2020年11月23日月曜日

都道434号の自転車レーン



動画

区間途中にある三叉路(後楽園駅前交差点)が自転車にとってかなり変則的だったので、そこを通行する際のユーザー体験に着目し、交差点にどの枝から入るか(3通り)× どの枝から出るか(2通り)の全6パターンを録画しました。

東から進入


直進

この通行パターンの自転車に対しては交差点を常時直進可能にすることもできたはずですが、そのような交差点設計や規制(cédez-le-passage cycliste au feu)は採られておらず、車道の赤信号の巻き添えで無駄な待ち時間が発生することがあります。

右折

この二段階右折はシステム上できないことが分かりました。車の通行しか考慮しない交差点構造と信号制御が自転車レーン整備後も残存しています。
どうしてもここから区道に入りたい場合、次の信号交差点まで行って道の反対側に渡り、折り返してくれば辿り着けますが、700mもの迂回は現実的ではありません。短距離交通モードとしての自転車の競争力を致命的に損なってしまいます。

Google Mapsに最近実装された自転車ルート検索による距離と所要時間

西から進入


直進

交差点手前で安易な混在通行化をせず、自転車レーンを最後まで一貫させている点は素晴らしいですが、信号待ちの間、時々自転車レーンに切り込んでくる左折車がいて安心感が低いです。三角コーンや樹脂ボラードなどを区分線上に立てて自転車ユーザーを車から防護する必要があります。

左折

左折は普通にできますが、曲がった直後に路上駐車が控えていることが多く、状況を素早く判断して車の流れに乗る必要があるので難易度が高いです。

北から進入


左折

ここも左折した先の自転車レーン上に車が立ち塞がっていることが多いです。

右折

この通行パターンもシステム上、未対応ですね。ラクーアから西に帰る自転車が道路南側の自転車レーンに渡らず北側の歩道を通るのは、この交差点設計が原因でしょう。

写真

後楽園駅前交差点から西方向

通行帯、停車帯が隙間なく詰め込まれていてヒューマン・エラー耐性が低いです。

floating parking laneが途切れた先では従来通りレーン塞ぎが発生しています。

縁石に寄る自転車ユーザー。レーンの中央から右側はドア衝突の危険があります。

スポーツ志向ではない自転車が走る光景も見られます。

道路北側を西に向けて走る自転車が非常に多いです。

後楽園駅前交差点

広めの自転車レーンが交差点の直近まで続いています。

スピードを出して左折する車が自転車レーンに踏み込んでくることがあります。

待機している自転車ユーザーからすれば不安感の大きい環境です。

交差点内に矢羽根が引かれ動線が分かりやすくなりました。
矢羽根の幅をレーン幅と揃えると尚良いです。

後楽園駅前交差点から北方向

文京区道は自転車レーンが未整備です。

後楽園駅前交差点から東方向

交差点の先にレーン塞ぎの車が控えています。

全く用を為していない自転車レーン。ここもprotected bike lane化できそうに見えます。

荷卸しとは無関係な路上待機車が多いです。

レーンが機能せず、自転車と車が無秩序に入り乱れています。

壱岐坂下交差点の手前でレーン幅がかなり狭まります。

壱岐坂下交差点でUターンして再び後楽園の三叉路方面へ。
こちら側の車線を1本減らせば両サイドの自転車レーンに真っ当な幅を割けそうです。

駐車抑止の看板が立っていますが、しばしば駐車が発生しています。

同じ道幅に収まる代替構成の例

都道434号の自転車レーンは一部区間でparking-protected bike laneに似たレイアウトが採用されましたが、まだドア衝突リスクが残っており、自転車同士の追い越しが困難です。また、途中の三叉路では自転車が右折できない問題があります。そこで、既存の道路用地に収まる代替デザイン案を考えてみました。

単路

事故防止のために余裕を持たせた空間配分の例(Streetmixで作図)

交差点

代替レイアウトの大まかな描写(背景はmacOSのMaps.app)
自転車にとっての利点:
  • 右折できる
  • 車道の信号とは無関係に直進(南側)と左折ができる
  • 横断待ちの自転車が、直進・左折自転車の流れを妨げない
  • 車道と自転車レーンの間に分離工作物を置けば車に侵入されない