2023年1月2日月曜日

STRAVAで書き初め:スヌーピー・ライド2023

東京にスヌーピーを描く(yuka.coさんの2019年の作品を元にしたオリジナル)

ほんの数百メートルの違いで劇的に街の性格が変わる東京をたっぷり味わえる名コースを今年も元旦に走ってきた。ライド中に見た自転車インフラや建築を写真で紹介する。

スタート地点への移動中

新宿では裏道から爆音が。コメ兵の前でフランス語のDJを中心に十数人が踊っていた。

スタートしてすぐの虎ノ門金比羅宮。「春の海」が静かに流れていた。

今回もスヌーピーの腕の付け根に当たる霞ヶ関から描き始めた。

東京タワー、新橋と回ってスヌーピーの腕を描き、首筋に当たる日比谷交差点へ。

箱根駅伝の予告

丸の内新国際ビル

カンダビルヂング

九段坂を上り詰めてウッドストックの足先の靖国神社へ

神社を抜け、広島風お好み焼き屋の前で折り返してウッドストックの口角を持ち上げた後、東京大神宮の煌々と灯る提灯が目に留まった。

ドローイングに影響しないよう位置情報のログを一時停止して寄り道

ルートに復帰し、芳文社や三省堂、竹書房を巡るように右折、左折を繰り返してウッドストックを完成させたら、四谷、赤坂見附、永田町と回ってスヌーピーのマズルを一気に引いていく。

耳の後ろで2回目の東京駅通過。夜明け直前の寒さが内臓を刺す。

北の丸の代官町通りには事実上のprotected bike lane

当初あったピクトグラムが消され、歩道への誘導に書き換えられていた。左端2車線が首都高入り口という特殊環境なので、さすがに車道通行原則を曲げざるを得なかったようだ。

皇居を巡っている間に夜が明けてきた。この時間帯もランナーは途切れない。

アメリカ大使館前の霊南坂を登ると仙石山森タワーがまだ低い朝日を浴びている。

オークラ別館が解体されたことで仙石山森タワーが見やすくなっていた。

スウェーデン大使館を過ぎると消灯目前の東京タワーが覗く。

六本木通りを下り赤坂2丁目の生活道路へ。なぜか主要幹線クラスの高さの縁石が使われている。

勝海舟の屋敷跡の向かいでは狭すぎる歩道が公開空地に助けられていた。

今年も日の丸が並ぶ坂

再びログを一時停止して赤坂氷川神社へ寄り道

再開後は萩藩毛利家下屋敷跡から急坂を登り、尾根の六本木交差点へ。ギラギラした男たちが群れ、割れたガラス瓶が散乱している。芋洗坂を滑降して都道319号に入ると、スヌーピーの踵から尻尾まで一直線。

東麻布商店街

ぐんぐんと力を増す朝日で体が温まる。

国道1号の赤羽橋交差点には供用間近の自転車レーン。歩道上にあった自転車マークはすでに消されている。

長い上り坂が始まるとすぐに極細の法定外レーンに変わった。それも正月明けには路上駐車で塞がれるだろう。

芝公園グランド前交差点に接続する生活道路。一桁国道より生活道路の方が自転車通行空間の防護度が高いという逆転現象が起きている。縦長に大書された「速度落とせ」の文字は高速走行が前提という矛盾デザイン。

一方通行の出口側、国道15号との交差点手前では方向別レーン2本で車道幅を使い尽くしており、逆行自転車用のナビマークが正面衝突を誘うように配置されている。新馬場王子でも見られた光景だ。

尻尾の旧芝離宮を回ってから建て替え工事中の世界貿易センタービルへ。文化放送前の喫煙スペースは朝から人が多く、パーティションの周囲に煙が漏れ流れていた。

浜松町スクエアの門松

入口ドア脇にも

尻尾の付け根の浜松町から背中を北上してイタリア街の三角広場へ

前回は爆音バイクの大集団が集まっていた石畳の広場。今朝は車高を下げた改造車のオーナーが一人静かに写真を撮っているだけだった。

広場周辺では多種多様な路面テクスチャが楽しめる。

ウインズ汐留の建物

…を背景に機材の記録撮影。スヌーピーライドは階段の上り下りがあるのでフラットペダルが便利だ。

東新橋一丁目交差点脇のシェアバイクポートには空気入れが備え付けられていた。

交差点には自転車ナビラインが引かれているが、左折青が先行する現示が使われていた。直進自転車の安全確保に重要な信号制御の見直しは、モデル交差点の札の辻でこそ喧伝されたものの、後続事例では必ずしも踏襲されていないようだ。

新橋駅には鉄道150周年記念のポケモンたち(そのポケモンはまもなく27周年)

内幸町交差点でゴール

スヌーピーを描き終えた後は自転車インフラや建築を巡りながら消費カロリーを積み増していく。

千代田区道の国会通り(地図)。自転車道も余裕で収まる道幅ながら路駐に耐性のない自転車レーンが選択されている。

参考:2022年10月の様子

構造で未然に防げる問題について注意喚起する看板が立っている。

「こんな不条理な標識は撤去して自転車道を整備してくれ」

都道405号 外堀通りの溜池交差点(地図)では矢羽根で直進自転車の動線を示しているが、左折導流路という危険源は放置されている。明治通りの渋谷橋交差点でも見られた処理。


アークヒルズ脇の都道412号(地図)は線形、幅員とも過剰に良く、車の速度が出やすい。混在通行には全く適さない環境だが、自転車ナビラインの真新しいペイントが出現していた。

道路交通で最も重要な安全原則は、

  1. 道路を機能によって分類すること
  2. 一つの道路に複数の機能を持たせないこと

の2つだ。日本もオランダも理念レベルではそう変わらないように見受けられるが、問題は実装レベルだ。自転車が混在し、路上駐停車も認める(沿道アクセス機能を持たせる)道路は、オランダでは erftoegangsweg (street) に該当する。そのデザイン特徴(市街地版)は、

  • 制限30km/h
  • 凸凹したレンガ舗装
  • ハンプ
  • 片側1車線以下(大抵センターラインがない)

だが、写真の場所は

  • 制限60km/h
  • 滑らかなアスファルト舗装
  • 片側3〜4車線

で、明らかに gebiedsontsluitingsweg (road) の特徴が混入している。もし純然たる road なら、

  • 脇道との交差点や車両乗り入れ部は最小限に留める
  • 駐車帯(停車帯)がない
  • 車道とは別個の自転車道か副道がある

ことが特徴だが、それにも反する。都道412号は street とも road とも言えない中途半端なデザインなのだ。こうした道路は北米で "stroad" と呼ばれ、その危険性、非効率性が指摘されている

バス停の先で急屈曲し、客待ちタクシーの駐車枠の脇スレスレを走る矢羽根。ヒューマンエラー耐性が低く、自転車利用者の不安感への配慮に欠ける。


神宮外苑の周回道路では競歩大会が開催されていた。

大会告知看板に「ご迷惑をおかけいたしますが」と書かれていたが、車の交通量は普段から少ないので、車線数はこの状態を恒久化しても良いくらいだ。

新国立競技場の金ポスト

競技場の入り口には全日本大学サッカー選手権の横断幕が掛けられ、関係者らしき人々が集まっていた。

神宮外苑アイススケートリンクと糸巻き収差型のホテル

千駄ヶ谷駅改札

千駄ヶ谷駅前の並木。枝の太さが途中で急に細くなっている。葉が落ちる冬は樹木の3Dモデリングの資料集めには絶好の季節だ。