私は以前、雨予報の日は自転車に乗らないと決めていたので他の人も大体そうだろうと考えていましたが、雨の日も風の日も関係なく毎日自転車移動するようになってから、想像とはだいぶ違う実態が見えてきました。
集団レベルの利用実態
駐輪場の定点観測
私が使っている都心の駐輪場の埋まり具合は晴れだと10割、雨だと6割。しかし降り具合によっては10割近く埋まることもあり、ラックの争奪戦が激しいです(雨予報だからもっと空いてると思ったのにー)。意外と皆さん予報を見極めていますね。
通行台数の定点観測
駐輪台数ではなく通行台数ではどうか。宇都宮の国道4号の通行台数調査によれば、11月末から4月末までの調査期間中、9時、15時とも雨や雪だとさすがに晴れ/晴れの日の半分程度に減りますが、晴れ→雨や雨→晴れでは想像以上に高い水準を維持しています。
9時時点 | 15時時点 | 交通量(台/日) | 相対値 |
---|---|---|---|
晴れ☀️ | 晴れ☀️ | 539 | 100% |
晴れ☀️ | 雨☔️ | 515 | 96% |
雨☔️ | 晴れ☀️ | 547 | 101% |
雨☔️ | 雨☔️ | 286 | 53% |
雪⛄️ | 雪⛄️ | 251 | 47% |
潜在的な自転車移動需要の喚起という文脈では雨の問題が指摘されがちですが、意外と楽観的に捉えて良いのかもしれません。もちろん、前掲の数字は「現に自転車移動している人の中では」というサンプリング・バイアスが掛かっているので、そのまま敷衍することはできませんが。
天候の影響を扱った海外の研究
個人レベルのユーザー体験
私個人の雨の日のユーザー体験についても書いてみます。自転車だと電車やバスに比べどうしても濡れやすいイメージがありましたが、上下レインウェア+テムレス手袋+レインシューカバーの完全防備で臨むと意外にも電車+徒歩(傘)より濡れないことに気付きました。
泥除け、チェーン全ケース装備のママチャリなので水溜りも躊躇なく突っ切れますしオイル切れの心配もありません。さすがママチャリ、生活の道具としてよく考えられています(メンテナンス性を除けば)。
困るのはレインウェアの着脱。到着時に脱いだウェアの水滴を落とす作業が意外と場所を選びます。また、背中が蒸れないようリュックの上からウェアを羽織っているので、駐輪料金の支払い時に財布を出し入れするのが面倒です。透湿性皆無の安物ウェアなので、冬は良くともこれからの季節は蒸れが気懸かり。
雨ざらしで長時間駐輪すると後輪のサーボブレーキ内部に水が入るようで、制動時に甲高いキーキー音が鳴り、(前輪のリムブレーキほどではないにしろ)制動力がガタ落ちします。安全上スピードが出せないので移動時間を長めに確保する必要があります。
あとは、いま付いているペダルの滑り止めが甘く体重の乗せ方に気を付けないと靴が滑って落ちそうになります。下手に信号待ちでのスタンディングや坂道での立ち漕ぎができません(なので上り坂の少ない平坦なルートを選びがち)。逆に、グレーチングやマンホールの上でタイヤが滑ったことはありません。
ヘルメットには雨カバーを被せているので走行中は問題無いですが、駐輪して前カゴに入れておいたら内側のパッドが雨で濡れて臭くなったので、以降は持ち歩いています(面倒)。本革のサドルも油断してカビを生えさせてしまったので、万一の雨に備えてカバーを掛けっぱなしにしています(美しくない)。