2011年12月15日木曜日

school girl complex 展

中野ブロードウェイで開催中の個展を見てきた。
記号的な女子高校生をモチーフに、
思春期の妄想、欲望、恐怖を表現する
というコンセプトの作品群。

個展に影響を受けて真似して撮った見た犬の写真



作者の青山裕企氏はこのシリーズのヒットを皮切りに
アキバ文化と甚く親和性の高い写真集を次々出している。

会場は入口左手から時計回りに、
記号化、スキャン、パッケージ、関係性などと、
年ごとに展開するテーマを辿れる。

コンセプトの表現で特徴的だったのは、
被写体の顔を写さない事の他、
中立的なホワイトバランスや
文脈を語らないすっきりした背景など。

どれも画面を無色透明で記号的なものにする要素だが、
こうした表現手法から外れる作品も意外と多かった。
一部作品ではモデルの作為的なポーズが
記号性を損ねている気がする。

一方で、典型的な記号図となっている作品では、
その中立性や文脈の無さから画面の動きが抑制され、
永遠に時が止まったかの様な静謐さが感じられた。
無印良品のカタログの様な清潔感に近い。

この、画面の向こうに湛えられた静けさとは対照的に、
見ているこちらはドギマギし、視線が泳いでしまう。
温度差が面白い。ヒットの理由だろうか。

ところで、個性を削ぎ落とした無色な画面作りは
見る人それぞれのノスタルジアを喚起する事も狙ったらしいが、
生憎、自分は中学も高校も制服ではなかったので
作者が意図する効果はいまいち体感できなかった。
他の人が見た時、どういう感じがするのか気になる。

順路の最後には大型ディスプレーが置かれ
写真と同じ趣向で制作された映像が流れていたが、
2、3シーケンス見た限りではどうも駄目だった。
モデルの動きが雄弁すぎる。

写真のコンセプトを映像に移植するなら、
モデルに動きを徹底的に訓練するか、
個性が出ない動きにした方が良さそうだ。


以上。感想終わり。


さて個展から帰ってきたが
「記号化」コンセプトが頭にこびり付いて離れない。
12歳の女の子をモデルに、真似して写真を撮ってみる。


顔を入れない


体のパーツを記号的に切り取る


見えそうで見えない


凝視する視線を再現する

年齢は7倍にして考えましょう。
あ、もう還暦越えてる。