2011年4月20日水曜日

清き一票、ことばの誤用

○○、○○でございます。

こんにちはー。

大きなスピーカーでお騒がせ致しております。

○○は災害対策に全力を挙げて参ります。

皆様の一票を、○○、○○に賜りますよう、
宜しくお願い申し上げます。


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「賜る」の意味は「もらう」である。



「○○に賜りますようお願い」されてしまったが、
○○候補に票をもらいに行けば良いのだろうか。
○○候補は投票用紙の配布係か。

そうではない。

正しくは「○○に下さいますよう」と言う。
この誤用は数年前から専門家が指摘していた。

しかし誤用の伝播は勢いを増すばかり。
「くだす」のネガティブイメージを嫌ってか、
説明書から謝罪広告まで
「頂きますよう、賜りますよう」
連呼している。

この表現を誤用とする指摘を最初に知った時は
「{これこれの事態が実現するように}お願いする」
と、祈願文の如く解釈できるから誤りではないと思ったが、

「○○賜るよう」

と格助詞を間違えてしまっているから
やっぱり駄目だ。

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この前の全国知事選挙だったか、
当選会見でも格助詞の間違いが有った。

「有権者が投票して頂いて云々」

いつの間に有権者が候補者に変化した?!

当選した知事の頭の中では最初
どんな文を組み立てていたのだろうか。
「有権者が投票して私が当選できた」とか?
随分と上から目線である。

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他にもインタビューや、テレビの外でも
格助詞の間違いなんてありふれている。

日本語を学ぶ外国人も大変だが、
日本人だって間違えまくっている。
格助詞もそのうち英語や中国語のように
消えて無くなるかもしれない。

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今のところ、口語で省略できるのは
「が」と「を」と「に」だけだが、


「俺持つ」、「水飲む」、「駅行く」
×
「ペン(で)書く」、「8時(から)働く」、
「上野(まで)乗る」、「犬(と)散歩する」、
「屋根(より)高い」、…


あるラジオ番組ではリスナーからの葉書を

「ペンネーム○○さん、頂いたー」

と紹介している。