疋田さんの「週刊 自転車ツーキニスト」747号に、如何にもトロールめいた画像が引用されています。
■なんか腹立つイラストこれが本当に釣り画像であれば作成者をほくそ笑ませるような見事な釣られ方をしている疋田さんですが、その前に、これがどういう文脈から出てきた画像なのかを確認しましょう。
ヒキタっす。ちょっとお久しぶり。これご覧ください。
https://mobile.twitter.com/urbanthoughts11/status/898082061281619968/photo/1
ドライバーのセリフ“Damn those bike paths and bus lanes taking all the space!”は「くそっ、この忌々しい自転車レーンとバスレーンが、道路の全部を占めてるゼ!」とでも訳しましょうか。
なにが“all the space!”だっての。
って、マンガの登場人物に怒っても仕方ない(笑)。
疋田さんがメルマガに記載したURLは、下記ツイートの添付画像のURLです。
Some people simply cannot see their own privileges.pic.twitter.com/OOAFtowERL— 21st Century City (@urbanthoughts11) August 17, 2017
数クリックすれば分かるように、このツイート投稿者はコペンハーゲンの都市計画学の修士で、車依存に批判的な人です。
Urban planning isn't rocket science. pic.twitter.com/uecBypgLBb— 21st Century City (@urbanthoughts11) October 4, 2017
つまり吹き出しの中のセリフは皮肉であって、投稿者自身の考えではありません。これはツイートの文、“Some people simply cannot see their own privileges. (自分に与えられている特権が見えていない人もいる)” からも明示されています。
ただ、この画像はコピーが爆発的に拡散しているので、果たしてこれが皮肉のために作られた画像なのか、それとも本気でこう考えて(あるいは炎上を狙って)画像を作った別の人物がいるのかは、検証が難しいです。
それともう一つ押さえておくべき点は、この吹き出しは後から追加されたもので、オリジナルの作品にはなく、大元の作者、Fabián Todorović Karmelić氏の表現意図は道路空間配分の不公平さを戯画化することだったということです。
こういった込み入った背景のある画像ではありますが、前記ツイートに添付された加工画像のURLを知っているということは、疋田さんはそのツイートの本文も見ていると考えられるので、疋田さんが故意に釣られたふりをして読者の関心を集めようとした可能性も否定できません。
もしそうなら、注目を集めて世論を掻き立てることが疋田さんのテレビ屋としての本能だということは分かりますが、オリジナルのアーティストへの敬意を払わず、改変された画像だけを、それが発表された文脈から切り離して紹介する手法は、あまり褒められたものではありませんね。