news/oakland-celebrates-new-telegraph
(2016年5月19日追加)
http://road.cc/content/news/191681-paris-unveils-its-next-generation-cycle-lanes
パリで構造分離型の自転車レーンが開通したとのニュース。自転車の交通分担率を現在の5%から2020年に15%超に引き上げる計画の一環で、他にも自転車ラック1万基増設やVelibへの電動自転車の導入も。(2016年5月29日)
Londonist Ltd. (2016-04-29). "How Good Is The East-West Cycle Superhighway?". YouTube
(2016年8月9日)
車道中央の自転車レーン(center bike lane)(この節は2016年3月15日に追加)
Ryan Sigworth. (2013-10-30). "Will cycletrack barriers on Pennsylvania Avenue work?". Greater Greater Washington.
ワ シントンDCのPennsylvania Avenueの道路中央に引かれた自転車レーンを車が違法なUターンで横切らないようにと設置された工作物が、製造元の推奨設置間隔(最大2.5m)を大 きく上回る4.5m間隔で設置されている事を伝え、その有効性に疑問を呈している。
Alexandra Waters. (2013-11-06). "I will continue to ride, bent frame and all". Greater Greater Washington.
ワ シントンDCのPennsylvania Avenueの道路中央に引かれた自転車レーンを通行中、Uターンした車に撥ねられた女性サイクリストの体験談。交差点以外でのUターンは違法だが、物理 的には簡単にUターンできてしまう構造であり、しかもドライバーからは自転車が「見えなかった」。「ペイントするだけですぐ出来る!」という利点ばかりが 強調される自転車レーンの危うさを、身を以て伝える記事だ。
R.Duarte. (2014-03-27). "Bicicleta vs Carro en hora pico Bogotá". YouTube.
コロンビア、ボゴタの道路中央に整備された自転車道をラッシュ時間帯に走行した車載動画。ワシントンDCのインフラと違い、車道との間に広い緑地帯が設けられ、嵩上げもされているので、車が横切る恐れは無さそう。
http://wamu.org/news/14/07/07/ddot_abandons_zebras_designed_to_stop_illegal_u_turns_in_pennsylvania_avenue_cycle_track
(2016年4月30日追加)
http://www.waba.org/blog/2015/04/13-u-turns-on-pennsylvania-in-one-hour/
(2016年4月30日追加)
http://urbanplacesandspaces.blogspot.jp/2015/05/designing-conflict-in-vs-designing.html
(2016年4月30日追加)
http://wamu.org/news/15/05/04/illegal_u_turns_still_pose_big_problem_on_pennsylvania_avenue_cycle_track
(2016年4月30日追加)
http://dcist.com/2015/07/cue_courtland_milloy_column_in_3_2_1.php
(2016年4月30日追加)
http://greatergreaterwashington.org/post/22844/maybe-this-can-stop-u-turns-on-pennsylvania-avenue/
(2016年4月30日追加)
http://greatergreaterwashington.org/post/27679/which-dc-councilmembers-support-fully-protecting-the-pennsylvania-avenue-bikeway/
(2016年4月30日追加)
http://greatergreaterwashington.org/post/27714/cyclists-have-long-been-asking-for-a-safer-pennsylvania-avenue-its-coming-next-month/
(2016年4月30日追加)
このブログ(2016年3月9日)「中央分離帯を自転車レーンにするアイディアについて」
自転車インフラのデザインコンペで受賞した、中央分離帯を自転車レーンとして活用するアイディアについて、多数派ユーザーの要件を無視し、車の既得権益の温存に拘ったデザインであると酷評している。
Mikael Colville-Andersen. (2016-03-15). "Bicycle Infrastructure Fail(s)". Copenhagenize.com
ワ シントンDCの(Pennsylvania Avenueの)道路中央に整備された自転車レーンに対して、単路区間での沿道へのアクセス性の悪さや安全性の懸念、速い車の流れに両脇を挟まれる点(不 安感)などを挙げ、自転車利用者を人間として見ていない、自転車を都市の移動手段として利用促進する気がない、と厳しく批判している。そして、100年を 超える歴史の中で失敗と経験を積み重ねてきたコペンハーゲンのインフラ形態(自転車道を歩道に隣接させる形態がその一つ)が既に有るのだから、それを丸写 しするだけで良かったのだと説いている。
https://www.flickr.com/photos/16nine/25780134136/in/dateposted-public/
(2016年4月30日追加)
島式バス停(bus stop bypass; floating bus stop)
David Hembrow. (2013-08-12). "Ten Bus Stop Bypasses for Bicycles. Bikes, buses and bus passengers can be in harmony only when separated (floating bus stop)". A view from the cycle path
(2016年4月14日追加)
Mark Wagenbuur. (2013-09-05). "Riding around the bus stop". BICYCLE DUTCH
(2016年4月14日追加)
The Ranty Highwayman. (2013-08-07). "If you go back to the woods today"
(2016年4月14日追加)
John Stevenson. (2014-03-27). "Cambridge bus boss calls ‘floating’ bus stop plan “absolutely ludicrous”". road.cc
ケンブリッジの道路改修計画に含まれていた島式バス停構造に対してバス会社の社長が、
- バスに乗り降りする客が自転車に気付かず危険に曝される
- バスベイではなく車道上に停車させる構造で渋滞が酷くなる
- バイパス整備で大量の自転車との交錯が無くなる
- バスベイが無い方がバスも発進しやすい
- 自転車利用が安全になれば渋滞の原因である車の利用が減る
Chris Iverson. (2015-05-18). "The Importance of Floating Bus Stops"
(2016年4月14日追加)
Sarah Goodyear. (2015-05-27). "Toward the Peaceful Coexistence of Buses and Bikes—A design solution known as the “floating” bus stop is gaining attention in U.S. cities.". CityLab
自転車とバスの共存が困難である事から考案された島式バス停について、アメリカではまだ殆ど導入例が無い事、オランダでは普及している事、設計上の注意点を守ればバス乗客と自転車の事故の心配は無い事などを簡単に纏めている。(2016年4月14日追加)
DenizH. (2015-07-09). "Brighton floating bus stops gets safety approval". Get Britain Cycling
イギリス南部の都市、ブライトンで2年前から供用されている島式バス停(全14箇所)で、当初心配されていた自転車とバス乗客の事故が1件も起こらなかったとの発表を伝えている。バス停のシェルターには透明なパネルを採用して自転車とバス乗客が互いに死角に入らないように配慮した他、バス停横の自転車レーンバイパス部分は敢えてゼブラを引かず、歩行者を待たせる事で、足止めされるのを嫌う自転車利用者が車道を走ってしまわないようにした、とのコンサルタントの説明を引用している。(2016年4月14日追加)
Department of Transport. (2016-03-27). "Case study Continuous cycle lanes on main radial route: Lewes Road, Brighton". GOV.UK
ブライトンのLewes Road改修計画で最大の特徴だった島式バス停について、事業背景も含めて説明している。目標の設定と事前・事後調査の概要、事業実施の手続きなどの行政面の記述も参考になる。(2016年4月14日追加)
Cycling Embassy of Great Britain. (公開日記載なし). "Floating bus stop"
一方通行 vs 双方向通行(この節は2016年3月31日に追加)
http://urbanplacesandspaces.blogspot.jp/2010/11/dutch-thinkbike-project-in-dc.html
(2016年4月30日追加)
Paul James. (2014-02-28). "Bi-directional vs Single Direction Cycleways". Pedestrianise London
Paul James. (2014-12-18). "Cycling in Rotterdam 1 of 8". Pedestrianise London
Mark Wagenbuur. (2014-08-21). "Cycle route update: it’s all in the details". BICYCLE DUTCH
Mark Wagenbuur. (2014-10-09). "Dynamic sign to indicate the fastest cycle route". BICYCLE DUTCH
Mikael Colville-Andersen. (2014-06-03). "Explaining the Bi-directional Cycle Track Folly". Copenhagenize.com
このブログ(2015年7月23日)「一方通行 vs 双方向通行」
小川 圭一・森本 一弘(2012年11月)「交差点通過回数を考慮した自転車の通行位置と進行方向による交通事故遭遇確率の比較分析」『土木計画学研究・講演集(CD-ROM)』, Vol. 46, p. ROMBUNNO.206(別URL)
https://bikeeastbay.org/news/two-way-vs-one-way-protected-bikeways
http://www.treehugger.com/bikes/why-does-bicycling-explode-streets-two-way-bike-lanes.html
Methorst, R. et al. (2017) ‘Can cycling safety be improved by opening all unidirectional cycle paths for cycle traffic in both directions? A theoretical examination of available literature and data’, Accident Analysis & Prevention. (Improving cyclist safety through scientific research, ICSC2015.), 105, pp. 38–43. doi: 10.1016/j.aap.2016.05.018.
自転車専用信号機(この節は2016年3月11日に追加)
http://www.bicycling.com/news/advocacy/this-city-is-adding-bike-friendly-traffic-lights-at-every-intersection
Tom Fucoloro. (2014-09-10). "2nd Ave bike lane continues to wow, city plans a few tweaks". Seattle Bike Blog.
シアトルの2番通りに構造分離型の自転車レーンが開通した直後、下り坂の途中にある交差点で、何人かの自転車利用者が車用の信号機を自転車用と誤認して赤信号を突破してしまった様子が報告されている。記事の写真を見ると、車用の信号機に近接する自転車用の信号機は目立たず、スピードが出ていると見落としやすそうに思える。また、信号機が交差点の対岸にしか設置されていない点も誤認の原因になりそうだ。
Mark Wagenbuur. (2014-10-16). "Why are we waiting? Protest for longer green times". BICYCLE DUTCH
ユトレヒトで自転車の信号無視に対する警察の集中取り締まりが実施され信号遵守率が向上した結果、自転車道に100m超の大渋滞が発生。調査したところ、自転車専用信号機の青時間を調整する感応制御系の検知器が故障しており、一度の信号サイクルで本来は30秒間点灯するはずの自転車用の青が6秒間しか出ていなかった事が判明。警察の取り締まり以前は信号無視によって渋滞発生が防がれ、問題が表面化していなかった。
別の交差点では、故障ではなくバス優先制御の為であるものの、自転車の赤時間が2分間もあり、信号待ちの自転車が歩道に溢れていた。オランダ自転車協会の地元支部がユニークな抗議キャンペーンを展開し、信号のタイミングの見直しに繋がった。
(2016年7月2日追加)
Mark Wagenbuur. (2016-06-21). "Traffic lights in ’s-Hertogenbosch; an interview". BICYCLE DUTCH
セルトーフンボス市の交通信号担当者、Eric Greweldinger氏へのインタビュー。信号機は人の助けとなるべきで、無意味な足止めは最小限に抑えるべきというブレの無い視点から、信号機に関する数々の工夫について解説している:
オランダでは信号機が交差点の対岸ではなく手前側に設置されるので、交差点進入後はもう運転者から灯火の色が見えない。この配置を活かして青信号の時間を秒単位で切り詰めている。歩行者用信号機は対岸に設置されるので横断中に信号が変わるのが見える事も有るが、飽くまで発進時の信号として従えば良い。
オランダの信号機は感応制御で、車道、自転車道にそれぞれ感知器(ループコイル)が埋め込まれている。この感知器で車両の接近速度も分かるので、速度に応じて青時間の秒数をコンマ以下の単位で切り詰め、交差道路の信号を早く青に切り替えている。
ギリギリの切り詰めによって捌き残し(転回する大型トラックなど)が生じ、交差道路の進路を塞ぐ事も有るが、ドライバーも馬鹿ではないので、そういう状況で発進したりはしない。安全上必要な最低限のクリアランス時間も確保している。
個々の車道、自転車道、歩道は、それぞれのネットワークの中での位置付け(主要路線かそれ以外か)で重要度を設定し、感応制御での青時間の割り振り方に反映させている。
路線バスの優先制御は以前は常に有効だったが、現在は個々のバスに識別タグを付け、バスの時刻表と照合する事で、早着しそうなバスは待たせ、他の交通モードを通す制御に変更した(conditioned priority)。
隣り合う交差点の連携制御は、その二つがよほど近接していない限りしていない。利用者が青信号の波に乗って走れていると感じるのは、複数の交差点を連携させているからではなく、個々の交差点の感応制御系が利用者を感知し、その利用者に合わせて信号を青に変えているから。
以前はグリーン・ウェーブ制御が持て囃されていたが、この制御は設定が難しく、利用者は運が良くないと波に乗れないし、大抵は一つの方向にしか働かない。また利用者の有無とは無関係に信号サイクルが回るので、交差する道路の利用者を無駄に待たせる事も有るし、利用者毎の速度の違いにも対応できない。この為、現在は自転車用にも車用にもグリーン・ウェーブ制御は使っていない。
フローニゲンの名物である自転車用の全方向同時青制御(tegelijk groen)については、ハーグが試験後すぐに元に戻した事、信号サイクル全体の時間や個々の利用者にとっての待ち時間がおそらく延びる事を指摘し、フローニゲンにはprotected intersectionが無い事がtegelijk groenを導入した理由だろうと締め括っている。
自転車用信号機に付いている、青に変わるまでの待ち時間を表示するインディケーターは、待ち時間が交通状況に応じてリアルタイムに変わるため、数字ではなくプログレス・バーを使っている。
感応制御系の感知ループコイルの1段目は、車道は交差点の60m手前、自転車道は25m手前に設置する /*2段目は停止線の直前*/。自転車道では2つのループコイルを75cm離して設置し、自転車の速度と方向を計算している。これにより/*双方向通行の自転車道で*/交差点から離れる方向の自転車を除外できる。交差点には念の為に押しボタンも用意されているが押す機会はあまり無い。
制御系は感知器で捉えた利用者をそれぞれの優先度に応じて重み付けし、それに基づいて信号機の青時間を調整(例えば遅延しているバスを優先)したり、利用者がいなければフェイズをスキップしたりする。
車道の信号機では青に変わるまでの残り秒数をカウントダウンする表示を試験導入し、交差点の交通容量を10〜15%増やせた。事故防止の為に交通状況によっては数字を出さない工夫もしている。
交差点の感応制御系は交通事故裁判での証拠としても認められており、「自分の信号は青だった」との自転車利用者の証言を覆した事も有る。
車両一台でも感知して信号を調整する制御や、赤信号の残り時間の表示によって、信号無視は自転車でも減少したとの印象。
セルトーフンボスではピーク時間帯、ドライバーの方が自転車利用者より信号での平均待ち時間が僅かに長い。それでも全ての道路利用者は20秒以上待たされる事は基本的に無い。
現在オランダ国内には約5500箇所の信号交差点が有り、うち1268箇所は2018年までに最新の制御に更新予定。信号機と車で情報を相互にやりとりし、車の側が信号のタイミングに合わせて速度を調整できるようにする仕組みも開発中。
コメント欄には読者から各国の信号事情が寄せられている:
プラハでは自転車用の信号が常に押しボタン制御で、交差点では必ず止まってボタンを押さなければならない。横断歩道の青時間が高齢者にとって短過ぎて短気で不注意な車に脅かされている。自転車と車の混合空間ではコイルループの感度が車に合わせてあり、自転車が認識されにくい。
タスマニアでは、記事で紹介されたようなシステムを導入しようにも予算が無く、信号サイクルは手動設定、自転車用の感知器は無く、制御サーバーはほんの1年前までWindows XPだった。
北米では自転車を保護する為に右左折車のフェイズが分離されている場合が有るが、秒数が固定されており、全ての交通参加者にとって遅れに繋がるので、完全な分離信号は道路利用者からも交通管理者からも嫌われている。
トロントのバス・トラムも車体下部にトランスポンダを備えており、路面のループコイルに情報を伝えているが、どの路線の車両なのか、曲がるのか直進するのか、遅延しているのか時刻通りなのかは伝達できない。カナダでは路面の凍結・解氷があるのでループコイルの保守管理費が高い。コスト削減の為に1車線あたりループコイルを1基しか設置しておらず、速度の認識精度が低いため、最後の車が通過してから信号が変わるまで1.8〜3.0秒の無駄が発生している。
ロンドンのWestminster Bridgeでは車、自転車、歩行者の順で信号が変わるが、長過ぎる赤信号に堪え兼ねて歩行者が自転車のフェイズで集団で渡り始めてしまう。
北米でも近年は固定信号サイクル+連携制御に対する疑念が高まり、自律式信号機が注目されている。
(2016年7月2日追加)
自転車歩行者道
http://www.abc.net.au/news/2016-05-09/is-there-a-speed-limit-for-bikes-on-footpaths/7391490
(2016年5月10日追加)
國行 浩史(2012)「自転車と歩行者の交通事故の実態」『ITARDA 第15回 交通事故・調査分析研究発表会』
自転車と歩行者の事故は自転車が歩道を通行している事が原因だと思われがちだが、2007〜2011年の死傷事故統計(負傷なし/軽傷は含まれていない)では車道横断中の歩行者を車道通行中の自転車が撥ねる事故(C+D)が約27%を占め、両者ともに歩道通行中(A)の約20%より多い事が分かる(p.10, 図18の数値から計算。但しこの図18の事故件数合計は前ページの図17の件数合計と一致しない)。(2016年7月3日追加)
Road Safety GB. (2014-01-15). “Minister confirms it’s OK for cyclists to ride on pavement”
"The introduction of the fixed penalty is not aimed at responsible cyclists who sometimes feel obliged to use the pavement out of fear of traffic and who show consideration to other pavement users when doing so."
(2017年2月5日追加)
佐々木 正大・浜岡 秀勝(2007-10)「自転車の走行挙動に着目した自転車事故防止対策に関する研究」『交通工学研究発表会論文報告集』27, pp.293–296
細街路交差点での出会い頭事故防止の為、歩道を通行する自転車には歩道の車道寄り部分を通行させるべきと指摘した研究。自転車と車それぞれの反応時間や減速度から停止に掛かる距離を算出し、歩道上であっても車道寄り部分なら衝突リスクが低いとの結果を、秋田市の某交差点(具体的な場所は明かしていない)での観察も踏まえて示している。
(2017年3月30日追加)
視覚的に分離された自転車レーン
buffered bike lane (enhanced bike lane)
自転車レーンと車道、自転車レーンと駐車枠の間にバッファを挟んだ構造
painted bike lane
バッファの無い自転車レーン
Charles Montgomery. (2013-11-15). "London's 'cycling superhighways' are ideal … for kamikazes". The Guardian
ロンドンで2週間足らずの間に自転車利用者が立て続けに車に轢かれて死亡した「暗黒の11月(Black November)」の最中に発表された記事。人々の振る舞いは道路のデザインで決まるとの視点から、名ばかり「スーパーハイウェイ」の危険性を指摘し、死亡事故の多発に関してインフラの欠陥ではなく自転車利用者の危険行為を責めたボリス市長(当時)を批判している。(2016年8月7日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=fh3dSbi1zug
(2016年8月9日追加)
advisory bike lane
自転車専用通行帯の規格を満たさない、法的効力の無い帯状空間
Hamburg. (2010-09-01). "Radfahrstreifen und Schutzstreifen Sicher und komfortabel Rad fahren"
正式な自転車レーンと簡易的な保護レーンの違いを図解しているハンブルク市による広報資料。(2017年2月22日追加)
自転車ナビライン(Sharrow)
http://nacto.org/wp-content/uploads/2010/08/San-Franciscos-Shared-Lane-Pavement-Markings-Improving-Bicycle-Safety.pdf
http://nacto.org/publication/urban-bikeway-design-guide/bikeway-signing-marking/shared-lane-markings/
The City of Austin Bicycle Team. (2010-07-15) "Effects of Shared Lane Markings on Bicyclist and Motorist Behavior along Multi - Lane Facilities".
テキサス州オースティンで複数の路線にsharrowを設置し、設置前後を録画して比較した結果、自転車の走行位置の平均値が車線中央寄りに移り、標準偏差も低下(バラツキが減少)した他、自転車を追い越す車も完全に車線変更する頻度が増え、車線跨ぎでの追い越しは減った。但し、横断面構成の図から分かるよ うに、駐車帯を除いた走行車線が4車線も有る路線にsharrowを設置した例も見られ、日本の道路環境に単純に適用できる調査結果かどうかは疑わしい。 また、これは道路利用者の挙動を調査したに過ぎず、事故率の変化は不明。(2016年3月2日追加)
Angie Schmitt. (2016-01-14). "Study: Sharrows Don’t Make Streets Safer for Cycling". Streetsblog USA
下の記事(Jaffe 2016)と同じ研究の紹介記事。内容の概説に加え、地区に居住する自転車通勤者数と実際に自転車に乗って対象区間を通行した人数は別であるという、研究結果を解釈する上での注意点を指摘している他、自転車利用を促進するには単にsharrowを描くだけでなく、自動車交通の大胆な抑制策と組み合わせる必 要が有る、とのDick Van Veenのインタビューにも言及している。(2016年3月2日追加)
Eric Jaffe. (2016-02-05). "Some Bike Infrastructure Is Worse Than None at All It’s time to put the sharrow to rest". CityLab
シカゴでsharrowが設置された路線は、自転車レーンが整備された区間や何のインフラも整備されなかった区間に比べ、自転車の通行台数の伸び率も、自転車通勤者数当たりの事故件数の減少率も劣っていた、という研究発表の紹介記事。(2016年2月28日追加)
木村泰・小林寛・鬼塚大輔・今田勝昭・上野朋弥(2015年6月)「走行実験を通じた矢羽根型路面表示の寸法・設置間隔に関する一考察」『土木計画学研究・講演集(CD-ROM)』 Vol.51, p.ROMBUNNO.37
(2016年6月28日追加)
新潟市(2014)「自転車走行空間路面表示設置実験結果について ~(主)新潟黒埼インター笹口線~」
交差点内に矢羽根型路面表示を設置して車道左端を通行する自転車を直線的に誘導した実験の報告。(2016年10月7日追加)
Dick van Veen. (2015-12-02). "Sharrows: the Big Leap Forward or Just an Evasive Side Step". Urban Commuter
オランダの交通コンサルタント会社Mobyconで働く交通工学・都市計画の専門家によるゲスト投稿記事。アメリカとカナダで近年導入が増えているSharrowについて、殆どの場合道路の制限速度がそのままにされており、自転車の保護にも利用促進にもなっていないばかりか、道路管理者や政治家がそれをインフラ整備実績と捉えてしまうリスクがあると批判している。その上で、オランダでは制限速度30km/h超の道路では自転車と車の混在通行は危険すぎるとして、最低でも自転車レーン、できれば自転車道で両者を分離するのが必須と紹介している。また、単に制限速度を引き下げるだけでは不充分で、道路構造もそれに応じたもの(対向車が来ている時は車が自転車を追い越せない狭さ)でなければならないと指摘している。(2016年8月10日追加)
Fietsstraat (bicycle boulevard; Fahrradstraße)
https://bicycledutch.wordpress.com/2012/07/12/before-and-after-s-hertogenbosch-3/
(2016年5月26日追加)
https://bicycledutch.wordpress.com/2015/04/07/another-new-bicycle-street-in-utrecht/
(2016年5月26日追加)
http://www.sustrans.org.uk/sites/default/files/images/files/Route-Design-Resources/Technical%20Note%2032%20-%20Cycle%20Streets.pdf
(2016年5月26日追加)
shared space(この節は2016年2月28日に追加)
http://bicycledutch.wordpress.com/2014/06/19/sharing-space-well-in-%CA%BCs-hertogenbosch/
http://www.pps.org/reference/shared-space/
http://www.jice.or.jp/jishu/t2/pdf/nitta.pdf
http://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/35-2-07.pdf
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2013/10/3333.pdf
http://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2011data/1110/1110Shared_Space_kyoto_city.pdf
http://www.solaripedia.com/files/1233.pdf
http://www.citylab.com/cityfixer/2015/03/6-places-where-cars-bikes-and-pedestrians-all-share-the-road-as-equals/388351/
http://archive.wilsonquarterly.com/sites/default/files/articles/WQ_VOL32_SU_2008_Article_03.pdf
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/Evaluation%20Laweiplein.pdf
Rowan Moore. (2012). "Exhibition Road, London – review". The Guardian
http://trrjournalonline.trb.org/doi/10.3141/2393-03
Benjamin Hamilton-Baillie. (2016-10). "Written submission from Mr Benjamin Hamilton-Baillie (DBE0067)". UK Parliament, Written evidence
shared space第一人者が議会に提出した意見書。shared spaceの歴史的意義やその特徴を簡潔に纏めている。(2016年11月8日追加)
Weili Dong. (2012). "Traffic Conflict And Shared Space: A Before- And After- Case Study On Exhibition Road". 1st Civil and Environmental Engineering Student Conference
ロンドンのExhibition Roadの整備前後で車と歩行者のニアミスをビデオ撮影して分析し、5ヶ所の観測地点の内、通過交通を排除したThurloe Streetを除く4地点ではニアミス頻度があまり変化していない事を明らかにしている(Figure 4)。車と歩行者の交通量当たりのニアミス発生率(全観測地点合計)では整備後は改善しているとも報告しているが、図中の数字を元に地点ごとに計算すると、Thurloe Streetでの大幅減が他の地点の微増を補っているように見える。(2016年10月9日追加)
David Hembrow. (2014-04-07). "Where the crashes are: Shared Space and other bad junction designs lead to crashes and injuries". A view from the cycle path.
shared spaceとして整備されたDrachtenのLaweiplein交差点(地図URL)が、実際には事故多発地点である事を指摘している。(2016年3月10日 概要追加)
Laweipleinの事故記録
https://www.youtube.com/watch?v=iUAhEQnaE-4
https://www.youtube.com/watch?v=pHwueWgjFfQ
https://www.youtube.com/watch?v=Sf-O5o4aqcs
Mark Treasure. (2016-03-09). "Removing isn’t always better – the problem with the ‘shared space’ term". As Easy As Riding A Bike
信号や横断歩道や縁石を無くして空間を共用させようとするshared spaceは、万能の解決策としてしばしば盲目的に使われる厄介な概念であるとの指摘。大量の通過交通を処理する路線を形だけshared spaceにした結果、却って歩行者の自由な横断を妨げる事になったイギリスの失敗事例を報告し、思考停止に繋がるshared spaceという用語の使用はもう止めようと提言している。(2016年3月10日追加)
Share the roadとVehicular cycling
John Forester. Forester
Vehicular cyclingの提唱者、ジョン・フォレスター氏のホームページ。自転車は一台の車として振る舞い、扱われる事で、より安全に、より高速に、より快適に走れると主張している。(2016年7月21日追加)
https://en.wikipedia.org/wiki/Vehicular_cycling
The VEHICULAR CYCLIST
(2016年7月21日追加)
https://nextcity.org/daily/entry/bike-lane-signs-drivers-cyclists-rules-of-road
Schrödinger's Cat. (2012-12-05). "Dutch scenes in a British context". The Alternative Department for Transport
自転車道などの高コストなインフラ整備は必要無く、人々に自転車に乗るよう呼び掛ける奨励活動をもっとすべきだ、との意見に対し、その種のキャンペーンはこれまで何も達成できておらず、何年にも亘って資金を無駄にしてきたと指摘し、(イギリスで義務づけられている)車道走行を普通の人々に求める事がどれほど非現実的かを、過酷なロンドンの道路環境にオランダの日常的な自転車利用者の姿をPhotoshop合成する事で示している。(2016年5月25日追加)
Schrödinger's Cat. (2015-01-28). "More Dutch cycling scenes in a British context". The Alternative Department for Transport
上の記事への反響を受けて作られた続編。イギリスで誰もが自転車を移動手段として気軽に使えるようにするには道路を変える必要が有り、車道を走る訓練や奨励は効果が無い、との意図を改めて説明しつつ、全く同じ手順で作られたPhotoshop画像が、Vehicular Cycling思想に取り付かれている人の手に掛かれば、皮肉ではなく、逆に宣伝材料にされてしまう、と実例を紹介している。(2016年5月25日追加)
Cycliq. (2015-03-25). "Riding Shotgun with Fly6 (V2)". Vimeo
テールライト一体型のビデオカメラのプロモーション映像。サイクリストが車道通行中に車から受ける加害行為の数々が捉えられている。(2016年7月29日追加)
Christian Jekat. (2016-03-21). "Radweg abgerissen: Radfahrer sind empört". NDR.de
湖畔の自転車道を撤去し、車道混在通行に転換したハンブルクの施策が如何に利用者から不評かを伝える映像。車との混在通行は安全で合理的だと言っているのがADFC(ドイツの自転車活用推進研究会みたいな組織)会員と市の道路担当者だけで、それ以外の全員が、現実の交通実態にそぐわない施策だと批判している。(2016年3月25日追加)
Schrödinger's Cat. (2016-03-23). "Cycleway removed, people are angry". The Alternative Department for Transport
Jekat (2016-03-21) のインタビュー音声を英語に翻訳して書き起こしている。(2016年3月25日追加)
Emma Jackson. (2016-07-12). "Don't be a jerk: Snarky signs tell drivers to respect cyclists" Metro News
工事で一時的に狭くなっている橋の車道で、車から危険な追い越しをされたりクラクションを鳴らされたとの苦情が自転車利用者から寄せられ、“Cyclists can take the lane(自転車は車線の中央を通行可)Stop honking!(クラクションを鳴らすのはやめろ!)”との看板が設置されたとのオタワの報道。遠回しな“Share the road”ではドライバーに理解されず、強い表現が必要との判断。看板設置に加え、集中取り締まりも行なわれ、2時間で29人のドライバーに追い越し違反の切符が切られた。看板は工事による自転車レーン整備後に撤去される予定。(2016年8月5日追加)
Alex Bowden. (2016-09-05). "US city to replace 'share the road' signs with 'bikes may use full lane' ones". road.cc
従来の"Share the road"標識は一部のドライバーから「自転車乗りに向けられた注意標識であり、その意味は『可能な限り縁石に寄って走れ』だ」と誤解されていた事から、曖昧さの無い文言、誤解を招かない色・形状の標識に変更する事になったとのオハイオ州コロンバスのニュース。過去の類例としてオタワ州の7月のニュース(旧標識では効果が無く、ドライバーがサイクリストに警笛の濫用やハラスメントをしていた為、文言をより具体的な“Cyclists Can Take the Lane – Stop Honking”に変更した)や、オレゴン州の去年のニュース(激怒したドライバーから文句を言われた事が切っ掛けで印刷会社の社長が同様の標識を自作した)などが紹介されている。(2016年9月5日)
車の速度抑制
http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/cgi-bin/gazo.cgi?no=211796
http://www.its.leeds.ac.uk/projects/primavera/p_calming.html
http://usa.streetsblog.org/2015/11/20/zig-zag-road-striping-calms-traffic-in-virginia/
http://nacto.org/publication/urban-street-design-guide/street-design-elements/vertical-speed-control-elements/speed-table/
ゾーン30(この節は2016年3月2日に追加)
https://nextcity.org/daily/entry/slow-speed-limits-cities-edinburgh-20mph
http://www.theguardian.com/environment/bike-blog/2016/mar/15/getting-people-cycling-residential-streets-more-than-20mph-limits-rat-runs
http://www.jste.or.jp/community/faq.html
このブログ(2015年1月31日)「ゾーン30を巡るボタンの掛け違い」
日本国内の専門家が、海外でゾーン30規制が適用される路線にどのような構造要件が有るのかに言及せず、単に「生活道路」という括りで捉えて報告書を纏めた結果、歩道が無い(か極めて狭い)生活道路や商店街道路といった、車の速度が30km/hでもまだ危険な環境にゾーン30規制が導入されていると警告し、そのような環境にはwoonerf相当の規制が妥当だと指摘した。(2016年4月16日追加)
OECD International Transport Forum. (2006). "Speed Management"(掲載ページ)
ゾーン30の30km/h制限の根拠として広く引用されている、衝突事故における車の速度と歩行者の死亡率のグラフを掲載している(p.41, pdf p.42)。日本国内の研究者はこの「死亡率("Probability of fatal injury")」を「重傷率」だと誤解している節がある。(2016年6月4日追加)
Global Road Safety Partnership. (2008). "Speed management: a road safety manual for decision-makers and practitioners"
OECD (2006) のグラフを引用した資料。日本の警察庁通達の根拠になった報告書はグラフをこちらから孫引きしている。(2016年6月4日追加)
Höskuldur R.G. Kröyer. (2015-07). "Is 30 km/h a ‘safe’ speed? Injury severity of pedestrians struck by a vehicle and the relation to travel speed and age". IATSS Research, Vol.39, Iss.1, pp.42-50.
衝突事故による歩行者の重傷度と車の速度(衝突時の速度ではなく、その事故地点の平均実勢速度。例えば交差点左折時の事故なら左折中の車の速度)の関連を調べたスウェーデンの研究。(2016年4月8日追加)
CROW Fietsberaad. (2009). "Fietsers profiteren nog te weinig van veilige 30 km/uur-wegen".
要約: 30 km/h制限道路で歩行者・自転車利用者が車に撥ねられて死傷する事故が増加 (重傷事故が1995年の27件から2007年の590件、死亡事故が3件から16件) しているものの、その主たる理由は30 km/h制限道路そのものの増加である (1989年以降、30,000 km以上の道路が30 km/u-zoneに転換された)。しかし自転車利用者の重傷者数はそれ以上のペースで増えており (30 km/h制限道路1,000 km当たりの重傷者数は過去10年で2.4人から11.7人に増加)、規制速度の実効性や交差点・横断歩道の安全性を担保する策が不足している事が指摘されている。(幹線道路の制限速度の規定値である) 50 km/h 制限を30 km/h制限に転換する事で歩行者・自転車利用者の死亡事故が大幅に減少している事は事実なので、SWOVは規制速度に見合った道路構造の研究・助言を強化していく。(2016年11月27日追加)
"Making minor rural road networks safer: The effects of 60 km/h-zones".
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21545884
(2016年12月18日追加)
副道
Mark Wagenbuur. (2012-05-21). "Dutch service streets and cycling". BICYCLE DUTCH
市街地の幹線道路の側道をゾーン30化し、車と自転車を混合通行させるインフラ形態について解説している。以下、記事の要点: 側道は各交差点の手前で終わるので、その都度、車は本線に合流しなければならない; 本線と側道で異なる制限速度を設定できるので、30km/h制限の側道では自転車レーンや自転車道を省略できる; 交差点を挟んだ別々の側道の間を自転車道で接続する事で、自転車は本線に合流させられずにそのまま安全に通行できる; 近年は側道をサイクル・ストリートに改修し、自転車が優先される事を視覚的に明確化(赤い着色舗装)する例が増えている。コメント欄にも有益な指摘が見られる: 側道内の一方通行規制は自転車が除外されている場合とそうでない場合が有る(恐らく幅員による違い); (本題からは外れるが)街路樹の木陰はサイクリストにとって重要; ロンドンにも側道は有るが、本線と違って優先通行権が得られない(脇道から本線に、側道を横切って出入りする車に優先通行権が与えられている)他、交差点の手前で自転車も本線に合流しなければならない(側道が無くなった分、沿道の建物が迫り出してくる)為、側道を選ぶサイクリストは少ない; ロンドンの側道はまた、駐車空間と通行空間の区分が曖昧で、駐車が無秩序(車道の左右だけでなく歩道上にも)であり、舗装もターマックの本線に対してコンクリートで、陥没も有る。(2016年5月14日追加)
http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/kannai2005/03/10.pdf
構造的分離を伴わない簡易的な「緩速車線」の効果の試算。都内の道路では明示的に設置しなくても既に交通実態がそうなってる気もするけど。(2016年5月26日追加)
インフラ形態の選好と安心感(subjective safety)
https://www.rita.dot.gov/bts/sites/rita.dot.gov.bts/files/subject_areas/omnibus_surveys/targeted_survey/2002_national_survey_of_pedestrian_and_bicyclist_attitudes_and_behaviors/survey_highlights/index.html
http://eprints.qut.edu.au/53981/
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/survey-protected-bike-lanes-are-more-than-twice-as-comfortable-as-striped-o
http://www.cbc.ca/news/canada/calgary/cycle-track-calgary-support-1.3359497
Nathan McNeil, Christopher M. Monsere, and Jennifer Dill. (2015). "Influence of Bike Lane Buffer Types on Perceived Comfort and Safety of Bicyclists and Potential Bicyclists". Journal of the Transportation Research Board, No.2520, pp.132–142.(別URL)
http://njbikeped.org/portfolio/the-3-foot-law-lessons-learned-from-a-national-analysis-of-state-policies-and-expert-interviews/
https://departmentfortransport.wordpress.com/2014/12/26/a-study-of-the-obvious-a-franklin-on-your-shoulder-and-the-myth-of-the-inexperienced-cyclist/
http://www.cycling-embassy.org.uk/news/2016/05/26/cycling-embassy-open-letter-to-cycling-minister-over-comments-on-barriers-to-women
(2016年5月27日追加)
「心拍変動を用いた自転車利用者の幹線街路評価に関する研究」
(2016年8月9日追加)
金 利昭・木梨 真知子・根本 奈央子(2010年6月6日)「新しい自転車走行空間の受容性と整備戦略に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
自転車歩行者道以外の通行空間整備に政策を誘導する目的で各通行空間の選好度をアンケート調査したもの。回答者に対して、事故リスクが最も高いのは歩道、次いで自転車道で、自転車レーンが最も安全という根拠の不確かなダミー情報まで提示して自転車レーンに回答を集めようとしているが、それでも回答は自転車道が単独で過半数を占めている。(2016年9月12日追加)
金 利昭・渋谷 大地(2015年6月6日)「自転車利用者のストレス計測に関する研究」『第51回 土木計画学研究発表会・講演集』
Polarの無線心拍計(POLER-800CX)で得た心拍数の変動をストレス指標として用い、自転車と歩行者の混在通行環境下では、非混在環境よりもストレスが(特に歩行者で)高い事を明らかにした研究。「瞬間ストレスからみた場合、歩行者と自転車の視点では、両者とも自転車が歩道を走行するより車道走行の方がストレスが小さくなった。」とも述べているが、実験は茨城大学構内の実験街路で自転車と歩行者のみを配置して行なわれたものであり、車道走行のストレスについては本来語り得ない。(2017年1月6日追加)
矢野 伸裕(2015)「自転車が歩道を通行する理由」『月刊交通』46(5), pp.4–11
将来もし歩道通行が禁止されても歩道を通行するとの回答が大半というアンケート結果を報告し、利用者の不安や要望に応える施策が必要であると示唆している。(2016年9月28日追加)
子供の自立と交通環境(この節は2016年3月16日に追加)
http://www.psi.org.uk/children_mobility
http://gsc.sagepub.com/content/1/3/226.full.pdf+html
自転車と経済活性化(bikonomics)この節は2016年3月16日に追加
http://www.smartgrowthamerica.org/research/safer-streets-stronger-economies/
https://bicycledutch.wordpress.com/2015/09/03/candidate-cities-for-the-best-cycling-city-of-2016-announced/
http://www.nyc.gov/html/dot/downloads/pdf/dot-economic-benefits-of-sustainable-streets.pdf
(2016年5月31日追加)
http://bikepgh.org/2016/07/01/it-all-started-out-with-a-parking-problem/
(2016年7月6日追加)
交差点設計
Matt Turner. (2015-05-24). "A Dutch residential area in Utrecht". YouTube
ユトレヒトの住宅街を貫く自転車・モペッド専用道の車載動画。車道との交差箇所(0:28)はcenter refugeによって自転車・歩行者が安全確認の認知負荷を分散できるように設計されている事が分かる。(2016年4月7日追加)
http://heijmans.nl/en/bikescout/
(2016年6月21日追加)
沼田 仲穂・寺中 祐典・紫藤 聖也・北島 洋樹(2013)「自動車の左折時における自転車との衝突危険性の考察」『自動車技術会論文集』Vol.44, No.1, pp.111–118
信号交差点で道路左側の歩道から横断帯に進入する自転車と左折自動車との衝突について、ドライバーが十分な注意を払っていても避けるのが難しい場合が有る事を、実車による走行実験(認知実験と制動実験)で明らかにしている。使用車両は死角が大きいと言われる中型SUVだが、ドライバー役の被験者5名は21〜23歳の男性で、高齢者も含むドライバー全体に比べれば運転が慎重なのではないか、認知や判断が素早く的確なのではないかと思われる点に留意が必要。交差点に接近する自転車が被験者から感知された地点はバラツキが非常に大きかったものの、その平均値から、ドライバーの視野角が正面から左に78度までの範囲だと推測している。制動実験では徐行状態と再発進直後のそれぞれで、ランダムなタイミングに急制動を指示。ペダル踏み替えの時間ロスも含めた停止所要時間・所要距離を測定し、個人差も考慮して1.5秒程度の余裕が必要としている。最後に両実験の結果を組み合わせ、自転車が徐行しない限り、衝突回避は困難と結論付けている。
(2016年8月23日追加)
坪井慶英・嶋田喜昭・舟渡悦夫(2012年6月)「信号交差点部における歩行者の影響を考慮した自転車滞留特性の分析」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
交差点で自転車利用者と歩行者がそれぞれどこで信号待ちをし、互いにどこでニアミスを起こしているかを実地観察した研究。交差点周辺で自転車と歩行者を混在させるという整備方針をそのまま反映した通行・ニアミス実態を明らかにしている。
(2016年9月12日追加)
A.RAHIMI A. Rahman・小嶋 文・久保田 尚(2012年6月)「交差点における自転車安全対策に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.45, p.ROMBUNNO.306
(2016年9月12日追加)
ABDUL RAHIMI Abdul Rahman, KOJIMA Aya, KUBOTA Hisashi. (2013). "Experimental Research on Bicycle Safety Measures at Signalized Intersections(信号交差点における自転車安全手法に関する実験研究)". Journal of the Eastern Asia Society for Transportation Studies, Vol.10, pp.1426–1445
木村 泰・本田 肇・伊藤 克広・金子 正洋(2011年)「交差点部における自転車走行特性に関する一考察」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.43
京都・五条通の自転車道で細街路との無信号交差点と、幹線道路との信号交差点のそれぞれに自転車の誘導を目的とした介入をし、ニアミスと動線の違いを実地調査した研究。無信号交差点では(車道と自転車横断帯の間に車の滞留スペースを設ける為に)車道側の自転車道の直線性を大きく損ねて歩道の延長線上の自転車横断帯に強引に誘導した結果、屈曲部でニアミスが集中的に発生し、利用者からの評価も低かった。信号交差点では交差点の角部分に自転車を誘導する青色の枠線を引いた結果、五条通を直進する自転車の約8割、交差道路から五条通に左折進入する自転車の約5割が設計意図通りの動線を描いたが、線に気付かなかった利用者もいた。(2016年9月12日追加)
石見拓也・吉田長裕(2010年6月)「車道上自転車通行帯を有する信号交差点における自転車と左折車の錯綜分析」『土木計画学研究・講演集』Vol.41, p.ROMBUNNO.375
交差点手前の自転車レーンの有無・形態がそれぞれ異なるコペンハーゲン、ポートランド、尼崎、シアトルの4都市の交差点をビデオ録画し、その映像を分析している。左折(海外では右折)車と自転車の錯綜は交差点手前で自転車と車を混在させるコペンハーゲンで多く、優先関係が曖昧になっていると指摘している。(2016年9月12日追加)
渡辺 章彦・遠藤 亮太・和田 健之・下原 翔平・島崎 敏一(2010年6月6日)「自転車走行環境の交差点付近での影響」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
自転車通行空間の形態ごとの自転車利用者の法令遵守率を比較している。しかし違反の判定基準がシビア過ぎる(「歩道の車道寄り部分を通行」や「自転車横断帯の中を通行」など)為、利用者の挙動というよりインフラの不寛容さを浮き彫りにする研究としての性格が強い。(2016年9月12日追加)
蓑島 治・金子 正洋・松本 幸司(2009年6月)「交差点における自転車の危険事象発生状況と滞留特性の把握」『土木計画学研究・講演集』Vol.39, p.ROMBUNNO.363
歩道内の自転車道を交差点手前で打ち切った大阪・中央図書館前交差点と、自転車レーンを交差点手前で打ち切った東京・西葛西8丁目交差点のそれぞれで、自転車の交差点周辺の動線やニアミス、信号待ちの滞留位置・滞留中の他の自転車との間隔を実地調査した研究。前後方向で断絶があり、左右方向でも揃っていない自転車通行空間の問題を端的に示している。(2016年9月12日追加)
小柳 純也・長田 哲平・小早川 悟(2013年6月)「自転車走行専用空間が交差した信号交差点における自転車の走行実態の分析に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.47, p.ROMBUNNO.177
(2016年9月12日追加)
構造分離型の交差点(protected intersection)
Nick Falbo(公開日記載なし; 埋め込み動画の投稿日は2014年2月14日)"Protected Intersections for Bicyclists | A new design for US streets"
自転車の安全性を確保する為に、オランダの交差点設計の知見を参考にした設計コンセプトを提示し、普及させる事を目的としたサイト。参考資料の出典付き。
Paul James. (2015-02-01). "The Left Hook Problem". Pedestrianise London
車道から左折する車と自転車道を直進する自転車の衝突防止策としてオランダの道路設計に取り入れられている工夫(縁石による段差や、多くの用途を持つ緩衝帯の重要性)を詳しく解説している。道路横断面の図で、歩道・自転車道・緩衝帯がそれぞれどのように車道平面から嵩上げされているのかが分かりやすい。(2016年5月17日追加)
Marc Caswell. (2015-06-30). "America Could Have Been Building Protected Bike Lanes for the Last 40 Years". Streetsblog USA
全米初のprotected intersection開通を前に、その構造がアメリカにとって実は目新しいものではなく、1970年代の設計指針に既に掲載されていた事を紹介し、その指針が実際の道路整備に活かされなかった背景に、Vehicular cycling思想を信奉するヴォーカル・マイノリティーの執拗な反対運動が有ったと指摘している。(2016年9月27日追加)
Michael Andersen. (2015-08-11). "America’s first protected intersection is open in Davis - and working like a charm" PeopleForBikes
アメリカ初のprotected intersectionがデイヴィスで開通した背景(オランダ視察した市議会議員が当初の改修計画では駄目だと判断、建設コンサルのMobyconに依頼、protected intersectionに設計変更して実現)を紹介し、開通後は誰も混乱せず、新しい交差点構造が安全かつ円滑に機能していると報告している。(2016年2月22日追加)
Here and Now(2015年9月30日)"‘Protected Intersection’ For Bikes Opens In Salt Lake City"
Nick Falbo氏のプレゼンテーション動画の公開から僅か1年半ほどで、protected intersectionがデイヴィスとソルトレイクシティーで実現した事を伝える記事。専門家を招いての対談音声付き。
CITE_admin. (2015-10-27). "Vancouver and the Protected Intersection". Canadian Institute of Transportation Engineers Canadian Institute of Transportation Engineers
2014年にバンクーバーで建設された、北米初のprotected intersectionの背景説明。市が目指す将来の都市像や、周囲の道路網の事情、改修対象となった交差点の設計課題などが簡潔にまとめられている。図は少なめ。(2016年4月27日追加)
Ross Kenny. (2015-11-07). "Vancouver’s Protected Intersections for All Ages and Abilities Cycling"
バンクーバー初のprotected intersectionの説明スライド。図や写真が豊富。(2016年4月27日追加)
London Cycling Campaign. (公開日記載無し). "Better Junctions"
従来ロンドンで採用されていたAdvanced Stop Line(通称 bike box)が交差点での自転車事故を防ぐには不充分だった(車がbox内に侵入する、自転車に追突する、信号が青に変わってから交差点に来た自転車を左折車が巻き込む、直進自転車と対向右折車が衝突する)と指摘し、それに代わる新たな交差点構造、cycle segregated junctionを提案している。但し、直進自転車と左折車は信号で分離する前提なので、アメリカが2015年夏にオランダの知見を参考に導入した protected intersectionとは異なり、自転車レーンのシフトは無い。二段階右折の待機スペースも心許ない。(2016年4月14日追加)
David Meyer. (2017-04-07). “Cones to the Rescue — Safer Turns at First Ave and 9th Street”. StreetsBlog NYC
交差点手前で左折車と自転車を混在させる構造の交差点で発生した左折トラックの自転車巻き込み事故を受け、その二日後にTransformation Department(対応の遅い市交通局に代わり自転車通行空間の安全を直ちに確保する為の三角コーンを設置する活動をしているゲリラ団体)が交差点に複数の三角コーンを配置したというニュース。コーンは左折車と自転車の混在を解消し、左折車に小さな半径での(つまり低い速度での)旋回をさせる効果が期待されている。日本国内の専門家が範とし、実際に日本国内で整備が広がりつつあるアメリカの交差点設計の思想が実は安全に繋がっていないと露呈する象徴的な出来事。(2017年4月13日追加)
自転車横断帯
Byron Kidd. (2013-11). "Police Systematically Removing Bicycle Crossings Around Tokyo". Tokyo By Bike
(2016年4月19日追加)
Laura Laker. (2016-04-18). "Safer cycle infrastructure possible after signage rule changes"
(2016年4月19日追加)
このブログ(2015年6月2日)「実は理想に近かった従来の交差点構造」
(2016年4月19日追加)
デンマーク
Søren Underlien Jensen, Michael Aakjer Nielsen. (1996). "Cykelfelter - Sikkerhedsmæssig effekt i signalregulerede kryds". Rapport nr. 51
信号交差点への自転車横断帯(交差点内に引かれる青い帯状の路面表示)導入の安全効果を評価した研究。全国の事故統計を元に、自転車横断帯を整備しなかったとの仮定で期待される個々の交差点の事故件数を推測し、その件数と実際に整備交差点で発生した事故件数の間に有意差が見られるかどうかを調査している。自転車横断帯を導入した32ヶ所の交差点では自転車は事故の総件数と死亡・重傷事故件数が有意に減少した。自転車横断帯以外の安全策を導入した15ヶ所の交差点でも事故件数は減少したが有意差ではなかった。主に減少した事故は左折車と対向自転車(日本の右直事故に相当)。自転車横断帯のタイプ別では、青色の帯状にペイントしたタイプが最も安全効果が高く、30cm角の白いドットを並べただけのタイプは有意差を検出できなかった。(2016年12月23日追加)
Søren Underlien Jensen, Vejdirektoratet, Trafiksikkerhed & Miljø. (1996). “Cykelfelter. Sikkerhedsmæssig effekt i signalregulerede kryds”
http://www.trafikdage.dk/td/papers/papers96/sikker/jensen/b_jensen.htm
http://www.trafikdage.dk/td/papers/papers96/sikker/jensen/jensen.pdf
(2016年12月23日追加)
Søren Underlien Jensen. (2006-10). "Effekter af overkørsler og blå cykelfelter"
(2016年12月23日追加)
(). “Sikkerhed for cyklister i kryds”
http://www.celis.dk/filer/Sikkerhed_for_cyklister_i_kryds.pdf
(2016年12月23日追加)
advanced stop lineとbike box
Dill, Jennifer and Monsere, Christopher M. (2010). "Evaluation of Bike Boxes at Signalized Intersections [Presentation]". Urban Studies and Planning Faculty Publications and Presentations. Paper 66.
オレゴン州ポートランドのbike box導入実験。ビデオ録画による挙動調査と街頭アンケートで導入前後を比較している(対照群あり)。bike boxの設置によって、赤信号の間に交差点に到着した車が停止線を越えて横断歩道に侵入する率が低下し、車が自転車に道を譲る率が向上した。bike box空間の内、自転車の信号待ちの位置は主に単路の自転車レーンの延長線上の部分で、車の前方に位置する部分で待機したのは9%だけだった。(2017年2月11日追加)
赤信号での右折許可(right turn on red)
車
https://en.wikipedia.org/wiki/Right_turn_on_red
(2016年4月19日追加)
Paul Zador, Jack Moshman, Leo Marcus. (1982-06). “Adoption of right turn on red: Effects on crashes at signalized intersections”. Accident Analysis & Prevention, 14(3), pp.219–234.
アメリカで車に対し赤信号の交差点を右折可にする法改正が為された結果、法が未施行だった州に比べて事故が20%以上増加したとの論文。(2017年2月12日追加)
ベルギー
http://road.cc/content/news/39127-belgium-moves-towards-right-turn-red-cyclists
(2016年4月19日追加)
デンマーク
http://road.cc/content/news/198965-denmark-cyclists-allowed-turn-right-red-lights
(2016年7月29日追加)
http://www.xpats.com/cyclists-allowed-run-red-light-brussels
(2016年4月19日追加)
http://www.dr.dk/nyheder/regionale/midtvest/succes-med-cyklister-drejer-trods-roedt-lys
(2016年4月14日追加)
http://cphpost.dk/news/right-turns-at-red-lights-trial-for-bicycles-a-success.html
(2016年4月14日追加)
http://road.cc/content/news/186341-danish-%E2%80%98turn-right-red%E2%80%99-trial-worked-says-government
自転車にだけ赤信号での交差点右折(日本の左折に相当)を許可するデンマークのパイロット実験が成功しているとの報道。(2016年4月14日追加)
パリ
http://www.paris.fr/actualites/apres-le-tourne-a-droite-la-ville-experimente-de-nouveaux-mouvements-pour-les-cyclistes-aux-feux-3647
(2017年2月20日追加)
http://www.paris.fr/actualites/a-partir-de-cet-ete-le-cedez-le-passage-cycliste-au-feu-rouge-est-generalise-dans-paris-2719
(2016年5月9日追加)
http://www.bbc.com/news/world-europe-33446899
(2016年5月9日追加)
http://www.theguardian.com/cities/2015/oct/27/cyclists-run-red-lights-paris-london-san-francisco
(2016年4月19日追加)
http://www.bbc.com/news/magazine-33773868
(2016年4月19日追加)
http://www.bbc.com/news/world-europe-33446899
(2016年4月19日追加)
http://www.cyclingweekly.co.uk/news/latest-news/cyclists-in-paris-are-now-allowed-to-jump-red-lights-181510
(2016年4月19日追加)
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/france/11728098/Paris-to-allow-cyclists-to-skip-red-lights.html
(2016年4月19日追加)
http://next.paris.fr/english/english/cyclists-in-paris-can-now-legally-ride-through-some-red-traffic-lights-in-the-city/rub_8118_actu_156536_port_19237
(2016年4月19日追加)
http://www.fastcoexist.com/3048776/in-paris-its-now-legal-for-bikers-to-run-the-red-lights-that-theyve-been-running-anyway
(2016年4月19日追加)
http://www.treehugger.com/bikes/city-paris-let-cyclists-go-through-some-red-lights.html
(2016年4月19日追加)
https://www.eta.co.uk/2015/07/13/cyclists-can-run-red-lights-in-paris/
(2016年4月19日追加)
アイダホ・ストップ(Idaho stop; rolling stop)
https://vimeo.com/4140910
(2016年5月9日追加)
http://brandonwhyte.businesscatalyst.com/assets/mastersprojectbrandonwhyteprintquality.pdf
(2016年5月9日追加)
サンフランシスコのWiggleルートでのデモ活動
http://www.nytimes.com/2015/10/21/us/san-francisco-may-let-bicyclists-yield-at-stop-signs.html
(2016年5月22日追加)
https://www.facebook.com/wiggparty/videos/10155921466085038/
(2016年5月22日追加)
http://abc7news.com/traffic/san-francisco-bicyclists-protest-outdated-traffic-laws/892465/
(2016年5月22日追加)
http://kron4.com/2015/07/29/san-francisco-bicyclists-protest-crackdown-on-traffic-laws/
(2016年5月22日追加)
ユトレヒトでのデモ活動
https://bicycledutch.wordpress.com/2014/10/16/why-are-we-waiting-protest-for-longer-green-times/
(2016年5月22日追加)
自転車の渋滞
https://bicycledutch.wordpress.com/2012/11/22/trouble-in-paradise/
(2016年5月22日追加)
exit construction
遠州建設(2012年8月)「瀬戸市 乗入工事」
車乗り入れ部の工事例。車用のスロープの両脇にコーナー縁石を追加している。(2017年1月8日追加)
ラウンダバウト(海外)この節は2016年2月22日に追加
CROW. (1998). "Eenheid in rotondes"
ラウンダバウトの設置、設計の指針。交通容量の計算方法と、安全確保の為の設計上の判断基準を示している。現在は紙媒体が絶版で、電子版の道路設計総合ナレッジ・モジュール(市街地編と郊外編)に移行している。
CROW. (2002). "Fietsoversteken op rotondes"
ラウンダバウトの自転車横断帯の適切な設計方法に特化した内容。上の"Eenheid in rotondes"の補遺。
CROW. (2008). "Turborotondes"
車の交通容量を確保する為に環道内を多車線にした、所謂ターボ・ラウンダバウトについて、設計や付帯設備などを解説。ターボ・ラウンダバウトが本当に適切な解決策なのかどうかの判断を助ける。付録CD-ROMには多数の基本的な設計例を収録。
CROW. (2015). "Basiskenmerken kruispunten en rotondes"
交差点やラウンダバウトが最低限満たすべき基準を記載。道路利用者にとって把握しやすく、安全に通行できる構造を議論している。
A. Dijkstra. (2005). "Rotondes met vrijliggende fietspaden ook veilig voor fietsers?" SWOV
オランダ国内のこれまでのラウンダバウト研究の展開を3段階に分けて概説している: 第1段階では、通常の交差点をラウンダバウトに転換した事で安全性が大きく向上した事が確認された; 第2段階では、ラウンダバウト内での自転車通行空間の構造によって事故率に差が有る事が確認された; 第3段階は(論文発表当時は進行形だった研究で)、ラウンダバウト出入り口の自転車横断帯で自転車に優先通行権を与えない方が事故率が低いのではないか、という点を扱っている。
なお、日本国内では2016年現在、この第2段階に関する議論までは一部の論文で指摘はされているものの、交通工学研究会による設計ガイドラインや国土交通省のラウンドアバウト検討委員会など、実務的な領域には全く活かされておらず、全国各地で欠陥構造のラウンダバウトが、その危険性について意識されないまま増加しつつある。(2016年5月22日、文の編集)
Stijn Daniels, Tom Brijs, Erik Nuyts, Geert Wets. (2009). "Injury crashes with bicyclists at roundabouts: influence of some location characteristics and the design of cycle facilities". Journal of Safety Research, Vol.40, Iss.2, pp.141–148
ラウンダバウトの安全性を構造別に比較したベルギーの研究。自転車の交通量が得られない為、ラウンダバウト以外の交差点を対照群とし、ラウンダバウト化改修の前後で事故件数を比較している。先行研究と同じく、環道の端に自転車レーンを配置する構造が、車道混在や分離自転車道方式よりも危険だとの結果が出ている。(2016年8月10日追加)
Honu. (2012-07-04). "Roundabout T-Bone Bicycle Accident 5th July 2012" YouTube
環道の外縁部を通行する自転車が、環道に進入してきた車に側面衝突された事故映像。
Landeshauptstadt Düsseldorf. (公開日記載なし). "Radfahren im Kreisverkehr"
自転車のラウンダバウト内の通行方法について注意事項を図解している。この図を見ると、現在日本で整備が進む、環道外縁部の自転車ナビラインは事故の誘因になる事が予想できる。現在は閲覧できないが、別のサイトに同じ図が掲載されている。(2016年8月21日追記)
David Hembrow. (2011-09-19). "Connecting a roundabout with cycle paths to a road without them" A view from the cycle path
ラウンダバウトに繋がる道路に自転車道が無くても、ラウンダバウトの周囲だけ自転車道を設置するという選択肢が有る事を、オランダの実例を挙げて紹介している。オランダ式のラウンダバウトを設計したいというイギリス人設計者の為に書かれた記事だったが、結局、その設計者は3年間に亘る助言を無視し、自転車道を設けない設計でラウンダバウトの改修工事を完了させた。
Mark Treasure. (2014-10-17). "The Perne Road roundabout design". As Easy As Riding A Bike
Hembrow氏の助言を無視して施工されたケンブリッジのラウンダバウト改修工事を批判している。
Mark Wagenbuur. (2014-12-11). "Transitions from one type of infra to the other". BICYCLE DUTCH
自転車道から車道混在通行など、異なるインフラ形態が接続する箇所では、利用者が滑らか且つ安全に遷移できるよう、設計上の配慮が必要であると述べ、イギリスの不適切な例とオランダの優れた例を列挙している。単路で自転車インフラが無くても交差点の周辺だけは車道から構造的に分離された自転車道を設けた事例も紹介している。
David Hembrow. (2014-05-23). "The best roundabout design for cyclists. The safest Dutch design described and an explanation of why this is the most suitable for adoption elsewhere" A view from the cycle path
安全なラウンダバウトの設計上のポイントを纏めている。また、オランダ国内のラウンダバウトには複数の幾何構造・運用方法の種類が有り、それぞれ安全性が異なる事を説明している。
Mark Wagenbuur. (2015-10-13). "Explaining the Dutch roundabout abroad" BICYCLE DUTCH
オランダのラウンダバウトの安全性や強みを海外に分かりやすく伝える為に、設計コンサルタント会社の知人からの求めで作成したビデオを掲載している(非常に参考になる。必見!)。同時に、その要望の背景として、北米の自転車インフラの議論が大きく変わり、単なるペイントでは駄目で、protected bike lane や protected intersection が必要だとの認識が広がっている事にも触れている。
CycleGaz. (2015-07-07). "Queen's Circus - New Cycle Infrastructure". YouTube
ロンドンで初めて環道内で車と自転車の空間を完全に分離したラウンダバウトとして2015年7月に供用開始されたQueen's Circusの車載動画。ラウンダバウトながら信号機を立てて自転車と車の流れを時間的に分離している。安全ではあるが自転車にとって通過に時間が掛かり過ぎで、自転車レーンを使わずに車と一緒に走るサイクリストの姿もちらほら見られる。(2016年4月23日追加)
Ross Lydall. (2014-08-20). "Road users split over 'magic roundabout' which separates bikes from cars". Evening Standard
(2016年4月23日追加)
Duane R. Geruschat, Shirin E. Hassan. (2005-05). “Driver Behavior in Yielding to Sighted and Blind Pedestrians at Roundabouts”. Journal of Visual Impairment and Blindness, 99(5), pp.286–302
ドライバーが横断歩行者に道を譲る率は車の速度と反比例するという研究。(2016年12月25日追加)
2016年11月11日追加{
http://teachamerica.com/RAB14/RAB14papers/RAB14ppr160_Pratelli.pdf
http://absrs.org/sajt/doc/File/B-01.pdf
http://www.fhwa.dot.gov/publications/research/safety/00068/
http://international.fhwa.dot.gov/pubs/pl03020/chp05.cfm
http://www.turboroundabout.com/turbo-roundabout.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Roundabout#Bicycles
}
ラウンダバウト(日本国内)この節は2016年2月20日に追加
交通工学研究会(2009年)『ラウンドアバウトの計画・設計ガイド(案) Ver. 1.1』
「歩行者・自転車の取り扱いには注意が必要」と書きつつ、ラウンダバウト周辺の自転車走行空間については考察も設計例も皆無。オランダの設計指針も引用しておらず、自転車の通行を考慮したラウンダバウト設計はさも未解決の課題であるかのように扱っている。(2016年2月22日追加)
吉岡 慶祐・小林 寛・山本 彰・橋本雄太・米山 喜之(2013)「ラウンドアバウトに関する設計基準の海外比較と我が国での幾何構造基礎検討」『土木計画学研究・講演集』Vol.47 CD-ROM
「自転車の通行位置に関して、ドイツ・アメリカ・イギリスでは流出車両との巻き込み事故の危険性があるため、環道部の外端を走行させないよう、環道内に特別な路面標示等は行わないほうが良いとしている。(自動車と自転車は一列通行を推奨)」との指摘が有る。しかし、それよりも更に優れたオランダのラウンダバウト構造には全く言及していない。(2016年2月22日追加、2016年5月22日編集)
小林 寛・今田 勝昭・高宮 進(2014-12)「都市内ラウンドアバウトにおける適切な自転車通行方法に関する基礎検討」『土木技術資料』56(12), pp.42–45
車の環道とは別個の自転車通行空間を設けない前提で、自転車と車を一列に通行させるべきか、環道内の外縁を車と並列に通行させるべきかを、シミュレーション・ソフトと実走試験で評価した研究。(2017年2月17日追加)
鈴木 弘司・中村 英樹・森田 綽之・下川 澄雄・高瀬 達夫(2015-06)「ラウンドアバウト整備事例集の意義と課題」『第51回 土木計画学研究・講演集』
国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/roundabout/index.html
(2016年5月22日追加)
国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会「配布資料6 計画・設計における適用条件と留意事項について」『第3回 ラウンドアバウト検討委員会』
自転車は環道内を左側通行するものとしか書かれておらず、根拠となる資料の引用も、工学的な検討も為されていない。(2016年5月22日追加)
国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会「配布資料8 ラウンドアバウト現地視察 (静岡県焼津市関方交差点)」『第3回 ラウンドアバウト検討委員会』
初めてラウンダバウトを通行したバスドライバーが気付いた点を纏めている。バスの左折時に後方から直進のオートバイ・自転車が来た場合の巻き込み事故リスクについて懸念している。(2016年5月22日追加)
長野県軽井沢町の六本辻ラウンダバウト(2012年11月に社会実験開始)
軽井沢町役場 生活環境課 防犯交通係・長野県軽井沢警察署(2013年4月23日)「六本辻ラウンドアバウトリーフレット(日本語版)」
作成者名の記載なし(2013年9月5日)「ラウンドアバウトの現状」
国土交通省の第1回ラウンドアバウト検討委員会での配布資料。 p. 9に六本辻ラウンドアバウトの利用者アンケート結果が引用されており(引用元の資料はインターネット上では見当たらない)、現地を通行した自転車利用者 47人のうち、18人が「危険になった」と回答した事が分かる(「安全になった」は14人)。
kkkaru1(2013年11月3日) 「軽井沢町六本辻ラウンドアバウト渋滞 #1」『YouTube』
乗用車がエプロン部分に乗り上げて環道内で他の車と並走したり、環道内の車を遮って割り込む車が多数捉えられている。
長野県軽井沢町 企画課 都市デザイン室(2013年)「軽井沢六本辻のラウンドアバウト社会実験について」『道路行政セミナー』12月号
森 憲之・遠藤寛士・神戸信人・中嶋一雄(2014年5月)「軽井沢町六本辻交差点のラウンドアバウト社会実験」『国際交通安全学会誌』Vol. 39, No. 1, pp. 22-30
「別荘所有者からは海外経験が多いこともあり、ラウンドアバウトについて肯定的意見が多く見受けられた」とのアンケート結果に言及している。
作成者名表示なし(2014年9月26日)「軽井沢六本辻ラウンドアバウト社会実験」
軽井沢町(2015年3月27日)「六本辻ラウンドアバウト」『長野県軽井沢町公式ホームページ』
のの字な道(2015年6月11日)「六本辻ラウンドアバウト」
考察や現地の写真を掲載している個人ブログ。
長野県須坂市の野辺町(のべまち)交差点(2014年9月1日に運用開始)
須坂市 まちづくり推進部 道路河川課(公開日記載なし)「ラウンドアバウトの整備について」
須坂市 まちづくり推進部 道路河川課(公開日記載なし)「ラウンドアバウトの通行方法」
須坂市(2014年9月2日)「野辺町ラウンドアバウト開通式パンフレット」
長野県安曇野市の本村 円(ほんむら まどか)交差点(2015年4月15日に供用開始)
安曇野市 都市建設部 建設課(2015年4月9日)「ラウンドアバウトの整備について」
安曇野市 都市建設部 建設課(2015年4月16日)「ラウンドアバウト「本村 円」交差点が開通しました」
沖縄県糸満市の糸満ロータリー(2015年10月にラウンダバウトとしての運用実験開始)
糸満市(2015年10月2日)「糸満ロータリーのラウンドアバウト化に向けた社会実験について」
糸満市(2015年10月2日)「周知チラシ」
自転車には歩道上を歩行者と同じように通行するよう案内している。
新潟県田上町の田上あじさい交差点(2016年2月19日に供用開始)
新潟県 三条地域振興局 農業振興部・新潟県 南蒲原郡 田上町・新潟県 加茂警察署(2015年12月1日)「ラウンドアバウトパンフ_151201」
ケンオー・ドットコム(2016年2月19日) 「田上町に県内初の環状交差点「ラウンドアバウト」開通」
kenohcom(2016年2月19日)「【車載動画】新潟県内初の環状交差点(ラウンドアバウト)田上あじさい交差点」
たがみっこのブログ(2016年2月19日)「優しさと豊かさでキラリと行き交う街:田上町@田上あじさい交差点(ラウンドアバウト)説明会参加報告」
新潟市西蒲区の角田浜環状交差点(2016年3月31日に供用開始)
水庄建設株式会社(2016年5月11日最終更新)「角田浜環状交差点(ラウンドアバウト) - 主要地方道新潟中央環状線(角田浜地内)環状交差点改良工事ホームページ」
これまでの事例と同じく、自転車ナビラインを環道の外縁部に引いた構造を採用している。(2016年5月22日追加)
埼玉県羽生市須影(2017年3月30日に供用開始)
羽生市(2017年04月06日)「須影地内のラウンドアバウト(環状交差点)の開通について」
前例と同じく自転車ナビラインを環道の外縁部に引いた構造を採用しているが、自転車の通行方法についての説明が無い。リンクされている埼玉県警の説明映像(00:08'06"から)を見ると、なぜ外縁に沿って走るのが危険か、皮肉にも良く分かる。(2017年8月20日追加)
heboDJ.net(2017年4月23日)「埼玉県羽生市のラウンドアバウトを訪問」
(2017年8月20日追加)
インフラ整備事例(海外)
オランダ
David Hembrow. (2015-02-12). "Street design hostile to cycling. Jan Fabriciusstraat in Assen is an example of a greater Dutch malaise". A view from the cycle path
オランダ北東部の都市アセンのJan Fabriciusstraatで新たに整備された自転車通行空間が、(空間的には充分可能だった)旧来の安全な自転車道構造を採用せず、わざわざ危険な自転車レーン構造で整備されたとの報告。現地の利用状況もレポートしており、車道上の危険な自転車レーンを嫌って一部の自転車利用者が歩道上を走行している様子を動画に捉えている。(2016年4月16日追加)
David Hembrow. (2016-07-11). "A traffic light design which enables safe turns across traffic for everyone". A view from the cycle path
左折(日本の二段階右折に相当)の待機スペースを備えた誰でも安心して通行できる丁字路の整備事例。自転車レーンは丁字路の横画部分で車道から構造的に分離されたバイパスになっているので、実質的には二段階左折ではなく一段階左折。以前は大型車が交差点を曲がる時に車体の一部が自転車レーンに入ってしまっていた為、丁字路を直進する自転車も赤信号で足止めしていたが、構造の改修でその必要が無くなった。(2016年7月13日追加)
https://bicycledutch.wordpress.com/tag/before-and-after/
Proveniersstraat, Rotterdam (before / after)
車が双方向通行可能で自転車通行空間が無かった通りを一方通行化・ゾーン30化し、車道の左右に自転車レーンを設けた改修事例。駐車スペースも維持している。自転車レーン部分は滑らかな舗装だが、車が通行する中央部分はブロック舗装。(2016年12月10日追加)
Kelsey E. Thomas. (2016-04-25). "Dutch City Takes Protected Intersection for Bikes a Step Further". Next City
自転車側に優先通行権が有る無信号交差点で、路面に埋め込んだLEDで自転車の接近をドライバーに知らせる"BikeScout"システム。オランダ、アイントホーヴンで試験的に導入された。背景には電動アシスト自転車の普及でドライバーの想定以上に速く走る自転車が増えている事も有る。導入費は約4万ユーロで、年間維持費は約1千ユーロ。(2016年4月26日追加)
Heijmans NV. (2016-04-08). "Heijmans BikeScout helps cyclists cross safely". YouTube
BikeScoutシステムの紹介動画。珍しくフレームレートが50で動きが滑らか。(2016年4月26日追加)
ドイツ
https://janheine.wordpress.com/2013/07/12/cyclepaths-in-berlin/
ベルリンの種々の自転車通行空間の写真レポート。極めて狭い自転車道で自転車利用者同士の接触や事故が起こっている実態を紹介している。車道上の自転車レーンについてはドアゾーンを避けた配置を高く評価している。(2017年2月22日追加)
イギリス
https://tfl.gov.uk/modes/cycling/routes-and-maps/cycle-superhighways
ロンドンのサイクル・スーパーハイウェイ路線一覧(2016年8月7日追加)
https://www.theguardian.com/uk-news/2013/nov/17/cyclists-dead-london-roads-safer
(2016年8月9日追加)
http://content.tfl.gov.uk/international-cycling-infrastructure-best-practice-study.pdf
(2016年8月10日追加)
http://content.tfl.gov.uk/international-cycling-infrastructure-best-practice-study-appendix.pdf
(2016年8月10日追加)
フランス
(2015-08-03). "Piste cyclable : un peu de bitume supplémentaire au carrefour Barbès". Action Barbès.
日本の自転車歩行者道と同じく横断歩道の待機スペース周辺で途切れてしまっていた歩道上の自転車道を、視覚的に連続するよう改修したパリの事例。改修前は歩行者が、自分が自転車道の上に立ち塞がっていると自覚するのも難しかった。場所はここ。(2016年3月10日追加)
アメリカ
Ben Yakas. (2016-01-21). "Video: One Simple Trick To Stop NYC Drivers From Killing You", gothamist
交差点内にたった3つ三角コーンを置いただけで右左折車の速度が低下したとの報道。機能的にはオランダの交差点のprotective traffic islandに近い。大規模な改修工事をしなくても安全性を即時に改善できる可能性を示した。設置したのは一人の活動家で、動きの鈍い市交通局やコミュニティー・ボードに業を煮やしてのゲリラ的な実験。
SeattleのSecond Avenue(自転車レーン→自転車道)
http://www.seattle.gov/news/detail.asp?ID=14619&dept=19
(2016年4月17日追加)
https://www.cascade.org/blog/2014/09/worst-first-seattle%E2%80%99s-second-avenue-protected-bike-lane-demonstration-project-game
(2016年4月17日追加)
http://blogs.seattletimes.com/today/2014/09/second-avenue-entices-cyclists-baffles-motorists/
(2016年4月17日追加)
http://www.streetsblog.org/2016/06/08/dot-will-close-remaining-gaps-in-first-avenue-protected-bike-lane/
(2016年6月9日追加)
http://www.nyc.gov/html/dot/downloads/pdf/first-ave-protected-bike-lane-jun2016.pdf
ニューヨークの1st Ave.で自転車レーンが構造的に分離されておらずsharrowで混在通行をさせていた危険なギャップ区間を他の区間と同じくfloating parking laneで保護する構造に改修する計画の概要。車の通行帯を減らしても車の交通量は道路の交通容量を上回らない事を示している(p.16)(2016年6月9日追加)
その他
Melia Robinson. (2016-03-31). "50 amazing new public-space transformations captured by Google Street View". Business Insider
Google Maps Street Viewが捉えた世界各地の公共空間の改修事例。(2016年12月10日要約を追加)
インフラ整備事例(日本国内)
国土交通省(2008年1月17日)「自転車通行環境整備のモデル地区を指定しました」
自転車インフラ整備のモデル事業開始を知らせる報道発表。事業背景に、自転車と歩行者の事故増加、自転車の環境負荷の小ささを挙げているが、事業内容を見ると両省庁の関心は専ら自転車と歩行者を分離する事にあり、地球温暖化対策は単なる枕詞と化している(自転車インフラ整備と併せて実施すべき、中心市街地でのクルマ抑制策に一切言及が無い)。また、「欧米並みの自転車先進都市」という表現や、先進都市の例として(自転車の交通分担率が1〜3%と大阪や東京より遥かに低い)パリを挙げている事から、欧米でも都市ごとにbicycle-friendlinessが大きく異なる実情を理解しておらず、十把一絡げに「先進都市」と有り難がっている事が窺われる。(2016年4月8日追加)
国土交通省(2010年9月16日)「報道発表資料:自転車通行環境整備モデル地区の整備状況について」
国交省と警察庁が2008年から全国で進めてきた自転車インフラ整備のモデル事業のまとめ。モデル地区一覧と、インフラ形態ごとの整備延長が書かれている。但し、個々の整備事例の詳細な設計は集約されておらず、交通法上の分類しか分からない。(2016年4月8日追加)
Think Our Street 推進委員会(最終更新2015年3月27日)「既存道路空間の再構築と有効活用について」
日本各地の自転車インフラ整備や安全教育の事例を広範に収集している。アンケート結果を纏めた表がテキストデータではなく画像なのが惜しい。それは検索エンジンの目を逃れる為の技だ。(2016年4月5日追加)
札幌市
コニー(2010年9月23日)「ベンガラ着色舗装の厚別新自転車道」『シリベシアン(後志人)』 (2016年4月5日追加)
仙台市
yjj7top(2009年06月04日)「新しいブルーレーン」『親方のチャリと祭りな話』(2016年4月5日追加)
ぱんだ(2009年07月16日)「宮城野通りの噴水たち」『ぱんだこぱんだ』(2016年4月5日追加)
自転車道の中に立て看板や放置自転車、街路樹、ゴミの集積所などが有って走りにくく、普通の人は横の広い歩道を通ると指摘している。
yjj7top(2010年10月25日)「宮城野通り自転車道アンケート?」『親方のチャリと祭りな話』(2016年4月5日追加)
見かけは立派だが実際に走ってみると、隣の歩道の広大さに比べてあまりにも狭く、曲がりくねっているのに対面通行、並木や標識の障害物が多い、マンホールの蓋がある、路面が妙に凸凹している、バス待ちの乗客が塞いでいる、などの多数の欠陥が有る事を、(記事の書き手だけでなくコメント投稿者も)指摘している。
カレーパンマン(2011年02月18)「宮城野通り イーグルロード」『カレーパンマンのポタ日記』
自転車道を横切る車が一旦停止していない点や、バス停の乗降空間が自転車の動線と重なっている点、信号交差点の自転車横断帯に繋がる動線がドライバーから認識しにくい点などを指摘している。(2016年9月23日追加)
ひたちなか市
勝田駅の駅前から東に延びる幹線道路に自転車道が整備されており、交差点では自転車道の延長線上に自転車横断帯が配置されている。実走動画をJABLawの方が公開している:
https://www.youtube.com/watch?v=k9bEkr3_oNQ
https://www.youtube.com/watch?v=KCTKgESvslM
(2016年12月24日追加)
千葉市
千葉市(2015年11月12日更新)「自転車走行環境に関する取組み ~ちばチャリ~」
「3自転車走行環境の整備」に市内の整備路線の一覧。(2016年6月20日追加)
京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/kensetu/page/0000181300.html
(2016年6月20日追加)
松山市
https://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2010data/1004/1004chiiki-shikoku.pdf
(2016年8月21日追加)
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/toukoku_00000246.html
関東地方整備局 相武国道事務所(2016年6月9日)「~既存の道路空間再配分により幅の広い自転車道が完成~ 国道16号相模原市富士見地区の自転車道の一部が開通します」
相 模原の国道16号の副道を幅員3mで双方向通行の自転車道に転換した事例。単路部の質は高いが、交差点の手前で途切れてそこから先は歩行者との混在空間に なるという従来の欠点はそのまま残っている。車止めの設置間隔も狭過ぎてカーゴバイクやハンドバイクでは走りにくそうに見える。(2016年7月1日追加)
sekk123. (2016-06-22). https://twitter.com/sekk123/status/745627158534488064
「相模原の16号の副道を無くして自転車道にする工事もうすぐ終わるんだな。 沿線から本線に副道を渡って直接出れちゃう構造って意味なかったもんあ・・・」
副道をそのままゾーン30化して実質的な自転車道として使うには、構造上の問題が有った事が窺える。(2016年7月1日追加)
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000642737.pdf
工事中の仮設通路
https://bicycledutch.wordpress.com/2011/08/24/cycling-in-a-large-building-site/
https://bicycledutch.wordpress.com/2012/06/11/the-big-detour-utrecht/
@Hackneycyclist. (2016-05-20). "There is absolutely no reason to do this on CS2, no works are taking place on the cycle track". twitter
ロンドンのCS2号線で工事により構造分離型の自転車レーンが安易に封鎖され、押し歩きを命じる看板が立てられている様子を写真で伝えている。(2016年5月20日追加)
@Hackneycyclist. (2016-05-20). "And if they were working on the cycle track this is how you deal with it". twitter
工事による自転車道の封鎖時に、車道の端1車線を臨時で自転車用の通路にし、バリケードで車から保護している事例を、本来取るべき配慮として紹介している。(2016年5月20日追加)
緊急車両の通行
112 Gelderland M&Z E.o. (2011-03-31). "Ambulance Ede 07-109 A1 naar ZGV via fietspad". YouTube.
渋滞する車道から自転車道に移って進む救急車の映像。(2016年4月28日追加)
112Schiedam. (2015-09-14). "Ambulance 17-101 met Spoed over het fietspad naar een Melding in Rotterdam". YouTube.
自転車道を走り抜ける救急車。一般車の車体が邪魔になっている場所では躊躇無く歩道に少し乗り上げている。(2016年4月28日追加)
自転車政策(海外)
Tanya Snyder. (2014-09-05). "How Vancouver Designs Intersections With Bike Lanes to Minimize Conflicts". Streetsblog USA.
バンクーバー市の交通課長へのインタビュー。構造分離型の自転車レーンを整備した路線(Dunsmuir St.とHornby St.)の交差点設計の工夫を中心に、プロジェクトの背景となる長期計画や、安全性研究など、行政の視点から幅広い話題を扱っている。市にとって初めての構造分離型レーンだったDunsmuir St.では、整備当時、まだ北米に事例やノウハウが蓄積されておらず、試行錯誤だった事が分かる。(2016年4月18日追加)
Vancity Buzz Staff. (2014-03-13). "Vehicle and cyclist collide at Beatty and Dunsmuir Streets". Vancity Buzz.
ダンスミア通りでの車と自転車の事故を伝えるニュース。ダンスミア通りの自転車道は危険で、2〜3週間に一度は事故が起こっており、赤信号での車の右折(カナダでは一部地域を除いて合法)は禁止すべき、との地元住民の声を伝えている。(2016年4月18日追加)
http://vancouver.ca/streets-transportation/biking.aspx
(2016年4月18日追加)
http://www.vtpi.org/irresistible.pdf
http://www.usmayors.org/meninosurvey/2015/2015survey-finalreport.pdf
http://islandpress.org/book/tactical-urbanism
Ross Lydall. (2015-01-27)."Boris Johnson gives go-ahead for 'Crossrail' cycle superhighway through central London". London Evening Standard.
(2016年5月6日追加)
https://consultations.tfl.gov.uk/cycling/eastwest
(2016年5月6日追加)
https://consultations.tfl.gov.uk/cycling/northsouth
(2016年5月6日追加)
http://usa.streetsblog.org/2016/03/28/fast-changes-to-city-streets-a-9-step-guide-for-creative-bureaucrats/
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/new-report-a-nine-ingredient-recipe-for-fast-flexible-changes-to-city-stree
無記名 (2016-04-01). "Support for cycle lanes crosses political divide says British Cycling". British Cycling
British Cyclingの為にウエストミンスター大学のレイチェル・アルドレッド博士が企画しYouGovに実施を委託したアンケート調査で、年齢、性別、社会背景、支持政党を問わず、“車道から構造的に分離された”自転車レーンへの支持が広がっている事が明らかになったとの報告。(2016年4月1日追加)
Cycling Embassy of Denmark. (2012-02-21). "Cycle Score: using RFID tags to reward cyclists"
近距離無線通信を用いて、自転車通勤・通学した人に報賞として景品抽選券(地元のレストランや映画館の招待券、自転車、ワイン、チョコレートなど)を配布するシステムの紹介。手動データ入力が必要だった従来のキャンペーンと違い、気軽に参加でき、通年実施できる点で画期的だと説明している。フレゼリシアでは参加企業・学校に、施設の入り口に設置する認証機と自転車のホイールに取り付けるタグが無償配布された。(2016年3月7日追加)
Maja De Taeje. (2014-08-01). "Cycle Score: using RFID tags to reward cyclists (Denmark)". Eltis(2016年3月7日追加)
Claudia Brückner. (2015-12-19). "Cycling in Berlin. (Theory vs. Reality)". Vimeo
自転車インフラの改善計画を立て、要改善箇所の調査もし、予算も付けているのに実際の改修が遅々として進まないベルリンの状況を纏めている。ベルリンの自転車インフラの生の実態(自転車道も自転車レーンも酷い)が分かる他、映像作品としても優れている。(2016年3月2日追加)
Adele Peters. (2016-03-04). "In This Danish City, 5-Year-Olds Bike To School On Their Own". Co.Exist
自転車王国デンマークでさえ車通学する子供が過去30年間で2倍に増加。この状況に対してオーデンセが実施しているハード、ソフト両面の自転車通学支援策(自転車道整備率54.5%、信号交差点は立体交差化、幼稚園から始まる自転車教育、自転車通学児童に対するRFIDを用いた景品抽選券の配布など)を紹介している。(2016年3月7日追加)
Janette Sadik-Khan. (2016-03-08). "The Bike Wars Are Over, and the Bikes Won". NYMag.
2007〜2013年にニューヨーク市の交通局長を務めたジャネット・サディク-カーン氏が語る、構造分離型の自転車レーンの普及事業と、それを阻む激しい反対運動の記録。建設反対派からは市への反感を煽るキャンペーンを展開され、訴訟も起こされたが、最終的にはレーンの整備は進み、その利点も客観的に証明され、何よりニューヨーカー自身が支持した事で、抵抗運動との戦いは勝利に終わった。慣れ親しんだ古い秩序に執着する人の心理や、分かりやすい悪役というネタに飛びつくメディアの体質、部下を不当な非難から守り抜く上司の大切さなど、胸が熱くなるストーリーが満載。(2016年3月9日追加)
Janette Sadik-Khan. (2013). "New York's streets? Not so mean any more". TED.com
ジャネット・サディク-カーン氏のTED講演映像。日本語字幕版も用意されている。(2016年3月9日追加)
都市・ネットワーク計画(海外)
Nicole Foletta, Simon Field. (2011-09-22). "Europe’s Vibrant New Low Car(bon) Communities". Institute for Transportation and Development Policy
欧州各地の車利用抑制に成功している8つの都市(Greenwich Millennium Village, GB; GWL Terrein, NL; Hammarby Sjostad, SE; Houten, NL; Sihlcity, CH; Stellwerk 60, DE; Vastra Hamnen, SE; Vauban, DE)の事例研究。(2016年5月15日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=EBiYohzwSn4
(2016年5月15日追加)
http://www.citylab.com/cityfixer/2015/06/a-case-study-in-bike-friendly-suburban-planning/396107/
(2016年5月15日追加)
オランダ
藤本芳一(2013年6月30日)「自転車を交通の中心に作られた街 オランダ ハウテン」『Slow “Mobility” Life Project』
都市計画の段階から中心市街地では車が不便に、自転車が便利になるように計算されたハウテンを、現地の写真を交えながら紹介している。(2016年5月3日追加)
Gemeente Amersfoort. (2016-03). “Fietsplan Gemeente Amersfoort”
アームスフォートの自転車計画。各路線の通行空間や駐輪場の整備計画を列挙している他、信号での自転車の減速・再加速を減らし快適性・利便性を高める技術として、感応制御に言及している (p.40)。計画の基礎となるビッグデータの例としてSTRAVAのヒートマップも引用 (p.44)。(2017年2月22日追加)
アメリカ
New York City Department of City Planning. (1997). "New York City Bicycle Master Plan". National Association of City Transportation Officials
自転車を(レジャーではなく)交通手段の一つとして明確に位置付け、その利便性や安全性を高める事を目的とした総合的な計画。車からのモーダルシフトを狙っていた事がThe Benefits of Cyclingの節から窺える。設計指針の節では、ニューヨーク市独自の設計指針が完成するまでの参考用として全米版の設計指針を引用している。車道上の自転車レーンについてはAASHTOの指針を引用し、決して駐車レーンよりも縁石側に配置してはならないと警告している。交差点・drivewayでの視認性低下と、自転車が(車と同じように)左折(日本の右折に相当)できなくなる事が理由。この時代はまだ、利用者の安心感への配慮やインフラ形態毎の事故リスクの実証研究が未熟だった事が窺える。(2016年9月7日追加)
イギリス
https://tfl.gov.uk/corporate/publications-and-reports/cycling
(2016年8月10日追加)
https://www.london.gov.uk/sites/default/files/cycling-revolution-london.pdf
(2016年8月9日追加)
https://www.london.gov.uk/sites/default/files/cycling_vision_gla_template_final.pdf
ロンドンの自転車計画。構造分離型の自転車道を採用した背景に、主要な渋滞原因の一つであるマイカーによる子供の送迎を減らす為、子供が安全に自転車通学できるようにする狙いが有った事が分かる。(2016年5月26日追加)
Greater London Authority. (2016-03). "HUMAN STREETS The Mayor’s Vision for Cycling, three years on"
車道上にペイントした簡易レーンから構造分離レーンへの方針転換から3年後の進捗報告書。冒頭(p.2)でボリス・ジョンソン市長自ら、ペイントレーンは失敗だったとの後悔を表明している。本文では、市内の自転車の交通分担率が急激に伸びている事を実績として強調し(これは日本の自治体の報告書ではまず言及されない)、3年以内には車の交通分担率を超えるだろうとの予測を示している。(2016年8月9日追加)
Mark Treasure. (2012-04-26). "They built it, and they didn’t come – the lesson of Milton Keynes". As Easy As Riding A Bike
Stevenage、East Kilbrideと並び、自転車の利用促進に失敗したイギリスの戦後ニュータウンであるMilton Keynesについて、車道から分離された自転車道路網は必要ないとする主張に反論している。(2016年5月15日追加)
Carlton Reid. (2013-02-25). "Where driving is easy, Brits drive". Roads Were Not Built For Cars
計画当初から自転車を主要な移動手段の一つに位置付け、車道との平面交差の無い自転車道路網が整備されたイギリスのニュータウン、Stevenageで、自転車の交通分担率が2.7%に過ぎない事を指摘し、その歴史的背景を詳しく解説している。(2016年5月15日追加)
ドイツ
Peter Gwiasda (Planungsbüro VIA eG). (2014-06-30). "Radverkehrskonzept für die Kölner Innenstadt—Führungsformen des Radverkehrs"
ケルン中心部の自転車交通計画についての、地元の交通計画コンサルタント会社による説明資料。(2016年8月10日追加)
Planungsbüro VIA eG, Planerbüro Südstadt. (2016-05-19). "Radverkehrskonzept für die Kölner Innenstadt". Stadt Köln
策定された計画。通行空間分離の目安の図(p.71)はPeter Gwiasda (2014)と基本的に同じ。(2016年8月10日追加)
フランス
http://www.paris.fr/actualites/paris-se-dote-d-un-nouveau-plan-velo-2255
(2017年2月20日追加)
https://api-site.paris.fr/images/78376
(2017年2月20日追加)
Fietsstad
都市・ネットワーク計画(日本国内)
さいたま市(2014年5月28日)「さいたま市自転車ネットワーク整備計画」(2016年4月3日追加)
さいたま市(2016年3月31日)「さいたま自転車まちづくりプラン~さいたまはーと~」
(2016年4月22日追加)
千葉市(2015年11月12日)「自転車走行環境に関する取組み ~ ちばチャリ ~」
市内の自転車走りやすさマップ、インフラ整備計画、整備済み路線の一覧がまとめられている。(2016年4月3日追加)
市川市(2015年6月10日)「市川市自転車走行空間ネットワーク整備計画」(同PDF文書)
一 見、国交省のガイドラインを丸写ししたよくある整備計画のようだが、細かい部分でさりげなく自転車利用者の安全・安心に配慮したアレンジが加えられてい る。例えば、構造分離の目安となる車の速度を「50km/h超」から「50km/h以上」に引き下げたり、自転車道の幅員に「2.5m以上が望ましい」と 付加したり、交差点の設計方針でprotected intersectionに類似した事例を参考例として掲げている。(2016年4月28日追加)
川崎市(2015年2月)「川崎市自転車通行環境整備実施計画—Stage 1—」
自転車レーンの標準幅員に、全国基準では止むを得ない場合の最低幅として限定的に容認されているにすぎない1.0mを採用している(p.9)。レーン幅員が1.0m以上1.5m未満の場合は街渠を幅員に含めない規定だが(p.9)、武蔵小杉の県道東京丸子横浜線の整備済みレーンでは省スペース型街渠ブロックを採用した為(p.8)、車の実勢速度の高い幹線道路であるにも関わらず、自転車の走行位置が縁石ギリギリになっており、安全マージンが不足している。本ブログの記事「武蔵小杉・県道2号の自転車レーン」も参照。(2016年12月27日追加)
横浜市(2016年6月)「横浜市自転車総合計画」
(2016年6月23日追加)
京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/menu4/category/52-1-0-0-0-0-0-0-0-0.html
(2016年6月20日追加)
http://www.city.kyoto.lg.jp/menu4/category/52-7-0-0-0-0-0-0-0-0.html
(2016年6月20日追加)
森 正樹・太田雅博・岸 邦宏・佐藤馨一(2008年11月1日)
「道道札幌恵庭自転車道線の路線選定における合意形成に関する研究」
『第38回 土木計画学研究発表会・講演集』
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/200811_no38/pdf/86.pdf
ロードプライシング
東京都環境局(公開日記載無し)「ロードプライシング」
平成12年(2000年)に検討委員会を設置したものの、課金の公平さや迂回交通、鉄道への更なる負荷などの問題に直面し、翌2001年に報告書をまとめたきり、動きが途絶えている。移動手段の転換先として自転車にも言及している。(2016年5月24日追加)
ドアゾーンとドア衝突事故
http://www.abc.net.au/news/2015-02-27/cyclist-car-doored-before-being-killed-by-passing-truck/6270058
http://www.executivestyle.com.au/bike-lanes-safe-cycling-haven-or-door-zone-of-death-13hysn
https://youtu.be/GY2BJNvU7oo
http://www.smh.com.au/executive-style/fitness/on-your-bike/bike-lanes-safe-cycling-haven-or-door-zone-of-death-20150218-13hysn.html
http://chi.streetsblog.org/2014/07/29/study-shows-only-buffered-bike-lanes-keep-bicyclists-outside-door-zone/
http://www.aviewfromthecyclepath.com/2015/03/eliminating-risk-of-dooring-good-cycle.html
City of Toronto. (2003). "Bicycle/Motor-Vehicle Collision Study".
自転車利用者の死亡事故の続発を重く見た検視官からの助言を受けて市が纏めた、1997年1月1日から1998年12月31日までに発生した車と自転車の事故の分析報告。発生件数ではドア衝突事故が3位だった事や、30代前半のドライバーがドア衝突事故を起こしがちである事などが分かる。(2016年11月21日追加)
Steve. (2011-09-17). "Hillsborough Street’s Door Zone Bike Lanes" 路上駐車のドアゾーンと重なる自転車レーンの危険性について分かりやすい図で説明している。(2016年7月2日追加)
Jeroen Schuurman. (2014-05-06). "Passeren Koninklijk paar te Ulft". YouTube.
Ulftの町を訪れるオランダ国王・王妃を乗せた車が通過する様子を収めた動画。露払いのバイクが通過するタイミングで画面手前の白い車のドアが開くが、自転車レーンと駐車枠の間に僅かながら余白が有り、開いたドアがレーンを塞がないようになっている事が分かる。王室の車が通過した後、今度は画面奥で自転車レーン上に停車していた別の車が発進しかかった瞬間に、後ろから来てそれを追い越そうとした自転車が衝突しそうになっている。(2016年4月28日追加)
Urban Systems. (2015-01-22). "City of Vancouver Cycling Safety Study final report"
バンクーバーで2007〜2012年に起こった自転車事故の全形態の内、ドア衝突が最も多かった(15.2%)事が分かる(p.67, pdf p.76)。
(2016年6月29日追加)
BikeMaps.org (2016-04-22). "City of Vancouver Doorings: Caution-Zones Map". BikeMaps Blog
市内で特にドア衝突事故が多い路線をICBCのデータとBikeMapsへの投稿から割り出して地図にし、自治体や自転車利用者に向けて注意喚起している。
(2016年6月29日追加)
http://www.ctvnews.ca/video?clipId=441113
(2016年8月30日追加)
自転車の基本的な特性
http://www.nilim.go.jp/lab/gbg/pdf/h23-08.pdf
山本 彰・大脇 鉄也・上坂 克巳(2011年5月)「自転車の走行空間等の違いによる旅行速度の差異に関する分析」『土木計画学研究・講演集』43, p.ROMBUNNO.375
ママチャリと電動アシスト自転車の自由走行速度と、歩道、車道、自転車道などの制約環境下での旅行速度。(2016年12月7日追加)
交通分担率
@urban_future. (2014-08-08). "Cycling Mode Share Data for 700 Cities". City Clock magazine
世界700年の自転車の交通分担率を一覧にしている。都市によって調査年、調査基準が異なる(例えば通勤のみか、全移動目的か、など)為、都市間の直接比較はできないが、大まかな目安にはなる。出典は書かれていない。(2016年4月16日追加)
Wikipedia. (2006-08-10). "Modal share"(現時点での最新版は2016年1月20日版)
(2016年4月16日追加)
US Census Bureau. (2014-05). “American Community Survey Report: Modes Less Traveled—Bicycling and Walking to Work in the United States: 2008–2012”.
アメリカ各州、各都市の通勤手段に占める徒歩と自転車の分担率を纏めた資料。ポートランドの自転車分担率は大都市では1位(6.1%)だが、小都市ではデイヴィス(18.6%)、中都市ではボルダー(10.5%)の方が高い。ちなみにデイヴィスは全米初のprotected intersectionを有している。(2016年12月7日追加)
総務省統計局「平成22年国勢調査」
2010年の国勢調査の各項目へのリンクの他、過去の国勢調査へのリンクも記載されている。2010年は10年毎の大規模調査の年に当たり、通勤通学の利用交通手段を問う項目が有るが、次の2015年は簡易調査の年で、この項目は省かれている。(2016年4月16日追加)
政府統計の総合窓口(2012年6月26日)「平成22年国勢調査 > 従業地・通学地による人口・産業等集計(人口の男女,年齢,就業者の産業(大分類)) > 全国結果」
利用交通手段の分類が細かい順に、表番号11-1(31区分)、表番号11-2(16区分)、表番号12(9区分)と並んでいる。分類が細かい表は、利用交通手段(複数)の細かな内訳が分かるが、その代わり、集計地域が広くなり、細かな地区特性が分からなくなる。(2016年4月16日追加)
政府統計の総合窓口(2012年6月26日)「平成22年国勢調査 > 従業地・通学地による人口・産業等集計(人口の男女,年齢,就業者の産業(大分類)) > 都道府県結果 > 13東京都」
(2016年4月16日追加)
このブログ(2014年9月2日)「国勢調査の通勤通学手段の分類の包含関係」
国勢調査の表は通勤通学先の住所で移動手段を分類しているが、その包含関係が分かりにくかったので、統計局に問い合わせて確認し、図にして整理した。(2016年4月16日追加)
このブログ(2015年4月22日)「東京23区の自転車通勤通学の割合」
2010年の国勢調査を元に東京23区の通勤通学目的での自転車交通分担率をグラフ化した。(2016年4月16日追加)
国土交通省(公開日記載無し)「PT調査とは?」
国勢調査とは別に実施されているパーソントリップ調査について、基礎的な概念や意義を説明している。(2016年4月16日追加)
国土交通省(公開日記載無し)「PT調査の実施状況・結果概要 > 基礎的な交通実態調査結果」
各地の調査結果の概要が列挙されている。(2016年4月16日追加)
東京都市圏交通計画協議会(公開日記載無し)「パーソントリップ調査とは」
調査の概要説明と、調査結果へのリンクが掲載されている。(2016年4月16日追加)
LTA Academy Singapore. (2011-11). "Passenger Transport Mode Shares in World Cities"
世界各都市の各交通手段の分担率を集めた資料。バスや鉄道を区別せずに「公共交通機関」と一括している都市が意外と多い。それぞれの都市の統計の出典が明記されている。(2016年5月20日追加)
LTA Academy Singapore. (2014-11). "Passenger Transport Mode Shares in World Cities"
改訂版。(2016年5月20日追加)
事故統計
警察庁(公開日記載無し)「交通事故発生状況」
統計の一覧や用語解説などへのリンクが掲載されている。(2016年4月16日追加)
交通事故総合分析センター(公開日記載無し)「交通統計」
吉田 信彌(2000年11月)「左折事故とその対策の20年の検証」『日本オペレーションズ・リサーチ学会 機関誌』Vol.45, No.11, pp.553-559
左折車と直進二輪車・自転車の事故に対して集中的に対策が取られた1978年以後、それらの対策がどう効果を発揮したのか事故統計から検討している。(2016年7月20日追加)
交通事故総合分析センター(公開日記載無し)「イタルダインフォメーション」
各種事故形態の実態を統計から分析し、一般向けに分かりやすく解説した冊子のバックナンバー一覧。(2016年4月16日追加)
交通事故総合分析センター(1999年)「イタルダ・インフォメーション 特集・自転車事故」No.23
1998年までの自転車事故の推移や、対車、対歩行者の事故の時間帯・場所・類型別の分析が載っている。(2016年7月20日追加)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/safety_data/safety_sympo/07/analysis_07.pdf
(2016年12月9日追加)
はらぺこ@きんた(2016年4月4日)「安全のため、自転車を車道に!とやった結果、死者激増の皮肉。【長文】」『はらぺこあおむし』
警察庁の交通事故統計で、自転車の単独死亡事故や自転車対歩行者の歩行者死亡事故が増加している事に着目し、自転車の車道走行推進運動の結果ではないかと推測。単独事故の原因と目する路上駐車については都市機能維持のため排除は現実的でないと指摘、歩行者死亡事故については信号無視して車道を高速で走る自転車の危険性に警鐘を鳴らしている。そして過去存在した二輪専用レーンを例に挙げ、自転車インフラでも同様に、誰も責任を取らず、間違いが正されるまで人命が危険に曝され続ける事になると警告している。記事の末尾では自転車通行環境のあるべき姿としてロンドンの例を紹介しているが、日本でそれが実現困難である理由(やや固定観念に囚われている感は有るが)を挙げ、結局元通りになるのではと予想している。(2016年4月13日追加)
Ongelukken op de kaart
2007〜2014年のオランダ国内で交通事故が起こった場所を一覧できる地図サイト。事故当事者の種類、負傷の程度、事故原因などが閲覧でき、事故多発交差点の洗い出しなどに使える。(2016年2月22日追加)
SWOV. (). "Kwetsbare verkeersdeelnemers"
(2016年9月16日追加)
牧下 寛(2006)『安全運転の科学』九州大学出版会
田畑要輔・萩原亨・内田賢悦・浜岡秀勝(2008年11月1日)
「市街地交差点における歩行者および自転車の横断方向を考慮した右折事故分析」
『第38回 土木計画学研究発表会・講演集』
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/200811_no38/pdf/99.pdf
萩田 賢司・森 健二・横関 俊也・矢野 伸裕・牧下 寛(2012年6月)「走行位置に着目した自転車事故の分析」『土木計画学研究・講演集』Vol. 45
自転車と歩行者の分離を促すデザインなどについての先行研究をレビューした上で、車と自転車の事故をそれぞれの動きのパターンや自転車の左側/右側通行の別で分析し、事故件数が多い衝突形態を明らかにしている:
萩田 賢司・森 健二・横関 俊也・矢野 伸裕・牧下 寛(2013年)「通行方向に着目した自転車事故の分析」『土木学会論文集D3(土木計画学)』Vol. 69, No. 5, p. I_781-I_788
萩田ほか(2012)の発表に説明を補い、図を鮮明化し、新たな分析を加えたもの。
(2016年8月5日追加)
国会会議録
国立国会図書館(1954年5月29日)「第19回国会 地方行政委員会 第47号」
交通事故の増加に対して警察の取り締まりだけでは限界が有り、また車が急増しているので、車道、自転車道、歩道の整備を早急に進める必要が有るとの見解を笹森順造氏が示している。(2016年5月18日追加)
国立国会図書館(1959年2月26日)「第31回国会 予算委員会第一分科会 第2号」
車の渋滞と交通事故の急増に対する懸念から都電廃止への圧力が高まりつつあった事が窺える。川崎 秀二氏は、渋滞は経済発展の阻害要因であり、その渋滞の原因は路面電車であるとして、パリ、ロンドン、ニューヨークの例を挙げ、廃止すべきだと主張している。
警視庁交通部長の冨永 誠美氏は、札の辻から赤羽橋までの区間を例に挙げ、車道の幅が狭くて渋滞が酷く、都電の乗降客数も少ない区間は軌道を廃止したいとの考えを示している。
警察庁保安局長の木村 行藏氏は、都電の有る路線は交通事故が多いとの統計から、都電は交通事故の原因であると推論し、路面電車を都内から全廃したいとの考えを示している。
この他、木村氏からは、道路交通取締法(道路交通法の前身)が、制定から10年で既に交通事情の変化に追い付けなくなっているとの指摘が、冨永氏からは、「一つの道路を自転車から三輪車からオートバイから、一切の車が一緒になって走っておるというのが日本の交通の特色」であり、これを「道路ごとに区別していくことが肝要」との意見が示されている(通行帯レベルではなく路線レベルでの割り振り)。(2016年5月18日追加)
*
国立国会図書館(1968年12月19日)「第60回国会 交通安全対策特別委員会 第2号」
車の通行の激しい所では状況に応じて自転車に歩道を通行する事を認めてはどうかという質問に対して、それは既に法的裏付けが無いまま千住新橋で実施しており、今後法改正で正式に認めようとしている、との答弁が見られる。(2016年5月22日追加)
*
国立国会図書館(1969年7月8日)「第61回国会 建設委員会 第24号」
「自転車道の整備等に関する法律案」について議論している。既存の車道部分を自転車道の為に削られるのは困るという、クルマ中心発想からの猛烈な反発が見られる。
国立国会図書館(1970年4月2日)「第63回国会 地方行政委員会 第11号」
竹田四郎氏からの、車道走行中の自転車の事故が多いという現状認識と、歩道上での自転車と歩行者(特に幼児)の事故への懸念、それに対する久保卓也氏からの、歩行者が多い歩道では自転車の歩道通行を許可しないとの方針と、広い歩道には白線を引いて区分する事が考えられるとの答弁が見られる。(2016年5月18日追加)
国立国会図書館(1978年5月9日)「第84回国会 地方行政委員会 第12号」
自転車の歩道上での徐行速度を「時速四、五キロぐらいのことであろう」と警察庁交通局の説明委員が答弁した会議。(2016年12月7日追加)
国立国会図書館(2007年4月12日)「第166回国会 内閣委員会 第8号」
古倉氏が自転車インフラに関する参考人として出席した会議。通行台数を示さずに事故件数だけで車道通行が安全であると主張したり、生活道路も含めた全道路延長に対する割合で自転車道が例外的であると主張したり、事実ではなく希望的観測に基づいて、車道を走ればルール意識が身に付くと主張するなど、古倉氏が著書で駆使している詭弁が一通り確認できる。(2016年6月30日追加)
自転車・道路政策の歴史
Carton Reid. (2012-12-08). "Why is cycling popular in the Netherlands: infrastructure or 100+ years of history?", Roads Were Not Built For Cars.
(2016年5月13日追加)
[no name]. (2013-08-08). "Why is cycling so popular in the Netherlands?". BBC News
(2016年9月6日追加)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E9%81%93#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E8.87.AA.E8.BB.A2.E8.BB.8A.E9.81.93.E3.81.AE.E6.AD.B4.E5.8F.B2
http://www.vox.com/2015/1/15/7551873/jaywalking-history
http://www.vox.com/xpress/2014/11/18/7236471/cars-pedestrians-roads
http://news.bbc.co.uk/2/hi/6251431.stm
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~motoda/dobokukeikaku08aut.pdf
(2016年5月21日追加)
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~motoda/dobokukeikakuaki09motoda4.pdf
(2016年5月21日追加)
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~motoda/bicycleroadhistry.pdf
(2016年5月21日追加)
大脇 鉄也(2011年3月1日)「技術基準・温故知新(第3回) 道路構造令(2) 幅員主義から車線主義へ 〜昭和45年構造令の全面改定〜」『道路』840号, pp.57-61
道路構造令に自転車道の規定が設けられたのと同じ1970年に車道の技術基準も幅員主義から車線主義へと大転換した事が分かる。また、旧来の広幅員車道が車線+停車帯となり、その停車帯を自転車などの緩速車の通行空間として使う想定だった事を、昭和45年版『道路構造令の解説と運用』を引用して明らかにしている。なお、以前は著者の所属する国総研のサイトに論文の抜き刷りが掲載されていたが現在は削除されている。(2016年8月8日追加)
田中 節夫(1978)「道路交通法の改正」『ジュリスト』vol.669, pp. 28-35
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I1891724-00
「普通自転車」の規格を定めた意図を説明している。
「『道路構造令の解説と運用』にみる日本の道路計画・設計思想の変遷」
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004559464
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejipm/67/3/67_3_203/_pdf
(2016年8月11日追加)
自転車インフラ利用実態の調査報告
http://www.kkr.mlit.go.jp/road/midousuji/pdf/sankousan.pdf
東京都建設局(2009)「旧玉川水道道路における自転車レーンの整備効果」(掲載ページ、別URL)
整備後の自転車レーン利用率が、6:00〜20:00集計では32%、7:00〜10:00集計では52%であると、時間帯によって異なると報告している他、利用者への印象評価アンケートの結果を掲載している。(2016年9月22日概要追加)
東京都(2013)「連続した自転車走行空間の確保に関する社会実験等の実施 報告書」(掲載ページURL)
大田区の池上通りと池上仲通りと、江東区豊洲駅周辺の晴海通り、環状3号線、江東区道578号・579号に自転車ナビマークを設置した社会実験の報告書。自転車の通行位置や交差点右折時の挙動、各道路利用者からの評価などを纏めている。(2016年9月30日追加)
髙橋 治・小金 知史・本田 肇・大脇 鉄也・金子 正洋(2010年6月6日)「自転車走行空間の遵守率向上方策(幅員配分と案内誘導)」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
松江、新潟、札幌の幹線道路で自転車と歩行者それぞれに対する空間配分や案内表示が通行空間の利用率と評価に及ぼす影響を調査した研究。柵で空間分離した松江では自転車道の遵守率が幅員の拡大(歩道の縮小)と共に上がっている(歩行者の歩道利用率は低下。しかし両者ともどの条件でも9割前後と非常に高水準)が、自転車の走行速度は狭い方が高い。これは、他の自転車の追い越し・すれ違いで歩行者空間に自由に出入りできる為と推測している。空間配分についてのアンケート結果は自分の通行空間が広く確保されたパターンを選ぶという当然の結果。新潟では柵ではなく白線で同様の区分をし、同じく高い利用率を得ている。アンケート結果では歩道に割り当てられた幅が同じでも自転車の空間が歩道より広い分配パターンに対しては歩行者から嫌われている。札幌では架空看板・柱看板・路面表示の見やすさの評価をアンケート調査しており、柱より架空の方が見やすいという、他都市での調査とは異なる結果を得ている。(2016年9月12日追加)
舟渡悦夫・嶋田嘉昭(2009)「国道19号線(伏見通)における自転車走行空間の利用実態」『土木計画学研究・講演集』Vol.40, p.ROMBUNNO.294
出入り口で非常に急な方向転換を強いる悪名高い名古屋の初期の自転車道について、線形の悪さが自転車道利用率低迷の一因であると指摘している。しかしその認識は「A地点の北行きは信号交差点から自転車走行Sに入る際,多少の進路変更が必要であることが原因と考えられる.」と甘い。なおA地点とは伏見袋町交差点である。
(2016年5月24日追加、2016年9月27日要約追加)
埒 正浩・山 道明・高山 純一・片岸 将広・中野 達也(2011年5月29日)「自転車通行環境整備に伴う自転車利用者の意識と経路選択行動の変容に関する分析 ―県道東金沢停車場線の自転車レーンを事例として―」『土木計画学研究・講演集』 Vol.43, p.ROMBUNNO.389
(2016年9月12日追加)
増田 淳・竹平 誠治・立松 秀樹・伊藤 博文・福岡 英治(2012年6月)「自転車道整備による自転車挙動特性の分析~桜通自転車道を事例として~」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
(2016年9月12日追加)
鬼塚 大輔・木村 泰・高宮 進・藪 雅行(2014年11月)「自転車専用通行帯の利用率に影響を及ぼす課題抽出に関する一考察」『土木計画学研究・講演集』Vol.50
(2016年9月12日追加)
東京都三鷹市・かえで通り
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2008/20080406/01.pdf
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2009/20090405/12.pdf
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2010/20100404/01.pdf
佐々木正義・大森高樹(2009年6月)「市道392号線(かえで通り)における自転車道設計上の課題と対応」『土木計画学研究・講演集(CD-ROM)』Vol. 39, p. ROMBUNNO.372
新潟県新潟市・国道7号
新潟国道事務所(2008年6月17日)「新潟市中心部での自転車専用道の設置について(工事報告)」
新潟市の国道7号に整備した自転車道について、横断面構成や標識の他、樹木の根の対策、バス停部の設計、点字ブロックなどの工夫について書かれている。(2016年4月28日追加)
早川 博・武藤 正広・神田 裕史・山本 彰(2008年10月)「新潟市における自転車通行環境整備事業の実証」『国土交通省国土技術研究会報告』pp. 122-126
新潟市の国道7号に整備した自転車道について、アンケート調査の結果、自転車道の幅員が狭い事を除けば高評価だったと報告している。但し利用実態の調査はしておらず、通行位置の遵守率は不明。(2016年4月28日追加)
愛媛県松山市
伊藤 昌明・桝田 雄樹・窪添 義幸・高橋 治・宮本 直樹(2010年6月6日)「国道196号自転車走行空間社会実験における効果評価」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.38
2.5m幅の路肩(停車帯)のうち1.75mを自転車レーンに転用し、隣接する車線を3mから3.75mに拡幅した事例。朝ラッシュの時間帯に限れば自転車レーンの利用率が8割を超え、隣接する自歩道の利用率が実験前から大きく低下した。しかし昼の閑散時間帯ではレーン利用率は5〜6割に留まる。またレーン上の路上駐車が観測されており、アンケート調査では自歩道に乗り上げて回避した自転車利用者が6割を超えている。隣接する車線を3.75mに拡幅したのは原付の通行量が多い為だが、自転車同士の追い越しで自転車レーンからはみ出す自転車とニアミスを起こしていると報告している。原付と四輪車の並走・追い抜きが不可能な車線幅にした方が良かったのではないか。(2016年9月12日追加)
宮武雄治・松田和香・辻本宗夫・田中謙三(2008年11月1日)「高松市中心部における歩行者・ 自転車通行空間分離に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.38
宮崎正典・小嶋文・吉田雅俊・久保田尚・山﨑進(2008年11月1日)「ワークショップ方式で設置された自転車通行帯の効果に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.38
国土交通省(2010年5月26日)「柏の葉キャンパスタウンにおける不動産開発事業とあわせた自転車活用モデル」
整備すべき自転車インフラ形態の実証実験で、利用者から52%の支持を集めた自転車道を完全に無視し、自転車歩行者道(16%)より自転車レーン(30%)が支持されたとのみ記載している。(2016年4月1日追加)
国土交通省 東京国道事務所・警視庁交通部(2013年)「自転車、ナビラインで歩道から車道へ。ドライバーからも好評価。~都内初の自転車ナビライン、試行半年後の利用状況及び効果~」
千石一丁目交差点と札の辻交差点のナビライン整備効果を報告している。グラフからは車道通行率が大幅に向上したように見えるが、車道を走る自転車が多い通勤時間帯のみの調査であり、しかも歩道上を車と逆方向に走る大量の自転車が除外されている為、データが実態から懸け離れている。
吉村充功・亀野辰三(2008年6月6日)「既存道路空間を活かした自転車レーン設置による自転車・自動車の共存可能性」『第37回 土木計画学研究発表会・講演集』
大分市で、双方向通行だった車道(幅員5.9m)を車に対して一方通行化し、捻出した空間に自転車レーンを設置した実験の報告。抜け道利用する車が減り、通行空間も分離された事で、自転車にとっての安全性評価が改善した。
吉村充功・亀野辰三(2008年3月)「大分市自転車レーン社会実験にみる道路空間の再編可能性」『交通工学』Vol.43, No.2, pp.49-54
(2016年8月7日追加)
寺崎健雄・内海宏臣・大石学・宇都宮裕樹・阿部宏史(2008年6月6日)「岡山市内国道53号の自転車道利用促進に向けた交通社会実験」『第37回 土木計画学研究・講演集』
自転車が多い割に自転車道が狭く、歩行者が少ない割に歩道が広い事が、自転車道の利用低迷の原因ではないかと考察している。
阿部宏史・崎大樹・岩元浩二・冨田修一(2009)「岡山市内国道53号線における自転車道整備効果の検証」『土木計画学研究・論文集』Vol. 26, pp. 647-654
自転車道の整備前後をビデオ撮影とアンケートにより調査し、整備効果を検証している。
寺崎健雄・田中淳(2010)「岡山市内国道53号における自転車道利用促進のための施策と効果」
自転車道の利用が低迷する原因を考察し、利用率を向上させる為の施策の効果を報告している。グループインタビュー(p.3)には、利用者が自転車インフラに求める様々な要件が端的に纏められており、貴重な資料となっている。
このブログ(2013年8月10日)「道路構造令の呪縛——岡山の失敗」
http://perfect-comes-from-perfect.blogspot.com/2013/08/blog-post_10.html
岡山の自転車道が交通実態に見合わない狭さで作られた背景に、歩道の下に埋設された電線共同溝の存在が有った事を報告した。
国土交通省東京国道事務所・警視庁交通部(2015年5月21日)
「国道6号向島~東向島において試行した自転車通行空間の整備による交通状況の変化等について」(内容が同じ文書の別URL)
本来は構造的な分離が必要な60km/h道路でのペイントによる通行空間整備。自転車レーン区間では車道を通行する自転車が1〜2割増加。ナビライン区間ではほぼ変わらず。利用者アンケートの他は、施工後に自転車がどれだけ縁石に寄ったかという意味不明な調査。車の実勢速度や、車と自転車の側方間隔の変化については報告なし。
国土交通省東京国道事務所(2016年1月21日)「大都市圏初「バス専用通行帯内への自転車ナビライン」 試行開始半年後の交通状況の変化等について」
国道6号と同じく60km/h道路に自転車ナビラインを整備した例。整備後の車道通行自転車の1/4が歩道からの転換だった(p.4)と報告している。但し、アンケートの実施手続きの詳細は明かされていない。バス停部での回避挙動の図(p.6)では視覚トリックが使われており、誤差範囲内の揺らぎを変化であるかのように見せている。
「札幌の自転車用レーンは危険地帯」
「札幌の自転車通行空間社会実験(2014) 」
「札幌の自転車通行空間社会実験(2015)」
http://kurino.xii.jp/WP/2012/10/831
http://kurino.xii.jp/WP/2013/11/2477
http://kurino.xii.jp/WP/2014/06/2703
http://www.docon.jp/kita1jikken/index.html
http://www.docon.jp/nishi3jikken/
http://www.docon.jp/nishi5jikken/
一関 深志・萩原 亨・大部 裕次(2015)「札幌都心部における荷捌き等停車車両を踏まえ た自転車通行空間創出について」『国土交通省 北海道開発局』
大型矢羽根表示による自転車の車道通行率の上昇について、街頭での啓発活動による上昇分を矢羽根の効果と偽り、矢羽根の有効性を実際よりも高く誤認させようとしている。また、実験対象区間で物理的には可能な別の整備形態の可能性(cf. Dunsmuir St., Vancouver, CA)を全く検討していない。路駐抑制の為の共同配送については試算で時間短縮効果を強調しているが、配送人員は増えている。(2016年4月5日追加)
http://www.sp.hkd.mlit.go.jp/press/pdf/15110901.pdf
http://www.sp.hkd.mlit.go.jp/press/pdf/16042601.pdf
nudge(この節は2016年2月28日に追加)
Richard H. Thaler, Cass R. Sunstein. (2008). "Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness". Yale University Press
(Kindle版)
Sendhil Mullainathan. (2009). "Solving social problems with a nudge". TED
様々な社会問題の解決は、その原因を解明し、対策を考案すれば終わりだと思いがちだが、現実の人々は解決策が分かっていてもそれを実行しない事が有り、完全な解決への「最期の1マイル」となっていた。それを乗り越える為には、人が持つ誤った直感や面倒臭がりな性格を理解し、デザインや方法を工夫する必要が有ると指摘している。講演ではインドの乳児の下痢や、糖尿病治療のインスリン注射などを例に挙げている。(2016年4月16日追加)
Jonas Eliasson. (2012). "How to solve traffic jams". TED
ストックホルムの渋滞課税についての講演。僅か1〜2ユーロの課金で渋滞が劇的に改善し、効果も持続した。ドライバーたちは、制度開始後も自分の運転行動が変わっていないのに、渋滞だけが解消したと喜び、大多数の市民は制度導入前の反対から一転、課金を支持するに至った。強制するのではなく、自然とそうなるように「そっと促す(nudge)」事の強力さが印象的。日本語字幕あり。
交通参加者の振る舞い (user behaviour)
元田良孝・宇佐美誠史・熊谷秋絵(2010年9月)「通行方法・赤信号に関する自転車の交通違反の原因に関する研究」『交通工学研究発表会論文集』Vol.30, pp.313-316
右側通行(逆走)と信号無視(単路、丁字路、十字路)の実態を、行動観察とアンケートの両面で調査している。逆走も信号無視も車と動線が交差しないパターンで違反率が高く、そうでない場合は8〜9割がルールを遵守しており、無法に見える運転行動が実際は意外と合理的である事が分かる。論文の著者は、自転車の交通違反を教育で矯正すべき問題行動として捉えているが、この調査結果で明らかにされた利用者の行動は一方で、通行インフラの不合理さを炙り出す資料にもなっている。(2016年5月21日追加)
元田良孝・宇佐美誠史・住吉未佑(2011年5月)「自転車の赤信号無視の実態分析に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.43, p.ROMBUNNO.366
歩道上から横断歩道を横断する自転車の信号無視率が歩行者よりも高い事と、信号を遵守する自転車がいると他の自転車の信号遵守率が高まるとの発見を報告して いる。但し、調査地点は交差道路の交通量が少なく横断距離も短い場所のみで、信号制御をする事自体の妥当性が疑わしい。また、調査を行なった具体的な交差点名が伏せられており、検証可能性に欠ける。(2016年5月21日追加)
鈴木美緒・宮之上慶・趙子雨・屋井鉄雄(2012年6月)「車道上の危険箇所における自転車走行挙動分析」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
前半ではバス停・路上駐車枠周辺の自転車レーン設計と交差点での自転車の挙動について海外の資料を紹介し、後半では交差点や単路部での自転車利用者の危険な挙動を報告している。(2016年9月12日追加)
「自転車通行空間における 利用者の視線・挙動特性に関する実験的研究」
(2016年8月9日追加)
幅員2m以下の歩道がある道路での自転車の車道通行率に影響する要因を実地調査から考察している。(2016年9月22日追加)
Aaron Cole, Stephanie Benston, Philip Cohoe, and Stacy Harris. (2011-11-28). "Red-Light Behavior between Motor Vehicles and Bicycles"
ポートランド州立大学付近の3箇所の交差点で観測した結果、自転車利用者全体の56%が信号無視をしていたとの調査報告。いずれの調査地点も道路は一方通行で、主要幹線道路と呼べるような規模ではない。自転車道が整備された路線の交差点ほど信号無視が多かったという点については、その交差点がどちらも自転車の動線と交差する車の通行の無い実質的な丁字路である事が真の要因と考えられる。詳しくは過去のブログ記事(「ポートランド州立大学近辺の信号無視の実態調査」)に纏めた。(2016年9月10日追加)
"Investigating traffic light violations by cyclists in Dublin City Centre"
https://www.infona.pl/resource/bwmeta1.element.elsevier-7bf9956a-75ad-369a-ba54-43111d757f45
(2016年12月11日追加)
Mark Wagenbuur. (2014-07-17). “Casual cycling in a building site”. BICYCLE DUTCH
大規模開発で臨時の自転車道が設けられているユトレヒト駅周辺の様子を観察した記事。オランダ人のさり気ない手信号について説明している。(2017年1月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=C7ieO-giYzg
(2016年5月9日追加)
City Cyclist. (2014-05-15). "Bike Lanes Toronto by City Cyclist". YouTube. (https://www.youtube.com/watch?v=hx-WhGcNK6Y)
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=9YEmBBWdxwQ
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=xLK5W5UWBio
(2016年5月9日追加)
https://vimeo.com/24572222
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=fQdwlNkirKg
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=XypDTdd4qr0
(2016年5月13日追加)
自転車インフラ形態と事故率
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/essentially-everyone-who-sees-protected-bike-lanes-agrees-that-they-are-saf
https://en.wikipedia.org/wiki/Bikeway_safety
https://en.wikipedia.org/wiki/Bicycle_safety
アメリカ
http://blog.oregonlive.com/commuting/2010/01/are_portlands_bike_boxes_worki.html
(2016年5月29日追加)
http://www.portlandmercury.com/images/blogimages/2012/10/16/1350403953-bike_box_letter_merc.pdf
Alan Wachtel, Diana Lewiston. (1994). "Risk Factors for Bicycle-Motor Vehicle Collisions at Intersections". ITE Journal, Vol.64, Iss.9, pp.30-35
カリフォルニア州パロアルトでの自転車対車の事故研究。観測した通行台数を分母に、逆走や歩道上の通行はリスクが高いと指摘しており、アメリカでのVehicular Cycling運動の根拠として使われている。しかし現地のストリートビューを見る限り、調査対象路線の歩道は狭く、視距も不足している他、交差点の角の縁石の曲線半径が大きくて車が高速のまま曲がれる構造であるなど、自転車の通行が考慮されていない環境である事を差し引く必要が有ると、以前ブログで指摘した。(2016年7月20日追加)
U.S. Department of Transportation Federal Highway Administration. (1995). "Pedestrian and Bicycle Crash Types of the Early 1990's"(国立国会図書館関西館にマイクロフィルム形態で所蔵。ネット上にPDF版も有る。)
自転車の歩道通行は車道通行の6.7倍危険という日本で広く流布している主張の土台になった資料。しかし6.7倍という数字そのものはこの資料には載っておらず、資料を引用した古倉氏が不正な操作で作り出したものとの指摘が有る。(2016年7月20日追加)
Conor CO Reynolds, M Anne Harris, Kay Teschke, Peter A Cripton, and Meghan Winters. (2009). "The impact of transportation infrastructure on bicycling injuries and crashes: a review of the literature". Environmental Health, Vol.8, No.47
Emily Badger. (2012-10-22). "Dedicated Bike Lanes Can Cut Cycling Injuries in Half". CityLab
Kay Teschke氏の論文の紹介とインタビューを含む記事。自転車利用者から好まれる通行環境は(例外は有るが)事故リスクの低い場所であると明らかにし、「車道走行は一見危険なように思えて実は安全」という、北米では長年信じられてきたが客観的根拠に乏しい仮説に反証を提示した。インタビューの最後でTeschke氏は、「人の直感は(意外と)正しい」と締め括っている。(2016年5月29日追加)
Anne C. Lusk, Patrick Morency, Luis F. Miranda-Moreno, Walter C. Willett, and Jack T. Dennerlein. (2013). "Bicycle Guidelines and Crash Rates on Cycle Tracks in the United States". American Journal of Public Health, Vol.103, Iss.7, pp.1240-1248
Cycle Track Safety Remains Unproven
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3780751/
Anne C. Lusk et al. 2013への丁寧な反論。(2016年9月16日追加)
Theodore Petritsch, Bruce Landis, Herman Huang, Srikalyan Challa. (2006). “Sidepath Safety Model: Bicycle Sidepath Design Factors Affecting Crash Rates”. Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board, 1982
歩道の構造や車道の制限速度などを元に自転車の歩道通行時の事故リスクを予測するモデルを構築したフロリダの研究。一例として、歩道の幅が約5〜9 feetの範囲にある場合は車道通行よりも歩道通行の方が安全であり、それより狭くても広くても危険になると示している。著者らはこの結果について、自転車がスピードを出し過ぎない事が車との衝突回避余裕に繋がったものと解釈しているが、歩行者と混在通行できる幅員では自転車の安全性が得られないとも指摘している。(2017年2月16日追加)
カナダ
http://cyclingincities.spph.ubc.ca/injuries/the-bice-study/
http://www.dot.ca.gov/hq/LocalPrograms/bike/cbac/Cycle_Track_Lit_Review_Table_Crash_Modification_Factors.pdf
Anne C Lusk, Peter G Furth, Patrick Morency, Luis F Miranda-Moreno, Walter C Willett, Jack T Dennerlein. (2011-02-09). "Risk of injury for bicycling on cycle tracks versus in the street". Injury Prevention.
アメリカでは長年に亘り、さしたる根拠も無く自転車道が危険であると信じられ、道路設計指針から排除されてきた為、その整備が一向に進まなかったが、自転車道の路線網の長い歴史を持つモントリオールで調査した結果、車道混在通行より自転車道の方が(自転車の通行台数当たりの)事故率が低い事が分かった、との研究。(2016年3月9日追加)
Kay Teschke, M. Anne Harris, Conor C. O. Reynolds, Meghan Winters, Shelina Babul, Mary Chipman, Michael D. Cusimano, Jeff R. Brubacher, Garth Hunte, Steven M. Friedman, Melody Monro, Hui Shen, Lee Vernich, Peter A. Cripton. (2012-12). "Route Infrastructure and the Risk of Injuries to Bicyclists: A Case-Crossover Study". American Journal of Public Health, Vol. 102, Iss. 12, pp. 2336–2343.
自転車利用中に負傷し、病院で救急治療を受けた人に聞き取り調査し、事故当日の移動経路の中からランダムに選んだ事故以外の地点を対照群とする手法で、各種インフラ形態の事故リスク(事故件数 / 無事故での通過回数)を評価した、バンクーバーとトロントの研究。路上駐車が有り、自転車インフラの無い幹線道路を基準としたオッズ比は、路上駐車の無い幹線道路や生活道路で低く(安全)、特に自転車道がある場合は極めて安全であると明らかにした。一方、下り坂や軌道が有る場合は高い(危険)。但し、被験者の移動行程の全体をデータとして取得していながら、それを全て分析対象にせず、ランダム抽出している点は惜しい。
(2016年4月18日追加、2016年12月22日概略を追加)
M. Anne Harris, Conor C. O. Reynolds, Meghan Winters, Peter A. Cripton, Hui Shen, Mary L. Chipman, Michael D. Cusimano, Shelina Babul, Jeffrey R. Brubacher, Steven M Friedman, Garth Hunte, Melody Monro, Lee Vernich, Kay Teschke. (2013-02-14). "Comparing the effects of infrastructure on bicycling injury at intersections and non-intersections using a case–crossover design". Injury Prevention, Vol.19, Iss.5, pp.303-310.
Kay Teschke et al. (2012-12)の続き。道路の階層分類や交差点の形態、自転車インフラの種類によって事故率が大きく異なる事を、対照群を用意して実証したバンクーバーとトロントの研究。単路の自転車道は調整済みオッズ比が0.05と、極めて安全である事などを明らかにしている。(2016年3月9日追加、2016年12月22日概略に追記)
オランダ
J.P. Schepers, P.A. Kroeze, W. Sweers, J.C. Wüst. (2011). "Road factors and bicycle–motor vehicle crashes at unsignalized priority intersections". Accident Analysis and Prevention. Vol.43, Iss.3, pp.853-861
市街地の無信号交差点での自転車の安全性は交差点の構造に影響されるという研究:
デンマーク
http://www.trafitec.dk/publikationer/2008/safety-effects-blue-cycle-crossings-after-study
Niels Agerholm, Sofie Caspersen, Harry Spaabæk Lahrmann. (2008). “Traffic safety on bicycle paths: results from a new large scale Danish study”. Paper presented at International Cooperation on Theories and Concepts in Traffic Safety, Melbourne, Australia.
コペンハーゲンを除くデンマーク西部の中・大都市で一方通行の自転車道の整備後に交差点での事故が有意に増加したとの調査結果。同時期の対照群の事故データを元に、自転車道を整備しなかった場合に生じたであろう事故件数を求め、それと比較している。但し実験群の自転車通行台数の増加を考慮していない。(2017年2月16日追加)
フィンランド
Heikki Summala, Eero Pasanen, Mikko Räsänen, Jukka Sievänen. (1996-03). "Bicycle accidents and drivers' visual search at left and right turns". Accident Analysis and Prevention. Vol.28, Iss.2, pp.147–153
無信号のT字路で幹線道路に右折合流するドライバーが右から来る自転車と衝突事故を起こしやすいのはドライバーは左を重点的に注視しているからとの仮説を、実際の交差点に設置した隠しカメラによる観察で実証している。論文の後半ではドライバーの安全確認行動を変化させる各種対策(標識設置、ハンプ設置、近隣住民への啓発チラシ配布など)の有効性を評価している。(2016年8月9日追加)
日本
鈴木 美緒・屋井 鉄雄(2006)「幅員と分離方法に着目した自転車の車道上走行空間の安全性に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.33
東京都品川区の大井町駅前区役所通りをモデルとするCGを自転車利用者に、ドライビングシミュレーターをドライバーに提示し、車道上の各種自転車通行空間に対する自転車利用者の好みと、ドライバーの運転挙動を調べ、分離工作物(ラバーポスト)が無い方が双方にとって「有効」であると纏めている。しかし、CGには自転車通行空間を塞ぐ路上駐車が見られず、自転車利用者にとって分離工作物は邪魔なだけの存在に感じられた可能性が有る。またドライバーは分離工作物が有ると速度を抑えているが、この結果について鈴木・屋井は、「狭い車道に物理的な境界のない自転車通行帯を設けることは,走行速度の面で負の影響を及ぼさない可能性が示唆された」と、車の速度低下を否定的に捉えている。(2016年9月6日追加)
鈴木 美緒・屋井 鉄雄(2008)「自転車配慮型道路の幅員構成が自動車走行特性に及ぼす影響に関する研究」『土木計画学研究・論文集』Vol.25, No.2
武田 圭介・金子 正洋・松本 幸司(2008)「自転車事故発生状況の分析と事故防止のための交差点設計方法の検討」
(2016年6月28日追加)
亀井 省吾・吉田 長裕・日野 泰雄(2009年11月)「事故の深刻度を考慮した幹線道路における自転車事故のリスク分析」『土木計画学研究・講演集』Vol.40, p.ROMBUNNO.97
自転車事故のリスクに影響する要因を明らかにしようと、歩行者・自転車・車の交通量や、道路リンク当たりの交差点の数、整備されている自転車通行空間の種類、幅員、規制速度などを用いたモデル式を構築しているが、元のデータ(平成17年の道路交通センサス・兵庫県域)が粗い(自転車交通量が単なる台数で、どの通行空間を走行したか分からない)事を無視して強引に推論しており、通行空間毎の事故リスクに差が無いという、手持ちのデータからは本来言えない結論を主張している。その他、本文に所々不自然な日本語や明らかな矛盾が見られ、著者らの真意が読み取れない。(2016年12月16日追加)
金子 正洋・松本 幸司・蓑島 治(2009年4月)「自転車事故発生状況の分析」
『土木技術資料』Vol.51, No.4, pp.10-13
(2016年6月28日追加、2017年2月19日URL追加)
小林 寛・山本 彰・岸田 真・吉田秀範(2013)「自転車通行空間の整備形態選定の考え方に関する海外比較」『土木技術資料』55巻、2号、p.37
(2016年6月28日追加)
元田良孝・宇佐美誠史(2014)「自転車の歩道通行の安全性等に関する文献調査」『土木計画学研究・講演集』 Vol.49
萩田 賢司・森 健二・横関 俊也・矢野 伸裕(2014)「自転車の進行方向に着目した交差点自転車事故の分析」『土木学会論文集D3(土木計画学)』Vol. 70, No. 5, pp. I_1023-I_1030
(2016年6月28日追加)
松本 秀暢・堂前 光司(2016)「我が国における自転車交通事故の要因分析と自転車交通安全対策の検討」『交通学研究』No.59, pp.101-108
(2016年6月28日追加)
萩田賢司(2015年5月25日)「当事者の進行方向に着目した自転車事故の分析」『月刊交通』2015年5月号, pp.12-22
科学警察研究所職員による事故分析。通行台数当たりではなく単純な件数での分析だが、事故形態によっては左側通行の自転車の方が車に多く撥ねられているとの結果を示し、一般に信じられている左側通行の安全性に疑問を呈する格好になっている。以下、左側通行の自転車の事故件数が右側通行より概ね2倍以上多い事故形態:
横関俊也(2015年5月25日)「自転車の通行区分による危険性比較」『月刊交通』2015年5月号, pp.23-31
科学警察研究所職員による事故分析。それまでまことしやかに言われながらも客観的な根拠を欠いていた「自転車は車道を通行した方が安全」という言説に対し、日本国内では(恐らく)初めて、まともな調査に基づいて事故率の比較をしている(同様に事故率を比較した研究は国土技術政策総合研究所による2009年の「自転車事故発生状況の分析」が有るが、これは調査対象路線名・区間を隠匿している)。調査対象は
また、車道の左側通行/右側通行でも事故率を比較しており、
横関 俊也・萩田 賢司・森 健二・矢野 伸裕(2015年6月6日)「自転車の事故率比による通行位置別の危険性の分析―昼夜での比較―」『第51回土木計画学研究発表会』
千葉県東葛地域での通行台数調査と事故統計に基づき、自転車対四輪自動車の単路(車乗り入れ部も含む)での事故リスクを、自転車の通行位置(歩道/車道)、通行方向(左側/右側)、時間帯、四輪車の動き(直進、右折、左折、停止中、路外から進入)、路線種別(主要幹線道路とそれ以外)で分けて比較している。車道に対する歩道の危険性は全ての比較項目で高い。(2016年9月2日追加)
http://www.enveng.titech.ac.jp/yai/pdf/2013/201203_okada.pdf
(2016年7月20日追加)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/201206_no45/pdf/301.pdf
(2016年7月20日追加)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejipm/70/5/70_I_771/_pdf
(2016年7月20日追加)
「ヒヤリハット分析に基づいた自転車通行方法の 安全性評価に関する研究-ドライブレコーダ データを活用した錯綜状況の定量化-」
(2016年8月9日追加)
「幹線道路沿い無信号交差点における見通しと運転挙動を考慮した自転車事故要因に関する分析」
(2016年8月9日追加)
バス自転車共用レーン
片岸 将広・岡田 茂彦・高山 純一・石川 俊之・埒 正浩(2008)「バスレーンを活用した「自転車走行指導帯」の設置による交通安全対策の効果と課題」『土木計画学研究・論文集』25, 597-606
金沢の法定外路面表示の実験結果の報告。(2017年1月11日追加)
Tim De Ceunynck, Bert Dorleman, Stijn Daniels, Aliaksei Laureshyn, Tom Brijs, Elke Hermans, and Geert Wets. (2015). “Sharing is (s)caring? Interactions between buses and bicyclists on bus lanes shared with bicyclists”. Proceedings of the 28th ICTCT Workshop
多くの国の設計指針ではバス自転車共用レーンの幅は3.5m未満が推奨され、バスによる危険な追い越しを防止する上で有効とされているが、実際にはレーン幅に関わらずバスによる煽り、幅寄せが観察されたというベルギーの研究。(2017年1月13日追加)
追突事故
交通事故総合分析センター(2011年4月)「イタルダ・インフォメーション No.88 特集:走行中自転車への追突事故」
猿渡 英敏(2010)「走行中自転車への追突事故の分析」『第13回 交通事故調査・分析研究発表会』
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu//gian/seminar/materials2_Kojima.pdf
(2016年12がつ9日追加)
生活道路の通過交通対策(この節は2016年2月28日に追加)
Mark Wagenbuur. (2013-08-08). "Making a 1960s street grid fit for the 21st century". BICYCLE DUTCH
車の利便性を最優先に設計された1960年代の街路網を現在の基準に合わせて作り替えたユトレヒト、Overvecht地区の事例紹介。元々は地区内のどの道路も50km/h制限だったが、地区内周回道路に設定された路線を残し、他の生活道路は全て30km/h制限に引き下げられ、周囲の幹線道路との接続点も封鎖された。
地区内を発着する車は必ず地区内周回道路を経由する形になり、数箇所の接続点からしか幹線道路に出入りできないようになった(緊急車両は自転車用の接続点を利用できる。また、封鎖予定だった箇所の一つは大部分の住民の反対で封鎖が取り消された)。この結果、自転車が使える経路はほぼ全ての場合で車の経路より短くなった。地区内周回道路の経由が必須になる事で地区内の排気ガスが増えると反対した住民もいたが、市は、一部住民の車による排気ガス増は、通過交通の排除による減少分で相殺されるとの調査結果を示して説得した。
地区内周回道路の車道は幅員が広すぎた(9.0m)為、中央線を抹消し、左右に自転車レーン(それぞれ1.75m)を設けて視覚的に狭めている(車は残る5.5m幅の中で対面通行)。自転車レーンではなく自転車道を整備する選択肢も有ったが、(読者コメントの指摘によれば、汚水管や雨水管、街路灯、ケーブル類などの移設)費用が高すぎる事、自転車レーンの整備+中央線の抹消+路上駐車スペースの削減の組み合わせで充分安全性が確保される事、元から植えられていた街路樹を保存する事などを考慮してレーンが選ばれた。自転車レーンの赤色着色が省かれたのも資金不足が理由。但しバス停部分では安全の為、自転車レーンを自転車道に切り替えている。生活道路に格下げされたその他の道路でも中央線を抹消した他、歩道や緑地帯の拡大で車道の幅員を半減させ、(標識に頼らず)道路の構造そのものにその路線の性格を語らせて、制限速度遵守を促している。また、生活道路同士の優先関係を無くし、交差点に接近する度に徐行を促している。横断歩道を兼ねるスピードハンプも設置された。
オランダ社会は車に反対している訳ではなく、オランダで最も自転車に優しい都市Houtenですら、全ての住宅に車でアクセスできるようになっている。ただ、車は最も便利な移動手段ではなく、それが自転車の選ばれる理由になっている。
オランダでは単純にSustainable Safety原則に沿っていない事が道路改修の動機になる。対してアメリカでは(読者コメント)、建設・幾何基準は別として、機能・暮らしやすさ基準に沿った改修は滅多に行なわれない。これはComplete Streets運動の盛り上がりで徐々に変わってきたが、それも連邦政府の補助金依存で、整備費は交付されても維持費は出ない為、構造的な分離の無い自転車レーンが好まれる。
(2016年5月14日追加)
稲垣 具志・寺内 義典・橘 たか・大倉 元宏(2014)「生活道路における地区関係者と抜け道利用者の走行速度比較分析」『土木学会論文集D3(土木計画学)』70(5), pp.I_933-I_941
ナンバープレートでその地区の関係者の車かどうかを割り出して、生活道路を暴走する車が通過交通だけとは限らない事を明らかにした調査。(2017年1月10日追加)
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0368pdf/ks0368034.pdf
(2016年4月13日追加)
久保田 尚(2012年07月17日)「資料1 通学路の交通安全に向けた提案」『通学路の交通安全の確保に関する有識者懇談会 第3回』
(2016年12月7日追加)
中央線の抹消と路側帯の拡大
https://www.jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00039/200311_no28/pdf/299.pdf
(2016年6月5日追加)
https://www.jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00039/200411_no30/pdf/60.pdf
(2016年6月5日追加)
ライジング・ボラード
https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/sesaku/pdf/bollard.pdf
(2016年12月7日追加)
http://www.iatss.or.jp/common/pdf/research/h2643Guideline.pdf
(2016年12月7日追加)
filtered permeability(この節は2016年2月28日に追加)
https://aseasyasridingabike.wordpress.com/2015/09/22/types-of-filtered-permeability-and-its-effects/
http://www.cycling-embassy.org.uk/dictionary/filtered-permeability
http://www.pedalparity.com/filtered-permeability-share-road/
Peter Walker. (2016-06-14). “Lessons from London's failing 'quietways' cycle scheme”. The Guardian
ロンドンの自転車路線網で幹線道路のCycle Superhighwayと対をなす生活道路のQuietwayの整備が難航しているという記事。自転車が安心してゆったり通行できる環境を実現するには車の速度を抑えるだけでなく通過交通の遮断が不可欠だが、道路を管轄する自治区があまり乗り気でなく、車を所有する住民の反対が強い為、名ばかりQuietwayになる公算が大きい。通過交通を絞り込まないまま道幅を狭める事でドライバーがサイクリストを強引に追い越す危険性すら指摘されている。(2017年2月17日追加)
Mark Treasure. (2016-04-22). “A trip along Quietway 1”. As Easy As Riding A Bike
Quietway 1号線の実走レポート(2017年2月17日追加)
Sustainable safety (Duurzaam veilig) この節は2016年3月18日に追加
SWOV. (2006). "Advancing Sustainable Safety"
SWOV. (2006). "Advancing Sustainable Safety in brief"
SWOV. (2012-11). "Background of the five Sustainable Safety principles"
SWOV. (2013-07). "Sustainable Safety: principles, misconceptions, and relations with other visions"
Mark Wagenbuur. (2012-01-02). "Sustainable Safety". BICYCLE DUTCH
Fred Wegman, Atze Dijkstra, Govert Schermers, Pieter van Vliet. (). "Sustainable Safety in the Netherlands: Evaluation of National Road Safety Program". Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board, Vol.1969, pp.
(2016年8月10日追加)
BicycleDutch. (2017-01-10). “Systematic Safety: The Principles Behind Vision Zero.” YouTube
オランダの交通安全施策に通底する思想(以前は"Sustainable Safety"と訳されていた)と実例をアメリカの視点から紹介した動画。道路の機能に応じた目標速度の設定、目標速度に応じた道路構造のデザインなど、過去数十年で両国の交通事故死者数の減少率に大差が付いた要因を説明している。中でも特に重要な概念は、道路のデザインは"self-enforcing"たるべしというもの。動画中(4'16")では「単に制限速度標識を立てただけでは車の速度を制御できているとは言えない。道路のデザインそのものがドライバーに自然と目標速度を守らせるようになっていなければならない」と説明されている。(2017年1月21日追加)
Table of Eleven (Tafel van Elf)
http://www.it11.nl/it11/login.jsp
(2016年5月22日追加)
http://www.sam.gov.lv/images/modules/items/PDF/item_618_NL_The_table_of_Eleven.pdf
(2016年5月22日追加)
交通安全教育
http://injuryprevention.bmj.com/content/4/1/22.full
http://ci.nii.ac.jp/naid/40019955956
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1654060/
http://road.cc/content/news/182717-video-how-teach-bus-drivers-give-cyclists-space
https://www.facebook.com/131841343568108/videos/1010400465712187/
冊子類
http://www.philadelphiastreets.com/survey-and-design-bureau/bicycle-network
http://www.philadelphiastreets.com/images/uploads/resource_library/Philadelphia_Center_City_Bike_Map.pdf
(2016年10月19日追加)
http://bicyclecoalition.org/wp-content/uploads/2014/01/Bike-Map-2014_reduced.pdf
(2016年10月19日追加)
http://www.nycbikemaps.com/spokes/nyc-gov-bike-map-archive/
http://www.nyc.gov/html/dot/html/bicyclists/biketips.shtml
http://www.nyc.gov/html/dot/html/bicyclists/dontbeajerk.shtml
http://www.nyc.gov/html/dot/downloads/pdf/bicyclerules_english.pdf
(2016年10月19日追加)
http://www.nj.gov/transportation/commuter/bike/events.shtm
http://www.nj.gov/transportation/commuter/bike/pdf/bicyclingmanual.pdf
http://walkbikejersey.blogspot.jp/2011/01/njdot-releases-new-new-jersey-bicycling.html
(2016年10月19日追加)
https://www.codot.gov/programs/bikeped/information-for-bicyclists/2008bikemanual.pdf
https://www.codot.gov/programs/bikeped/information-for-bicyclists/bike-ped-manual
(2016年10月19日追加)
ヘルメット
サブカテゴリ候補: 着用義務化、リスク補償、自転車利用抑制、被害軽減効果
SWOV. (2012). "SWOV Fact sheet—Bicycle helmets"
自転車ヘルメットに関する論点を総括した文書。背景となる頭部損傷の件数から、ヘルメットの頭部保護効果、オランダと他国の着用状況、着用による危険運転増加の危険性と自転車利用抑制の懸念、他の安全策との関係まで、多岐に亘る議論をコンパクトにまとめている。日本が見落としている議論も多い。ヘルメット関連で何か施策を実行しようと考えているなら必読。
SWOV. (2012). "SWOV Article—Bicycle helmets: yes or no?"
上の文書の一部を抜粋して一般向けに読みやすく編集した冊子。
交通事故総合分析センター(2012)「特集 自転車事故被害軽減にヘルメット!!」『ITARDA Information』 No. 97
ヘルメットを正しく着用すると、頭部損傷による死亡率が約1/4に下がる事を実証している。
Jamie Jowett. (2014). "Cycling and concussion: is it time to stop ignoring the dangers?" CyclingTips
ヘルメットを被っていても落車すれば脳震盪を起こすリスクが有るとの雑誌記事。
B. Joseph, et al. (2014). "Rethinking bicycle helmets as a preventive tool: a 4-year review of bicycle injuries" European Journal of Trauma and Emergency Surgery. Volume 40, Issue 6, pp. 729-732
ヘルメットは頭部外傷を防ぐ効果が有ると考えられるが、頭蓋内出血の防止効果については疑わしいとのコホート研究。
愛媛県松山市(2015年8月28日)「松山市職員の自転車乗用ヘルメット着用を開始します」
ヘルメット着用を自転車利用者のマナー改善のツールと見做している。
http://injuryprevention.bmj.com/content/7/2/89.full
http://injuryprevention.bmj.com/content/8/2/e1.full
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1589971
Phillips RO, Fyhri A, Sagberg F. (2011-08). "Risk compensation and bicycle helmets". Risk Analysis, 31(8):1187-95.
普段ヘルメットを被っている人と被っていない人を対象に、自転車で下り坂を走る際の不安感、速度、心拍変動を、ヘルメット有無の条件で比較した実験。普段被っている人はヘルメットを被らない実験条件で不安を感じ、速度を落としたが、普段被っていない人は変化が無かった。(2016年3月14日 要約追加)
http://monash.edu.au/miri/research/reports/muarc076.pdf
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2542524/pdf/bmj00423-0035a.pdf
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9183470
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9611621
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10868759
http://www.roble.net/marquis/cached/agbu.une.edu.au/%7Edrobinso/velo1/velo.html
https://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info97.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam1990/11/9/11_9_444/_article/-char/ja/
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004637450
http://ci.nii.ac.jp/naid/130003625784
http://www.cyclehelmets.org/1068.html
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00068-014-0453-0
http://cyclingtips.com.au/2014/04/cycling-and-concussion-is-it-time-to-stop-ignoring-the-dangers/
https://www.itarda.or.jp/ws/pdf/h24/15_05EPAbike.pdf
http://www.itarda.or.jp/ws/pdf/h25/16_03jitensya.pdf
http://www.ecf.com/wp-content/uploads/2011/11/Cycle-helmets.pdf
http://www.ecf.com/news/what-happens-when-you-mandate-helmet-wearing-among-young-swedish-cyclists/
http://trafiktekniska.se/reflexen/151-reflexen-2015-1
http://en.wikipedia.org/wiki/Bicycle_helmet
http://www.telegraph.co.uk/men/active/recreational-cycling/10259636/Should-cycle-helmets-be-made-compulsory.html
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/do-bike-helmet-laws-really-save-people/2013/06/03/6a6532b4-c6df-11e2-9245-773c0123c027_story.html
http://www.theage.com.au/victoria/helmet-law-hurting-shared-bike-scheme-20101128-18cf2.html
http://www.alterna.co.jp/14749
http://www.copenhagenize.com/2008/08/helmets-clever-dutch-and-arrogant-danes.html
http://chrisbaskind.com/bike-culture-doesnt-have-a-damn-thing-to-do-with-helmets/
http://www.howiechong.com/journal/2014/2/bike-helmets
http://www.bikinginmpls.com/im-done-wearing-helmet/
http://www.theage.com.au/victoria/helmet-law-hurting-shared-bike-scheme-20101128-18cf2.html
ヘルメット着用義務がメルボルンのシェアバイクの利用停滞の原因になっているとの記事。(2016年5月28日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=Il1IGKaol_M
(2016年5月9日追加)
リスク補償仮説
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17064655
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16754823
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1730952/
ジェラルド・J・S・ワイルド(原著)、芳賀 繁(訳)(2007)
『交通事故はなぜなくならないか——リスク行動の心理学』新曜社
原書名 "TARGET RISK 2 --- A New Psychology of Safety and Health"
イヤフォン
江部和俊,大桑政幸,稲垣大(1999)「ドライバの視聴覚認知に伴う負担度評価」『豊田中央研究所 R&D レビュー』Vol.34, No.3(2016年2月26日追加)
内田信行、浅野陽一、植田俊彦、飯星 明(2005)「携帯電話会話時における運転者の注意状態評価について」『国際交通安全学会誌』Vol.30, No.3(2016年2月26日追加)
携帯電話
MythBusters "Hands Free vs Handheld MiniMyth"
(車の)運転中の携帯電話はハンズフリーだろうが手持ちだろうが非常に危険という実験番組。分かりやすい上にテンポが良く、映像は僅か3分半に纏まっている。(2016年2月27日追加)
灯火と服装
A. Toet, J. Beintema, S.C. de Vries, N. van der Leden, J.W.A.M. Alferdinck. (2008).
"Vergelijking van fietsverlichtingsvormen". Fietsberaad
自転車の前照灯と尾灯について認知実験を行ない、前照灯に限れば点滅させた方が誘目性が高い事、点滅灯は自転車の速度と動きを把握しにくくさせ、緊急車両の灯火を目立ちにくくさせる可能性が有る事を指摘している。(2016年5月21日追加)
Sandar Tin Tin, Alistair Woodward, Shanthi Ameratunga. (2014). "The role of conspicuity in preventing bicycle crashes involving a motor vehicle". The European Journal of Public Health
蛍光色のウェアやライト、反射材などの誘目性改善策は、ニュージーランドでは自転車と車の事故防止に有効ではない可能性が有ると指摘している。(2016年5月21日追加)
このブログ(2016年2月14日最終更新)「自転車ライトの点灯 vs 点滅」
上の2本の論文を含め、点灯と点滅それぞれの利点と欠点に関する資料を纏めた。(2016年5月21日追加)
@dc6ykjgs. (2015-11-16). "自転車の点滅ライト問題". twitter
自転車用の点滅ライトが市場から無くならない背景に、スペック上の最大動作時間が短く(不利に)なる事で自社製品が売れなくなる事をメーカーが危惧している事が有ると指摘した。(2016年5月21日追加)
保険
http://jiko-higaisya.info/bicycle-accident/priority-to-car/
(2016年5月25日追加)
駐輪
技研製作所(公開日記載無し)「地下開発製品 エコサイクル」『技研製作所』
地下の円筒形空間に高密度に自転車を収容できる自動駐輪システムの紹介。様々な車種に対応できる、入出庫が速い、操作が簡単、転落事故防止の多重の安全策を取っている、などの利用者視点で明白な利点の他、設置工事時の振動が少なく工期が短い事や、撤去が簡単で資材が再利用できる事なども強調している。諸元表には対応自転車の寸法が記載されている。(2016年5月15日追加)
技研製作所(2011年9月7日)「耐震地下駐輪場 エコサイクル」『YouTube』
エコサイクルの動画による紹介。(2016年5月15日追加)
Technigeek. (2009-06-23). "New technology for parking bicycles تقنية حديثة لتخزين (اصطفاف) الدراجات". YouTube
エコサイクルを取材したNHK WORLDの番組の録画映像。22万5000回以上再生されており、世界各国からコメントが寄せられている。(2016年5月15日追加)
CityOffice Sagamihara. (2013-04-23). "市営相模大野駅西側自転車駐車場機械式駐輪機地下の仕組み". YouTube
直方体空間の機械式駐輪場の内部を写した映像。エコサイクルよりは自転車の収容密度が低そうに見えるが、ロボットアニメの発進シーンを彷彿とさせるレイアウトで、滾る。(2016年5月15日追加)
Mark Wagenbuur. (2012-06-21). "Utrecht removes illegaly parked bicycles". BICYCLE DUTCH
ユトレヒト駅前での違法駐輪(ラックに28日間を超えて置かれたまま、またはラック以外の場所に停められた)自転車の撤去手順の説明。ハンドルバーにタグを付けたり、返還手数料の支払いを求める点は日本と同じだが、市の撤去作業員が自転車を撤去する前に、立ち会いの警察官が1台ずつ写真を撮り、書類に記録している点が特徴的。後日、返還を求める利用者と事実関係を巡って紛争になった時に証拠として提示できるようにする為。(2016年5月15日追加)
Mark Wagenbuur. (2013-07-11). "Parking your bike at home". BICYCLE DUTCH
オランダの住宅の駐輪場事情を、制度的な背景から説明している: 1950年頃を境に住宅には住人用の駐輪場(自転車を入れられる倉庫でも可)を設置する義務が課された; 駐輪場の要件には「公道からアクセス可能な場所」との定めが有るので、集合住宅でも重いダッチバイクを2階以上に担ぎ上げる必要は無い; この建築規則は2003年にデベロッパーの主張で一旦廃止されたが、その後すぐに、集合住宅の駐輪スペースを無くしてコストを削るデベロッパーが現われた為、建築規則は2012年に元に戻された; 近年の住宅は大抵屋内駐輪場を備えており、玄関のドアに自転車倉庫のドアが隣接している例も有る; この建築規則は、自転車を誰でも手軽に使えるように環境整備しようというオランダ社会の一側面。(2016年5月15日追加)
違反取り締まり
SpeedingEurope. (2014-12-29). "Netherlands". (http://www.speedingeurope.com/netherlands/)
オランダの速度違反取り締まりについての概説。罰金体系が道路種別によって異なる事、罰金額が単純な表ではなく計算式に基づいている事、速度違反の許容誤差が速度域によって異なり、その計算式が公開されている事などを説明している。(2016年8月22日追加)
Openbaar Ministerie. (). "Wordt de gemeten snelheid gecorrigeerd bij trajectcontrolesystemen?"
オランダ検察による、速度違反の許容誤差についての説明。測定誤差を考慮して、測定速度 100 km/h以下なら測定速度 -3 km/h、それ以上なら測定速度 * 0.97を補正速度とする。更に、規制速度130 km/h未満の場合は余裕分として規制速度 +4 km/hをボーダーラインにするので、例えば規制速度80 km/hであれば、罰金が科せられるのは 87 km/hから。(2016年8月22日追加)
Openbaar Ministerie. (). "Tarieven snelheidsovertredingen"
オランダ検察による、速度違反の罰金額計算ソフト。車種、道路種別、道路工事の有無、当該車種に適用される制限速度、測定された速度の5項目を入力すると罰金額が表示される。(2016年8月22日追加)
Mark Wagenbuur. (2012-04-13). "“I was only speeding slightly”". BICYCLE DUTCH
オランダの速度違反取り締まり事情の説明。道路種別によって罰金額に大きな差が有り、特に30 km/h-zone内では高額に設定されている。(2016年8月22日追加)
誤謬と詭弁
Wikipedia "List of fallacies"
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_fallacies
Wikipedia. (2016-03-05). "Status quo bias"
現状からの変化は、たとえそれが良い方向の変化であっても喪失であると捉える感情的バイアス、現状維持バイアスの説明。(2016年3月10日追加)
Wikipedia「誤謬」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%A4%E8%AC%AC
Wikipedia「詭弁」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%AD%E5%BC%81
Wikipedia「批判的思考」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%B9%E5%88%A4%E7%9A%84%E6%80%9D%E8%80%83
Wikipedia「認知バイアス」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
Wikipedia「研究倫理」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%80%AB%E7%90%86
Thou shalt not commit logical fallacies
https://yourlogicalfallacyis.com/
代表的な詭弁を列挙し、それぞれに簡潔な解説を加えている。市民が政治家やメディアの詭弁に踊らされず、論理的な議論ができるようにと作られた啓発サイト。詭弁である事を理由に相手の主張を否定する事もまた誤りであるとの指摘も忘れていない。(2016年5月21日追加)
Cycling Fallacies
http://cyclingfallacies.com/en/
自転車利用促進に反対する主張にありがちな思い込みや詭弁を一覧にしたサイト。同じ議論の不毛な繰り返しを避ける為に開設された。但し、サイト上の全ての詭弁が本当に詭弁なのかどうかは注意深く判断する必要が有る。(2016年5月21日追加)
文部科学省(2014年8月26日)「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(掲載ページ)
p. 10(pdf p. 16)に捏造、改竄、盗用についての記述。(2016年7月21日追加)
日本学術会議(2013年1月25日)「声明 科学者の行動規範 -改訂版-」
(2016年7月21日追加)
日本学術振興会(2015年5月18日)「科学の健全な発展のために -誠実な科学者の心得-」
p. 44(pdf p. 46)で、捏造、改竄、盗用以外にもデータの取得の仕方が研究不正になり得る事を指摘している。(2016年7月21日追加)
東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部(2013年12月)「科学研究行動規範」
(2016年7月21日追加)
実験計画と推論
Wikipedia "Research design"
https://en.wikipedia.org/wiki/Research_design
Wikipedia "Design of experiments"
https://en.wikipedia.org/wiki/Design_of_experiments
Wikipedia "Bradford Hill criteria"
https://en.wikipedia.org/wiki/Bradford_Hill_criteria
未分類
http://www.cycling-embassy.org.uk/blog/2012/11/28/non-cyclists-view-cycle-campaigning
http://infrastructureaustralia.gov.au/policy-publications/publications/files/Cycling_Infrastructure_Background_Paper_16Mar09_WEB.pdf
https://www.surveymonkey.com/r/?sm=ugS84QsjQtMNVqnBS4OcSQ%3D%3D
https://www.youtube.com/watch?v=-IZ_50nMhZk
http://fanblogs.jp/sakurabunama/archive/615/0
http://fanblogs.jp/sakurabunama/archive/633/0
http://denverurbanism.com/2015/04/where-should-we-put-bike-lanes-part-2-of-3.html
https://www.youtube.com/watch?v=UYI2Xnzmp8Y
https://www.youtube.com/watch?v=Il-luNotoWE
http://jitensha-hoken.jp/blog/2016/02/holland-02/
https://bicycledutch.wordpress.com/2016/04/12/a-ride-from-market-to-market/
http://www.roadsafetygb.org.uk/news/4980.html
https://www.komei.or.jp/more/report/33/02.html
https://wan.or.jp/article/show/3941
バルセロナのシェアバイク
Robert J. Jilla. (1974-06-19). "Effects of Bicycle Lanes on Traffic Flow".
各種自転車インフラの設計上の基礎情報や、交通安全政策の事例(登録制度、免許制度)など。1974年の段階で既に、「自転車レーンと車道の間の路駐車両は優れた防御壁になる。但し、車の開いたドアとのクリアランスを確保する為に、自転車レーンは充分広くなければならない」(p. 13, pdf p. 28)と書いてある。(2016年4月18日追加)
「歩車分離信号の国、イギリスを視察して」
(2016年5月6日追加)
「イギリス・ロンドン市内の歩き方!横断歩道を安全に渡るための交通ルール」
(2016年5月6日追加)
Seyed Amir H. Zahabi, Annie Chang, Luis F. Miranda-Moreno, Zachary Patterson. (2016). "Exploring the link between the neighborhood typologies, bicycle infrastructure and commuting cycling over time and the potential impact on commuter GHG emissions". Transportation Research Part D: Transport and Environment, Vol.47, August 2016, pp.89–103
(2016年7月11日追加)
ATTN. (2016-07-14). "Bicycling in America vs Bicycling in Denmark"
アメリカが自転車乗りにとっていかに危険な環境かをデンマークとの比較で訴える動画。インタビューで女性が、デンマークではどこに行くにも自転車だったが、アメリカに来てからは車に2度も撥ねられ、以後はもう乗っていないと答えているのが象徴的。他、ドライバーからの暴言やクラクション、ドア衝突事故にも触れている。(2016年7月16日追加)
Kristiann C Heesch, Shannon Sahlqvist, Jan Garrard. (2011). "Cyclists’ experiences of harassment from motorists: findings from a survey of cyclists in Queensland, Australia". Preventive medicine, 53(6), pp.417–420.
オーストラリアのサイクリストがドライバーから受けている加害行為をアンケート調査で明らかにした研究。(2016年9月30日追加)
吉村 朋矩(2014年)「自転車通行環境の安全性の向上に関する研究」博士論文
(2016年7月21日追加)
古倉宗治(2004年)「自転車の安全・快適・迅速な走行空間の確保及び利用促進のためのソフト面の施策に関する研究」博士論文
国立国会図書館・関西館所蔵、請求記号:UT51-2006-D949(2016年7月21日追加)
U.S. Department of Transportation, Federal Highway Administration. (1994). "The National Bicycling and Walking Study"(掲載ページ)
(2016年8月1日追加)
U.S. Department of Transportation, Federal Highway Administration. (2010-05). "The National Bicycling and Walking Study: 15–Year Status Report"
(2016年8月1日追加)
https://www.duic.nl/algemeen/duic-op-bezoek-wereldfietsstad-kopenhagen-utrecht-doet-goed-meer-ook/
(2016年8月9日追加)
Charles Montgomery. (2013-11-12). Happy City
"Korsningsutformning: en kunskapsöversikt"
交差点構造と安全性についての先行研究を纏めたスウェーデンの報告書。ラウンダバウトが自転車にとっては必ずしも安全ではない事や、左折車線だけでなく右折車線も安全上有効である事、幹線道路と細街路の交差角度は必ずしも直角に近い方が安全とは言えない事、4叉路よりも千鳥配置した3叉路のペアの方が安全である事などを扱っている。(2016年8月10日追加)
Regine Gerike, John Parkin. (2016-03-09). Cycling Futures: From Research into Practice
(2016年8月10日追加)
http://www.npa.go.jp/hakusyo/s48/s480600.html
昭和48年 警察白書 表6-4 道路舗装率の推移(昭和38~47年)
Fred Wegman, Fan Zhang, Atze Dijkstra. (2012). "How to make more cycling good for road safety?". Accident Analysis and Prevention, Vol.44, pp.19–29
自転車政策全般の議論について先行研究を纏め、当たり前と思われているトピックについても熟考を促す、一冊の教科書のような論文。将来の研究・政策課題も挙げている。(2016年9月16日追加)
FHWA. (2010). "Pedestrian and Bicyclist Safety and Mobility in Europe"
(2016年9月16日追加)
John Pucher, Jennifer Dill, Susan Handy. (2010). "Infrastructure, programs, and policies to increase bicycling: An international review". Preventive Medicine, 50, pp.S106–S125
自転車の事故防止策に関する先行研究のレビュー。(2016年9月16日追加)
SWOV. (2010). "SWOV Fact sheet: Bicycle facilities on distributor roads"
(2016年9月16日追加)
Bicycle Tracks and Lanes: A Before-and-After Study
https://trid.trb.org/view.aspx?id=848364
(2016年9月16日追加)
Scott Slingerland. (2015-04-19). "Hazards of New York City Bike Lanes". YouTube
(2016年9月22日追加)
P. Schepers, D. Twisk, E. Fishman, A. Fyhri, A. Jensen. (2017-02). "The Dutch road to a high level of cycling safety". Safety Science, 92, pp.264–273.
オランダ国内で過去30年間に自転車の走行距離当たりの死亡事故件数が8割減少した要因について、道路の階層構造の確立による通過交通の排除、街路から高速道路への自動車交通の転移、構造的に分離された自転車通行空間と安全な構造の交差点の整備、自転車の交通分担率の向上と車の交通分担率の低下、自転車の速度低下を挙げている。(2016年11月27日追加)
International Transport Forum. (2013-12-19). “Cycling, Health and Safety”. OECD Library.
世界各都市の自転車政策や事故統計、安全対策を取り纏めたもの。(2016年12月26日追加)
http://www.hvu.dk/SiteCollectionDocuments/HVUrapp04_Hoejresving.pdf
デンマークの右折(日本の左折に相当)トラックと直進自転車の事故分析レポート。(2016年12月26日追加)
David Hembrow. (2014-09-08). "Does free car parking make people drive cars ? Certainly not when there is a better alternative". A view fromt the cycle path
無料駐車場が有っても総合的に自転車の方が便利な移動手段であれば車依存は起こらないとの主張。(2016年12月27日追加)
https://www.raisethehammer.org/article/2707/bicycle-friendly_paris_refuses_to_stand_still
パリの自転車インフラ全般を現地観察を通して紹介する記事(2017年2月20日追加)
http://metro.co.uk/2017/02/10/council-installs-speed-bumps-along-cycle-path-6439164/
車に侵入されて危険だった自転車道にバンプを設置して自転車の通行を困難にしてしまったという本末転倒な事例。(2017年3月12日追加)
インフラ整備事例(海外)
オランダ
David Hembrow. (2015-02-12). "Street design hostile to cycling. Jan Fabriciusstraat in Assen is an example of a greater Dutch malaise". A view from the cycle path
オランダ北東部の都市アセンのJan Fabriciusstraatで新たに整備された自転車通行空間が、(空間的には充分可能だった)旧来の安全な自転車道構造を採用せず、わざわざ危険な自転車レーン構造で整備されたとの報告。現地の利用状況もレポートしており、車道上の危険な自転車レーンを嫌って一部の自転車利用者が歩道上を走行している様子を動画に捉えている。(2016年4月16日追加)
David Hembrow. (2016-07-11). "A traffic light design which enables safe turns across traffic for everyone". A view from the cycle path
左折(日本の二段階右折に相当)の待機スペースを備えた誰でも安心して通行できる丁字路の整備事例。自転車レーンは丁字路の横画部分で車道から構造的に分離されたバイパスになっているので、実質的には二段階左折ではなく一段階左折。以前は大型車が交差点を曲がる時に車体の一部が自転車レーンに入ってしまっていた為、丁字路を直進する自転車も赤信号で足止めしていたが、構造の改修でその必要が無くなった。(2016年7月13日追加)
https://bicycledutch.wordpress.com/tag/before-and-after/
Proveniersstraat, Rotterdam (before / after)
車が双方向通行可能で自転車通行空間が無かった通りを一方通行化・ゾーン30化し、車道の左右に自転車レーンを設けた改修事例。駐車スペースも維持している。自転車レーン部分は滑らかな舗装だが、車が通行する中央部分はブロック舗装。(2016年12月10日追加)
Kelsey E. Thomas. (2016-04-25). "Dutch City Takes Protected Intersection for Bikes a Step Further". Next City
自転車側に優先通行権が有る無信号交差点で、路面に埋め込んだLEDで自転車の接近をドライバーに知らせる"BikeScout"システム。オランダ、アイントホーヴンで試験的に導入された。背景には電動アシスト自転車の普及でドライバーの想定以上に速く走る自転車が増えている事も有る。導入費は約4万ユーロで、年間維持費は約1千ユーロ。(2016年4月26日追加)
Heijmans NV. (2016-04-08). "Heijmans BikeScout helps cyclists cross safely". YouTube
BikeScoutシステムの紹介動画。珍しくフレームレートが50で動きが滑らか。(2016年4月26日追加)
ドイツ
https://janheine.wordpress.com/2013/07/12/cyclepaths-in-berlin/
ベルリンの種々の自転車通行空間の写真レポート。極めて狭い自転車道で自転車利用者同士の接触や事故が起こっている実態を紹介している。車道上の自転車レーンについてはドアゾーンを避けた配置を高く評価している。(2017年2月22日追加)
イギリス
https://tfl.gov.uk/modes/cycling/routes-and-maps/cycle-superhighways
ロンドンのサイクル・スーパーハイウェイ路線一覧(2016年8月7日追加)
https://www.theguardian.com/uk-news/2013/nov/17/cyclists-dead-london-roads-safer
(2016年8月9日追加)
http://content.tfl.gov.uk/international-cycling-infrastructure-best-practice-study.pdf
(2016年8月10日追加)
http://content.tfl.gov.uk/international-cycling-infrastructure-best-practice-study-appendix.pdf
(2016年8月10日追加)
フランス
(2015-08-03). "Piste cyclable : un peu de bitume supplémentaire au carrefour Barbès". Action Barbès.
日本の自転車歩行者道と同じく横断歩道の待機スペース周辺で途切れてしまっていた歩道上の自転車道を、視覚的に連続するよう改修したパリの事例。改修前は歩行者が、自分が自転車道の上に立ち塞がっていると自覚するのも難しかった。場所はここ。(2016年3月10日追加)
アメリカ
Ben Yakas. (2016-01-21). "Video: One Simple Trick To Stop NYC Drivers From Killing You", gothamist
交差点内にたった3つ三角コーンを置いただけで右左折車の速度が低下したとの報道。機能的にはオランダの交差点のprotective traffic islandに近い。大規模な改修工事をしなくても安全性を即時に改善できる可能性を示した。設置したのは一人の活動家で、動きの鈍い市交通局やコミュニティー・ボードに業を煮やしてのゲリラ的な実験。
SeattleのSecond Avenue(自転車レーン→自転車道)
http://www.seattle.gov/news/detail.asp?ID=14619&dept=19
(2016年4月17日追加)
https://www.cascade.org/blog/2014/09/worst-first-seattle%E2%80%99s-second-avenue-protected-bike-lane-demonstration-project-game
(2016年4月17日追加)
http://blogs.seattletimes.com/today/2014/09/second-avenue-entices-cyclists-baffles-motorists/
(2016年4月17日追加)
http://www.streetsblog.org/2016/06/08/dot-will-close-remaining-gaps-in-first-avenue-protected-bike-lane/
(2016年6月9日追加)
http://www.nyc.gov/html/dot/downloads/pdf/first-ave-protected-bike-lane-jun2016.pdf
ニューヨークの1st Ave.で自転車レーンが構造的に分離されておらずsharrowで混在通行をさせていた危険なギャップ区間を他の区間と同じくfloating parking laneで保護する構造に改修する計画の概要。車の通行帯を減らしても車の交通量は道路の交通容量を上回らない事を示している(p.16)(2016年6月9日追加)
その他
Melia Robinson. (2016-03-31). "50 amazing new public-space transformations captured by Google Street View". Business Insider
Google Maps Street Viewが捉えた世界各地の公共空間の改修事例。(2016年12月10日要約を追加)
インフラ整備事例(日本国内)
国土交通省(2008年1月17日)「自転車通行環境整備のモデル地区を指定しました」
自転車インフラ整備のモデル事業開始を知らせる報道発表。事業背景に、自転車と歩行者の事故増加、自転車の環境負荷の小ささを挙げているが、事業内容を見ると両省庁の関心は専ら自転車と歩行者を分離する事にあり、地球温暖化対策は単なる枕詞と化している(自転車インフラ整備と併せて実施すべき、中心市街地でのクルマ抑制策に一切言及が無い)。また、「欧米並みの自転車先進都市」という表現や、先進都市の例として(自転車の交通分担率が1〜3%と大阪や東京より遥かに低い)パリを挙げている事から、欧米でも都市ごとにbicycle-friendlinessが大きく異なる実情を理解しておらず、十把一絡げに「先進都市」と有り難がっている事が窺われる。(2016年4月8日追加)
国土交通省(2010年9月16日)「報道発表資料:自転車通行環境整備モデル地区の整備状況について」
国交省と警察庁が2008年から全国で進めてきた自転車インフラ整備のモデル事業のまとめ。モデル地区一覧と、インフラ形態ごとの整備延長が書かれている。但し、個々の整備事例の詳細な設計は集約されておらず、交通法上の分類しか分からない。(2016年4月8日追加)
Think Our Street 推進委員会(最終更新2015年3月27日)「既存道路空間の再構築と有効活用について」
日本各地の自転車インフラ整備や安全教育の事例を広範に収集している。アンケート結果を纏めた表がテキストデータではなく画像なのが惜しい。それは検索エンジンの目を逃れる為の技だ。(2016年4月5日追加)
札幌市
コニー(2010年9月23日)「ベンガラ着色舗装の厚別新自転車道」『シリベシアン(後志人)』 (2016年4月5日追加)
仙台市
yjj7top(2009年06月04日)「新しいブルーレーン」『親方のチャリと祭りな話』(2016年4月5日追加)
ぱんだ(2009年07月16日)「宮城野通りの噴水たち」『ぱんだこぱんだ』(2016年4月5日追加)
自転車道の中に立て看板や放置自転車、街路樹、ゴミの集積所などが有って走りにくく、普通の人は横の広い歩道を通ると指摘している。
yjj7top(2010年10月25日)「宮城野通り自転車道アンケート?」『親方のチャリと祭りな話』(2016年4月5日追加)
見かけは立派だが実際に走ってみると、隣の歩道の広大さに比べてあまりにも狭く、曲がりくねっているのに対面通行、並木や標識の障害物が多い、マンホールの蓋がある、路面が妙に凸凹している、バス待ちの乗客が塞いでいる、などの多数の欠陥が有る事を、(記事の書き手だけでなくコメント投稿者も)指摘している。
カレーパンマン(2011年02月18)「宮城野通り イーグルロード」『カレーパンマンのポタ日記』
自転車道を横切る車が一旦停止していない点や、バス停の乗降空間が自転車の動線と重なっている点、信号交差点の自転車横断帯に繋がる動線がドライバーから認識しにくい点などを指摘している。(2016年9月23日追加)
ひたちなか市
勝田駅の駅前から東に延びる幹線道路に自転車道が整備されており、交差点では自転車道の延長線上に自転車横断帯が配置されている。実走動画をJABLawの方が公開している:
https://www.youtube.com/watch?v=k9bEkr3_oNQ
https://www.youtube.com/watch?v=KCTKgESvslM
(2016年12月24日追加)
千葉市
千葉市(2015年11月12日更新)「自転車走行環境に関する取組み ~ちばチャリ~」
「3自転車走行環境の整備」に市内の整備路線の一覧。(2016年6月20日追加)
京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/kensetu/page/0000181300.html
(2016年6月20日追加)
松山市
https://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2010data/1004/1004chiiki-shikoku.pdf
(2016年8月21日追加)
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/toukoku_00000246.html
関東地方整備局 相武国道事務所(2016年6月9日)「~既存の道路空間再配分により幅の広い自転車道が完成~ 国道16号相模原市富士見地区の自転車道の一部が開通します」
相 模原の国道16号の副道を幅員3mで双方向通行の自転車道に転換した事例。単路部の質は高いが、交差点の手前で途切れてそこから先は歩行者との混在空間に なるという従来の欠点はそのまま残っている。車止めの設置間隔も狭過ぎてカーゴバイクやハンドバイクでは走りにくそうに見える。(2016年7月1日追加)
sekk123. (2016-06-22). https://twitter.com/sekk123/status/745627158534488064
「相模原の16号の副道を無くして自転車道にする工事もうすぐ終わるんだな。 沿線から本線に副道を渡って直接出れちゃう構造って意味なかったもんあ・・・」
副道をそのままゾーン30化して実質的な自転車道として使うには、構造上の問題が有った事が窺える。(2016年7月1日追加)
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000642737.pdf
工事中の仮設通路
https://bicycledutch.wordpress.com/2011/08/24/cycling-in-a-large-building-site/
https://bicycledutch.wordpress.com/2012/06/11/the-big-detour-utrecht/
@Hackneycyclist. (2016-05-20). "There is absolutely no reason to do this on CS2, no works are taking place on the cycle track". twitter
ロンドンのCS2号線で工事により構造分離型の自転車レーンが安易に封鎖され、押し歩きを命じる看板が立てられている様子を写真で伝えている。(2016年5月20日追加)
@Hackneycyclist. (2016-05-20). "And if they were working on the cycle track this is how you deal with it". twitter
工事による自転車道の封鎖時に、車道の端1車線を臨時で自転車用の通路にし、バリケードで車から保護している事例を、本来取るべき配慮として紹介している。(2016年5月20日追加)
緊急車両の通行
112 Gelderland M&Z E.o. (2011-03-31). "Ambulance Ede 07-109 A1 naar ZGV via fietspad". YouTube.
渋滞する車道から自転車道に移って進む救急車の映像。(2016年4月28日追加)
112Schiedam. (2015-09-14). "Ambulance 17-101 met Spoed over het fietspad naar een Melding in Rotterdam". YouTube.
自転車道を走り抜ける救急車。一般車の車体が邪魔になっている場所では躊躇無く歩道に少し乗り上げている。(2016年4月28日追加)
自転車政策(海外)
Tanya Snyder. (2014-09-05). "How Vancouver Designs Intersections With Bike Lanes to Minimize Conflicts". Streetsblog USA.
バンクーバー市の交通課長へのインタビュー。構造分離型の自転車レーンを整備した路線(Dunsmuir St.とHornby St.)の交差点設計の工夫を中心に、プロジェクトの背景となる長期計画や、安全性研究など、行政の視点から幅広い話題を扱っている。市にとって初めての構造分離型レーンだったDunsmuir St.では、整備当時、まだ北米に事例やノウハウが蓄積されておらず、試行錯誤だった事が分かる。(2016年4月18日追加)
Vancity Buzz Staff. (2014-03-13). "Vehicle and cyclist collide at Beatty and Dunsmuir Streets". Vancity Buzz.
ダンスミア通りでの車と自転車の事故を伝えるニュース。ダンスミア通りの自転車道は危険で、2〜3週間に一度は事故が起こっており、赤信号での車の右折(カナダでは一部地域を除いて合法)は禁止すべき、との地元住民の声を伝えている。(2016年4月18日追加)
http://vancouver.ca/streets-transportation/biking.aspx
(2016年4月18日追加)
http://www.vtpi.org/irresistible.pdf
http://www.usmayors.org/meninosurvey/2015/2015survey-finalreport.pdf
http://islandpress.org/book/tactical-urbanism
Ross Lydall. (2015-01-27)."Boris Johnson gives go-ahead for 'Crossrail' cycle superhighway through central London". London Evening Standard.
(2016年5月6日追加)
https://consultations.tfl.gov.uk/cycling/eastwest
(2016年5月6日追加)
https://consultations.tfl.gov.uk/cycling/northsouth
(2016年5月6日追加)
http://usa.streetsblog.org/2016/03/28/fast-changes-to-city-streets-a-9-step-guide-for-creative-bureaucrats/
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/new-report-a-nine-ingredient-recipe-for-fast-flexible-changes-to-city-stree
無記名 (2016-04-01). "Support for cycle lanes crosses political divide says British Cycling". British Cycling
British Cyclingの為にウエストミンスター大学のレイチェル・アルドレッド博士が企画しYouGovに実施を委託したアンケート調査で、年齢、性別、社会背景、支持政党を問わず、“車道から構造的に分離された”自転車レーンへの支持が広がっている事が明らかになったとの報告。(2016年4月1日追加)
Cycling Embassy of Denmark. (2012-02-21). "Cycle Score: using RFID tags to reward cyclists"
近距離無線通信を用いて、自転車通勤・通学した人に報賞として景品抽選券(地元のレストランや映画館の招待券、自転車、ワイン、チョコレートなど)を配布するシステムの紹介。手動データ入力が必要だった従来のキャンペーンと違い、気軽に参加でき、通年実施できる点で画期的だと説明している。フレゼリシアでは参加企業・学校に、施設の入り口に設置する認証機と自転車のホイールに取り付けるタグが無償配布された。(2016年3月7日追加)
Maja De Taeje. (2014-08-01). "Cycle Score: using RFID tags to reward cyclists (Denmark)". Eltis(2016年3月7日追加)
Claudia Brückner. (2015-12-19). "Cycling in Berlin. (Theory vs. Reality)". Vimeo
自転車インフラの改善計画を立て、要改善箇所の調査もし、予算も付けているのに実際の改修が遅々として進まないベルリンの状況を纏めている。ベルリンの自転車インフラの生の実態(自転車道も自転車レーンも酷い)が分かる他、映像作品としても優れている。(2016年3月2日追加)
Adele Peters. (2016-03-04). "In This Danish City, 5-Year-Olds Bike To School On Their Own". Co.Exist
自転車王国デンマークでさえ車通学する子供が過去30年間で2倍に増加。この状況に対してオーデンセが実施しているハード、ソフト両面の自転車通学支援策(自転車道整備率54.5%、信号交差点は立体交差化、幼稚園から始まる自転車教育、自転車通学児童に対するRFIDを用いた景品抽選券の配布など)を紹介している。(2016年3月7日追加)
Janette Sadik-Khan. (2016-03-08). "The Bike Wars Are Over, and the Bikes Won". NYMag.
2007〜2013年にニューヨーク市の交通局長を務めたジャネット・サディク-カーン氏が語る、構造分離型の自転車レーンの普及事業と、それを阻む激しい反対運動の記録。建設反対派からは市への反感を煽るキャンペーンを展開され、訴訟も起こされたが、最終的にはレーンの整備は進み、その利点も客観的に証明され、何よりニューヨーカー自身が支持した事で、抵抗運動との戦いは勝利に終わった。慣れ親しんだ古い秩序に執着する人の心理や、分かりやすい悪役というネタに飛びつくメディアの体質、部下を不当な非難から守り抜く上司の大切さなど、胸が熱くなるストーリーが満載。(2016年3月9日追加)
Janette Sadik-Khan. (2013). "New York's streets? Not so mean any more". TED.com
ジャネット・サディク-カーン氏のTED講演映像。日本語字幕版も用意されている。(2016年3月9日追加)
都市・ネットワーク計画(海外)
Nicole Foletta, Simon Field. (2011-09-22). "Europe’s Vibrant New Low Car(bon) Communities". Institute for Transportation and Development Policy
欧州各地の車利用抑制に成功している8つの都市(Greenwich Millennium Village, GB; GWL Terrein, NL; Hammarby Sjostad, SE; Houten, NL; Sihlcity, CH; Stellwerk 60, DE; Vastra Hamnen, SE; Vauban, DE)の事例研究。(2016年5月15日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=EBiYohzwSn4
(2016年5月15日追加)
http://www.citylab.com/cityfixer/2015/06/a-case-study-in-bike-friendly-suburban-planning/396107/
(2016年5月15日追加)
オランダ
藤本芳一(2013年6月30日)「自転車を交通の中心に作られた街 オランダ ハウテン」『Slow “Mobility” Life Project』
都市計画の段階から中心市街地では車が不便に、自転車が便利になるように計算されたハウテンを、現地の写真を交えながら紹介している。(2016年5月3日追加)
Gemeente Amersfoort. (2016-03). “Fietsplan Gemeente Amersfoort”
アームスフォートの自転車計画。各路線の通行空間や駐輪場の整備計画を列挙している他、信号での自転車の減速・再加速を減らし快適性・利便性を高める技術として、感応制御に言及している (p.40)。計画の基礎となるビッグデータの例としてSTRAVAのヒートマップも引用 (p.44)。(2017年2月22日追加)
アメリカ
New York City Department of City Planning. (1997). "New York City Bicycle Master Plan". National Association of City Transportation Officials
自転車を(レジャーではなく)交通手段の一つとして明確に位置付け、その利便性や安全性を高める事を目的とした総合的な計画。車からのモーダルシフトを狙っていた事がThe Benefits of Cyclingの節から窺える。設計指針の節では、ニューヨーク市独自の設計指針が完成するまでの参考用として全米版の設計指針を引用している。車道上の自転車レーンについてはAASHTOの指針を引用し、決して駐車レーンよりも縁石側に配置してはならないと警告している。交差点・drivewayでの視認性低下と、自転車が(車と同じように)左折(日本の右折に相当)できなくなる事が理由。この時代はまだ、利用者の安心感への配慮やインフラ形態毎の事故リスクの実証研究が未熟だった事が窺える。(2016年9月7日追加)
イギリス
https://tfl.gov.uk/corporate/publications-and-reports/cycling
(2016年8月10日追加)
https://www.london.gov.uk/sites/default/files/cycling-revolution-london.pdf
(2016年8月9日追加)
https://www.london.gov.uk/sites/default/files/cycling_vision_gla_template_final.pdf
ロンドンの自転車計画。構造分離型の自転車道を採用した背景に、主要な渋滞原因の一つであるマイカーによる子供の送迎を減らす為、子供が安全に自転車通学できるようにする狙いが有った事が分かる。(2016年5月26日追加)
Greater London Authority. (2016-03). "HUMAN STREETS The Mayor’s Vision for Cycling, three years on"
車道上にペイントした簡易レーンから構造分離レーンへの方針転換から3年後の進捗報告書。冒頭(p.2)でボリス・ジョンソン市長自ら、ペイントレーンは失敗だったとの後悔を表明している。本文では、市内の自転車の交通分担率が急激に伸びている事を実績として強調し(これは日本の自治体の報告書ではまず言及されない)、3年以内には車の交通分担率を超えるだろうとの予測を示している。(2016年8月9日追加)
Mark Treasure. (2012-04-26). "They built it, and they didn’t come – the lesson of Milton Keynes". As Easy As Riding A Bike
Stevenage、East Kilbrideと並び、自転車の利用促進に失敗したイギリスの戦後ニュータウンであるMilton Keynesについて、車道から分離された自転車道路網は必要ないとする主張に反論している。(2016年5月15日追加)
Carlton Reid. (2013-02-25). "Where driving is easy, Brits drive". Roads Were Not Built For Cars
計画当初から自転車を主要な移動手段の一つに位置付け、車道との平面交差の無い自転車道路網が整備されたイギリスのニュータウン、Stevenageで、自転車の交通分担率が2.7%に過ぎない事を指摘し、その歴史的背景を詳しく解説している。(2016年5月15日追加)
ドイツ
Peter Gwiasda (Planungsbüro VIA eG). (2014-06-30). "Radverkehrskonzept für die Kölner Innenstadt—Führungsformen des Radverkehrs"
ケルン中心部の自転車交通計画についての、地元の交通計画コンサルタント会社による説明資料。(2016年8月10日追加)
Planungsbüro VIA eG, Planerbüro Südstadt. (2016-05-19). "Radverkehrskonzept für die Kölner Innenstadt". Stadt Köln
策定された計画。通行空間分離の目安の図(p.71)はPeter Gwiasda (2014)と基本的に同じ。(2016年8月10日追加)
フランス
http://www.paris.fr/actualites/paris-se-dote-d-un-nouveau-plan-velo-2255
(2017年2月20日追加)
https://api-site.paris.fr/images/78376
(2017年2月20日追加)
Fietsstad
都市・ネットワーク計画(日本国内)
さいたま市(2014年5月28日)「さいたま市自転車ネットワーク整備計画」(2016年4月3日追加)
さいたま市(2016年3月31日)「さいたま自転車まちづくりプラン~さいたまはーと~」
(2016年4月22日追加)
千葉市(2015年11月12日)「自転車走行環境に関する取組み ~ ちばチャリ ~」
市内の自転車走りやすさマップ、インフラ整備計画、整備済み路線の一覧がまとめられている。(2016年4月3日追加)
市川市(2015年6月10日)「市川市自転車走行空間ネットワーク整備計画」(同PDF文書)
一 見、国交省のガイドラインを丸写ししたよくある整備計画のようだが、細かい部分でさりげなく自転車利用者の安全・安心に配慮したアレンジが加えられてい る。例えば、構造分離の目安となる車の速度を「50km/h超」から「50km/h以上」に引き下げたり、自転車道の幅員に「2.5m以上が望ましい」と 付加したり、交差点の設計方針でprotected intersectionに類似した事例を参考例として掲げている。(2016年4月28日追加)
川崎市(2015年2月)「川崎市自転車通行環境整備実施計画—Stage 1—」
自転車レーンの標準幅員に、全国基準では止むを得ない場合の最低幅として限定的に容認されているにすぎない1.0mを採用している(p.9)。レーン幅員が1.0m以上1.5m未満の場合は街渠を幅員に含めない規定だが(p.9)、武蔵小杉の県道東京丸子横浜線の整備済みレーンでは省スペース型街渠ブロックを採用した為(p.8)、車の実勢速度の高い幹線道路であるにも関わらず、自転車の走行位置が縁石ギリギリになっており、安全マージンが不足している。本ブログの記事「武蔵小杉・県道2号の自転車レーン」も参照。(2016年12月27日追加)
横浜市(2016年6月)「横浜市自転車総合計画」
(2016年6月23日追加)
京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/menu4/category/52-1-0-0-0-0-0-0-0-0.html
(2016年6月20日追加)
http://www.city.kyoto.lg.jp/menu4/category/52-7-0-0-0-0-0-0-0-0.html
(2016年6月20日追加)
森 正樹・太田雅博・岸 邦宏・佐藤馨一(2008年11月1日)
「道道札幌恵庭自転車道線の路線選定における合意形成に関する研究」
『第38回 土木計画学研究発表会・講演集』
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/200811_no38/pdf/86.pdf
ロードプライシング
東京都環境局(公開日記載無し)「ロードプライシング」
平成12年(2000年)に検討委員会を設置したものの、課金の公平さや迂回交通、鉄道への更なる負荷などの問題に直面し、翌2001年に報告書をまとめたきり、動きが途絶えている。移動手段の転換先として自転車にも言及している。(2016年5月24日追加)
ドアゾーンとドア衝突事故
http://www.abc.net.au/news/2015-02-27/cyclist-car-doored-before-being-killed-by-passing-truck/6270058
http://www.executivestyle.com.au/bike-lanes-safe-cycling-haven-or-door-zone-of-death-13hysn
https://youtu.be/GY2BJNvU7oo
http://www.smh.com.au/executive-style/fitness/on-your-bike/bike-lanes-safe-cycling-haven-or-door-zone-of-death-20150218-13hysn.html
http://chi.streetsblog.org/2014/07/29/study-shows-only-buffered-bike-lanes-keep-bicyclists-outside-door-zone/
http://www.aviewfromthecyclepath.com/2015/03/eliminating-risk-of-dooring-good-cycle.html
City of Toronto. (2003). "Bicycle/Motor-Vehicle Collision Study".
自転車利用者の死亡事故の続発を重く見た検視官からの助言を受けて市が纏めた、1997年1月1日から1998年12月31日までに発生した車と自転車の事故の分析報告。発生件数ではドア衝突事故が3位だった事や、30代前半のドライバーがドア衝突事故を起こしがちである事などが分かる。(2016年11月21日追加)
Steve. (2011-09-17). "Hillsborough Street’s Door Zone Bike Lanes" 路上駐車のドアゾーンと重なる自転車レーンの危険性について分かりやすい図で説明している。(2016年7月2日追加)
Jeroen Schuurman. (2014-05-06). "Passeren Koninklijk paar te Ulft". YouTube.
Ulftの町を訪れるオランダ国王・王妃を乗せた車が通過する様子を収めた動画。露払いのバイクが通過するタイミングで画面手前の白い車のドアが開くが、自転車レーンと駐車枠の間に僅かながら余白が有り、開いたドアがレーンを塞がないようになっている事が分かる。王室の車が通過した後、今度は画面奥で自転車レーン上に停車していた別の車が発進しかかった瞬間に、後ろから来てそれを追い越そうとした自転車が衝突しそうになっている。(2016年4月28日追加)
Urban Systems. (2015-01-22). "City of Vancouver Cycling Safety Study final report"
バンクーバーで2007〜2012年に起こった自転車事故の全形態の内、ドア衝突が最も多かった(15.2%)事が分かる(p.67, pdf p.76)。
(2016年6月29日追加)
BikeMaps.org (2016-04-22). "City of Vancouver Doorings: Caution-Zones Map". BikeMaps Blog
市内で特にドア衝突事故が多い路線をICBCのデータとBikeMapsへの投稿から割り出して地図にし、自治体や自転車利用者に向けて注意喚起している。
(2016年6月29日追加)
http://www.ctvnews.ca/video?clipId=441113
(2016年8月30日追加)
自転車の基本的な特性
http://www.nilim.go.jp/lab/gbg/pdf/h23-08.pdf
山本 彰・大脇 鉄也・上坂 克巳(2011年5月)「自転車の走行空間等の違いによる旅行速度の差異に関する分析」『土木計画学研究・講演集』43, p.ROMBUNNO.375
ママチャリと電動アシスト自転車の自由走行速度と、歩道、車道、自転車道などの制約環境下での旅行速度。(2016年12月7日追加)
交通分担率
@urban_future. (2014-08-08). "Cycling Mode Share Data for 700 Cities". City Clock magazine
世界700年の自転車の交通分担率を一覧にしている。都市によって調査年、調査基準が異なる(例えば通勤のみか、全移動目的か、など)為、都市間の直接比較はできないが、大まかな目安にはなる。出典は書かれていない。(2016年4月16日追加)
Wikipedia. (2006-08-10). "Modal share"(現時点での最新版は2016年1月20日版)
(2016年4月16日追加)
US Census Bureau. (2014-05). “American Community Survey Report: Modes Less Traveled—Bicycling and Walking to Work in the United States: 2008–2012”.
アメリカ各州、各都市の通勤手段に占める徒歩と自転車の分担率を纏めた資料。ポートランドの自転車分担率は大都市では1位(6.1%)だが、小都市ではデイヴィス(18.6%)、中都市ではボルダー(10.5%)の方が高い。ちなみにデイヴィスは全米初のprotected intersectionを有している。(2016年12月7日追加)
総務省統計局「平成22年国勢調査」
2010年の国勢調査の各項目へのリンクの他、過去の国勢調査へのリンクも記載されている。2010年は10年毎の大規模調査の年に当たり、通勤通学の利用交通手段を問う項目が有るが、次の2015年は簡易調査の年で、この項目は省かれている。(2016年4月16日追加)
政府統計の総合窓口(2012年6月26日)「平成22年国勢調査 > 従業地・通学地による人口・産業等集計(人口の男女,年齢,就業者の産業(大分類)) > 全国結果」
利用交通手段の分類が細かい順に、表番号11-1(31区分)、表番号11-2(16区分)、表番号12(9区分)と並んでいる。分類が細かい表は、利用交通手段(複数)の細かな内訳が分かるが、その代わり、集計地域が広くなり、細かな地区特性が分からなくなる。(2016年4月16日追加)
政府統計の総合窓口(2012年6月26日)「平成22年国勢調査 > 従業地・通学地による人口・産業等集計(人口の男女,年齢,就業者の産業(大分類)) > 都道府県結果 > 13東京都」
(2016年4月16日追加)
このブログ(2014年9月2日)「国勢調査の通勤通学手段の分類の包含関係」
国勢調査の表は通勤通学先の住所で移動手段を分類しているが、その包含関係が分かりにくかったので、統計局に問い合わせて確認し、図にして整理した。(2016年4月16日追加)
このブログ(2015年4月22日)「東京23区の自転車通勤通学の割合」
2010年の国勢調査を元に東京23区の通勤通学目的での自転車交通分担率をグラフ化した。(2016年4月16日追加)
国土交通省(公開日記載無し)「PT調査とは?」
国勢調査とは別に実施されているパーソントリップ調査について、基礎的な概念や意義を説明している。(2016年4月16日追加)
国土交通省(公開日記載無し)「PT調査の実施状況・結果概要 > 基礎的な交通実態調査結果」
各地の調査結果の概要が列挙されている。(2016年4月16日追加)
東京都市圏交通計画協議会(公開日記載無し)「パーソントリップ調査とは」
調査の概要説明と、調査結果へのリンクが掲載されている。(2016年4月16日追加)
LTA Academy Singapore. (2011-11). "Passenger Transport Mode Shares in World Cities"
世界各都市の各交通手段の分担率を集めた資料。バスや鉄道を区別せずに「公共交通機関」と一括している都市が意外と多い。それぞれの都市の統計の出典が明記されている。(2016年5月20日追加)
LTA Academy Singapore. (2014-11). "Passenger Transport Mode Shares in World Cities"
改訂版。(2016年5月20日追加)
事故統計
警察庁(公開日記載無し)「交通事故発生状況」
統計の一覧や用語解説などへのリンクが掲載されている。(2016年4月16日追加)
交通事故総合分析センター(公開日記載無し)「交通統計」
吉田 信彌(2000年11月)「左折事故とその対策の20年の検証」『日本オペレーションズ・リサーチ学会 機関誌』Vol.45, No.11, pp.553-559
左折車と直進二輪車・自転車の事故に対して集中的に対策が取られた1978年以後、それらの対策がどう効果を発揮したのか事故統計から検討している。(2016年7月20日追加)
交通事故総合分析センター(公開日記載無し)「イタルダインフォメーション」
各種事故形態の実態を統計から分析し、一般向けに分かりやすく解説した冊子のバックナンバー一覧。(2016年4月16日追加)
交通事故総合分析センター(1999年)「イタルダ・インフォメーション 特集・自転車事故」No.23
1998年までの自転車事故の推移や、対車、対歩行者の事故の時間帯・場所・類型別の分析が載っている。(2016年7月20日追加)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/safety_data/safety_sympo/07/analysis_07.pdf
(2016年12月9日追加)
はらぺこ@きんた(2016年4月4日)「安全のため、自転車を車道に!とやった結果、死者激増の皮肉。【長文】」『はらぺこあおむし』
警察庁の交通事故統計で、自転車の単独死亡事故や自転車対歩行者の歩行者死亡事故が増加している事に着目し、自転車の車道走行推進運動の結果ではないかと推測。単独事故の原因と目する路上駐車については都市機能維持のため排除は現実的でないと指摘、歩行者死亡事故については信号無視して車道を高速で走る自転車の危険性に警鐘を鳴らしている。そして過去存在した二輪専用レーンを例に挙げ、自転車インフラでも同様に、誰も責任を取らず、間違いが正されるまで人命が危険に曝され続ける事になると警告している。記事の末尾では自転車通行環境のあるべき姿としてロンドンの例を紹介しているが、日本でそれが実現困難である理由(やや固定観念に囚われている感は有るが)を挙げ、結局元通りになるのではと予想している。(2016年4月13日追加)
Ongelukken op de kaart
2007〜2014年のオランダ国内で交通事故が起こった場所を一覧できる地図サイト。事故当事者の種類、負傷の程度、事故原因などが閲覧でき、事故多発交差点の洗い出しなどに使える。(2016年2月22日追加)
SWOV. (). "Kwetsbare verkeersdeelnemers"
(2016年9月16日追加)
牧下 寛(2006)『安全運転の科学』九州大学出版会
田畑要輔・萩原亨・内田賢悦・浜岡秀勝(2008年11月1日)
「市街地交差点における歩行者および自転車の横断方向を考慮した右折事故分析」
『第38回 土木計画学研究発表会・講演集』
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/200811_no38/pdf/99.pdf
萩田 賢司・森 健二・横関 俊也・矢野 伸裕・牧下 寛(2012年6月)「走行位置に着目した自転車事故の分析」『土木計画学研究・講演集』Vol. 45
自転車と歩行者の分離を促すデザインなどについての先行研究をレビューした上で、車と自転車の事故をそれぞれの動きのパターンや自転車の左側/右側通行の別で分析し、事故件数が多い衝突形態を明らかにしている:
- 車が路外の駐車場から車道に出る場合は右側通行の自転車と
- 車が単路走行中または停止中(恐らくドア衝突事故)の場合は左側通行の自転車と
- 車が交差点を直進または左折する場合は右側通行の自転車と
- 車が交差点を右折する場合は左側通行の自転車と
萩田 賢司・森 健二・横関 俊也・矢野 伸裕・牧下 寛(2013年)「通行方向に着目した自転車事故の分析」『土木学会論文集D3(土木計画学)』Vol. 69, No. 5, p. I_781-I_788
萩田ほか(2012)の発表に説明を補い、図を鮮明化し、新たな分析を加えたもの。
- 単路での直進自動車と左側通行の自転車の事故は車道・路側帯上が多く、歩道上では殆ど起こっていない事
- 単路での停止自動車と自転車の事故はほぼ全てで自転車が左側通行で、車側の法令違反の殆どが「安全不確認ドア開放等」である事
- 単路での左折自動車と自転車の事故は、衝突地点が歩道であれ車道・路側帯であれ大部分で自転車が左側通行である事
(2016年8月5日追加)
国会会議録
国立国会図書館(1954年5月29日)「第19回国会 地方行政委員会 第47号」
交通事故の増加に対して警察の取り締まりだけでは限界が有り、また車が急増しているので、車道、自転車道、歩道の整備を早急に進める必要が有るとの見解を笹森順造氏が示している。(2016年5月18日追加)
国立国会図書館(1959年2月26日)「第31回国会 予算委員会第一分科会 第2号」
車の渋滞と交通事故の急増に対する懸念から都電廃止への圧力が高まりつつあった事が窺える。川崎 秀二氏は、渋滞は経済発展の阻害要因であり、その渋滞の原因は路面電車であるとして、パリ、ロンドン、ニューヨークの例を挙げ、廃止すべきだと主張している。
警視庁交通部長の冨永 誠美氏は、札の辻から赤羽橋までの区間を例に挙げ、車道の幅が狭くて渋滞が酷く、都電の乗降客数も少ない区間は軌道を廃止したいとの考えを示している。
警察庁保安局長の木村 行藏氏は、都電の有る路線は交通事故が多いとの統計から、都電は交通事故の原因であると推論し、路面電車を都内から全廃したいとの考えを示している。
この他、木村氏からは、道路交通取締法(道路交通法の前身)が、制定から10年で既に交通事情の変化に追い付けなくなっているとの指摘が、冨永氏からは、「一つの道路を自転車から三輪車からオートバイから、一切の車が一緒になって走っておるというのが日本の交通の特色」であり、これを「道路ごとに区別していくことが肝要」との意見が示されている(通行帯レベルではなく路線レベルでの割り振り)。(2016年5月18日追加)
*
国立国会図書館(1968年12月19日)「第60回国会 交通安全対策特別委員会 第2号」
車の通行の激しい所では状況に応じて自転車に歩道を通行する事を認めてはどうかという質問に対して、それは既に法的裏付けが無いまま千住新橋で実施しており、今後法改正で正式に認めようとしている、との答弁が見られる。(2016年5月22日追加)
*
国立国会図書館(1969年7月8日)「第61回国会 建設委員会 第24号」
「自転車道の整備等に関する法律案」について議論している。既存の車道部分を自転車道の為に削られるのは困るという、クルマ中心発想からの猛烈な反発が見られる。
国立国会図書館(1970年4月2日)「第63回国会 地方行政委員会 第11号」
竹田四郎氏からの、車道走行中の自転車の事故が多いという現状認識と、歩道上での自転車と歩行者(特に幼児)の事故への懸念、それに対する久保卓也氏からの、歩行者が多い歩道では自転車の歩道通行を許可しないとの方針と、広い歩道には白線を引いて区分する事が考えられるとの答弁が見られる。(2016年5月18日追加)
国立国会図書館(1978年5月9日)「第84回国会 地方行政委員会 第12号」
自転車の歩道上での徐行速度を「時速四、五キロぐらいのことであろう」と警察庁交通局の説明委員が答弁した会議。(2016年12月7日追加)
国立国会図書館(2007年4月12日)「第166回国会 内閣委員会 第8号」
古倉氏が自転車インフラに関する参考人として出席した会議。通行台数を示さずに事故件数だけで車道通行が安全であると主張したり、生活道路も含めた全道路延長に対する割合で自転車道が例外的であると主張したり、事実ではなく希望的観測に基づいて、車道を走ればルール意識が身に付くと主張するなど、古倉氏が著書で駆使している詭弁が一通り確認できる。(2016年6月30日追加)
自転車・道路政策の歴史
Carton Reid. (2012-12-08). "Why is cycling popular in the Netherlands: infrastructure or 100+ years of history?", Roads Were Not Built For Cars.
(2016年5月13日追加)
[no name]. (2013-08-08). "Why is cycling so popular in the Netherlands?". BBC News
(2016年9月6日追加)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E9%81%93#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E8.87.AA.E8.BB.A2.E8.BB.8A.E9.81.93.E3.81.AE.E6.AD.B4.E5.8F.B2
http://www.vox.com/2015/1/15/7551873/jaywalking-history
http://www.vox.com/xpress/2014/11/18/7236471/cars-pedestrians-roads
http://news.bbc.co.uk/2/hi/6251431.stm
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~motoda/dobokukeikaku08aut.pdf
(2016年5月21日追加)
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~motoda/dobokukeikakuaki09motoda4.pdf
(2016年5月21日追加)
http://p-www.iwate-pu.ac.jp/~motoda/bicycleroadhistry.pdf
(2016年5月21日追加)
大脇 鉄也(2011年3月1日)「技術基準・温故知新(第3回) 道路構造令(2) 幅員主義から車線主義へ 〜昭和45年構造令の全面改定〜」『道路』840号, pp.57-61
道路構造令に自転車道の規定が設けられたのと同じ1970年に車道の技術基準も幅員主義から車線主義へと大転換した事が分かる。また、旧来の広幅員車道が車線+停車帯となり、その停車帯を自転車などの緩速車の通行空間として使う想定だった事を、昭和45年版『道路構造令の解説と運用』を引用して明らかにしている。なお、以前は著者の所属する国総研のサイトに論文の抜き刷りが掲載されていたが現在は削除されている。(2016年8月8日追加)
田中 節夫(1978)「道路交通法の改正」『ジュリスト』vol.669, pp. 28-35
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I1891724-00
「普通自転車」の規格を定めた意図を説明している。
「『道路構造令の解説と運用』にみる日本の道路計画・設計思想の変遷」
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004559464
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejipm/67/3/67_3_203/_pdf
(2016年8月11日追加)
自転車インフラ利用実態の調査報告
http://www.kkr.mlit.go.jp/road/midousuji/pdf/sankousan.pdf
東京都建設局(2009)「旧玉川水道道路における自転車レーンの整備効果」(掲載ページ、別URL)
整備後の自転車レーン利用率が、6:00〜20:00集計では32%、7:00〜10:00集計では52%であると、時間帯によって異なると報告している他、利用者への印象評価アンケートの結果を掲載している。(2016年9月22日概要追加)
東京都(2013)「連続した自転車走行空間の確保に関する社会実験等の実施 報告書」(掲載ページURL)
大田区の池上通りと池上仲通りと、江東区豊洲駅周辺の晴海通り、環状3号線、江東区道578号・579号に自転車ナビマークを設置した社会実験の報告書。自転車の通行位置や交差点右折時の挙動、各道路利用者からの評価などを纏めている。(2016年9月30日追加)
髙橋 治・小金 知史・本田 肇・大脇 鉄也・金子 正洋(2010年6月6日)「自転車走行空間の遵守率向上方策(幅員配分と案内誘導)」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.41
松江、新潟、札幌の幹線道路で自転車と歩行者それぞれに対する空間配分や案内表示が通行空間の利用率と評価に及ぼす影響を調査した研究。柵で空間分離した松江では自転車道の遵守率が幅員の拡大(歩道の縮小)と共に上がっている(歩行者の歩道利用率は低下。しかし両者ともどの条件でも9割前後と非常に高水準)が、自転車の走行速度は狭い方が高い。これは、他の自転車の追い越し・すれ違いで歩行者空間に自由に出入りできる為と推測している。空間配分についてのアンケート結果は自分の通行空間が広く確保されたパターンを選ぶという当然の結果。新潟では柵ではなく白線で同様の区分をし、同じく高い利用率を得ている。アンケート結果では歩道に割り当てられた幅が同じでも自転車の空間が歩道より広い分配パターンに対しては歩行者から嫌われている。札幌では架空看板・柱看板・路面表示の見やすさの評価をアンケート調査しており、柱より架空の方が見やすいという、他都市での調査とは異なる結果を得ている。(2016年9月12日追加)
舟渡悦夫・嶋田嘉昭(2009)「国道19号線(伏見通)における自転車走行空間の利用実態」『土木計画学研究・講演集』Vol.40, p.ROMBUNNO.294
出入り口で非常に急な方向転換を強いる悪名高い名古屋の初期の自転車道について、線形の悪さが自転車道利用率低迷の一因であると指摘している。しかしその認識は「A地点の北行きは信号交差点から自転車走行Sに入る際,多少の進路変更が必要であることが原因と考えられる.」と甘い。なおA地点とは伏見袋町交差点である。
(2016年5月24日追加、2016年9月27日要約追加)
埒 正浩・山 道明・高山 純一・片岸 将広・中野 達也(2011年5月29日)「自転車通行環境整備に伴う自転車利用者の意識と経路選択行動の変容に関する分析 ―県道東金沢停車場線の自転車レーンを事例として―」『土木計画学研究・講演集』 Vol.43, p.ROMBUNNO.389
(2016年9月12日追加)
増田 淳・竹平 誠治・立松 秀樹・伊藤 博文・福岡 英治(2012年6月)「自転車道整備による自転車挙動特性の分析~桜通自転車道を事例として~」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
(2016年9月12日追加)
鬼塚 大輔・木村 泰・高宮 進・藪 雅行(2014年11月)「自転車専用通行帯の利用率に影響を及ぼす課題抽出に関する一考察」『土木計画学研究・講演集』Vol.50
(2016年9月12日追加)
東京都三鷹市・かえで通り
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2008/20080406/01.pdf
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2009/20090405/12.pdf
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/koho/2010/20100404/01.pdf
佐々木正義・大森高樹(2009年6月)「市道392号線(かえで通り)における自転車道設計上の課題と対応」『土木計画学研究・講演集(CD-ROM)』Vol. 39, p. ROMBUNNO.372
新潟県新潟市・国道7号
新潟国道事務所(2008年6月17日)「新潟市中心部での自転車専用道の設置について(工事報告)」
新潟市の国道7号に整備した自転車道について、横断面構成や標識の他、樹木の根の対策、バス停部の設計、点字ブロックなどの工夫について書かれている。(2016年4月28日追加)
早川 博・武藤 正広・神田 裕史・山本 彰(2008年10月)「新潟市における自転車通行環境整備事業の実証」『国土交通省国土技術研究会報告』pp. 122-126
新潟市の国道7号に整備した自転車道について、アンケート調査の結果、自転車道の幅員が狭い事を除けば高評価だったと報告している。但し利用実態の調査はしておらず、通行位置の遵守率は不明。(2016年4月28日追加)
愛媛県松山市
伊藤 昌明・桝田 雄樹・窪添 義幸・高橋 治・宮本 直樹(2010年6月6日)「国道196号自転車走行空間社会実験における効果評価」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.38
2.5m幅の路肩(停車帯)のうち1.75mを自転車レーンに転用し、隣接する車線を3mから3.75mに拡幅した事例。朝ラッシュの時間帯に限れば自転車レーンの利用率が8割を超え、隣接する自歩道の利用率が実験前から大きく低下した。しかし昼の閑散時間帯ではレーン利用率は5〜6割に留まる。またレーン上の路上駐車が観測されており、アンケート調査では自歩道に乗り上げて回避した自転車利用者が6割を超えている。隣接する車線を3.75mに拡幅したのは原付の通行量が多い為だが、自転車同士の追い越しで自転車レーンからはみ出す自転車とニアミスを起こしていると報告している。原付と四輪車の並走・追い抜きが不可能な車線幅にした方が良かったのではないか。(2016年9月12日追加)
宮武雄治・松田和香・辻本宗夫・田中謙三(2008年11月1日)「高松市中心部における歩行者・ 自転車通行空間分離に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.38
宮崎正典・小嶋文・吉田雅俊・久保田尚・山﨑進(2008年11月1日)「ワークショップ方式で設置された自転車通行帯の効果に関する研究」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.38
国土交通省(2010年5月26日)「柏の葉キャンパスタウンにおける不動産開発事業とあわせた自転車活用モデル」
整備すべき自転車インフラ形態の実証実験で、利用者から52%の支持を集めた自転車道を完全に無視し、自転車歩行者道(16%)より自転車レーン(30%)が支持されたとのみ記載している。(2016年4月1日追加)
国土交通省 東京国道事務所・警視庁交通部(2013年)「自転車、ナビラインで歩道から車道へ。ドライバーからも好評価。~都内初の自転車ナビライン、試行半年後の利用状況及び効果~」
千石一丁目交差点と札の辻交差点のナビライン整備効果を報告している。グラフからは車道通行率が大幅に向上したように見えるが、車道を走る自転車が多い通勤時間帯のみの調査であり、しかも歩道上を車と逆方向に走る大量の自転車が除外されている為、データが実態から懸け離れている。
吉村充功・亀野辰三(2008年6月6日)「既存道路空間を活かした自転車レーン設置による自転車・自動車の共存可能性」『第37回 土木計画学研究発表会・講演集』
大分市で、双方向通行だった車道(幅員5.9m)を車に対して一方通行化し、捻出した空間に自転車レーンを設置した実験の報告。抜け道利用する車が減り、通行空間も分離された事で、自転車にとっての安全性評価が改善した。
吉村充功・亀野辰三(2008年3月)「大分市自転車レーン社会実験にみる道路空間の再編可能性」『交通工学』Vol.43, No.2, pp.49-54
(2016年8月7日追加)
寺崎健雄・内海宏臣・大石学・宇都宮裕樹・阿部宏史(2008年6月6日)「岡山市内国道53号の自転車道利用促進に向けた交通社会実験」『第37回 土木計画学研究・講演集』
自転車が多い割に自転車道が狭く、歩行者が少ない割に歩道が広い事が、自転車道の利用低迷の原因ではないかと考察している。
阿部宏史・崎大樹・岩元浩二・冨田修一(2009)「岡山市内国道53号線における自転車道整備効果の検証」『土木計画学研究・論文集』Vol. 26, pp. 647-654
自転車道の整備前後をビデオ撮影とアンケートにより調査し、整備効果を検証している。
寺崎健雄・田中淳(2010)「岡山市内国道53号における自転車道利用促進のための施策と効果」
自転車道の利用が低迷する原因を考察し、利用率を向上させる為の施策の効果を報告している。グループインタビュー(p.3)には、利用者が自転車インフラに求める様々な要件が端的に纏められており、貴重な資料となっている。
このブログ(2013年8月10日)「道路構造令の呪縛——岡山の失敗」
http://perfect-comes-from-perfect.blogspot.com/2013/08/blog-post_10.html
岡山の自転車道が交通実態に見合わない狭さで作られた背景に、歩道の下に埋設された電線共同溝の存在が有った事を報告した。
国土交通省東京国道事務所・警視庁交通部(2015年5月21日)
「国道6号向島~東向島において試行した自転車通行空間の整備による交通状況の変化等について」(内容が同じ文書の別URL)
本来は構造的な分離が必要な60km/h道路でのペイントによる通行空間整備。自転車レーン区間では車道を通行する自転車が1〜2割増加。ナビライン区間ではほぼ変わらず。利用者アンケートの他は、施工後に自転車がどれだけ縁石に寄ったかという意味不明な調査。車の実勢速度や、車と自転車の側方間隔の変化については報告なし。
国土交通省東京国道事務所(2016年1月21日)「大都市圏初「バス専用通行帯内への自転車ナビライン」 試行開始半年後の交通状況の変化等について」
国道6号と同じく60km/h道路に自転車ナビラインを整備した例。整備後の車道通行自転車の1/4が歩道からの転換だった(p.4)と報告している。但し、アンケートの実施手続きの詳細は明かされていない。バス停部での回避挙動の図(p.6)では視覚トリックが使われており、誤差範囲内の揺らぎを変化であるかのように見せている。
「札幌の自転車用レーンは危険地帯」
「札幌の自転車通行空間社会実験(2014) 」
「札幌の自転車通行空間社会実験(2015)」
http://kurino.xii.jp/WP/2012/10/831
http://kurino.xii.jp/WP/2013/11/2477
http://kurino.xii.jp/WP/2014/06/2703
http://www.docon.jp/kita1jikken/index.html
http://www.docon.jp/nishi3jikken/
http://www.docon.jp/nishi5jikken/
一関 深志・萩原 亨・大部 裕次(2015)「札幌都心部における荷捌き等停車車両を踏まえ た自転車通行空間創出について」『国土交通省 北海道開発局』
大型矢羽根表示による自転車の車道通行率の上昇について、街頭での啓発活動による上昇分を矢羽根の効果と偽り、矢羽根の有効性を実際よりも高く誤認させようとしている。また、実験対象区間で物理的には可能な別の整備形態の可能性(cf. Dunsmuir St., Vancouver, CA)を全く検討していない。路駐抑制の為の共同配送については試算で時間短縮効果を強調しているが、配送人員は増えている。(2016年4月5日追加)
http://www.sp.hkd.mlit.go.jp/press/pdf/15110901.pdf
http://www.sp.hkd.mlit.go.jp/press/pdf/16042601.pdf
nudge(この節は2016年2月28日に追加)
Richard H. Thaler, Cass R. Sunstein. (2008). "Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness". Yale University Press
(Kindle版)
Sendhil Mullainathan. (2009). "Solving social problems with a nudge". TED
様々な社会問題の解決は、その原因を解明し、対策を考案すれば終わりだと思いがちだが、現実の人々は解決策が分かっていてもそれを実行しない事が有り、完全な解決への「最期の1マイル」となっていた。それを乗り越える為には、人が持つ誤った直感や面倒臭がりな性格を理解し、デザインや方法を工夫する必要が有ると指摘している。講演ではインドの乳児の下痢や、糖尿病治療のインスリン注射などを例に挙げている。(2016年4月16日追加)
Jonas Eliasson. (2012). "How to solve traffic jams". TED
ストックホルムの渋滞課税についての講演。僅か1〜2ユーロの課金で渋滞が劇的に改善し、効果も持続した。ドライバーたちは、制度開始後も自分の運転行動が変わっていないのに、渋滞だけが解消したと喜び、大多数の市民は制度導入前の反対から一転、課金を支持するに至った。強制するのではなく、自然とそうなるように「そっと促す(nudge)」事の強力さが印象的。日本語字幕あり。
交通参加者の振る舞い (user behaviour)
元田良孝・宇佐美誠史・熊谷秋絵(2010年9月)「通行方法・赤信号に関する自転車の交通違反の原因に関する研究」『交通工学研究発表会論文集』Vol.30, pp.313-316
右側通行(逆走)と信号無視(単路、丁字路、十字路)の実態を、行動観察とアンケートの両面で調査している。逆走も信号無視も車と動線が交差しないパターンで違反率が高く、そうでない場合は8〜9割がルールを遵守しており、無法に見える運転行動が実際は意外と合理的である事が分かる。論文の著者は、自転車の交通違反を教育で矯正すべき問題行動として捉えているが、この調査結果で明らかにされた利用者の行動は一方で、通行インフラの不合理さを炙り出す資料にもなっている。(2016年5月21日追加)
元田良孝・宇佐美誠史・住吉未佑(2011年5月)「自転車の赤信号無視の実態分析に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.43, p.ROMBUNNO.366
歩道上から横断歩道を横断する自転車の信号無視率が歩行者よりも高い事と、信号を遵守する自転車がいると他の自転車の信号遵守率が高まるとの発見を報告して いる。但し、調査地点は交差道路の交通量が少なく横断距離も短い場所のみで、信号制御をする事自体の妥当性が疑わしい。また、調査を行なった具体的な交差点名が伏せられており、検証可能性に欠ける。(2016年5月21日追加)
鈴木美緒・宮之上慶・趙子雨・屋井鉄雄(2012年6月)「車道上の危険箇所における自転車走行挙動分析」『土木計画学研究発表会・講演集』Vol.45
前半ではバス停・路上駐車枠周辺の自転車レーン設計と交差点での自転車の挙動について海外の資料を紹介し、後半では交差点や単路部での自転車利用者の危険な挙動を報告している。(2016年9月12日追加)
「自転車通行空間における 利用者の視線・挙動特性に関する実験的研究」
(2016年8月9日追加)
谷田貝一男()「狭小歩道のある通行路における自転車通行空間」
Aaron Cole, Stephanie Benston, Philip Cohoe, and Stacy Harris. (2011-11-28). "Red-Light Behavior between Motor Vehicles and Bicycles"
ポートランド州立大学付近の3箇所の交差点で観測した結果、自転車利用者全体の56%が信号無視をしていたとの調査報告。いずれの調査地点も道路は一方通行で、主要幹線道路と呼べるような規模ではない。自転車道が整備された路線の交差点ほど信号無視が多かったという点については、その交差点がどちらも自転車の動線と交差する車の通行の無い実質的な丁字路である事が真の要因と考えられる。詳しくは過去のブログ記事(「ポートランド州立大学近辺の信号無視の実態調査」)に纏めた。(2016年9月10日追加)
"Investigating traffic light violations by cyclists in Dublin City Centre"
https://www.infona.pl/resource/bwmeta1.element.elsevier-7bf9956a-75ad-369a-ba54-43111d757f45
(2016年12月11日追加)
Mark Wagenbuur. (2014-07-17). “Casual cycling in a building site”. BICYCLE DUTCH
大規模開発で臨時の自転車道が設けられているユトレヒト駅周辺の様子を観察した記事。オランダ人のさり気ない手信号について説明している。(2017年1月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=C7ieO-giYzg
(2016年5月9日追加)
City Cyclist. (2014-05-15). "Bike Lanes Toronto by City Cyclist". YouTube. (https://www.youtube.com/watch?v=hx-WhGcNK6Y)
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=9YEmBBWdxwQ
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=xLK5W5UWBio
(2016年5月9日追加)
https://vimeo.com/24572222
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=fQdwlNkirKg
(2016年5月9日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=XypDTdd4qr0
(2016年5月13日追加)
自転車インフラ形態と事故率
http://www.peopleforbikes.org/blog/entry/essentially-everyone-who-sees-protected-bike-lanes-agrees-that-they-are-saf
https://en.wikipedia.org/wiki/Bikeway_safety
https://en.wikipedia.org/wiki/Bicycle_safety
アメリカ
http://blog.oregonlive.com/commuting/2010/01/are_portlands_bike_boxes_worki.html
(2016年5月29日追加)
http://www.portlandmercury.com/images/blogimages/2012/10/16/1350403953-bike_box_letter_merc.pdf
Alan Wachtel, Diana Lewiston. (1994). "Risk Factors for Bicycle-Motor Vehicle Collisions at Intersections". ITE Journal, Vol.64, Iss.9, pp.30-35
カリフォルニア州パロアルトでの自転車対車の事故研究。観測した通行台数を分母に、逆走や歩道上の通行はリスクが高いと指摘しており、アメリカでのVehicular Cycling運動の根拠として使われている。しかし現地のストリートビューを見る限り、調査対象路線の歩道は狭く、視距も不足している他、交差点の角の縁石の曲線半径が大きくて車が高速のまま曲がれる構造であるなど、自転車の通行が考慮されていない環境である事を差し引く必要が有ると、以前ブログで指摘した。(2016年7月20日追加)
U.S. Department of Transportation Federal Highway Administration. (1995). "Pedestrian and Bicycle Crash Types of the Early 1990's"(国立国会図書館関西館にマイクロフィルム形態で所蔵。ネット上にPDF版も有る。)
自転車の歩道通行は車道通行の6.7倍危険という日本で広く流布している主張の土台になった資料。しかし6.7倍という数字そのものはこの資料には載っておらず、資料を引用した古倉氏が不正な操作で作り出したものとの指摘が有る。(2016年7月20日追加)
Conor CO Reynolds, M Anne Harris, Kay Teschke, Peter A Cripton, and Meghan Winters. (2009). "The impact of transportation infrastructure on bicycling injuries and crashes: a review of the literature". Environmental Health, Vol.8, No.47
Emily Badger. (2012-10-22). "Dedicated Bike Lanes Can Cut Cycling Injuries in Half". CityLab
Kay Teschke氏の論文の紹介とインタビューを含む記事。自転車利用者から好まれる通行環境は(例外は有るが)事故リスクの低い場所であると明らかにし、「車道走行は一見危険なように思えて実は安全」という、北米では長年信じられてきたが客観的根拠に乏しい仮説に反証を提示した。インタビューの最後でTeschke氏は、「人の直感は(意外と)正しい」と締め括っている。(2016年5月29日追加)
Anne C. Lusk, Patrick Morency, Luis F. Miranda-Moreno, Walter C. Willett, and Jack T. Dennerlein. (2013). "Bicycle Guidelines and Crash Rates on Cycle Tracks in the United States". American Journal of Public Health, Vol.103, Iss.7, pp.1240-1248
Cycle Track Safety Remains Unproven
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3780751/
Anne C. Lusk et al. 2013への丁寧な反論。(2016年9月16日追加)
Theodore Petritsch, Bruce Landis, Herman Huang, Srikalyan Challa. (2006). “Sidepath Safety Model: Bicycle Sidepath Design Factors Affecting Crash Rates”. Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board, 1982
歩道の構造や車道の制限速度などを元に自転車の歩道通行時の事故リスクを予測するモデルを構築したフロリダの研究。一例として、歩道の幅が約5〜9 feetの範囲にある場合は車道通行よりも歩道通行の方が安全であり、それより狭くても広くても危険になると示している。著者らはこの結果について、自転車がスピードを出し過ぎない事が車との衝突回避余裕に繋がったものと解釈しているが、歩行者と混在通行できる幅員では自転車の安全性が得られないとも指摘している。(2017年2月16日追加)
カナダ
http://cyclingincities.spph.ubc.ca/injuries/the-bice-study/
http://www.dot.ca.gov/hq/LocalPrograms/bike/cbac/Cycle_Track_Lit_Review_Table_Crash_Modification_Factors.pdf
Anne C Lusk, Peter G Furth, Patrick Morency, Luis F Miranda-Moreno, Walter C Willett, Jack T Dennerlein. (2011-02-09). "Risk of injury for bicycling on cycle tracks versus in the street". Injury Prevention.
アメリカでは長年に亘り、さしたる根拠も無く自転車道が危険であると信じられ、道路設計指針から排除されてきた為、その整備が一向に進まなかったが、自転車道の路線網の長い歴史を持つモントリオールで調査した結果、車道混在通行より自転車道の方が(自転車の通行台数当たりの)事故率が低い事が分かった、との研究。(2016年3月9日追加)
Kay Teschke, M. Anne Harris, Conor C. O. Reynolds, Meghan Winters, Shelina Babul, Mary Chipman, Michael D. Cusimano, Jeff R. Brubacher, Garth Hunte, Steven M. Friedman, Melody Monro, Hui Shen, Lee Vernich, Peter A. Cripton. (2012-12). "Route Infrastructure and the Risk of Injuries to Bicyclists: A Case-Crossover Study". American Journal of Public Health, Vol. 102, Iss. 12, pp. 2336–2343.
自転車利用中に負傷し、病院で救急治療を受けた人に聞き取り調査し、事故当日の移動経路の中からランダムに選んだ事故以外の地点を対照群とする手法で、各種インフラ形態の事故リスク(事故件数 / 無事故での通過回数)を評価した、バンクーバーとトロントの研究。路上駐車が有り、自転車インフラの無い幹線道路を基準としたオッズ比は、路上駐車の無い幹線道路や生活道路で低く(安全)、特に自転車道がある場合は極めて安全であると明らかにした。一方、下り坂や軌道が有る場合は高い(危険)。但し、被験者の移動行程の全体をデータとして取得していながら、それを全て分析対象にせず、ランダム抽出している点は惜しい。
(2016年4月18日追加、2016年12月22日概略を追加)
M. Anne Harris, Conor C. O. Reynolds, Meghan Winters, Peter A. Cripton, Hui Shen, Mary L. Chipman, Michael D. Cusimano, Shelina Babul, Jeffrey R. Brubacher, Steven M Friedman, Garth Hunte, Melody Monro, Lee Vernich, Kay Teschke. (2013-02-14). "Comparing the effects of infrastructure on bicycling injury at intersections and non-intersections using a case–crossover design". Injury Prevention, Vol.19, Iss.5, pp.303-310.
Kay Teschke et al. (2012-12)の続き。道路の階層分類や交差点の形態、自転車インフラの種類によって事故率が大きく異なる事を、対照群を用意して実証したバンクーバーとトロントの研究。単路の自転車道は調整済みオッズ比が0.05と、極めて安全である事などを明らかにしている。(2016年3月9日追加、2016年12月22日概略に追記)
オランダ
J.P. Schepers, P.A. Kroeze, W. Sweers, J.C. Wüst. (2011). "Road factors and bicycle–motor vehicle crashes at unsignalized priority intersections". Accident Analysis and Prevention. Vol.43, Iss.3, pp.853-861
市街地の無信号交差点での自転車の安全性は交差点の構造に影響されるという研究:
- 自転車道が双方向通行だったり、ペイントで強調されている場合は事故率が高い;
- 自転車道が一方通行だったり、(自転車道を横断する車に対する)ハンプが設けられていたり、自転車道が交差点部分で幹線道路から2〜5m引き離されている場合は事故率が低い。
デンマーク
http://www.trafitec.dk/publikationer/2008/safety-effects-blue-cycle-crossings-after-study
Niels Agerholm, Sofie Caspersen, Harry Spaabæk Lahrmann. (2008). “Traffic safety on bicycle paths: results from a new large scale Danish study”. Paper presented at International Cooperation on Theories and Concepts in Traffic Safety, Melbourne, Australia.
コペンハーゲンを除くデンマーク西部の中・大都市で一方通行の自転車道の整備後に交差点での事故が有意に増加したとの調査結果。同時期の対照群の事故データを元に、自転車道を整備しなかった場合に生じたであろう事故件数を求め、それと比較している。但し実験群の自転車通行台数の増加を考慮していない。(2017年2月16日追加)
フィンランド
Heikki Summala, Eero Pasanen, Mikko Räsänen, Jukka Sievänen. (1996-03). "Bicycle accidents and drivers' visual search at left and right turns". Accident Analysis and Prevention. Vol.28, Iss.2, pp.147–153
無信号のT字路で幹線道路に右折合流するドライバーが右から来る自転車と衝突事故を起こしやすいのはドライバーは左を重点的に注視しているからとの仮説を、実際の交差点に設置した隠しカメラによる観察で実証している。論文の後半ではドライバーの安全確認行動を変化させる各種対策(標識設置、ハンプ設置、近隣住民への啓発チラシ配布など)の有効性を評価している。(2016年8月9日追加)
日本
鈴木 美緒・屋井 鉄雄(2006)「幅員と分離方法に着目した自転車の車道上走行空間の安全性に関する研究」『土木計画学研究・講演集』Vol.33
東京都品川区の大井町駅前区役所通りをモデルとするCGを自転車利用者に、ドライビングシミュレーターをドライバーに提示し、車道上の各種自転車通行空間に対する自転車利用者の好みと、ドライバーの運転挙動を調べ、分離工作物(ラバーポスト)が無い方が双方にとって「有効」であると纏めている。しかし、CGには自転車通行空間を塞ぐ路上駐車が見られず、自転車利用者にとって分離工作物は邪魔なだけの存在に感じられた可能性が有る。またドライバーは分離工作物が有ると速度を抑えているが、この結果について鈴木・屋井は、「狭い車道に物理的な境界のない自転車通行帯を設けることは,走行速度の面で負の影響を及ぼさない可能性が示唆された」と、車の速度低下を否定的に捉えている。(2016年9月6日追加)
鈴木 美緒・屋井 鉄雄(2008)「自転車配慮型道路の幅員構成が自動車走行特性に及ぼす影響に関する研究」『土木計画学研究・論文集』Vol.25, No.2
武田 圭介・金子 正洋・松本 幸司(2008)「自転車事故発生状況の分析と事故防止のための交差点設計方法の検討」
(2016年6月28日追加)
亀井 省吾・吉田 長裕・日野 泰雄(2009年11月)「事故の深刻度を考慮した幹線道路における自転車事故のリスク分析」『土木計画学研究・講演集』Vol.40, p.ROMBUNNO.97
自転車事故のリスクに影響する要因を明らかにしようと、歩行者・自転車・車の交通量や、道路リンク当たりの交差点の数、整備されている自転車通行空間の種類、幅員、規制速度などを用いたモデル式を構築しているが、元のデータ(平成17年の道路交通センサス・兵庫県域)が粗い(自転車交通量が単なる台数で、どの通行空間を走行したか分からない)事を無視して強引に推論しており、通行空間毎の事故リスクに差が無いという、手持ちのデータからは本来言えない結論を主張している。その他、本文に所々不自然な日本語や明らかな矛盾が見られ、著者らの真意が読み取れない。(2016年12月16日追加)
金子 正洋・松本 幸司・蓑島 治(2009年4月)「自転車事故発生状況の分析」
『土木技術資料』Vol.51, No.4, pp.10-13
(2016年6月28日追加、2017年2月19日URL追加)
小林 寛・山本 彰・岸田 真・吉田秀範(2013)「自転車通行空間の整備形態選定の考え方に関する海外比較」『土木技術資料』55巻、2号、p.37
(2016年6月28日追加)
元田良孝・宇佐美誠史(2014)「自転車の歩道通行の安全性等に関する文献調査」『土木計画学研究・講演集』 Vol.49
萩田 賢司・森 健二・横関 俊也・矢野 伸裕(2014)「自転車の進行方向に着目した交差点自転車事故の分析」『土木学会論文集D3(土木計画学)』Vol. 70, No. 5, pp. I_1023-I_1030
(2016年6月28日追加)
松本 秀暢・堂前 光司(2016)「我が国における自転車交通事故の要因分析と自転車交通安全対策の検討」『交通学研究』No.59, pp.101-108
(2016年6月28日追加)
萩田賢司(2015年5月25日)「当事者の進行方向に着目した自転車事故の分析」『月刊交通』2015年5月号, pp.12-22
科学警察研究所職員による事故分析。通行台数当たりではなく単純な件数での分析だが、事故形態によっては左側通行の自転車の方が車に多く撥ねられているとの結果を示し、一般に信じられている左側通行の安全性に疑問を呈する格好になっている。以下、左側通行の自転車の事故件数が右側通行より概ね2倍以上多い事故形態:
- 単路での直進自動車と、左側通行で同方向に進む自転車
- 単路での左折自動車と、左側通行で同方向に進む自転車
- 単路での右折自動車と、左側通行で対向する自転車
- 単路での停止自動車と、左側通行で同方向に進む自転車(ドア衝突事故)
- 信号交差点での右折自動車と、左側通行で対向する自転車
- 無信号交差点での右折自動車と、左側通行で対向する自転車
- 無信号交差点での右折自動車と、交差道路手前側を左側通行で交差する自転車
横関俊也(2015年5月25日)「自転車の通行区分による危険性比較」『月刊交通』2015年5月号, pp.23-31
科学警察研究所職員による事故分析。それまでまことしやかに言われながらも客観的な根拠を欠いていた「自転車は車道を通行した方が安全」という言説に対し、日本国内では(恐らく)初めて、まともな調査に基づいて事故率の比較をしている(同様に事故率を比較した研究は国土技術政策総合研究所による2009年の「自転車事故発生状況の分析」が有るが、これは調査対象路線名・区間を隠匿している)。調査対象は
- 千葉県東葛地区で歩道と車道が分かれている路線(主要幹線は除く)
- 第1当事者が車、第2当事者が自転車(直進中のみ。横断中などは除く)
- 発生場所が単路(車が路外に出入りする場合も含む)
また、車道の左側通行/右側通行でも事故率を比較しており、
- 車道を直進する車
- 車道から路外に右折する車
- 路外から車道に合流する車
- 車道から路外に左折する車(左折巻き込み)
- 停止中の車(ドア衝突事故)
横関 俊也・萩田 賢司・森 健二・矢野 伸裕(2015年6月6日)「自転車の事故率比による通行位置別の危険性の分析―昼夜での比較―」『第51回土木計画学研究発表会』
千葉県東葛地域での通行台数調査と事故統計に基づき、自転車対四輪自動車の単路(車乗り入れ部も含む)での事故リスクを、自転車の通行位置(歩道/車道)、通行方向(左側/右側)、時間帯、四輪車の動き(直進、右折、左折、停止中、路外から進入)、路線種別(主要幹線道路とそれ以外)で分けて比較している。車道に対する歩道の危険性は全ての比較項目で高い。(2016年9月2日追加)
http://www.enveng.titech.ac.jp/yai/pdf/2013/201203_okada.pdf
(2016年7月20日追加)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/201206_no45/pdf/301.pdf
(2016年7月20日追加)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejipm/70/5/70_I_771/_pdf
(2016年7月20日追加)
「ヒヤリハット分析に基づいた自転車通行方法の 安全性評価に関する研究-ドライブレコーダ データを活用した錯綜状況の定量化-」
(2016年8月9日追加)
「幹線道路沿い無信号交差点における見通しと運転挙動を考慮した自転車事故要因に関する分析」
(2016年8月9日追加)
バス自転車共用レーン
片岸 将広・岡田 茂彦・高山 純一・石川 俊之・埒 正浩(2008)「バスレーンを活用した「自転車走行指導帯」の設置による交通安全対策の効果と課題」『土木計画学研究・論文集』25, 597-606
金沢の法定外路面表示の実験結果の報告。(2017年1月11日追加)
Tim De Ceunynck, Bert Dorleman, Stijn Daniels, Aliaksei Laureshyn, Tom Brijs, Elke Hermans, and Geert Wets. (2015). “Sharing is (s)caring? Interactions between buses and bicyclists on bus lanes shared with bicyclists”. Proceedings of the 28th ICTCT Workshop
多くの国の設計指針ではバス自転車共用レーンの幅は3.5m未満が推奨され、バスによる危険な追い越しを防止する上で有効とされているが、実際にはレーン幅に関わらずバスによる煽り、幅寄せが観察されたというベルギーの研究。(2017年1月13日追加)
追突事故
交通事故総合分析センター(2011年4月)「イタルダ・インフォメーション No.88 特集:走行中自転車への追突事故」
猿渡 英敏(2010)「走行中自転車への追突事故の分析」『第13回 交通事故調査・分析研究発表会』
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu//gian/seminar/materials2_Kojima.pdf
(2016年12がつ9日追加)
生活道路の通過交通対策(この節は2016年2月28日に追加)
Mark Wagenbuur. (2013-08-08). "Making a 1960s street grid fit for the 21st century". BICYCLE DUTCH
車の利便性を最優先に設計された1960年代の街路網を現在の基準に合わせて作り替えたユトレヒト、Overvecht地区の事例紹介。元々は地区内のどの道路も50km/h制限だったが、地区内周回道路に設定された路線を残し、他の生活道路は全て30km/h制限に引き下げられ、周囲の幹線道路との接続点も封鎖された。
地区内を発着する車は必ず地区内周回道路を経由する形になり、数箇所の接続点からしか幹線道路に出入りできないようになった(緊急車両は自転車用の接続点を利用できる。また、封鎖予定だった箇所の一つは大部分の住民の反対で封鎖が取り消された)。この結果、自転車が使える経路はほぼ全ての場合で車の経路より短くなった。地区内周回道路の経由が必須になる事で地区内の排気ガスが増えると反対した住民もいたが、市は、一部住民の車による排気ガス増は、通過交通の排除による減少分で相殺されるとの調査結果を示して説得した。
地区内周回道路の車道は幅員が広すぎた(9.0m)為、中央線を抹消し、左右に自転車レーン(それぞれ1.75m)を設けて視覚的に狭めている(車は残る5.5m幅の中で対面通行)。自転車レーンではなく自転車道を整備する選択肢も有ったが、(読者コメントの指摘によれば、汚水管や雨水管、街路灯、ケーブル類などの移設)費用が高すぎる事、自転車レーンの整備+中央線の抹消+路上駐車スペースの削減の組み合わせで充分安全性が確保される事、元から植えられていた街路樹を保存する事などを考慮してレーンが選ばれた。自転車レーンの赤色着色が省かれたのも資金不足が理由。但しバス停部分では安全の為、自転車レーンを自転車道に切り替えている。生活道路に格下げされたその他の道路でも中央線を抹消した他、歩道や緑地帯の拡大で車道の幅員を半減させ、(標識に頼らず)道路の構造そのものにその路線の性格を語らせて、制限速度遵守を促している。また、生活道路同士の優先関係を無くし、交差点に接近する度に徐行を促している。横断歩道を兼ねるスピードハンプも設置された。
オランダ社会は車に反対している訳ではなく、オランダで最も自転車に優しい都市Houtenですら、全ての住宅に車でアクセスできるようになっている。ただ、車は最も便利な移動手段ではなく、それが自転車の選ばれる理由になっている。
オランダでは単純にSustainable Safety原則に沿っていない事が道路改修の動機になる。対してアメリカでは(読者コメント)、建設・幾何基準は別として、機能・暮らしやすさ基準に沿った改修は滅多に行なわれない。これはComplete Streets運動の盛り上がりで徐々に変わってきたが、それも連邦政府の補助金依存で、整備費は交付されても維持費は出ない為、構造的な分離の無い自転車レーンが好まれる。
(2016年5月14日追加)
稲垣 具志・寺内 義典・橘 たか・大倉 元宏(2014)「生活道路における地区関係者と抜け道利用者の走行速度比較分析」『土木学会論文集D3(土木計画学)』70(5), pp.I_933-I_941
ナンバープレートでその地区の関係者の車かどうかを割り出して、生活道路を暴走する車が通過交通だけとは限らない事を明らかにした調査。(2017年1月10日追加)
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0368pdf/ks0368034.pdf
(2016年4月13日追加)
久保田 尚(2012年07月17日)「資料1 通学路の交通安全に向けた提案」『通学路の交通安全の確保に関する有識者懇談会 第3回』
(2016年12月7日追加)
中央線の抹消と路側帯の拡大
https://www.jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00039/200311_no28/pdf/299.pdf
(2016年6月5日追加)
https://www.jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00039/200411_no30/pdf/60.pdf
(2016年6月5日追加)
ライジング・ボラード
https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/sesaku/pdf/bollard.pdf
(2016年12月7日追加)
http://www.iatss.or.jp/common/pdf/research/h2643Guideline.pdf
(2016年12月7日追加)
filtered permeability(この節は2016年2月28日に追加)
https://aseasyasridingabike.wordpress.com/2015/09/22/types-of-filtered-permeability-and-its-effects/
http://www.cycling-embassy.org.uk/dictionary/filtered-permeability
http://www.pedalparity.com/filtered-permeability-share-road/
Peter Walker. (2016-06-14). “Lessons from London's failing 'quietways' cycle scheme”. The Guardian
ロンドンの自転車路線網で幹線道路のCycle Superhighwayと対をなす生活道路のQuietwayの整備が難航しているという記事。自転車が安心してゆったり通行できる環境を実現するには車の速度を抑えるだけでなく通過交通の遮断が不可欠だが、道路を管轄する自治区があまり乗り気でなく、車を所有する住民の反対が強い為、名ばかりQuietwayになる公算が大きい。通過交通を絞り込まないまま道幅を狭める事でドライバーがサイクリストを強引に追い越す危険性すら指摘されている。(2017年2月17日追加)
Mark Treasure. (2016-04-22). “A trip along Quietway 1”. As Easy As Riding A Bike
Quietway 1号線の実走レポート(2017年2月17日追加)
Sustainable safety (Duurzaam veilig) この節は2016年3月18日に追加
SWOV. (2006). "Advancing Sustainable Safety"
SWOV. (2006). "Advancing Sustainable Safety in brief"
SWOV. (2012-11). "Background of the five Sustainable Safety principles"
SWOV. (2013-07). "Sustainable Safety: principles, misconceptions, and relations with other visions"
Mark Wagenbuur. (2012-01-02). "Sustainable Safety". BICYCLE DUTCH
Fred Wegman, Atze Dijkstra, Govert Schermers, Pieter van Vliet. (). "Sustainable Safety in the Netherlands: Evaluation of National Road Safety Program". Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board, Vol.1969, pp.
(2016年8月10日追加)
BicycleDutch. (2017-01-10). “Systematic Safety: The Principles Behind Vision Zero.” YouTube
オランダの交通安全施策に通底する思想(以前は"Sustainable Safety"と訳されていた)と実例をアメリカの視点から紹介した動画。道路の機能に応じた目標速度の設定、目標速度に応じた道路構造のデザインなど、過去数十年で両国の交通事故死者数の減少率に大差が付いた要因を説明している。中でも特に重要な概念は、道路のデザインは"self-enforcing"たるべしというもの。動画中(4'16")では「単に制限速度標識を立てただけでは車の速度を制御できているとは言えない。道路のデザインそのものがドライバーに自然と目標速度を守らせるようになっていなければならない」と説明されている。(2017年1月21日追加)
Table of Eleven (Tafel van Elf)
http://www.it11.nl/it11/login.jsp
(2016年5月22日追加)
http://www.sam.gov.lv/images/modules/items/PDF/item_618_NL_The_table_of_Eleven.pdf
(2016年5月22日追加)
交通安全教育
http://injuryprevention.bmj.com/content/4/1/22.full
http://ci.nii.ac.jp/naid/40019955956
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1654060/
http://road.cc/content/news/182717-video-how-teach-bus-drivers-give-cyclists-space
https://www.facebook.com/131841343568108/videos/1010400465712187/
冊子類
http://www.philadelphiastreets.com/survey-and-design-bureau/bicycle-network
http://www.philadelphiastreets.com/images/uploads/resource_library/Philadelphia_Center_City_Bike_Map.pdf
(2016年10月19日追加)
http://bicyclecoalition.org/wp-content/uploads/2014/01/Bike-Map-2014_reduced.pdf
(2016年10月19日追加)
http://www.nycbikemaps.com/spokes/nyc-gov-bike-map-archive/
http://www.nyc.gov/html/dot/html/bicyclists/biketips.shtml
http://www.nyc.gov/html/dot/html/bicyclists/dontbeajerk.shtml
http://www.nyc.gov/html/dot/downloads/pdf/bicyclerules_english.pdf
(2016年10月19日追加)
http://www.nj.gov/transportation/commuter/bike/events.shtm
http://www.nj.gov/transportation/commuter/bike/pdf/bicyclingmanual.pdf
http://walkbikejersey.blogspot.jp/2011/01/njdot-releases-new-new-jersey-bicycling.html
(2016年10月19日追加)
https://www.codot.gov/programs/bikeped/information-for-bicyclists/2008bikemanual.pdf
https://www.codot.gov/programs/bikeped/information-for-bicyclists/bike-ped-manual
(2016年10月19日追加)
ヘルメット
サブカテゴリ候補: 着用義務化、リスク補償、自転車利用抑制、被害軽減効果
SWOV. (2012). "SWOV Fact sheet—Bicycle helmets"
自転車ヘルメットに関する論点を総括した文書。背景となる頭部損傷の件数から、ヘルメットの頭部保護効果、オランダと他国の着用状況、着用による危険運転増加の危険性と自転車利用抑制の懸念、他の安全策との関係まで、多岐に亘る議論をコンパクトにまとめている。日本が見落としている議論も多い。ヘルメット関連で何か施策を実行しようと考えているなら必読。
SWOV. (2012). "SWOV Article—Bicycle helmets: yes or no?"
上の文書の一部を抜粋して一般向けに読みやすく編集した冊子。
交通事故総合分析センター(2012)「特集 自転車事故被害軽減にヘルメット!!」『ITARDA Information』 No. 97
ヘルメットを正しく着用すると、頭部損傷による死亡率が約1/4に下がる事を実証している。
Jamie Jowett. (2014). "Cycling and concussion: is it time to stop ignoring the dangers?" CyclingTips
ヘルメットを被っていても落車すれば脳震盪を起こすリスクが有るとの雑誌記事。
B. Joseph, et al. (2014). "Rethinking bicycle helmets as a preventive tool: a 4-year review of bicycle injuries" European Journal of Trauma and Emergency Surgery. Volume 40, Issue 6, pp. 729-732
ヘルメットは頭部外傷を防ぐ効果が有ると考えられるが、頭蓋内出血の防止効果については疑わしいとのコホート研究。
愛媛県松山市(2015年8月28日)「松山市職員の自転車乗用ヘルメット着用を開始します」
ヘルメット着用を自転車利用者のマナー改善のツールと見做している。
http://injuryprevention.bmj.com/content/7/2/89.full
http://injuryprevention.bmj.com/content/8/2/e1.full
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1589971
Phillips RO, Fyhri A, Sagberg F. (2011-08). "Risk compensation and bicycle helmets". Risk Analysis, 31(8):1187-95.
普段ヘルメットを被っている人と被っていない人を対象に、自転車で下り坂を走る際の不安感、速度、心拍変動を、ヘルメット有無の条件で比較した実験。普段被っている人はヘルメットを被らない実験条件で不安を感じ、速度を落としたが、普段被っていない人は変化が無かった。(2016年3月14日 要約追加)
http://monash.edu.au/miri/research/reports/muarc076.pdf
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2542524/pdf/bmj00423-0035a.pdf
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9183470
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9611621
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10868759
http://www.roble.net/marquis/cached/agbu.une.edu.au/%7Edrobinso/velo1/velo.html
https://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info97.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam1990/11/9/11_9_444/_article/-char/ja/
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004637450
http://ci.nii.ac.jp/naid/130003625784
http://www.cyclehelmets.org/1068.html
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00068-014-0453-0
http://cyclingtips.com.au/2014/04/cycling-and-concussion-is-it-time-to-stop-ignoring-the-dangers/
https://www.itarda.or.jp/ws/pdf/h24/15_05EPAbike.pdf
http://www.itarda.or.jp/ws/pdf/h25/16_03jitensya.pdf
http://www.ecf.com/wp-content/uploads/2011/11/Cycle-helmets.pdf
http://www.ecf.com/news/what-happens-when-you-mandate-helmet-wearing-among-young-swedish-cyclists/
http://trafiktekniska.se/reflexen/151-reflexen-2015-1
http://en.wikipedia.org/wiki/Bicycle_helmet
http://www.telegraph.co.uk/men/active/recreational-cycling/10259636/Should-cycle-helmets-be-made-compulsory.html
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/do-bike-helmet-laws-really-save-people/2013/06/03/6a6532b4-c6df-11e2-9245-773c0123c027_story.html
http://www.theage.com.au/victoria/helmet-law-hurting-shared-bike-scheme-20101128-18cf2.html
http://www.alterna.co.jp/14749
http://www.copenhagenize.com/2008/08/helmets-clever-dutch-and-arrogant-danes.html
http://chrisbaskind.com/bike-culture-doesnt-have-a-damn-thing-to-do-with-helmets/
http://www.howiechong.com/journal/2014/2/bike-helmets
http://www.bikinginmpls.com/im-done-wearing-helmet/
http://www.theage.com.au/victoria/helmet-law-hurting-shared-bike-scheme-20101128-18cf2.html
ヘルメット着用義務がメルボルンのシェアバイクの利用停滞の原因になっているとの記事。(2016年5月28日追加)
https://www.youtube.com/watch?v=Il1IGKaol_M
(2016年5月9日追加)
リスク補償仮説
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17064655
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16754823
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1730952/
ジェラルド・J・S・ワイルド(原著)、芳賀 繁(訳)(2007)
『交通事故はなぜなくならないか——リスク行動の心理学』新曜社
原書名 "TARGET RISK 2 --- A New Psychology of Safety and Health"
イヤフォン
江部和俊,大桑政幸,稲垣大(1999)「ドライバの視聴覚認知に伴う負担度評価」『豊田中央研究所 R&D レビュー』Vol.34, No.3(2016年2月26日追加)
内田信行、浅野陽一、植田俊彦、飯星 明(2005)「携帯電話会話時における運転者の注意状態評価について」『国際交通安全学会誌』Vol.30, No.3(2016年2月26日追加)
携帯電話
MythBusters "Hands Free vs Handheld MiniMyth"
(車の)運転中の携帯電話はハンズフリーだろうが手持ちだろうが非常に危険という実験番組。分かりやすい上にテンポが良く、映像は僅か3分半に纏まっている。(2016年2月27日追加)
灯火と服装
A. Toet, J. Beintema, S.C. de Vries, N. van der Leden, J.W.A.M. Alferdinck. (2008).
"Vergelijking van fietsverlichtingsvormen". Fietsberaad
自転車の前照灯と尾灯について認知実験を行ない、前照灯に限れば点滅させた方が誘目性が高い事、点滅灯は自転車の速度と動きを把握しにくくさせ、緊急車両の灯火を目立ちにくくさせる可能性が有る事を指摘している。(2016年5月21日追加)
Sandar Tin Tin, Alistair Woodward, Shanthi Ameratunga. (2014). "The role of conspicuity in preventing bicycle crashes involving a motor vehicle". The European Journal of Public Health
蛍光色のウェアやライト、反射材などの誘目性改善策は、ニュージーランドでは自転車と車の事故防止に有効ではない可能性が有ると指摘している。(2016年5月21日追加)
このブログ(2016年2月14日最終更新)「自転車ライトの点灯 vs 点滅」
上の2本の論文を含め、点灯と点滅それぞれの利点と欠点に関する資料を纏めた。(2016年5月21日追加)
@dc6ykjgs. (2015-11-16). "自転車の点滅ライト問題". twitter
自転車用の点滅ライトが市場から無くならない背景に、スペック上の最大動作時間が短く(不利に)なる事で自社製品が売れなくなる事をメーカーが危惧している事が有ると指摘した。(2016年5月21日追加)
保険
http://jiko-higaisya.info/bicycle-accident/priority-to-car/
(2016年5月25日追加)
駐輪
技研製作所(公開日記載無し)「地下開発製品 エコサイクル」『技研製作所』
地下の円筒形空間に高密度に自転車を収容できる自動駐輪システムの紹介。様々な車種に対応できる、入出庫が速い、操作が簡単、転落事故防止の多重の安全策を取っている、などの利用者視点で明白な利点の他、設置工事時の振動が少なく工期が短い事や、撤去が簡単で資材が再利用できる事なども強調している。諸元表には対応自転車の寸法が記載されている。(2016年5月15日追加)
技研製作所(2011年9月7日)「耐震地下駐輪場 エコサイクル」『YouTube』
エコサイクルの動画による紹介。(2016年5月15日追加)
Technigeek. (2009-06-23). "New technology for parking bicycles تقنية حديثة لتخزين (اصطفاف) الدراجات". YouTube
エコサイクルを取材したNHK WORLDの番組の録画映像。22万5000回以上再生されており、世界各国からコメントが寄せられている。(2016年5月15日追加)
CityOffice Sagamihara. (2013-04-23). "市営相模大野駅西側自転車駐車場機械式駐輪機地下の仕組み". YouTube
直方体空間の機械式駐輪場の内部を写した映像。エコサイクルよりは自転車の収容密度が低そうに見えるが、ロボットアニメの発進シーンを彷彿とさせるレイアウトで、滾る。(2016年5月15日追加)
Mark Wagenbuur. (2012-06-21). "Utrecht removes illegaly parked bicycles". BICYCLE DUTCH
ユトレヒト駅前での違法駐輪(ラックに28日間を超えて置かれたまま、またはラック以外の場所に停められた)自転車の撤去手順の説明。ハンドルバーにタグを付けたり、返還手数料の支払いを求める点は日本と同じだが、市の撤去作業員が自転車を撤去する前に、立ち会いの警察官が1台ずつ写真を撮り、書類に記録している点が特徴的。後日、返還を求める利用者と事実関係を巡って紛争になった時に証拠として提示できるようにする為。(2016年5月15日追加)
Mark Wagenbuur. (2013-07-11). "Parking your bike at home". BICYCLE DUTCH
オランダの住宅の駐輪場事情を、制度的な背景から説明している: 1950年頃を境に住宅には住人用の駐輪場(自転車を入れられる倉庫でも可)を設置する義務が課された; 駐輪場の要件には「公道からアクセス可能な場所」との定めが有るので、集合住宅でも重いダッチバイクを2階以上に担ぎ上げる必要は無い; この建築規則は2003年にデベロッパーの主張で一旦廃止されたが、その後すぐに、集合住宅の駐輪スペースを無くしてコストを削るデベロッパーが現われた為、建築規則は2012年に元に戻された; 近年の住宅は大抵屋内駐輪場を備えており、玄関のドアに自転車倉庫のドアが隣接している例も有る; この建築規則は、自転車を誰でも手軽に使えるように環境整備しようというオランダ社会の一側面。(2016年5月15日追加)
違反取り締まり
SpeedingEurope. (2014-12-29). "Netherlands". (http://www.speedingeurope.com/netherlands/)
オランダの速度違反取り締まりについての概説。罰金体系が道路種別によって異なる事、罰金額が単純な表ではなく計算式に基づいている事、速度違反の許容誤差が速度域によって異なり、その計算式が公開されている事などを説明している。(2016年8月22日追加)
Openbaar Ministerie. (). "Wordt de gemeten snelheid gecorrigeerd bij trajectcontrolesystemen?"
オランダ検察による、速度違反の許容誤差についての説明。測定誤差を考慮して、測定速度 100 km/h以下なら測定速度 -3 km/h、それ以上なら測定速度 * 0.97を補正速度とする。更に、規制速度130 km/h未満の場合は余裕分として規制速度 +4 km/hをボーダーラインにするので、例えば規制速度80 km/hであれば、罰金が科せられるのは 87 km/hから。(2016年8月22日追加)
Openbaar Ministerie. (). "Tarieven snelheidsovertredingen"
オランダ検察による、速度違反の罰金額計算ソフト。車種、道路種別、道路工事の有無、当該車種に適用される制限速度、測定された速度の5項目を入力すると罰金額が表示される。(2016年8月22日追加)
Mark Wagenbuur. (2012-04-13). "“I was only speeding slightly”". BICYCLE DUTCH
オランダの速度違反取り締まり事情の説明。道路種別によって罰金額に大きな差が有り、特に30 km/h-zone内では高額に設定されている。(2016年8月22日追加)
誤謬と詭弁
Wikipedia "List of fallacies"
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_fallacies
Wikipedia. (2016-03-05). "Status quo bias"
現状からの変化は、たとえそれが良い方向の変化であっても喪失であると捉える感情的バイアス、現状維持バイアスの説明。(2016年3月10日追加)
Wikipedia「誤謬」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%A4%E8%AC%AC
Wikipedia「詭弁」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%AD%E5%BC%81
Wikipedia「批判的思考」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%B9%E5%88%A4%E7%9A%84%E6%80%9D%E8%80%83
Wikipedia「認知バイアス」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
Wikipedia「研究倫理」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%80%AB%E7%90%86
Thou shalt not commit logical fallacies
https://yourlogicalfallacyis.com/
代表的な詭弁を列挙し、それぞれに簡潔な解説を加えている。市民が政治家やメディアの詭弁に踊らされず、論理的な議論ができるようにと作られた啓発サイト。詭弁である事を理由に相手の主張を否定する事もまた誤りであるとの指摘も忘れていない。(2016年5月21日追加)
Cycling Fallacies
http://cyclingfallacies.com/en/
自転車利用促進に反対する主張にありがちな思い込みや詭弁を一覧にしたサイト。同じ議論の不毛な繰り返しを避ける為に開設された。但し、サイト上の全ての詭弁が本当に詭弁なのかどうかは注意深く判断する必要が有る。(2016年5月21日追加)
文部科学省(2014年8月26日)「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(掲載ページ)
p. 10(pdf p. 16)に捏造、改竄、盗用についての記述。(2016年7月21日追加)
日本学術会議(2013年1月25日)「声明 科学者の行動規範 -改訂版-」
(2016年7月21日追加)
日本学術振興会(2015年5月18日)「科学の健全な発展のために -誠実な科学者の心得-」
p. 44(pdf p. 46)で、捏造、改竄、盗用以外にもデータの取得の仕方が研究不正になり得る事を指摘している。(2016年7月21日追加)
東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部(2013年12月)「科学研究行動規範」
(2016年7月21日追加)
実験計画と推論
Wikipedia "Research design"
https://en.wikipedia.org/wiki/Research_design
Wikipedia "Design of experiments"
https://en.wikipedia.org/wiki/Design_of_experiments
Wikipedia "Bradford Hill criteria"
https://en.wikipedia.org/wiki/Bradford_Hill_criteria
未分類
http://www.cycling-embassy.org.uk/blog/2012/11/28/non-cyclists-view-cycle-campaigning
http://infrastructureaustralia.gov.au/policy-publications/publications/files/Cycling_Infrastructure_Background_Paper_16Mar09_WEB.pdf
https://www.surveymonkey.com/r/?sm=ugS84QsjQtMNVqnBS4OcSQ%3D%3D
https://www.youtube.com/watch?v=-IZ_50nMhZk
http://fanblogs.jp/sakurabunama/archive/615/0
http://fanblogs.jp/sakurabunama/archive/633/0
http://denverurbanism.com/2015/04/where-should-we-put-bike-lanes-part-2-of-3.html
https://www.youtube.com/watch?v=UYI2Xnzmp8Y
https://www.youtube.com/watch?v=Il-luNotoWE
http://jitensha-hoken.jp/blog/2016/02/holland-02/
https://bicycledutch.wordpress.com/2016/04/12/a-ride-from-market-to-market/
http://www.roadsafetygb.org.uk/news/4980.html
https://www.komei.or.jp/more/report/33/02.html
https://wan.or.jp/article/show/3941
バルセロナのシェアバイク
Robert J. Jilla. (1974-06-19). "Effects of Bicycle Lanes on Traffic Flow".
各種自転車インフラの設計上の基礎情報や、交通安全政策の事例(登録制度、免許制度)など。1974年の段階で既に、「自転車レーンと車道の間の路駐車両は優れた防御壁になる。但し、車の開いたドアとのクリアランスを確保する為に、自転車レーンは充分広くなければならない」(p. 13, pdf p. 28)と書いてある。(2016年4月18日追加)
「歩車分離信号の国、イギリスを視察して」
(2016年5月6日追加)
「イギリス・ロンドン市内の歩き方!横断歩道を安全に渡るための交通ルール」
(2016年5月6日追加)
Seyed Amir H. Zahabi, Annie Chang, Luis F. Miranda-Moreno, Zachary Patterson. (2016). "Exploring the link between the neighborhood typologies, bicycle infrastructure and commuting cycling over time and the potential impact on commuter GHG emissions". Transportation Research Part D: Transport and Environment, Vol.47, August 2016, pp.89–103
(2016年7月11日追加)
ATTN. (2016-07-14). "Bicycling in America vs Bicycling in Denmark"
アメリカが自転車乗りにとっていかに危険な環境かをデンマークとの比較で訴える動画。インタビューで女性が、デンマークではどこに行くにも自転車だったが、アメリカに来てからは車に2度も撥ねられ、以後はもう乗っていないと答えているのが象徴的。他、ドライバーからの暴言やクラクション、ドア衝突事故にも触れている。(2016年7月16日追加)
Kristiann C Heesch, Shannon Sahlqvist, Jan Garrard. (2011). "Cyclists’ experiences of harassment from motorists: findings from a survey of cyclists in Queensland, Australia". Preventive medicine, 53(6), pp.417–420.
オーストラリアのサイクリストがドライバーから受けている加害行為をアンケート調査で明らかにした研究。(2016年9月30日追加)
吉村 朋矩(2014年)「自転車通行環境の安全性の向上に関する研究」博士論文
(2016年7月21日追加)
古倉宗治(2004年)「自転車の安全・快適・迅速な走行空間の確保及び利用促進のためのソフト面の施策に関する研究」博士論文
国立国会図書館・関西館所蔵、請求記号:UT51-2006-D949(2016年7月21日追加)
U.S. Department of Transportation, Federal Highway Administration. (1994). "The National Bicycling and Walking Study"(掲載ページ)
(2016年8月1日追加)
U.S. Department of Transportation, Federal Highway Administration. (2010-05). "The National Bicycling and Walking Study: 15–Year Status Report"
(2016年8月1日追加)
https://www.duic.nl/algemeen/duic-op-bezoek-wereldfietsstad-kopenhagen-utrecht-doet-goed-meer-ook/
(2016年8月9日追加)
Charles Montgomery. (2013-11-12). Happy City
"Korsningsutformning: en kunskapsöversikt"
交差点構造と安全性についての先行研究を纏めたスウェーデンの報告書。ラウンダバウトが自転車にとっては必ずしも安全ではない事や、左折車線だけでなく右折車線も安全上有効である事、幹線道路と細街路の交差角度は必ずしも直角に近い方が安全とは言えない事、4叉路よりも千鳥配置した3叉路のペアの方が安全である事などを扱っている。(2016年8月10日追加)
Regine Gerike, John Parkin. (2016-03-09). Cycling Futures: From Research into Practice
(2016年8月10日追加)
http://www.npa.go.jp/hakusyo/s48/s480600.html
昭和48年 警察白書 表6-4 道路舗装率の推移(昭和38~47年)
Fred Wegman, Fan Zhang, Atze Dijkstra. (2012). "How to make more cycling good for road safety?". Accident Analysis and Prevention, Vol.44, pp.19–29
自転車政策全般の議論について先行研究を纏め、当たり前と思われているトピックについても熟考を促す、一冊の教科書のような論文。将来の研究・政策課題も挙げている。(2016年9月16日追加)
FHWA. (2010). "Pedestrian and Bicyclist Safety and Mobility in Europe"
(2016年9月16日追加)
John Pucher, Jennifer Dill, Susan Handy. (2010). "Infrastructure, programs, and policies to increase bicycling: An international review". Preventive Medicine, 50, pp.S106–S125
自転車の事故防止策に関する先行研究のレビュー。(2016年9月16日追加)
SWOV. (2010). "SWOV Fact sheet: Bicycle facilities on distributor roads"
(2016年9月16日追加)
Bicycle Tracks and Lanes: A Before-and-After Study
https://trid.trb.org/view.aspx?id=848364
(2016年9月16日追加)
Scott Slingerland. (2015-04-19). "Hazards of New York City Bike Lanes". YouTube
(2016年9月22日追加)
P. Schepers, D. Twisk, E. Fishman, A. Fyhri, A. Jensen. (2017-02). "The Dutch road to a high level of cycling safety". Safety Science, 92, pp.264–273.
オランダ国内で過去30年間に自転車の走行距離当たりの死亡事故件数が8割減少した要因について、道路の階層構造の確立による通過交通の排除、街路から高速道路への自動車交通の転移、構造的に分離された自転車通行空間と安全な構造の交差点の整備、自転車の交通分担率の向上と車の交通分担率の低下、自転車の速度低下を挙げている。(2016年11月27日追加)
International Transport Forum. (2013-12-19). “Cycling, Health and Safety”. OECD Library.
世界各都市の自転車政策や事故統計、安全対策を取り纏めたもの。(2016年12月26日追加)
http://www.hvu.dk/SiteCollectionDocuments/HVUrapp04_Hoejresving.pdf
デンマークの右折(日本の左折に相当)トラックと直進自転車の事故分析レポート。(2016年12月26日追加)
David Hembrow. (2014-09-08). "Does free car parking make people drive cars ? Certainly not when there is a better alternative". A view fromt the cycle path
無料駐車場が有っても総合的に自転車の方が便利な移動手段であれば車依存は起こらないとの主張。(2016年12月27日追加)
https://www.raisethehammer.org/article/2707/bicycle-friendly_paris_refuses_to_stand_still
パリの自転車インフラ全般を現地観察を通して紹介する記事(2017年2月20日追加)
http://metro.co.uk/2017/02/10/council-installs-speed-bumps-along-cycle-path-6439164/
車に侵入されて危険だった自転車道にバンプを設置して自転車の通行を困難にしてしまったという本末転倒な事例。(2017年3月12日追加)