一部区間は細長い植栽桝で歩行者空間から分離されているのが特徴
環状3号線(都道319号)の赤羽橋交差点から西の歩道上に自転車通行空間が500mほど整備されています。この記事では南側歩道の通行空間を、首都高都心環状線の芝公園料金所付近(地図)から見ていき、最後に空間再配分の例を示します。
なお、整備区間は南北歩道とも自作の自転車通行空間マップ(該当地点のURL)に反映済みなので、併せてご覧ください。
現況観察
東側の起点付近は路上駐輪で塞がっていて使えない
首都高入り口の交差点
首都高に入る車と鋭角に交差する
都道319号の車道は両端がパーキングメーター
路上駐車に塞がれない利点はあるものの、車道を選ぶ自転車利用者も見られた。
自転車通行空間は交差点だけでなくバス停の周辺でも途絶
通行区分はあまり守られていない
都内でよく見るリムジンの車庫があった
基本情報
横断面構成
現況の横断面(推定)
東京都建設局の道路平面図によれば、左右の歩道がそれぞれ6.02mと6.10m、車道が上下線とも8.05mずつ、中央分離帯が1.83mで、合計30.02m幅です。
東京都建設局 (no date) 23区内都道検索・閲覧システム. Available at: http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/road/information/todoukensaku/index.html (Accessed: 24 June 2019).
交通量
この路線の自動車交通量は1985年に24,011台/12h(両方向合計)でしたが、長期的に減少傾向にあり、直近の2015年調査では18,215台と30年前の約3/4の水準になっています。大型車混入率は12.3%と高めです。自転車は1,745台/12h(両方向合計)、歩行者は6,409人/12hでそれほど多くありません。自動車、自転車、歩行者の交通量をそれぞれに配分された空間幅で割ると歩行者が最も多くなります(自動車は16.1m、自転車と歩行者はそれぞれ4.0mとして計算)。
東京都建設局 (2017) 平成27年度道路交通センサス一般交通量調査結果 3-2-4 交通量調査(区部)観測地点別調査票(主要地方道). p.446 (pdf p.154). Available at: http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/content/000028559.pdf.
周辺地域の自転車環境
この道路で自転車交通量が少ない要因としては、安全に通行できるインフラが周辺地域に整備されていないことと、地形が坂がちであることが考えられます。ただ、川に沿って移動すれば田町、浜松町、新橋や、麻布十番、白金、恵比寿、渋谷など、意外と遠くまで坂を上り下りせずに移動できます。remix案
乗用車よりも効率の高い交通モードに空間を重点配分し、全体として交通容量の増加を狙う案がいくつか考えられます。
バス専用車線を設け、街路樹の間に駐車枠や駐輪ラックを取り込むパターン
緑化軌道のトラムを引き、停留所付近では駐車枠を道路片側に集約するパターン
まあ幅が30mもあるので色々やりようはありますね。ただ、ユトレヒトの事例を見てしまうとこれでも旧来の思想に囚われた控えめな転換に思えてしまう……。
Wagenbuur, M. (2019) Utrecht’s Disappearing Roadways, BICYCLE DUTCH. Available at: https://bicycledutch.wordpress.com/2019/06/20/utrechts-disappearing-roadways/ (Accessed: 25 June 2019).