2014年10月1日水曜日

アキバ田代通りの駐輪規制

自転車がそこまで美観を損ねるか?

千代田区もまた、街中の駐輪に拒否反応を示す自治体の一つです。



高圧的なメッセージで自転車利用者を威嚇する千代田区の看板。
「放置」という言葉を恣意的に使っているのも定番の技法ですね。

自転車が停まると通行の邪魔になるように見えますが……、

実は全然問題ない。

一つ上の写真の自転車が「他人の迷惑を考えない無法者」に見えてしまうのは、
そこが駐輪を意図して設計された空間ではないからです。

逆に言えば、歩行者の動線を考慮して適切に配置された駐輪ラックが有って、
そこに自転車が綺麗に収まっていれば、自転車はもはや無法者ではなく、
整然とした街の景色の一部になります。


オランダ・アームスフォートの商店街(2010年に現地で撮影)

帯状の空間に街路樹、駐輪ラック、路上駐車枠、街灯が収められている。
(Google Street View @ 52.157551, 5.394299 より)

過去の関連記事

オランダの商店街と比べると、日本の自治体は
自転車をわざわざ悪者に仕立てている事が分かります。
そしてその上で、街中から自転車を掃討すれば
美観が手に入ると思っています。ナチス的ですね。

自治体は自転車の駐輪を「問題だ、問題だ」と言って頭を抱えていますが、
その問題を生み出しているのは自転車利用者ではなく、自治体自身です。
自分で生み出した問題に自分で苛立っているという、何とも間抜けな構図です。


(警告板が地球ロックされてる。何でだろう?)

狭い歩道では駐輪規制も合理的と言えそうです。
千代田区の問題は、場所ごとの状況を精査せずに
見境無く面的に駐輪規制を掛けている点です。

車にはダダ甘な道路構造

アキバ田代通りの車道部分は幅員 6 m ですが、
一方通行規制が掛けられているので、実質的には
停車スペース+走行スペースとして機能しています。

この通りの延長は 225 m で、
交差点周辺を除いても約 200 m の区間は停車可能なので、
停車スペース幅を 2.5 m とするなら、2.5 * 200 で
500平方メートルもの空間を車の停車の為に割いている事になります。

しかし、荷捌きの車が隙間無くギッチリと停まる事は
まず無いので、相当なデッドスペースが生まれています。
そのほんの一部でも駐輪場に転用すれば万事丸く収まるはずです。

(アキバ田代通りは車の速度、通行量ともに低く、
車と自転車を混合通行させても問題無いので、
自転車レーンなどの空間を確保する必要は有りません。)



道路の銘板


2014年10月11日追記

自治体に自転車政策の見直しを求めたい場合、
請願や陳情といった制度が使えるそうです。
千代田区の場合はこちら