2018年12月26日水曜日

未分離区間の残るCycle Superhighway 2

ロンドンの自転車旗艦ルートの一つ、Cycle Superhighway 2は当初、
  • 既存の車線の一部分を帯状の青色に塗ったり(つまり自動車に踏まれる前提)
  • バス停・路上駐車ベイの周辺ではそのペイントすら打ち切ってピクトグラムだけ点々と設置する
といった粗悪な整備手法が採られていました。その後、サイクリストの死亡事故が続発し、市民から猛反発されたことで、当初整備から僅か数年後には、車道から縁石で分離された、正真正銘の専用通行空間として生まれ変わったのですが、必ずしも整備区間全体に亘って縁石による分離が一貫している訳ではありません。

実際のところ何パーセント分離できているのか知りたかったので、航空写真やStreet Viewを参考に地図を描いてみました(とりあえず下り線のみ)。



線を引いたのは、高さのある分離工作物(縁石、樹脂ボラードなど)が連続的に設置されているか、自転車道が車道面から嵩上げされている(= stepped cycle track)区間です。ボラードは設置間隔が2メートルくらいまでなら連続的な分離と見做すことにしました。一方で縁石は、搬入作業用や車道横断用と思われる短い切れ目でも不連続と見做しています(今のところは)。それから交差点内は当然分離がないので、青いペイントで自転車横断帯が引かれていても「分離」の延長には含めていません。

結果、整備区間の西端のAldgate (地図)から東端のStratford(地図)までの約6.0kmのうち、分離区間は約2.9km(約48%)であると分かりました。

特に、Aldgateを出発してすぐのWhitechapel Station付近(地図)は約450mもの長さに亘って、構造的分離どころか自転車レーンも無く大判のピクトグラムが点々と置かれているだけの状態です。自転車通勤初心者には厳しそう。反対側の上り線は構造分離型に改修済みなんですが……。

もう一つの大きなギャップは死亡事故の多発で悪名高いBow Roundaboutを通過した先の区間(地図)で、約250mに亘り視覚的分離の自転車レーン(白の実線で区分されているので、自動車の侵入が法的に禁じられている正式なもの。mandatory cycle lane)が引かれています。

そして東側の終端部(地図)は、一度は縁石分離の自転車道として完成したものの(元あったバスレーンを丸ごと転換したため一番広いところで幅3.5mほど)、最後に撮影されたStreet Viewでは、道路工事の影響で縁石が剥ぎ取られ、幅が半減して自転車レーンになった姿が写っています。