トップのギヤ比を 4 : 1 、カセットスプロケットを1T刻みとした場合の組み合わせ例
(前 × 後ろ)
44T × {11, 12, 13, ... } T ワイドレシオ、軽い、摩耗し易い
48T × {12, 13, 14, ... } T
52T × {14, 15, 16, ... } T
56T × {15, 16, 17, ... } T クロースレシオ、重い、摩耗し難い
曲線が緩やかなほどクロースレシオ
■ クロースレシオが不要な使用場面 (2012年4月30日 全面書き換え)
日常の足として使う自転車ならクロースレシオはあまり必要無い。
停止・再加速が頻繁な街中では変速の回数が徒に増えるので
クロースレシオは却って邪魔になる。
遠乗り用の自転車でクロースレシオが有効な場合でも
スプロケットの低速側を1T差で並べる意味は薄い。
12 : 13 は 1: 1.0833 だが、
24 : 25 は 1 : 1.0416 でしかない。
高速側もクロースレシオが必要とは限らない。
スピードを出すのが下り坂や追い風の時だけなら
スルスルとスピードが伸びていくので
ワイドレシオでも何ら問題ない。
■ 変速タイミングとチェーン落ち (2012年4月30日 修正)
フロントでチェーンが車体内側へ落ちる時には必ず、
チェーンに車体内側方向への力が掛かり過ぎている。
前後ともディレイラーが適切に調節されていて、
且つチェーンの伸びも無いなら、
フロント変速時のチェーン落ちの原因は、主に
- 後ろのギヤがローだった(=襷掛けからの変速)
- 前の変速と同時に後ろもロー方向に変速した
- 荒れた路面で自転車が振動していた
- 襷掛け状態から変速しない
- 前後を同時に変速しない
- 路面の荒れが収まるまで変速をしない
それから、チェーンが伸びてくると、
上り坂や下り坂の途中で変速した時に
チェーン落ちしやすくなるのを経験した。
■ チェーン落ちを予防するギヤの組み合わせ (2012年4月30日 修正・追記)
襷掛けからの変速をしない様に習慣付けるには、
フロントのアウタースプロケットを高速域専用にし、
低速域から中速域(例えば 25~30km/h くらい)までは
全部インナースプロケットで済ませれば良い。
この様な使い方に適したスプロケットの組み合わせは、
例えばインナー 39T にアウター 50T など。
こうした組み合わせはコンパクトクランクセット(34T と 50T)に比べ
アウターとインナーの歯数差、つまり落差が少ないので変速が滑らか。
また、変速時のギヤ比の変動も少ないので、
ギヤが{軽く/重く}なりすぎる事が無く、
フロント変速時に後ろのギヤで補正しなくても良いので、
- 加速していく時にアウターに上げてもモタつかない
- 上り坂の途中でインナーに落としても失速しにくい
コンパクトクランク(34T と 50T)の歯数差を縮めるなら
インナーは変えず、アウターを 38~42T 辺りに交換する手も有るが、
そうするとアウターを普段使いする事になるので、
- フロント変速を低速域でしがち → チェーン落ち
- トルクの掛かる低速域でアウター×ローの襷掛けにしがち → チェーン摩耗
- 入門クラスのSTIレバー(ST-2200)ではアウター側でのトリム操作がしにくい
■ フロントをクロースレシオにした場合の使い勝手 (2012年5月25日 追記)
スプロケット組み換え例 (50/42T)
写真のクランクセットは50/34Tから50/42Tに組み換えた物。
・ 役割分担
無風の平地から軽い上り坂までは内側の42T一枚でほぼ間に合う。
就中、信号からの再発進では感動的な使い易さで、街中では最適だった。
長い下り坂や追い風でスピードが伸びたら、そこで初めて50Tに乗せる。
結果的に後ろのギヤが5, 6速目の時に前の変速をする事になり、
チェーン落ちの原因になる状況(アウターローからの変速)が一つ解消した。
・ ギヤ比の落差縮小
50Tと42Tの差は後ろのスプロケット1.5枚分ほどの違いなので、
加速中や坂道の入口で変速に手間取る事が無くなり、失速しなくなった。
反面、一息にギヤ比を上げたり落としたりしたい時は落差がやや物足りない。
・ 上り坂
ローエンドのギヤ比が前42T x 後26Tに上がった事で坂は苦しくなった。
百草園の坂や和田峠の八王子側は辛うじて足を着かずに登り切れたが、
これは流石にコンパクトの34Tの方が楽だった。
(この時の自転車総重量は約9.5kg、ホイールは前後で約2.3kg。)