2015年8月18日火曜日

道志みち・富士山麓ライド (3)

2015年8月24日 当初掲載していた写真は全てシリーズ記事の (2) に移しました。

ハリモミ純林を抜ける自転車道っぽい歩道(山中湖村)

シリーズ3回目は西湖から道志みちを経て東京までの復路です。道志みち往路、富士山麓一周ライドと同じく、富士五湖サイクルツアーの経路・通行方向を参考にしました。
この「通行方向」が肝だという事を、実際に現地を走ってみて痛感しました。



出発前にカメラケースのベルクロ剥がれ問題を手縫いで直しました。

西湖。往路では南岸を通ったので、復路では北岸を回る事にしました。
河口湖畔より更に車が少なく、親子でサイクリングしている人も見掛けました。

続いて河口湖の南岸を回り、河口湖大橋で北岸に渡ります。

雲が分厚いです。

河口湖大橋を渡り終えた所。
レンタサイクルで歩道を走る外国人カップルとしばらく同じペースになりました。

歩道は狭く、所々支柱が立っています。
ブロック舗装なので自転車の乗り心地は悪いです。
車道は幅員に余裕が無く、自転車も車の渋滞に嵌まります。

猿回し劇場近くの交差点。直感的に分かりにくい構造なので、
路面の色分けで案内しています。

追坂トンネルは左側のみ歩道が整備されています。
富士五湖ライドのコースがこの区間を必ず北向きに
走るように設定している理由が分かりました。


車道はトンネル内も幅員の余裕が無いので、
自転車は歩道を走った方が良いですね。
歩行者は全くいません。

トンネルを抜けて振り返ったところ。
やはり歩道が片側にしか有りません。

進路前方。とうもろこしの屋台の辺りで反対側にも歩道が現われます。

追坂トンネルを抜けて最初の十字路で右折します。
1車線×2方向の道路同士の交差点にしてはかなり大型です。

画面奥に見えるトンネルに向かいますが、道の先がどうなっているのか分からないので、
とりあえず道路左側の歩道を進んでみます。横断歩道を渡った先は交通島で、
その奥に車用の左折バイパスが走っているのが見えます。
左折バイパスは曲線半径がかなり大きく取られており、
横断歩道のゼブラも引かれていませんでした。

そして交差点を曲がった先も「止まれ」などの路面標示は無く、
合流用の付加車線を用意するという贅沢な造りです。
車が速度を維持したまま左折できる事を優先した設計ですね。

一方、歩道上には支柱が立っていて、有効幅員が半分ほどに削られています。
反対側の歩道を見ると、トンネルには繋がっておらず、山の中に消えているようです。
ここでもやはりサイクルツアーのコース設定は、道路の左側を走っていれば
自然と安全な通路に入れるようになっていますね。

新しく開通した新倉河口湖トンネル

トンネル内の歩道はコンクリート舗装に変わります。
路面は滑らかですが、継ぎ目の衝撃が有ります。

反対側には歩道が無く、細い通路が設けられているだけで、
その部分も看板が置かれて塞がれています。
普段から人が通る事は基本的に想定してないですね。

トンネル出口。通路はここで途絶しています。本当に非常用ですね。

2011年10月。着工とも竣工とも書かれていませんね。
供用開始は今年2015年3月27日だったようです。(参考URL

トンネル内の天井には一定間隔でファンが設置されていました。排気用?


このトンネルは河口湖側から入ると下り勾配になっています。逆側から入ると約2.5kmに亘って延々と登りなので、かなりの時間、車の騒音と排気ガスに曝され続ける事になります。富士五湖サイクルツアーは全てのコースでここを下りで駆け抜けられるように通行方向を設定をしています。本当によく考えられているなあと唸りました。

トンネル中央に退避スペースが有りました。通過してから振り返った図です。
自転車にとってはかなり急な屈曲なので、柵に激突しないように注意が必要です。
こんな長いトンネルを通る歩行者がいるのか疑問ですが、
設計上は歩行者しか想定しておらず、
自転車にとっての視距や線形は考慮されていないですね。

トンネルを抜けてY字分岐を左折すると県道717号です。
2車線×2方向の幹線道路で、車道は流れが速いので歩道に上がりたくなります。
道の脇に道祖神が祀られていましたが、石碑と周囲の雰囲気がちぐはぐなので、
どこからか移設したのかもしれないですね。

県道717号から今度は国道139号富士見バイパスに入りました。
車道は2車線×2方向ですが、幅員の余裕が無いので、
登り基調だと車との速度差が大きくなりすぎます。
富士五湖サイクルツアーは登り方向にコースを設定していますが、
ここは歩道を通らないと危険でしょう。

自転車横断帯の配置(笑)

バイパス沿いはファスト風土化しています。
旧来の中心市街を車から守る為ではなく、
市街地を新たに拡張する為の道路という性格が明確ですね。

問題は、市街地の物理的な面積が広いかどうかではなく、
機能的な面積がコンパクトに収まっているかどうかだと思います。
住・学・職・商などの諸機能を徒歩圏・自転車圏に収めた小ユニットが
集合する事で、結果的に広い市街地が形成されているなら良いのですが、
富士吉田市は一つの(或いは少数の)大ユニットが置かれ、
街の機能が広範囲に分散し、車依存を加速させているように見えます。

アジア圏からの観光客が多いのが免税の旗から分かります。


平日の14時頃です。駐車場はそこそこ埋まっていますが、

駐輪場はガラ空きでした。

沿道には田んぼも残っています。


そしてファナック・イエロー発見!

139号富士見バイパスから138号旧鎌倉往還に入りました。
道の左側は歩道も路側帯も無く、車の渋滞に巻き込まれます。
この辺は富士五湖サイクルツアーのコースではちょっと惜しいところですね。
しばらく行った先の富士見公園前交差点からは歩道が現われるので、
富士見バイパスではなく鐘山通りを経由した方が良いんじゃないかと思えます。


歩道は狭く、支柱や雑草など障害物も多いですが、
車の渋滞を横目に着実に進めるので良いですね。
登り坂なのでスピードは出ません。

忍野入口で138号を離れ、忍野八海に向かいます。
車は少なく速度も低いですが、道幅が狭く視距も短い割には
大型の観光バスが頻繁に通るので注意が必要です。

道なりに進むと忍草浅間神社が有りました。


巨大な本殿です。







絵馬には簡体字の他、クメール文字(それともタイ文字?)が見られます。





むしろ踏まれて気持ち良い的な表情ですね。

そのまま道なりに進むと県道717号に入って忍野村役場

1車線×2方向の狭い道ですが車はそれほど多くなかったです。


市街地の東の端に近付いたら├字路(場所)で右折し、花の都公園方面に向かいます。信号機も名前も無い地味な交差点で、しかも┬字路ではなく├字路なので、初めてのライドでは見落としやすいのではと思っていましたが、交差点の手前の路面に「→山中湖」と書いてあったので迷わず右折できました。


市街地とハリモミ純林の境界。
市街化地域の境界線がこれほど明確に見られる例は
日本ではちょっと珍しいかもしれませんね。

林の中に入るとまるで自転車道のような歩道が現われます。
ここでも富士五湖サイクルツアーの通行方向に従えば、
車道を横断せずに自然と歩道に入れるようになっています。

歩行者は全くいないので実質的に自転車道ですね。
舗装は継ぎ接ぎや隆起が多く、あまり乗り心地は良くないですが、
車と混合通行しなくて良いので快適です。

道の反対側は車道外側線の外がすぐに林になっています。
車だと停車するだけでも憚られそうですが、自転車は気軽に停まれるので、
じっくりと写真を撮れますね。




ハリモミ純林を抜けると、雲間から富士山の山頂が少しだけ覗いていました。

目の覚めるような青が印象的だったんですが、
デジカメのオートWBやプリセットWBでは
うまく再現できなかったので、RAW同時記録で帰宅後に現像しました。


花の都公園




日、英、簡体字、ハングルの4言語併記です。
自撮り棒を持ちながら歩く外国人観光客の姿が多く見られました。


花の都公園付近で717号の車道から離れ、花畑の間を縫う遊歩道に入ると、そのまま山中湖まで抜けられるようでしたが、当初の想定コースから外れていたので引き返し、富士五湖サイクルツアーのコース通り、花の都公園入口のX字路(場所)から左折する事にしました。結果的にこれは失敗で、中央線も路側帯も無い狭い道路を大量の車が抜け道利用していて快適に走れませんでした。

途中から歩道が現われる(場所)ので、そこから歩道に上がれば後は車の渋滞とは無関係に山中湖畔の県道729号マリモ通りに出られますが、その合流地点(場所)には横断歩道が無く、車の流れも途切れないので、車道を渡って湖畔のサイクリングロードに入るのはかなり大変です。私は車道の横断は無理と断念しました。

すぐ近くの明神前Y字路(場所)まで一旦逆戻りすれば信号付きの横断歩道で横断できるんですが、そこに辿り着くまでが車道の逆走になってしまうので、とりあえず、しばらくマリモ通りを時計回りに走って、どこかで信号付きの横断歩道が現われたらそこで横断しようと考えましたが、これが結構無いんですよね。しかもマリモ通りは車道の幅員に余裕が無く、道の左手はせり出した木々の死角で出会い頭衝突のリスクが非常に高いので、自転車での通行は全く勧められません。

富士五湖サイクルツアーの当日はここに誘導員を配置して参加者を安全に横断させないと、多分トラブルになると思います。

ツアーは自転車で走りやすい道・走りやすい方向をかなり頑張って探していて、このクルマ至上主義地域の中に在りながら、コースの大部分は奇跡的に繋がっているんですが、このマリモ通りとの丁字路だけは力及ばず負けたという印象を受けました。


最後の最後で苦労しましたが、
何とか山中湖畔のサイクリングロードに戻ってきました。

そのサイクリングロードですが、去年とは一変して、舗装が凄く滑らかになっています。



これは去年2014年8月に通った時の写真です。
数メートル置きに路面に横断方向の罅が入っていて、
ロードバイクの高圧タイヤで通過すると
ガタンゴトンとかなりの衝撃が来るので、
罅が来る度にサドルから腰を浮かせる必要が有りました。


グレーチングの隙間も無くなっています。

去年はこのように、

車輪が丸ごと嵌まってしまう巨大な隙間が空いていました。
日中はともかく、夜間はとても走れない危険な状態でしたが、
この問題も解消されています。

だいぶ日が暮れてきたので先を急ぎます。
河口湖から山伏峠に登るのは初めてで不安でしたが、
湖畔の平野交差点(場所)から峠バス停までは
意外にも5分くらいしか掛かりませんでした。

今まで道志みちは登り方向でしか走った事が有りませんでしたが、下りは楽で良いですね。登りだけ苦しんで下りを味わわないとか、どんな苦行だ(笑)


(カーブの外側から望遠で撮影しています。)



道の駅もコンビニも通過しましたが、やはり途中で日が暮れました。





三ヶ木(場所)で413号に入ると渋滞が延々と続いていて、排気ガスにかなりやられました。津久井湖周辺の宅地から橋本周辺に買い物や送迎に行くマイカーのようです。私は往路と同じく川尻の五差路(場所)で裏道に入ったので、そこから橋本駅までは渋滞とは無縁に進めましたが、引き続き413号を通るドライバーやライダーの人たちにとってはストレスフルな行程だと思います。


国道16号との橋本駅南入口交差点(場所)に来ました。
16号には横断歩道が無いので、歩行者や自転車利用者には、

地下道が用意されています。ただ、自転車に乗ったまま
安全に走り抜けられるような広くて見通しの良い地下構造ではなさそうですね。
私は面倒だったので車と一緒に地上を通過しました。

この交差点から橋本駅までは自転車レーンが整備されています。往路は早朝だったのでスムーズに通過できましたが、通過時刻が19時頃になった復路では両側とも路上駐車がみっしり停まっていて、自転車レーンはほぼ完全に埋まっていました。

橋本駅の駅前ロータリーにもマイカーが鈴なりに停まっていて、電車通勤の家族を郊外の宅地まで送迎するライフスタイルなのかなと想像されました。



横浜線のアンダーパス(場所
この辺りまで来るとだいぶ自転車利用者の姿が増えてきます。

セブンイレブン相模原橋本駅東店で最後の補給をしました。
セブンプレミアムのスイーツを3つにジャムパンも食べられて
残りの行程に向けた意気が大いに高まりましたが、
店先にゴミ箱が無かったので、空き容器をレジ袋に入れ、
バックパックに括り付けてそのまま家に持ち帰る事にしました。
こんな時にヘルメット用のフックが役立つとは思わなかった。


シリーズ一覧
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道志みち・富士山麓ライド (2)
道志みち・富士山麓ライド (3)

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