2016年4月3日日曜日

Brasserie VIRONのホットミルク


運ばれて来たカップを手に取って唇を当てると思いのほか分厚い泡の層に驚く。そのままカップを傾けて、きめ細かい綿菓子のような泡の層を突き進んで行くと、雲を抜けて視界が一気に晴れたように目映く澄み切ったミルクが飛び込んで来て、乳臭さの無い純粋な甘い香りが鼻腔に押し寄せる。泡の層に保温されていたミルクの熱さに少し身構えるが、すぐに、決して火傷する事のない、完璧に調整された温度と分かり、安心して続きを口に入れる。ミルクは滋養を感じさせる刺激を舌へ喉へと与えながら、乾いた体に急速に染み込んで行く。逃げようとする泡たちをティースプーンで捕まえながら夢中になって飲み進めていたら、あっという間にカップの底に行き着いてしまった。