交差点の周辺で歩道を張り出した「バルブアウト(bulb-out)」の例
(2019年11月撮影)
歩行者にとっての快適性を優先した渋谷区の意欲的な取り組みですが、張り出し部分は歩行者の動線に即しておらず、今のところはまだ単なるデッドスペースになっている所が多いです。
そもそも歩行者の快適性以前に自転車ユーザーの生存が脅かされている状況を解消すべきだと思いますが、そちらには全く配慮が為されていません。
関連資料
渋谷区土木清掃部道路課 (2017) 公共空間先進事例欧州視察報告書. Available at: https://www.city.shibuya.tokyo.jp/assets/com/000038869.pdf (Accessed: 10 January 2020).
渋谷区土木部道路課 (2019) 宮益坂における歩行者中心の道路空間実現に向けた取り組み. Available at: https://www.city.shibuya.tokyo.jp/assets/com/000041109.pdf (Accessed: 10 January 2020).
NACTO and Global Designing Cities Initiative (2016) ‘Sidewalk Extensions’, in Global Street Design Guide. Available at: https://globaldesigningcities.org/publication/global-street-design-guide/designing-streets-people/designing-for-pedestrians/sidewalk-extensions/ (Accessed: 27 January 2020).
渋谷区 (2017) 公共空間先進事例欧州視察https://t.co/JvjCcLSFGq— ろぜつ@自転車 (@rzt_ashr) January 10, 2020
区職員によるGlasgow、London、Parisの視察レポート。歩行者中心の街づくりに最大の関心があるようで、Buchanan Street、Exhibition Road、Champs-Élyséesなどを詳しく扱っています。→
無信号交差点でのバルブアウト
記事冒頭の写真と同じ場所です。
交差点周辺への駐車を物理的に阻止
デッドスペース
歩行者の動線から外れてデッドスペースと化した張り出し部分
単路の横断歩道
横断待ちの空間として定着していない。
郵便局前の横断歩道。張り出し部分が歩道であることをボラードや柵や点字ブロックが伝えようとしていますが、いまいち信用されていないですね。
急な登り坂で自動車との混在を余儀なくされる自転車
宮益坂は確かに歩行者が多く歩道の拡張が望まれている道路ではありますが、それよりもまず、自転車ユーザーが命の危険に晒されている状況を解消すべきでしょう。歩道の張り出し部分は自転車道として提供した方が良いと思います。
同じ横断歩道の反対側
車道とは別の舗装に変更されていることで多少は張り出し部分で信号待ちをする歩行者が多いですが、(横断歩行者視点で)左右の部分は完全なデッドスペースになっています。
簡易バルブアウト
歩道の張り出しではなく単なる路駐よけ
左折車はここからハンドルを切るので横断歩道への進入角度が深くなる。