西武新宿線・井荻駅
化物語の舞台探訪のつもりで行ったんですが、
ゾーン30の標識や交通実態を見て思う所が有ったので
作品とは関係無い場所もあちこち歩いてみました。
井荻2号踏切
踏切の直前まで幅の広い道路が来ていますが、
渡れるのは歩行者と自転車だけという小さな踏切です。
脇には「自転車は降りて渡ってください」という立て札。
通路の中央にボラードも立っていますが、
地元の人は乗ったままボラードの脇をすり抜けて行きます。
管理者と利用者の許容リスク水準が違うんですね。
車止めを残したまま踏切の幅をもう少し広げれば解決するのに。
踏切の南側の裏道(ゾーン30)
そこそこ幅の広い道路ですが、路側帯を広く取って着色し、
車の通行空間を視覚的に狭めていますね。
白線もグニャグニャ波打っています。
車の通行が少なく速度も低いので、道路の中央を走る自転車もおり、
実質的に、広い自転車道のように機能しています。(cf. fietsstraat)
住宅や商店が比較的小さな範囲に収まっていて、
徒歩や自転車で日常の移動が完結する。
車がバンバン通り抜ける事も無く、安心して生活できる。
これって結構恵まれた環境です。
路側帯のふくらみ部分には街路樹や電柱
うまく配置したもんだ。よく見ると、車の衝突から
木や電柱を守るボラードが添えられてますね。
道路沿いの小さな公園
公園の入り口には必要最小限の車止めが並んでいます。
柵を何重にも設置して子供の飛び出しを防いでいる公園も有りますが、
ここはそうではないですね。ゾーン30の中だからかな?
上の道路と交差する別の道路
一時停止を促す視覚効果が何種類も使われていますが、
自転車、特にママチャリは停止/再発進を嫌う乗り物なので、
完全に停止しなくても安全が保てるのなら、その方が良いです。
隅切りから顔を覗かせる車
で、この交差点は徐行だけでも出会い頭衝突しにくいように
隅切りで視界を確保しています。ナイス!
井荻や下井草の住宅街はこうなっている所が多いですね。
徐行で進みながら左右確認するサイクリスト
ただ、この隅切りを充分に活かすには道路の中央付近を走る必要が有ります。
停止線の左横に写っている(法定外の)自転車とまれマークのように
端ギリギリでは視距を最大限に確保できません。
写真のサイクリストのように、少なくとも路側帯からは出ないと駄目です。
道路の端を避ける事には、対自転車での事故防止という意味も有ります。
一般的な自転車利用者は、このような交差点では
インコーナーを攻める傾向が有るので、
こちらが道路の端を走っていると、交差点の角から突然
自転車が飛び出してくるという形になり、いとも簡単に衝突してしまいます。
ゾーン30の入り口
住宅街の中を貫く準幹線道路との交差点です。
ここから 30 km/h 規制が始まるんですね。
準幹線道路(下井草方面)
上の交差点から見た準幹線道路です。車には2車線が与えられていますが、
路側帯は非常に狭く、まともに歩けるのは片側だけです。
自転車で走ると横スレスレを車が追い越していくので
体感的な安全度はゾーン30の道路より大きく劣ります。
準幹線道路(上井草方面)
右側の路側帯には電柱が建っているので、
自転車はおろか歩行者も車道にはみ出さずには通行できませんね。
空間配分の優先順位が露骨だ。
おや? 左側の路側帯に見える速度制限標識の数字は……
30 km/h
……だな。
ゾーン30の中は 30 km/h 制限。外も 30 km/h 制限。
何の冗談だ、これ。
しかし、車の実勢速度には大きな開きが有ります。
ゾーン30 の中を走る車は住環境に配慮してか、
15 km/h くらいしか出していませんが、
準幹線道路の車は 40 km/h 近い速度で飛ばしています。
(自転車で前の車を同じ速度で追走したところ、
サイクルコンピューターの数字は 37 km/h でした。)
ゾーン30 内部の交差点
隅切りが大きく見える理由は白線の引き方にも有りそうですね。
交差点の中の赤い円は何を意味してるんだろう。
道路空間の色の使い分けは全国で統一すべきですが、
日本では各地の自治体が好き勝手に使ってしまっているので、
わけが分かりません。
「自転車とまれ」のマークはここでも不適切な位置に描かれていますね。
出会い頭衝突を避ける為にも、歩行者を守る為にも、
自転車は路側帯に入らずに走った方が良いです。
そうすると車が自転車を追い越しにくくなりますが、
いや、そもそも生活道路で車が自転車を追い越すような
スピードを出すのを容認してしまって良いのか?
交差点入り口の狭窄
軽自動車だと幅が余裕過ぎて減速せずに通過できてしまいます。
ハンプの方が車種を問わず効果を発揮できるので、
本当に速度を抑制する必要が有るならハンプを導入すべきでしょう。
ただ、私が見た限りではゾーン30内では
どの車もスピード控えめの運転だったので、
追加措置が必要なようには見えませんでした。
グニャった路側帯
白線は曲がりくねっていますが、
通行する車は道路の中央を真っ直ぐ走っていました。
白線に沿ってステアリング切らなきゃいけないほど
大型の車両は滅多に入ってこないしね。
路側帯の広い部分はゴミ収集所や簡易駐車スペースとしても使われています。
シリーズ一覧
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