前回の塗装から大分空いてしまったが、
続きで管表面に黒を塗っていく。
塗料は、高級感が出る漆風のものや、地の色が透けて見える
クリヤーブラックなど面白いものが幾つか出ているが、
プラスチック非対応だったり、(失敗が怖い)筆塗りタイプ
だったりで、結局今回は普通の黒で妥協した。
管の外側は一度に全面にスプレーしてしまうと手で
持てなくなってしまうので、歌口の左右を別々に塗装する。
写真は指孔側を塗り、空き瓶に立てて乾燥させている所。
完全に乾燥させてから、今度は、「蝉」の有る側を塗装する。
曲線部分はマスキングテープをそのまま貼ると皺になって
浮いてしまうので、1~2 mm 幅に切って正確に貼る。
(マスキングテープは細いほど柔軟に曲がる。)
また、錦が使われている部分はテープを剥がす時に
生地を痛めてしまうかもしれないので、念のため紙を挟んだ。
龍笛は重心が歌口辺りにあるので乾燥させる時は
倒れない様に注意が必要。完全に乾燥するまでは
写真の様に直置きすることはできない。
やっとできた!
歌口部分の拡大。唇を付けると まだ少しシンナー臭い。
管の終端部は導管断面の模様が再現されていないが、
面積が狭いので、彫ったり描いたりするのはかなりの難易度だろう。
三年前に吹き始めた篳篥(武蔵野楽器のプラ管)と比較。
買った時はもう少しクッキリした黒だった気がするが、
だいぶ塗料が落ちてしまった。こっちも塗り直そうか……。
ベースに使われているプラスチックの色が随分と違う。
篳篥の焦げ茶色は煤竹をイメージしたものだろうか。
あ、そういえば着物も完成したんだった。
袴に着込めるので身丈が短い長着。
前回縫った長着は腰回りがダブついたので、今回は身幅を詰め、
思い切って衽(おくみ)も省略してみたが、出来上がってみると
やたら皺が寄って着心地が悪い。かといって、皺を抑えようとすると
衿の打ち合わせが浅くなってしまう。失敗だ。
前作では黄金分割を基準に決めた各部の寸法。
今回は 2 の平方根を使ってみたが、こんな適当な方法で
美しさが得られるのだろうか? 毎回悩む。