2014年9月8日月曜日

井荻・下井草の住宅街の道路 (4)

電車が通り過ぎると、

住宅街の中を“準”幹線道路が真っ直ぐ伸びています。



井草4丁目(Google Maps の画像をポスタリゼーション処理で減色)

今回見ているのはこの地区の道路です。
道路網は比較的整然と構築されているので、
車に対する天然要塞としての性格は薄いです。


地区の道路網(Google Maps の画像を加工)

黄色い線は正真正銘の幹線道路(制限 40 km/h)、
水色の線はゾーン30に指定された住宅街の道路、
ピンク色の線は“準”幹線道路と呼ばれる道路です。

上の写真の踏切(井荻3号踏切)は
ピンク色の線と西武新宿線が交差する場所です。


踏切から北に伸びる“準”幹線道路

左側(西側)は柵で守られた路側帯が有りますが、
右側(東側)は狭過ぎて、歩行者も車道にはみ出して歩いてますね。

制限速度は 30 km/h でゾーン30内と同じですが、
ほとんどの車は 40 km/h 弱で飛ばしています。
当然、横断歩道で歩行者に道を譲る車は皆無です。


同じ場所で少し視点を変えて。

自転車が車道を走っています。
路側帯はあまりにも狭く、自転車で走るのは現実的ではありません。
サイクリストは年齢や体力や自信の有無に関わらず、
実勢速度 40 km/h 弱の車に混じって走る事を強いられます。

(並行する裏道を走るサイクリストもいます。)


東側の路側帯

狭いです。街渠込みで 1.0 m も無いかな。

車線幅も狭く(目測で 2.75 m)、白線ギリギリまでが車の走行空間なので、
横道から出て来た地元のサイクリストは足を着いて止まり、
首を突き出すように慎重に安全確認してから横断していました。


西側の路側帯

こっちも狭いです。柵が有るだけマシですが、
この柵は車から歩行者を守る為の物というよりは、
歩行者が車の走行空間にふらふら出て来ないようにする為の物ですね。

参考
JFE建材株式会社「横断防止柵」
http://www.jfe-kenzai.co.jp/product/05/06/
主に車道の乱横断防止を目的に使用されます。


“準”幹線道路からゾーン30の道路に入る。

裏道の方が空間的な余裕は遥かに大きいですね。
道路全体(縁石から縁石まで)の幅員は約 5 m です。

ここは例外的に一方通行規制が掛けられていませんが、
車は頻繁には通らないので、実質的には相当余裕が有ります。

標識を見ると、居住者以外の車両は通行禁止。
そうか、道理で静かなわけだ。


ゾーン30の内部

公園

入り口には入り組んだ形の柵が設置してあります。
線路の南の公園とはデザイン思想が違いますね。
  • 生活空間としての性格を尊重し、道路のドライバーに最徐行を求めるか、
  • それとも子供が自由に遊び回る事を制限するか。
こういう細かな所に、その地域の大人たちの価値観が出ます。
 
過去の関連記事
『自転車の安全鉄則』のウソ (1)


そのまま真っ直ぐ行けば井荻駅前

ちょっと遠くて見えづらいですが、
奥の方で自転車が道路の中央を走っています。

車にとっては細い裏道でも、歩行者や自転車にとっては
立派な大通りになり得る事が分かります。



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