2016年2月28日日曜日

E-PL6とE-M10のレビュー (1) ホワイトバランス

1年前から使っているOLYMPUSのE-PL6とE-M10をレビューします。



発色の癖

同一レンズ、同一設定で撮った青空

自然光での撮影ではE-PL6が実物通りの素直な発色をする一方、E-M10は緑かぶりします。個体差なのか、画像処理エンジンの味付けの違いなのか……。

E-M10の緑かぶりは、AUTO、日中、日陰、曇りモードでホワイトバランスをgreen -2と補正すると解消され、E-PL6とほぼ同じ色になりました。

2016年3月8日追記{
但し、空の青に合わせると今度は白やクリーム色がマゼンタかぶりしてしまいます。どうやら青色だけが水色方向に傾いているようです。という事は、この話はホワイトバランスではなくて色再現性の問題なんでしょうかね。


(これらの発色の違いや補正の結果は、RAW撮影してパソコンに取り込んでからOLYMPUS Viewer 3でJPEG現像した場合も同じでした。)

発色の不一致はその他のWBモードでも見られました。白熱灯照明の室内でWBを電球モードにした場合、E-PLは"A-5, G-7"、E-M10は"A±0, G-6"と、自然光の環境下とは全く違う補正をしないと発色を揃えられませんでした。

2軸での色補正ができないカスタムWBモードや、WBが固定される(*)SCNモードではカメラ内で微調整ができないので、RAW記録をせずにカメラ間で出力画像の色を揃えたい場合は事実上これらのモードを使えません。

* SCNモードでは一部の設定項目(WBもその一つ)で設定値が固定されるんですが、LVスーパーコンパネ画面ではその項目がグレーアウトされないというバグが有って混乱させられます。これはE-PL6(本体ファームウェア ver. 1.2)もE-M10(ver. 1.2)も同じです。LVコントロール画面ではちゃんとグレーアウトされるのに……。



ホワイトバランス登録の操作

ワンタッチWB(紙や壁の白でWBを合わせて記憶する機能)の登録可能個数はE-PL6が2つ、E-M10が4つですが、その設定手順は
  1. ホワイトバランス選択画面を出す。
  2. 「ワンタッチWB」を選ぶ。
  3. INFOボタンを押す。
  4. カメラを白い紙や壁に向けてシャッターボタンを押す。
  5. 「実行/中止」の確認ダイアログでOKボタンを押す。
と非常に煩雑です。しかも、フォーカスモードをAFにしている場合は手順4でオートフォーカスが作動する(無地の白背景だと中々合焦しない)ので非常にまどろっこしいです。また、画面上では正しく白が出ていても、何故かカメラが
「不適切なデータです 撮り直してください」
とエラーメッセージを出してWBの登録を拒む事が有り、その融通の効かなさには閉口します。登録拒否を何度も連発されるとカメラを投げ出したくなります。

ファンクションボタンに「ワンタッチWB」を割り当てれば、
  1. ファンクションボタンを押しながらシャッターボタンを押す。
  2. WBの登録先を選ぶ。
  3. OKボタンを押す。
の3ステップで済みますが、
  • ながら押しが必要なので操作に失敗しやすい。
  • ただでさえ少ない貴重なファンクションボタンを1個消費してしまう。
  • AF問題とエラーメッセージ問題は回避できない。
という欠点を抱えています。

これに対してRICOHのCX2は、
  1. ホワイトバランス選択画面を出す。
  2. 「M(手動設定)」を選ぶ。
  3. カメラを白いものに向け、DISP.ボタンを押す。
  4. OKボタンを押す。
と、4ステップで設定が完了します。AF動作もせず、無意味なエラーメッセージも出さないので非常に軽快です。(PanasonicのFZ1000も、説明書(p.35)を読む限りほぼ同じ操作方法のようです。)

私が本当に必要とする機能は単にオートWBの動作を一時的にロックさせる事なので、それだけ実現できれば良いなら最短で1ステップまで操作手順を切り詰められます。(ファンクションボタンにオートWBのロック/解除をトグル式で割り当て)

カスタムWB登録機能を付けるにしても、RICOHやPanasonicの操作手順が恐らく最短で、OLYMPUSは無駄を削ぎ落としきれていないという印象を受けます。



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