2020年5月28日木曜日

【iPhone修理あいさぽ】店舗によるレビューハッキングと実際のサービス

大量の星5レビューの裏には……(筆者作図)

iPhoneの修理であいさぽを利用して痛い目を見たので体験をメモしておきます。
 

要旨

  • 交換バッテリーが低品質
  • 修理作業で新たな故障 (?)
  • 安価だが高リスクの修理サービス
  • 高評価レビューを増やす店側の戦術

修理のレビュー

利益相反の開示

本記事は、iPhone修理専門店あいさぽ、その競合サービス提供者など、利益相反になり得るいかなる主体とも関係なく(利益供与や指示を受けず)、独立した立場で書いています。

修理の経緯

最初にあいさぽに依頼したのはiPhone 5sのバッテリー交換です。2016年2月に中古で購入した個体で、約3年が経過した頃からバッテリーの持ちが極度に悪くなっていました。

修理後、2ヶ月ほどは普通に使えていましたが、3ヶ月目に入ると、iPhoneを電源OFF状態から起動した直後にバッテリー残量が42%から1%に一瞬で減少し、そのままシャットダウンしてしまう症状が現れました。4ヶ月目にはケーブルを繋いで数時間待っても画面に電池マークが出るだけで、起動自体が不可能になりました。

6ヶ月間の保証期間が残っていたため、再度バッテリーを交換してもらいましたが、修理後、画面に縦の筋(周囲よりわずかに輝度が低い、1~2mm幅の帯)が現れ、その部分のタッチ操作を感知しなくなりました。画面上のキーボードで、その筋に当たる位置の文字も当然入力できなくなり、パスワード入力にも支障をきたすようになりました。

修理開始前の動作確認が(前述のバッテリーの問題で)不可能だったため、この新たに生じた問題は補償されませんでした。

交換部品と作業の品質

当初のバッテリーが中古でありながら3年間も保ったことを考えると、わずか3ヶ月で顕著な劣化が始まったあいさぽの交換バッテリーはかなり劣悪な物を使っていると考えられます。あいさぽ公式サイトは「互換製品を使用」と謳っていますが、単に互換性があることと、性能が純正品と同等であることは、全く別次元の話であるという教訓を得ました。

修理作業の質もスタッフ間でばらつきがあるのかもしれません。1度目の修理(女性スタッフが担当)では特に問題は生じませんでしたが、2度目(男性スタッフ)は前述のように、修理後に致命的な故障が現れました。信頼して預けたiPhoneがまさかジャンク化して手元に戻ってくるとは思わず、数日経った今もショックを引きずっています。

(以上のレビューはGoogle Mapsに投稿した口コミを再編集したものです。)

高評価レビューが多い訳

次に、あいさぽが使っている情報戦術について議論します。

Google Mapsで中野店のクチコミを見ると、投稿レビュー115件、星4.7と、かなりの高評価です(2020年5月28日現在)。

キャプチャ画面の出典

あいさぽ各店はレビュー投稿で割引するサービスをしていて、大量の客がGoogle Mapsに星5レビューを書いてくれる(星の数は任意だが大抵の人は返報の心理により高評価を付けると思われる)ので、たまに低評価が付いてもこのように埋没させることができます。

もしこれが社会調査の類であれば、サイレントマジョリティーの声も偏りなく拾う手法として妥当だったかもしれません。

しかしGoogle Mapsのポリシー(英語版日本語版)では、レビュー投稿の見返りとして金銭を授受したり、顧客に強く求めて大量のレビューを集めることは禁じられています。「高評価で」と指示していなくてもダメです。

結論

あいさぽは交換バッテリーの質が低く、作業の質も信頼できません。安価ではありますが、修理を任せるには相応のリスクを覚悟する必要があります。

また、あいさぽによるレビュー買収は星の数で消費者を欺く行為です。そういう倫理観の業者に、いっときであっても自分のiPhoneを預けられるでしょうか。

以上の理由から、私はあいさぽでの修理はお勧めしません。