2015年12月7日月曜日

カートリッジBBツールのレビューと裏技

SPECTRA - カートリッジBB(ボトムブラケット)ツール



これはSPECTRAのブランド名で販売されていた商品で、Y's Roadのセールで384円で買ったものですが、ほぼ同じものがStraightやSpin Doctor、Super B、Topeakなどのブランドからも出ています。


嵌合部の加工精度は実用上問題の無いレベルです。

四角穴と六角面の2種類が使えるようになっています。

全長は52mmです。BBとの嵌合部からレンチで挟む部分までの距離が、
シマノ純正のTL-UN74やParkToolのBBT-22, BBT-32よりずっと長いですね。

六角形の対辺の間隔は24mmです。

四角穴の対辺間隔は12.8mm(約1/2インチ)です。

BBに工具を取り付けた状態



実際に使った様子。モンキーレンチで回そうとするとBBツールがBBから外れてしまいます。

この問題の対処法としては、
    • 長いボルトと大きめのワッシャーでBBツールをBBの軸に固定する or
    • BBツールを万力に固定し、その上にフレームを載せ、フレームの側を回す
      が有りますが、私は別の手段を使いました。

      モンキーレンチとトルクレンチの二刀流

      BBツールの六角面と四角穴を両方活かした技です。これでトルクが稼げます。さらに、上向きに回すレンチと下向きに回すレンチを組み合わせる事で余計な力が相殺され、BBツールがBBから外れにくくなります。

      それぞれの工具のレビューは過去記事を参照:
      なお、このトルクレンチのヘッドは3/8"なので、BBツールとの間に3/8"→1/2"のアダプターを噛ませました。

      さて、その二刀流ですが、それぞれのレンチに目一杯力を掛けてもBBは微動だにしませんでした。トルクレンチの針は最大目盛り 70 N•m を軽く振り切っていたので、2本のレンチの合計トルクは、瞬間的には100 N•m を超えていたかもしれません。

      この自転車は中古品ですが、全体的に錆も摩耗も無い、新品に近い状態の物だったので、BBが固い原因は錆ではなく組み付け時のオーバートルクが疑わしいですね。にしても何て頑固なBBなんだ……(本当はトルクレンチをこういう用途に使ってはいけないらしいですが)。

      そこで今度は、柄がもっと長い別のレンチを用意して再挑戦しました。

      380mmのスピナーハンドル(上)と280mmのモーターレンチ(下)

      スピナーハンドルは736g。クランクセットと同じくらいの重さです。

      モーターレンチは633g。これもゴツい。

      写真では分かりやすいようにフレームの奥に立っていますが、
      実際は手前側に立って膝でBBツールを押さえました。

      この二刀流でも最初は全く歯が立たず、「BBシェル幅は68mmだけど、もしかして右椀も正ネジのフレンチ規格(*)なのか?」と不安になってきましたが、休憩を何度か挟んだ末にようやく「ズッ」と。まるでRPGのボス戦をクリアしたかのような達成感でした。

      * Sheldon Brown's Threaded Bicycle Bottom Bracket Crib Sheet(2015年12月7日閲覧)