オランダの 's-Hertogenbosch (Den Bosch) にはちょっと変わったバス停があります。
場所は北西部の工場・物流施設などが集積している地区にある Rietveldenweg 通りの郵便仕分けセンター脇に位置する Zandzuigerstraat バス停で、ご覧の通り自転車道が道路外側へバイパスし、歩道は途絶、代わりに島式バス停が歩道を兼ねています。
沿道側に建物や敷地の出入り口が無い(そしておそらく歩行者が少ない)場所ならではの省スペース設計ですね。
一般的なバス停レイアウト
同じDen Boschでも道幅に余裕のある場所では沿道側から歩道、自転車道、島式バス停、バスベイ、車道という一般的なレイアウトが用いられています。
Rotterdam のこちらのバス停は上の構成からバスベイを省略したレイアウト。自転車道と車道に挟まれた帯状の空間に駐車ベイ、島式バス停、街路灯、標識の柱などが交互に収められています。
もう一つの特殊レイアウト
Eindhoven の De Grote Beek バス停では停留所から先に歩道がないため、最寄りの交差点から島式バス停までの歩道が車道と自転車道の間に配置されています。
イングランドの類例と設計の差異
冒頭のレイアウトに近い事例がイングランド、Salford の Liverpool Street につい最近登場したそうですが、
I love the new cycle route on Liverpool Street in Salford. Makes cycling an absolute joy! Thank you @SalfordCouncil pic.twitter.com/LVxvAmmc2P
— Andy Salmon (@salfordrev) July 4, 2022
歩道と自転車道の入れ替わり部分では自転車道が急角度で屈曲しています。自転車利用者が歩行者に危害を加える可能性を強く懸念して、そのスピードを抑え込むことを線形の良さより優先させようという意図が感じられます。
対して冒頭の Zandzuigerstraat バス停では自転車道に急な屈曲がありませんが、横断歩道もありません。その背景にある設計思想については次の記事が参考になります。