日本国内では色の選定で視認性の他、景観との調和を重視してベンガラ色(京都)や灰桜色(金沢)、関サバブルー(大分)が採用される場合も有りますが、色覚異常への対応に言及した議論は見当たらなかったので、試しに色覚異常の見え方を体験するソフトで既存の自転車レーンの写真を変換してみました。題材は以下:
ドイツ・ブレーメンの赤い自転車レーン(出典)※オリジナル画像を長辺800pxに縮小
ニューヨーク・ブルックリンの緑色の自転車レーン(出典)※オリジナル画像を長辺800pxに縮小
東京・笹塚の水色の自転車レーン(筆者が撮影)
いずれも整備直後ではなく、少し色が褪せた状態の写真を選びました。
これらを1型2色覚と3型2色覚の再現画像に、それぞれ最大強度で変換します。
さあ、どう見えるでしょうか。
まずは赤色のレーン。左がオリジナル画像で、右が1型2色覚(赤色盲)です。
私の目で見ると、右は色が抜け落ち、白線で区分されているだけに見えます。
私の目で見ると、右は色が抜け落ち、白線で区分されているだけに見えます。
3型2色覚(青色盲)とも比較しました。左がオリジナル画像です。
こちらはほぼ変化していません。
続いて緑色のレーン。左がオリジナル、右が1型2色覚(赤色盲)。
右は彩度が下がり、自転車レーン以外の部分と区別しにくくなりました。
左がオリジナル、右が3型2色覚(青色盲)。
こちらはほぼ同じに見えます。
こちらはほぼ同じに見えます。
青色のレーン。左がオリジナル、右が1型2色覚(赤色盲)。
赤、緑と違い、ほとんど変わらない見た目です。
左がオリジナル、右が3型2色覚(青色盲)。
右は元とは大きく変わって緑色に見えますが周囲の色とは区別できています。
右は元とは大きく変わって緑色に見えますが周囲の色とは区別できています。
ここまで見た限りでは水色のレーンが一番ユニバーサルな色彩のように見えますが、緑色のレーンも色相を黄緑色に寄せると……
オリジナル画像
レーンの色相を黄緑に寄せた。
左が色相を調節した画像、右が1型2色覚(赤色盲)。
右の色相は元とは全く違う黄土色に見えますが、周囲からはっきり区別できます。
左が色相を調節した画像、右が3型2色覚(青色盲)。
しかし3型2色覚では彩度が下がり、少し見分けにくくなりました。
東京・三田の道路(出典)※オリジナル画像を長辺800pxに縮小
水色のレーンも使い方に注意が必要なようです。
左がオリジナル、右が1型2色覚(赤色盲)。
1型2色覚では歩行者空間の緑色が脱色して見えますが、区別はできます。
左がオリジナル、右が3型2色覚(青色盲)。
しかし3型2色覚では、自転車・歩行者空間ともエメラルドグリーンに近い色に。
自転車空間の方が若干鮮やかというくらいで、ほとんど見分けが付きません。
という事は……
南大井一丁目の法定外自転車レーン(水色)と路側帯(緑色)の切り替わり部分
過去の関連記事「鈴ヶ森の自転車レーン」
3型2色覚(青色盲)を再現した画像
ああやっぱり。同じ色で連続しているように見えます。
ああやっぱり。同じ色で連続しているように見えます。