梃子の原理で言う力点と作用点に相当します。
ならば、ノーマルクランクよりコンパクトクランクの方が
チェーンリングの直径が小さい(作用点が支点に近い)分、
同じギヤ比でも梃子比が大きくなって坂に強くなる?
もしそうなら、全体重を掛けても登れない激坂が
攻略できるようになるという事なのでしょうか。
計算してみました。
支点はボトムブラケット軸、力点はペダル軸、
作用点はチェーンリングの歯と見做す事にします。
支点から力点までの距離(クランクアーム長)を165mmとして、
支点から作用点までの距離(チェーンリング半径)は、
- ノーマルクランクの小さいチェーンリングは39Tなので、78.83mm
- コンパクトクランクの小さいチェーンリングは34Tなので、68.72mm
以上から、
- ノーマルの梃子比は165 / 78.83 = 2.09倍
- コンパクトの梃子比は165 / 68.72 = 2.40倍
が、梃子は後ろのギヤにも有ります。
支点は後輪ハブ軸、力点はスプロケットの歯、
作用点はフリーボディーの外周と見做す事にします。
前後のギヤ比は1.5とします。
- ノーマルクランク39Tに対しては26Tのスプロケット
- コンパクトクランク34Tに対しては22.66Tのスプロケット(現実には無い)
- ノーマル39Tに合わせる26Tが52.55mm
- コンパクト34Tに合わせる22.66Tが45.82mm
分解する道具が無く実測できないので仮に18mmとします。
以上から、
- 26Tの梃子比は52.55 / 18 = 2.92倍
- 22.66Tの梃子比は45.82 / 18 = 2.55倍
前後の梃子比の値を見ると、
コンパクトクランクはノーマルクランクより14.7%梃子比が大きくなりますが、
後ろのギヤは逆に26Tが22.66Tより14.7%梃子比が大きくなり、差し引きはゼロ。
という事で、ギヤ比が同じならどちらを選んでも同じでした。
やはり両者の違いは一般に言われているように、
前後のギヤを組み合わせた時のギヤ比の分布と
チェーンの摺動抵抗のようです。
(MTBならチェーンの最低地上高という要素も?)