日本は含めておらず、レーンを駐停車禁止にするかどうかは個別判断です。
自転車レーンが整備されても駐停車禁止にならない。
(2019年2月撮影@都道314号)
路駐に塞がれてしまう自転車レーンの背景には交通法の違いもあるわけです。
本記事では駐停車に関するオランダの交通法と日本の交通法を翻訳付きで紹介します。
Reglement verkeersregels en verkeerstekens 1990
原文
https://wetten.overheid.nl/BWBR0004825/2018-07-01/#HoofdstukII_Paragraaf9_Artikel23オランダ政府の公式サイトには以前、同法の英語抄訳の冊子PDFが掲載されていました。以下の日本語訳でもこれを参考にしています。§ 9. Stilstaan
Artikel 23
1De bestuurder mag zijn voertuig niet laten stilstaan:
a.op een kruispunt of een overweg; b.op een fietsstrook of op de rijbaan langs een fietsstrook; c.op een oversteekplaats of binnen een afstand van vijf meter daarvan; d.in een tunnel; e.bij een bord bushalte ter hoogte van de geblokte markering dan wel, ingeval die markering niet is aangebracht, op een afstand van minder dan 12 meter van het bord; f.op de rijbaan langs een busstrook en g.langs een gele doorgetrokken streep.
2Onderdeel e van het eerste lid geldt niet voor het onmiddellijk laten in- en uitstappen van passagiers.
引用者訳
第23条
- 運転者は車両を次の場所に停車させてはならない:
- 交差点内または踏切内
- 自転車レーン上または自転車レーンに隣接する車道上
- 横断歩道またはその前後5メートルの範囲
- トンネル内
- バス停のブロック破線で示されている範囲(破線が無い場合はバス停板から12メートルの範囲)
- バスレーンに隣接する車道上
- 黄色の実線が引かれている範囲
- 前項の e は、同乗者を速やかに乗降させる場合を除く。
注釈
- 「車両 (voertuigen)」には「自転車 (fietsen)」も含まれます(同法第1条の定義)。
- この条は「停車 (stilstaan)」だけを禁止していますが、停車が禁じられれば必然的に駐車もできないので、実効上は「駐停車」と同義です。
- 同法第50条が「道路利用者は緊急車両の通行を優先しなければならない (Weggebruikers moeten bestuurders van een voorrangsvoertuig voor laten gaan.)」と定めているので、これが停車禁止の例外として機能すると思われます。
- 1bにより、自転車レーン上もその隣の車道上も駐停車できませんが、自転車レーンと歩道のあいだに駐車枠が設けられている場合があります。同法第1条は「車道 (rijbaan)」を「車両の走行のための部分 (elk voor rijdende voertuigen bestemd weggedeelte . . .)」と定義しているので、この駐車枠は「車道」には当たらないようです。
- 第1項も項番号の「1」を省略せず表記しています(令和になっても日本はこれを省略する因習を断ち切れていない)。
歩道と自転車レーンの間に設けられた駐車枠(画像出典)
1eが言うバス停のブロック破線(画像出典)
道路交通法
条文
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#289(停車及び駐車を禁止する場所)(罰則 第百十九条の二第一項第一号、同条第二項、第百十九条の三第一項第一号、同条第二項)第四十四条 車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所又は停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するときは、この限りでない。一 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル二 交差点の側端又は道路のまがりかどから五メートル以内の部分三 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分四 安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分五 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)六 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
引用者訳
原文があまりに複雑で読みにくいので文構造が単純になるように組み直してみましたが、図(例えば警視庁のサイト所載)を見れば一目瞭然なので、文字情報だけで表現するという縛り自体が不毛ですね。
停車と駐車を禁止する場所
第44条
- 車両は次に掲げる場所には停車も駐車もしてはならない:
- 道路標識などにより停車と駐車が禁止されている範囲
- 交差点内と、その前後5メートルの範囲
- 道路の曲がり角の前後5メートルの範囲
- 横断歩道、自転車横断帯と、それらの前後5メートルの範囲
- 踏切と、その前後10メートルの範囲
- 軌道敷内
- 坂の頂上付近
- 急な坂の途中
- トンネル内
- 安全地帯の左側と、その領域の前後10メートルの範囲
- バス、トロリーバス、または路面電車の停留所(場)の標示柱(板)から半径10メートルの範囲(その停留所(場)を含む系統の運行時間内に限る)
- 前項の各号は次の場合には適用しない:
- 法令の規定または警察官の命令により停車する場合
- 危険を防止するため一時停止する場合
- バスまたはトロリーバスが、その運行系統の停留所(場)で乗客の乗り降りのために停車する場合、または運行時間を調整するために駐車する場合