自転車インフラの柵、車止め、サインなどを作っている
積水樹脂株式会社のページに日本各地の施工実績が載っていて、「へー、自分が知らない整備事例がこんなに有るんだー」と眺めていたら、新潟県新潟市の東堀通~秣川岸通間整備の写真に目を引く交差点構造が。Street Viewで確認すると、もうこれ殆どprotected intersectionと呼んでも良い構造じゃないですか。現地を見た訳ではないので、この交差点構造が実際に上手く機能しているかどうかは分かりませんが、基本的な発想は悪くないはずです。
にしてもこの整備事業、2008年のものなのに、その後2012年11月に発表された国交省「
安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」の交差点設計(p. II-29 - II-60, pdf pp. 61-92)にはその知見がまるで活かされてないですね。事業報告は国交省の研究会に出されているので国交省も認知はしたはずですが、「自転車は車道を走るべし」という自らの思想に反する事例として意図的に排除したのかもしれません。
関連資料
新潟国道事務所(2008年6月17日)「
新潟市中心部での自転車専用道の設置について(工事報告)」
横断面構成や標識の他、樹木の根の対策、バス停部の設計、点字ブロックなどの工夫について書かれています。
早川 博・武藤 正広・神田 裕史・山本 彰(2008年10月)「
新潟市における自転車通行環境整備事業の実証」『国土交通省国土技術研究会報告』pp. 122-126
アンケート調査の結果、自転車道の幅員が狭い事を除けば高評価だったと報告しています。ただし通行位置の遵守率は不明。