東京アニメセンターで開催中の selector 展を見てきました。
会場に設置された WIXOSS の対戦テーブル(実物大模型)
selector は緻密なストーリー設定が特徴的なアニメ作品ですが、
会場に展示されている設定資料をじっくり見ると、
登場人物の部屋に置かれている小物やカードショップの店内レイアウトなど、
背景も細かな所まで考え抜かれている事が分かりました。
画面から何となく感じられる雰囲気は
そういうディテールが積み上がった結果だったんですね。
祖母が孫を大切に思い、その意志を尊重する気持ちや、
感情を押し殺して暮らす双子姉弟の関係性、
そういったものがインテリアにも現われている事で、
キャラクターの芝居が一層引き立っていたのかと気付かされます。
アニメの舞台
街中の風景の設定資料には実在の地名も書かれていました。
舞台探訪クラスタの人たちが出した答えドンピシャです。
やはり現実の街をモデルにすると空間のリアリティーが出ますね。
中学生の主人公たちが暮らす町としては
かなり意外な選択だと最初は思いましたが、
明治までは農村で、街として発展を始めてからの歴史が浅く、
どこか薄っぺらくて実体感の希薄なところが、
この作品の描く足元の覚束ない感じに絶妙に嵌まっています。
一体どうやってこんなロケ地を見つけ出してるんだろう。
モデルになった街
絵コンテは人物に簡単な矢印が付いているだけで
キャラクターが紙の上で動いているように錯覚させられます。
一朝一夕には真似できない、長年蓄積されてきた技術の高さを実感しました。
OP、ED、本編の一部が展示されていましたが、
まだ見た事が無い場面のものも有ったので、
まもなく放送が始まる2期の絵コンテかもしれません。
登場人物が持つ小物の細かい設定について、
絵コンテ上で制作スタッフ同士が議論しているのを
発見できたのは収穫でした。ただ単にリアリティーを
追い求めるだけでなく、作品として何を表現したいのか、
ハッキリとした信念が一本通っているように感じられました。