2016年7月24日日曜日

駐停車禁止規制が少なすぎる東京の道路

新青梅街道・沼袋交差点の直後に停車している車(場所URL

新青梅街道の沼袋付近は車道幅員が約9mで単路部では片側4.5mと余裕が有りますが、交差点前後は右折車線が加わって9mを全て使い尽くしています。本来、車を停車させる余地の無い横断面構成ですが、なぜか駐停車禁止規制が掛けられていません。

2016年7月27日 反証を追加



路駐車両を追い越す自転車が対向車線にはみ出して危険ですし、車同士の関係でも、対向右折車線が埋まっていると車が通り抜けられず、流れが詰まってしまいます。

このように道路の機能維持に必要と思われる場所の駐停車禁止であっても、東京はロンドンやアムステルダムに比べて、規制に非常に消極的に見えます(駐停車禁止の標識を見掛ける場所と言えば橋の上くらいでしょうか)。まるで、大八車や牛車が行き交っていた江戸〜明治時代の素朴な道路観がそのまま生き残っているかのようです。

ですが車が大型化・高速化した現代の幹線道路では、通行空間と別に駐停車空間を用意できないなら、そこは駐停車禁止にするのが本来だと思います。現状の道路構造から言えば、かなりの数の交差点は、道路交通法44条の「5メートル」を超える範囲まで駐停車禁止にすべきでしょう。


東京の街中では滅多に見掛けない、時間帯指定・補助標識なしの駐停車禁止標識
(画像出典:StreetView@52.3780757,4.8968808

アムステルダムでは、車道幅が狭くて駐停車が即座に流れを詰まらせてしまうような場所には容赦なく駐停車禁止の規制が掛けられています。タクシーであっても停車場所が制限されるので、東京のようにどこでも好きな所で拾い、どこでも好きな所で降りるというわけにはいきません。

I amsterdam. "Taxis"
Because space in the city centre is limited, taxis cannot stop anywhere they like. To keep traffic flowing in the city at peak efficiency, stopping is not allowed at various places. This is also one of the reasons why there are so many fixed taxi ranks. View a map of Amsterdam's fixed taxi ranks.

/* 日本語訳: 市中心部の空間は限られている為、タクシーはどこでも好きな所で停まる事はできません。市内の効率的な車の流れを最高水準に維持する為に、停車禁止区間が市内各所に有ります。タクシーの客待ち場が数多く用意されているのは、これが理由の一つです。タクシーの客待ち場の地図はこちらで見られます。*/


これに比べると、東京は車を甘やかし過ぎなのではないか、その皺寄せを他の道路利用者に押し付けているのではないかと思えますね。



2016年7月27日追記{

綺麗な反証を見つけました。やった!

新井交差点(都道25号と都道420号)

交差点の直後に駐停車禁止(時間帯指定・補助標識なし)の標識が立っています。縁石もちゃんと連続するオレンジ色で塗られていますね。


解除標識の位置

駐停車禁止の解除位置は対向右折車線の起点と一致しています。まさしく私が「こうあるべきだ」と思っていた通りの規制です。

道路構造はちょっと惜しいですね。駐停車禁止区間であるにも関わらず、車道の中央線から左側が街渠込みで4.5m近く有り、空間を死蔵しています。心理的にも駐停車の敷居を下げており、規制と道路構造の協調が取れていません。

車道端にtokenめいた自転車ナビマークが描かれていますが、これを無視して良いなら、歩道を1.0~1.5mほど張り出して車道を狭める事が考えられます。これは同時に横断歩道の短縮にもなります。

歩道の張り出しではなく、自転車道(車から守られた専用の通行空間)に転換する手も有りますが、その場合は自転車道としての最低幅員に満たない事と、


駐停車禁止区間を抜けた先の路上駐車が課題です。車道の幅は約12m有るので、片側に双方向通行の自転車道を整備するので良ければまだ可能性は有りますが……。