2020年6月30日火曜日

【ユトレヒト】大型丁字路における自転車通行空間の設計例

日本では、左折レーンが複数ある交差点や、左折レーンの信号が先に青に変わる交差点で(車道を走る)自転車はどうすれば良いのかという話題が一向に絶えません。その問題を解決する交差点設計のヒントがユトレヒト中央駅の東にあります。

AmsterdamsestraatwegとDaalsetunnelの交差点

Google Earth画像(52.094820° 5.109314°)を元に、通りの名前を追加。さらに歩道を薄灰色、自転車道を赤色、交通島を灰色で強調表示しています。
  • 複数の右折レーン(日本の左折レーンに相当)
  • 車道から完全に分離された自転車道(fietspad)
    • 運河側(左)は一方通行で約2.5m幅、駅側(右)は双方向通行で約4.0m幅
    • 直進(丁の字の横画部分)や右折は常時可能(信号とは無関係)
    • 双方向通行の自転車横断帯はすれ違いが容易な幅と明確なマーキング
  • 自転車道に隣接する歩道は狭め(徒歩移動する人が少ない)
    • 薄灰色の点字ブロック
    • 自転車道を横断する箇所のゼブラは省略(参考記事


上の空撮で交差点の右下に当たる位置のStreetView
  • 子供乗せ自転車の人も含む多種多様なユーザー
  • 停止線手前の路面にループコイル感知器(自転車用信号を切り替える)
これと見比べると、日本で自転車利用者が車からの巻き込みや追突のリスクに怯えながら車道の只中で待つ光景がいかに異常なものかが際立ちます。歩道通行の方がまだネーデルラントに近いですね。