(2012年6月4日 全体的に加筆・訂正)
SPDシューズのエントリーモデル、SH-MT23。
カタログ重量611g(サイズ40、25.2cm相当)に対し、
実測重量は670g(サイズ41、25.8cm相当)だった。
(ペア重量。クリート、クリートキャップ除く。)
筆者の足はアシックスストア原宿の三次元計測によると、
- 足長: 246mm(左)、246mm(右)
- 足囲: 247mm(左)、251mm(右)
- 足高: 53mm(左)、54mm(右)
- 拇指球、小指球ともに圧迫を受けず、
- 足先に余裕が有り、
- 拇指球・小指球を結んだ線と足の中心線の交点が
丁度クリート調整範囲の中央(前後方向)に位置する。
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デザインは濃淡のグレーと黒を基調とし、鶯色の差し色が入る。
グレーは茶色味や緑色味を帯びていない、彩度0のグレー。
これ、「カジュアルなウェアにも合わせやすい」の?
ファッションについては果てしなく門外漢なので何も言わないが。
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靴紐は写真では蝶結びにしているが、
舌皮に付いているゴムバンドで邪魔にならないように纏められる。
靴紐は足先側が締め付けにくくて遊んでしまいやすい半面、
足首附近はキツく締まるので加減が難しい。
一日乗るとガバガバに緩くなるので結び直しの手間が有る。
真冬は分厚いグローブを脱いでからの作業になる。
ベルクロ式の方が機能的に便利だろうなと想像する。
爪先はカーボン繊維を模したパターンに加工されている。
前面に通気口が無いので指先は少し蒸れるが、
吸水速乾素材の靴下と合わせれば許容範囲内で、
2012年の夏は心配していた足白癬には罹らなかった。
足先部分(toe box)は幅が狭く、
使い始めは右足が内反小指ぎみになった。
半年経った今も長時間履いていると右足は内反小指ぎみになる。
(筆者の足型は甲低・幅広――
いわゆるアーチが潰れた扁平型で、
右足の足囲が3E、足幅は4E相当、
左足の足囲が2E、足幅は3E相当。)
拇指球、小指球の辺りはメッシュ生地一枚で、全く窮屈さを感じない。
2012年10月17日追記 着用時の外観
足を入れた状態。
EEの左足はアッパーの前部が窪んで影が見え、生地が余っている事が分かる。
EEEの右足は生地の余りが少ない。
右足に脚長差補正の為に段ボールを切り抜いて作ったインソールを2枚追加した状態。
インソールによる増加分を含めると足囲は約260mmとなり、EEEEに該当する。
シューホールは左右に大きく引っ張られているが、乗車中に気になる様な窮屈さは無い。
同じボリュームプラス・ラストの他の靴も試着したが、
そちらはメッシュ生地の面積が少なく、
窮屈過ぎてとても履けなかった。(SH-FN23W、SH-MT33)
シマノは伸びないアッパーに拘りが有る様だが、
硬く柔軟性に乏しい生地の所為で、ピッタリ合う足が限られ、
随分ユーザーを取り零しているのではと余計な心配をしてしまう。
(幅広ラストやカスタムフィットは上位モデルにしか
設定が無く、いきなり価格が跳ね上がるので、
入門者にとって無駄に敷居が高くなる。)
この点はSpecialized製品の方が優れていると感じる。
Sport Road Shoes (非幅広モデル)を試着したところ、
アッパーの皮がとても柔軟で足の形に沿い、快適だった。
踵には反射材が配されている。
靴底に通気口が無いので蒸れる。
真冬でさえ日中はインソールが汗でじっとり湿る。
足裏多汗症の人はトライアスロン用の
シューズを検討した方が良いかもしれない。
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クリートは靴底面から1mm程引っ込んでいる。
体重は軽い方なので(45kg)
歩いても音は鳴らないだろうと高を括っていたが、
玄関で一歩踏み出した途端、カチッと金属音。
シンデレラのガラスの靴審査で落とされる
その他大勢の心理が理解できた。
SPDシューズなら普通に歩けるかと思ったが、
結局、クリートの削れを慮ってペンギン歩きに。
とはいえ、SPD-SLシューズとは違って
靴底が全面ゴムである利点は大きい。
クリートを入れ損ねた時も土踏まずでそれなりに
ペダル(片面SPDのPD-A520)を漕げるし、
特に激坂で足を着いてしまった時の再発進では心強い。
気の毒には思うが、国内実店舗では試着だけ。
海外通販の二倍近い価格では流石に合理的な行動を取らざるを得ない。
靴の試着に特化したビジネスが有れば蟠り無く使えて良いんだけど。
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