2015年2月5日木曜日

fietsberaadの誤訳

Raalteというオランダの町で自転車利用率が高いのは何故か。

Agentschap NL が実施した調査がfietsberaadのサイトで(オランダ語で)紹介されていますが、その英語版の文が誤訳によって正反対の意味になってしまっています。



誤訳の指摘が有ったのは次の箇所です。(原文にマーカー着色を加えてあります。)

CROW-fietsberaad(2011)
High cycling percentage mainly a matter of audacity
It has a high percentage of bicycle use without any clearly visible reasons.
この町は自転車利用率が高いが、明白な理由は何一つ無い。

元のオランダ語版はこう。

CROW-fietsberaad(2011)
Hoog fietsgebruik vooral een kwestie van durf
De gemeente kent een hoog fietsgebruik zonder dat daar speciale redenen voor zijn aan te wijzen.

私もオランダ語はまだ良く分かってないので、上の指摘に頼らざるを得ないんですが、それによれば、これは"any"ではなく"one"と解釈すべきで、英語版の意味は正反対になってしまっているそうです。この指摘を反映すると、
It has a high percentage of bicycle use without one clearly visible reason.
この町は自転車利用率が高いが、これと言って目に付くような一つの理由は無い。
となります。つまり、「理由が何も無い」のではなく、
特筆するようなものは無い(が、それ以外の理由はたくさん有る)
というのが本当の意味で、それは英語版にも、文章の続きを読めばしっかり書かれています。ただ、そこまで読まない人には、そのまま正反対の意味に誤解される恐れが有りますね。

誤訳こわ。