パールイズミ UV グローブ(2014年式)
あまり出来の良くないグラヴでした。
お勧めできません。
今までは100円ショップの薄手のゴムイボ付き手袋を愛用していたんですが、
湿ると強烈に臭うようになってしまったので、
自転車専用のグラヴに買い替える事にしました。
過去の関連記事
夏のウェア (3) 100均手袋の実力
手や指が変な模様に日焼けするのが嫌だったので、
市販品の中ではほぼ唯一、日焼けを完全に防げそうなデザインの
パールイズミ UV グローブを選びました。が、
税抜き定価は100均手袋の実に50倍! (@Д@;
これは徹底的に使い倒して
最後の一滴まで搾り尽くさないと元が取れないな。
レビューもできるだけ詳しく書いていこうと思います。
サイズは、パールイズミの定義に拠る手囲を測ると
215 mm だったので S サイズが適合しますが、
試着すると指先が突っ張ってしまったので M サイズにしました。
手囲だと皮下脂肪の付き方で随分変わるんじゃないですかね。
それより指の長さを基準にした方が良いような気がします。
関連サイト
人体寸法データベース 1991-92
グラヴ表側
手の付け根の小指側に再起反射素材が使われています。
手信号を出した時の視認性を考慮したものというよりは、
ブラケットポジションで巡航している時に反射するよう
意図された配置のようです。ただ、幅はたったの 3 mm 。
こんなんでドライバーから視認できるんですかね?
右手の人差し指
人差し指の生地が捻れています。
(水色が指の中心線、ピンク色が手袋の指の中心線)
これはハンドルを握った時の形を考慮したとかでななく、
単に造りが悪いだけに感じられます。
親指側の側面の黒い生地が指先で幅広すぎるのが原因ですね。
また、指先の生地は 9 mm ほど余ってしまいました。
(中指から小指まではピッタリでしたが。)
余る分には縫い詰めれば良いんですが、9 mm ともなると
プリント文字の配置のバランスが崩れてしまいます。
2014年10月3日追記
{
公道で使ってみたところ、指先は余りませんでした。}
生地の捻れも気になりません。
これなら縫い直しの必要は無さそうです。
左手の人差し指の捻れ
左手の方が人差し指の生地の捻れが弱く、違和感が小さいです。
親指側の側面の黒い生地を見ると、右手のとは明らかに幅が違います。
指先はやはり人差し指だけ 9 mm ほど余っています。
縫い詰めるとしたら、単純に指先を短くするだけでなく、
人工皮革と導電生地の継ぎ目も後退させたいので、
中々複雑な作業になりそうです。
裏返したグラヴの手の甲側
手の甲を前後に通る縫い目が有りますが、
これは立体裁断の為ではなく、単なるデザイン要素のようです。
付け心地が悪くなるだけなので無い方が良いですね。
指先も縫い目が集中していて付け心地は悪いです。正直な所、
100円ショップの単純な構造の手袋の方が圧倒的に快適です。
2014年10月3日追記
{
この印象は公道で使っても変わりませんでした。}
縫い目は極力減らすか、縫い代を外側に出した方が良いです。
生地の伸縮性は(人工皮革の部分以外は)かなり高いですが、
元の寸法からして私の手や指にはガバガバでフィットしませんでした。
この点でも100均手袋の圧勝です。
手のひら側
掌と指の黒い部分はダブルラッセルメッシュで通気性はかなり高いです。
灰色の部分は擦れに強そうな人工皮革です。
中指の先端には滑り止めが付いていて、
ブレーキレバーが多少遠くても指先を引っ掛けやすいです。
これは100均手袋のゴムイボより遥かに良く効きます。
親指と人差し指の指先には導電繊維が使われていて
タッチパネルを操作できます。スマートフォンの類いは持っていないので
ノートパソコンのトラックパッドで試しましたが、感度は良好でした。
汗を掻くとグラヴの脱ぎ着が大変でタイムロスになりますし、
肌寒い季節は外気に曝すと指先がかじかんでしまうので、
これはかなり便利な機能だと思いました。
2014年10月3日追記
{
汗を掻くと手袋の付け外しはかなり大変です。}
それでもフルフィンガーなだけ、まだマシです。
手のひらのパッド配置箇所(水色)
GEL PAD と印字された部分は約 10 mm 厚の極厚パッドが
縫い込められています。それ以外のパッドは約 5 mm と控えめ。
まだローラー台でしか使っていないので、
路上での衝撃吸収効果はこれから試します。
ただ、これらのパッドの配置には大いに疑問を感じます。
ロードバイクで荒れた路面を走行する時や
長時間連続で乗車する時、特にパッドが欲しいのは、
- 親指のMP関節
- 親指と人差し指の間の水掻き部分(制動時に前後方向の荷重を支える)
- 手根骨、特に豆状骨周り
2014年10月27日追記
{
40km弱の短距離ライドをしてみましたが、}
パッドが一番在ってほしい小指側の手根骨周りがスカスカです。
折角の分厚いパッドが手の外側に逃げてしまい、無意味に。
ただ、もしかするとこれは私の手とグラヴの手囲が
合っていないからかもしれません。ひょっとして
パールの型紙は皮下脂肪多めの人が基準なのかな?
弱虫ペダルのエンディング映像でもパールのコールド
ブラック&シームレスジャージ着てたの田所さんだったし。
それと、親指のMP関節周りはやはり衝撃が直に来て
ダメージが蓄積します。ここにもっとパッドが欲しかった。
ピンク色の部分にもパッドが欲しい。
パッド配置は craftmans wharf 社 intro ブランドの
STINGER シリーズやSOLDIER シリーズの方が遥かに良くできています。
それに比べると、パールイズミのグラヴは
とてもウェア専業メーカーの製品とは思えません。
裏返したグラヴの手のひら側
三カ所のパッドの裏にはマイクロフリースが当てられていて
擦れの可能性を最小限に抑えていますが、
タグがチクチクする。
人差し指に縫製ミス
実害は無いですが、人工皮革と導電生地の切り替わり位置が
人差し指の関節とずれていて気持ち悪いので縫い直す予定です。
親指の片方に縫製ミス
生地の端が折れたまま縫い付けられてしまっています。
親指部分の修正
人差し指とは逆に、親指は生地が短過ぎて指先が突っ張りました。
過去の経験から、この突っ張りはロングライドでは地獄になると
分かっているので、本格的に使い始める前に直しちゃいます。
人工皮革の折れも一緒に直します。
元々の縫い目(水色)の糸を解き、
布端ギリギリ(ピンク色)を攻めてみました。
これで 3 mm ほどは稼げましたが、まだ 4 mm ほど足りません。
この状態で使っていくと、恐らく、
親指の爪が当たって突っ張る部分の生地が破れるでしょう。
(汗拭き用の柔らかいフリース素材が使われているので。
逆に、もし強い生地が使われていれば親指の爪が負ける。)
店頭で複数の製品を試着しているので、
親指の短さ、人差し指の長さは個体差ではないはずです。
どうもパールイズミの型紙は私には合いませんね。
もちろん既製品なので完全なフィットは望むべくもないですが、
それでも intro グラヴの方が寸法のズレが小さかったです。