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荒玉水道の永福付近。
車道に「徐行」とペイントされているが、徐行って何キロだろう。
この道路は制限30km/hだが、それよりも車のスピードを抑えたいなら
20km/hなり10km/hなり数字で指定すれば良いのに。
道路交通法では「徐行」を
直ちに停止することができるような速度と言うだけで、「直ちに」が何ミリ秒なのか、示しもしない。
そのくせに法文中には「徐行」が29回も出てくる。
客観的な基準の無いルールを立てると
ドライバーに恣意的な解釈を許すし、
警察官にも恣意的な取締りを許すしで
碌な事に成らない。
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さてこの荒玉水道、荒川と多摩川を結ぶ水路で、
23区西部では稀有な一直線の道路。
永福付近は住宅街を斜めに突っ切っており、
抜け道として重宝されている。
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制限速度は30km/hだが、
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住宅街の狭い道路にも関わらず、
守らない車が多いのだろう、
「速度厳守」の立て看板が見られる。
車道部分を自転車で走っていると、30km/h出ていても、
後ろから来たタクシーにクラクションを鳴らされたりする。
10~20km/hの超過は違反に入らないらしい。
江戸しぐさでは、急ぐ人の為に道の中央を空けて譲る
というのが有るが、このマナーを曲解しているのだろうか、
全く、速度制限に対して規律が足りない。
こうなったのも取締りが緩すぎるからだ。
本来なら1km/hの超過でも見逃すべきではない。
線引きが曖昧だと際限無くエスカレートする。
ドライバーは制限速度に対して余裕を取って
標識より5km/h遅い速度を目安に運転すべきだろう。
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一般道の制限速度が低すぎると訴えるドライバーが居るが、
現在の設定速度自体、かなり車側に譲歩している。
幹線道路では40-60km/hが普通だが、
道路空間を共有する自転車や原付との速度差を無視している。
「流れが遅いとトラックの排ガスが増えるから」という説が有るが、
根拠となった実験はローラー台の上で一定速度で走らせるというもの。
都市内では頻繁な加減速が有るから、結果はだいぶ変わるだろう。
住宅街の道路で良く見掛ける30km/h制限は、
- 歩行者は音で気付くよね?
- 万一撥ねても死ぬ確率は低いから良いよね?
30km/h程度の制限速度でさえ、
歩行者や自転車の安全マージンを侵食して
初めて成り立っている事を忘れてはならない。
個人的には生活道路では20km/hを上限にして欲しい。
30km/hという数字はヨーロッパのゾーン30の真似に過ぎず、
日本の道路に適した値かどうか真剣に議論されていない。
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最初に戻って徐行の話。
道路交通法では「あれも徐行、これも徐行」と
「徐行」を濫用して定義をサボっている。
曖昧さを無くす為に、
「交差点の左折は5km/h」とか、
「このカーブは40km/h」とか、
「自転車の追い越しは相対速度差10km/h以内」 とか、
個々の状況に合わせて決めるべきだ。
そうすれば、冒頭の荒玉水道の様に
30km/hの制限区間に「徐行」標識を
上書きする愚は無くなる。