翌日に備えてママチャリのタイヤに空気をしっかり入れておいたら
夜中にバシュゥゥゥーとパンクしました。
夜中にバシュゥゥゥーとパンクしました。
タイヤの中で皺になって延びた部分に穴が。これはパッチでは直せそうにないですね。せっかくの機会なので前々から考えていた仏式バルブ化に踏み切ることにしました。
ツーリング自転車を得意とする高田馬場の自転車店
仏式バルブのママチャリ用チューブは知り合いに教えてもらったvelocraftというお店で買えました。
26インチのママチャリの26 × 1 3/8(ETRTO表記では 37 x 590)サイズのタイヤに適合するチューブは英式バルブが普通で、仏式バルブのものはあまり見掛けませんが、ザッと調べた限り、velocraft以外では次の店で入手できます:
実店舗
- ヨドバシカメラ新宿西口本店、携帯スマートフォン館、地下2階の自転車売り場
Schwalbe 26x1.00-1.50 Prestaが1080円で売られていました。同社のネット通販の商品ページによると、現在、店頭在庫もネット在庫も無くなっているようです。
ネット通販
- Bike 24(ドイツ)
ContinentalのTour 26 Allを3.28ユーロ(ドイツ国内の付加価値税を含まず)で販売しています。但し日本への送料が19.95ユーロで、送料無料ラインも無いので、よほど大きな買い物のついででもなければ、ここで買うメリットは無いですね。 - Chain Reaction Cycles(イギリス)
ContinentalのTour 26を680円で扱っていますが、送料が1000円、送料が無料になる合計購入額が5000円で、チューブだけ買うと日本国内で買うより高くなります。 - Amazon.co.jp(日本)
パナレーサーのW/O 26x1 3/8が842円で売られています。
なお、タイヤの直径と幅に合わないチューブを無理やり使うと、チューブに皺が寄ったり伸びすぎたりしてパンクの原因になるので、ロードバイク用やMTB用、小径車用のサイズのチューブは流用できないそうです。
買ったのはPanaracerのチューブ。850円(税別)でした。
英式バルブのパンクしたチューブと、仏式バルブの新しいチューブ
Panaracerのチューブはバルブ長が34mmと、比較検討したSchwalbeの40mmより短くて、ちゃんとリムから十分な長さが出るのか不安だったので、交換前の英式バルブと比較してみました。
英式バルブは根元からキャップ先端までが約42mm
根元からプランジャー(plunger)の先端までだと39mmです。
仏式バルブは根元からキャップ先端までが約39mm
公称値の34mmになるのは、根元の金属が露出する部分からプランジャーの先端まで。
どうやら長さは足りそうです。
実測重量はPanaracerのチューブが165.4gあるのに対し、
パンクしたチューブはなんと129.1gしかありません。
カットして厚みをノギスで測ってみると、タイヤ側は 1.0 mm と普通の厚みが確保されているものの、リム側の特に薄いところでは 0.6 mm しかありませんでした。随分と守りが弱いですね。そこまで切り詰めて軽量化しなくても良いのに。
交換するチューブにはバルブ周辺のパンクを防ぐ為に、恒例の保護カバー(要らないチューブの切れ端に穴を開けたもの)を用意しました。
そしてもう一つ重要なのが、このナット。
下がPanaracerのチューブに元々付いていたナット、
上がロードバイクに使っているContinentalチューブから取ってきた段付きナットです。
(英式から仏式に置き換えた場合に使うのは上の段付きナットだけ)
(英式から仏式に置き換えた場合に使うのは上の段付きナットだけ)
段付きナットは上側の外径が普通のナットと同じ 10 mm で、下側の細い部分が 8.5 mm になっていて、
英式バルブより僅かに細い仏式バルブを、
英式バルブ対応のリムに取り付けた際にできる隙間を
埋めてくれます。
(段のないナットは入れ替わりにロードバイクに付けておきました。)
(段のないナットは入れ替わりにロードバイクに付けておきました。)
ロードバイク用に予備のチューブを買った時は、なぜこんな段が付いているのか謎でしたが、やっと疑問が氷解しました。本当にぴったり嵌まります。この段付きナットが無いとバルブがグラグラ動いてしまいますし、もしかしたら隙間にチューブのゴムが挟まってパンクしてしまうかもしれないので、仏式バルブ化するなら必須ですね。
さて、バルブを仏式化したことでタイヤ空気圧を正確に測れるようになったので、ママチャリで推奨されている3 bar を入れてみましたが、思っていたよりかなりパンパンですね。英式バルブの時、ポンプの感触が固くなって「もうこれくらいで良いだろう」と空気を入れるのをやめていたのが、実は 2 bar 程度にしか達していなかったことが分かりました。
しかしそうなると、あのペラペラで頼りないチューブやリムテープで本当に 3 bar に耐えられるのか不安になってきます。ママチャリのタイヤ側面に書かれている空気圧(*)はさらに高い 65 psi / 450 kPa(= 約 4.5 bar)ですが、タイヤの中に使われている部品は、それよりずっと低い圧力しか掛からない前提で粗悪なものが選定されているんじゃなかろうか。タイヤ自体も、そんな高圧の空気を入れっぱなしにしたら数日もしない内にゴムが伸びてひび割れが始まってしまうでしょう。
* この表示、標準空気圧だと誤解させますよね。タイヤが耐えられる最大の空気圧しか書かれていない場合が多いように見受けられます。しかしチューブの説明書にも「タイヤに表示されている標準空気圧に従ってください」などとしか書かれていないので、誤って限界ギリギリに入れてしまう人が多いんじゃないだろうか。タイヤには上限と下限の両方を表示して、チューブの説明書には体重や荷物の量に応じた適正圧力のグラフを載せた方が良いと思います。
ともあれ、これでロードバイク、MTB、ママチャリの全てを仏式バルブで統一できました(前二者は最初から仏式だった)。やっと空気入れを一本化できます。
チューブ交換はホイールごと外さなければならないので、
ついでにハブの分解とグリース注入、玉当たり調整もしました。
前回の分解整備が2014年10月だったので、中のグリースはさぞ茶色に変色し、カラカラに干涸らびているだろうと予想していたんですが、開けてみると意外にも綺麗な緑色のままで、わざわざメンテナンスする必要はありませんでした。そんなにシール構造が密なようには見えないんですが、なんでこんなに長期間保ってるんだろう? 雨の日にも何度か乗ってるのに。
2017年9月28日追記{タイヤ空気圧を 3.0 bar にして近所を走ってきました。いやー、転がる転がる。とても軽快に走るようになりました。ハンドリングも機敏になって、まるで別の乗り物になったみたい。路面の凸凹の衝撃は少し大きくなりましたが、ロードバイクよりは快適です。
ただ、個人的には乗り味の変化より、道具の状態を数値で把握できるようになったという喜びの方が大きいです。あと、バルブからポンプヘッドを外した時の「パシュン!」という小気味良い音も。英式バルブだとこれが「フシュゥゥ〜」という間抜けな音なんですよね。
}