フランス語での発音/lwigaʁno/はどっちかいうと「ルイガハノ」に近い。
創設者本人によるフランス語での発音
また、ケベック州のフランス語では r を 舌尖または口蓋垂の
顫動音で発音する事も有るから、「ルイガルノ」に聞こえる場合も有るだろう。
一方、Louis Garneau を英語の枠組みで発音すると/luːwiːgɑ˞noʊ/ となる。
これをカタカナ表記するなら「ルーウィーガーノウ」が近いが、
同じく創設者本人による英語での発音
実際の発音を聞くと「ルイガノ」と聞こえる。これは恐らく、
冒頭の「ルーウィー」を、「『ルイ』をゆっくり丁寧に発音している」ものと誤解して
テンポ認知が狂い、後半も同じテンポで音節が刻まれると予測して、
/gɑ˞/のr音と/noʊ/の二重母音の後半を聞き落とした結果だろう。
(どちらも日本語の音節の枠組みには無い音だから認知ミスが起こりやすい。)
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日本では去年、代理店が競技用モデルを
別ブランドに分離して Garneau とし、「ガノー」と読ませている。
同じ Garneau の綴りから「ガノ」と「ガノー」の二通りの表記が
出てくるのは甚だ不可解だが誰も指摘しない。
元のフランス語の発音に準拠して表記するなら、
「ガハノ」、または r が弱化したと仮定して「ガーノ」。
英語なら「ガーノウ」辺りが妥当なところだろう。
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外来語をカタカナで表記する伝統は昔から有るが、
最近の表記は本来の発音から掛け離れ、
謎の「カタカナ語体系」に合わせて歪められる例が多い気がする。
特にフランス語は正確な発音を知る人が少ないからか、
「カタカナ・フランス語」とでも呼ぶべき体系が生まれてしまった。
上に挙げた「ガハノ」の例が「フランス語っぽくない」と感じるなら、
それは「フランス語らしさ」の認識が
カタカナ・フランス語という虚像で歪められているからだ。
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そんな虚像を作って何か意味が有るのかねえ。
昔の「テケツ(英 ticket)」みたいに、そのまま読んでも
通じるカタカナ語の方が遥かに有益だと思うのだが。