2012年10月27日土曜日

多摩川サイクリングロードの問題

2015年2月26日 全面的に書き換え

記事を書いた当初は問題の背景や経緯をよく知らず、府中市を一方的に批判してしまいました。読んで気分を害された方にお詫び申し上げます。

記事の内容は全面的に書き換えましたが、元の版はローカルディスクに保存してあるので、必要な方はtwitterでお知らせください。


多摩川サイクリングロード(通称)の関戸橋付近





趣旨説明の看板には次のように書かれています。
「府中多摩川かぜのみち」は、歩行者優先です。
事故防止のため、一般道路と同様の交通ルールで、通行してください。

●散歩やジョギング等をする方は、みちの右側を通行しましょう。

●自転車は、みちの中央の左側をスピードを落とし、走行しましょう。
歩行者の近くでは徐行してください。

私はこの看板を初めて読んだ時、それぞれの方向に通行する自転車と歩行者の4者が
←歩行者
自転車→   
←自転車
歩行者→
このように同時にすれ違う図を想像し、府中市はそんな曲芸めいた通行方法をさせようとしているのかと考えました。というのも、
  • 舗装部分の幅員 3.0 m(目測)
  • 歩行者の身体幅 0.5 m(*1)
  • 自転車の最大幅 0.6 m(*2)
と仮定して空間の余りを均等に割り振ると、4者の間の側方間隔はそれぞれ約0.27 mしか確保できないからです。これでは自転車が徐行(例えば10 km/h以下)したとしても歩行者を不安にさせかねません。
*1 日本人の最大身体幅は、1991年の調査では青年男性の95パーセンタイル値で51.5cmです。

*2 大多数の自転車の幅は、ハンドルを握った手も含めて60cmに収まります。前後サスペンション付きの本格的なMTBだと75cmに達する製品も有ります。

それくらいなら、
  • 歩行者も自転車も左側通行
  • 自転車が歩行者を追い越す時はnメートル以上側方間隔を取る
  • 歩行者が多かったり対向自転車が来ていたりしてnメートルの側方間隔が取れない時は追い越しせずに待機する
というルールにすれば良いのでは、と思いました。

ただ、記事の公開後、歩行者の右側通行については安全上の効果がそれなりに発揮されたという意見が有る事も知ったので(客観的な根拠は見付けられませんでしたが)、早計な判断はするものではないなと反省しました。


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府中市の看板でもう一点問題が感じられたのは、
歩行者の近くでは徐行してください。
という部分です。

ヒトの速度認知は慣れによる狂いが生じるので、歩行者がいない区間をずっと高速で走ってきた自転車は、自分では充分減速したつもりでも意外と速いままという事が有ります(高速道路から降りると一般道の流れが50km/hでも物凄く遅く感じるのと同じ原理)。

歩行者に恐怖感を与えない徐行速度を客観的に示せば、少なくともサイクルコンピューターを装着している自転車の乗り手には役に立つのではないでしょうか?


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ただ、休日の昼下がりなどに行くと分かりますが、関戸橋から郷土の森辺りは歩行者も自転車も非常に多く、同一の空間で共存できる通行量水準はとうに超えているという印象です。

問題を根本的に解決するには、歩行者と自転車それぞれに専用の通行空間を提供して両者を空間的に分離する必要が有ると感じます。(歩行者には既存の天端の道路を、自転車には河川敷に道路を新設してそこを割り当てるなど。)

もし地元自治体から予算が出せないのであれば、都や国が前面に出て整備し、あのストレスフルな状況を解消してほしいです。