自転車に対する事実上の車道通行誘導策として警視庁が幹線道路で濫用している自転車ナビマークですが、亀有警察署の所管である飯塚橋の東詰にはそれと矛盾するメッセージが見られました。生命倫理の観点からは誠実な態度とも言えますね。
橋の北側歩道
車道は上下線とも幅員に余裕がなく、自転車にとって逃げ場がありません。路面がアーチ型の橋なので川の中間地点までは上り坂で、自転車と車の速度差が大きくなりがちなのも危険因子です(上の動画でもその速度差や自転車のふらつき具合を確認できます)。
車が自転車に追突、サイド・スワイプする事故に加え、自転車を避けようとして他の車とぶつかる事故も予想されます。
車の交通量は
- 平日7〜19時の昼間12時間合計で、上り9265台、下り8013台
- ラッシュ時では、上り969台(7〜8時)、下り829台(18〜19時)
と、自転車が混在通行できる水準を大幅に超過しています(出典:2015年の道路交通センサス(表3-2-4, p.374))。
安全の面でも流れの円滑さの面でも、自転車と車を混合させるのに全く適さない環境であると言えます。
なお、同表では自転車の交通量は3907台、歩行者は497人(いずれも通行方向の区別のない集計)で、自転車のルートとしてもこの橋がかなり重要であることが分かります。
飯塚橋東詰交差点(地図URL)
橋から降りてきて道路の反対側歩道に渡り、折り返したところです。
建設事務所と警察署の名前で自転車を歩道に誘導する看板が立っています。
堤防の手前で橋の歩道に上がる階段(ランプウェイ付き)
橋の北側歩道は両岸ともなだらかなスロープで上り下りできるんですが(写真は撮り忘れ)、南側歩道は両岸とも階段でのアプローチです。
この橋を通る自転車利用者全体から見ればごく少数ですが、クリート付きの専用シューズを履いたロードバイク乗りの人はここは避けたいでしょうね。
(私自身は移動経路にこういう場所があるとは知らずにSPD-SLシューズで来てしまったので、クリートで階段を上り下りすることになりました。)
橋の上まで上がってきました。先ほどの交差点の方を振り返った図。
歩道を通るように誘導する看板を出しておきながら車道上のナビマークを併用
上り勾配、逃げ場のない車線幅に加えて遮音壁の圧迫感もあるので、車道を通るのはかなり怖そう。
どうしても自転車に車道(と法的に分類される空間)を走らせたいなら、歩道側の1車線を丸ごと自転車道に変更して車道から物理的に保護すべきでしょう。
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