Red-Light Behavior between Motor Vehicles and Bicycles
(最終閲覧日:2015年4月20日)
学生が大学周辺の道路で車と自転車それぞれの赤信号無視の実態を調査したレポートです。実験計画が不適切なので、結果の解釈には注意が必要です。
以下に調査地点の Street View の URL を挙げます。
各調査地点とも交通量は多いとされていますが、
Cole et al. (2011)
We chose three locations based on their proximity to the Portland State University campus and their high volume of vehicle and pedestrian traffic: SW 6th; and Mill, SW Broadway and Montgomery, and SW Broadway and Harrison.どの路線も一方通行で、幹線道路というほどの規模ではないですね。
このレポートを取り上げたCityLabの記事は、
Nate Berg (2011)
The Uncomfortable Relationship Between Bikes and Red Lights
(最終閲覧日:2015年4月20日)
The researchers found that cyclists were more likely to run red lights at the intersections with the cycle track,という点に注目しています。これだけ読むと、自転車道(正確には構造的な分離が無く、車と自転車の通行空間の間に駐車枠をペイントしただけの自転車レーン)の安心感が、サイクリストの信号無視を誘発したと読めてしまいますが、レポートの続きには、
/* 訳:学生たちは、自転車道の有る交差点の方がサイクリストの赤信号無視が多い事を発見した……*/
Cole et al. (2011)
Another key factor of the cycle track along Broadway is that there is no motor vehicle traffic approaching from the right side due to the location of the Portland State University campus.とあって、自転車道の有る調査地点が2カ所とも、実質的に丁字路である事が分かります。これではどちらが真の(或いは主な)要因か判断できません。あともう一ヶ所、
/* 訳:自転車道が整備されているブロードウェイにはもう一つ要因が有る。沿道がポートランド州立大学のキャンパスなので、交差点で右から来る自動車がいないのだ。*/
- 自転車道が有り、
- 且つ十字路
なお、丁字路での信号無視率については日本国内に先行研究が有り、車と動線が交差しない自転車の信号無視が圧倒的に多いので、要因はまず間違いなくこれでしょう。
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