アームスフォート(Amersfoort)の自転車走行環境を
Google Street Viewで見学してみました。
※Street View のキャプチャ画像には
緯度・経度を表わす数字を付記しました。
この数字でググると Google Maps 上で撮影地点が特定できます。
商店街通り (winkelstraat)
商店街道路の入口
52.157091, 5.392591
右に歩行者専用の標識が見えます。
その下には細かい字で色々と注記が書かれています。
自転車と車、それぞれが通行できる例外規定が書いてあるようです。
恐らくは曜日や時間帯を限って通行を認めているのでしょう。
商店街道路
52.155593, 5.389769
道路全体の幅はそこそこ広いですが、
車道部分には1車線分しか割かれていません。
その代わり、広大な歩道が荷卸し車の駐車スペースとして使われています。
画面右下では自転車を駐輪している人がいます。
商店街道路の全区間に亘って、ごく小規模な駐輪施設が
短い間隔で設置されています。
商店街道路の駐輪施設(2010年に現地で撮影)
ちょっとした腰掛けにも見えます(実際、腰掛けている人もいます)が、
自転車を立て掛けてチェーン錠などで固定するための構造物でしょう。
写真の物は向こう側とこちら側に1台ずつ、計2台を駐輪できます。
商店街の入口に大規模な駐輪場を一つ設置するより、
こうして小規模分散型で設置した方が、買い物客にとっても便利ですね。
商店街道路の駐輪施設(2010年に現地で撮影)
また、このような駐輪場所を用意する事で、
ショーウィンドウの前に駐輪されるのを防いでいるのでしょう。
(自転車が倒れるとガラスが割れてしまうので。)
オランダでは各都市にこうした構造物が用意されているのが普通らしく、
一見して「自転車ラック」に見えなくても、文脈効果で駐輪場所だと
理解されるようですね。それもあってか、デザインは非常に多様です。
参考 Rabobank - Amsterdam, Van Baerlestraat 店
52.355826, 4.880121
52.355826, 4.880121
こちらはアムステルダムの例です。
コンセートヘバウ (Concertgebouw) 横の Rabobank の支店で、
店先の歩道上に駐輪ラックが有ります。
大都会だけあって収用台数が多いですね。
参考 フローニゲンの商店街通り
(2010年に現地で撮影)
(2010年に現地で撮影)
オランダ北東部の都市、フローニゲンの商店街通りです。
ここでも自転車があちこちに駐輪されています。
フローニゲンの中心街(2010年に現地で撮影)
商店街ではない所でも自転車で溢れています。
フローニゲンの商店街通り(2010年に現地で撮影)
アームスフォートの商店街通りと似ていますが、
駐輪施設が無く、自転車は店舗の外壁に寄せてありますね。
フローニゲンの教会も、足元を見ると
(2010年に現地で撮影)
(2010年に現地で撮影)
どーん。自転車がたくさん止まっています。
(2010年に現地で撮影)
(2010年に現地で撮影)
アームスフォートに戻ります。
大型トラックも停車できる商店街通り
52.155996, 5.39028
商店街通りは車の通行が制限されていますが、
大型の貨物車も停められるだけの幅員を持っています。
(スペースを確保する為か、左右の歩道の幅員は必ずしも同じではありません。)
商品の搬入は買い物客が来る前に済ませているのでしょう。
商店街道路から延びている脇道(2010年に現地で撮影)
商店街通りの途中に、完全な歩行者専用の脇道が有りました。
入口に歩行者専用の標識が掲げられています。
2015年9月9日追記
{
Sint Jorespleinでした。広場とそこから延びる3本の道路からなる商店街のようです。
}
歩行者専用エリア(2010年に現地で撮影)
中を覗いてみると、アーケード通りになっていました。
自転車レーン付きの商店街通り
52.158282, 5.396278
こちらの通りはいつでも車が通行できるようです。
車道は一方通行ですが、自転車は双方向で通行できるように、
車と逆行する方向だけ自転車レーンが用意されています。
車と同方向の自転車は車道を広く使って、
1台の車であるかのように通行していますね。
自転車レーン付きの商店街通り
52.157551, 5.394299
歩道には随所に路上駐車用の切り欠きが有ります。
手前には自転車用のラックも有りますね。
このラックは1基で3台収容できます。
1本の街路樹を前後から挟むように2基セットで設置されているので、
1ヶ所では6台まで停められます。
歩行者専用の商店街通り
52.154291, 5.387391
商店街通りと中心市街の環状道路の交差点です。
左奥に延びる商店街通りの入口にはボラードが並んでおり、
車は許可された曜日・時間帯以外は通行できないようです。
実際、Google Street View でもこの通りは
データが収録されていませんでした。
自動開閉のボラード(2010年に現地で撮影)
これはセルトーヘンボス (s'-Hertogenbosch) の商店街通りです。
コミュニティー道路 (woonerf) に指定されており(右上の青い標識)、
車の通行は制限されているようです。
通りの入口には電動式のボラードが有ります。
※ woonerf は日本語では一般的に「ボンエルフ」と表記されていますが、
より原音に近いカナ表記は「ヴォーネルフ」または「ヴォーネアフ」です。
("r" の発音は方言差が激しいのでカナ表記も揺れます。)
「ボンエルフ (bon elf)」だと
「チケット11」という意味になっちゃいます。何だそれ。
横から見た自動開閉のボラード(2010年に現地で撮影)
形から分かるように、垂直昇降式ではなく、
起き上がり式のボラードです。
こういうインフラは、車道を狭く作っておくと
有効に作用しそうですね。
2車線道路では車のすり抜けを防ぐ為に
ボラードをもっと大掛かりに作らなければなりません。
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シリーズ記事の一覧
アームスフォートの自転車環境 (1) 市の概観
アームスフォートの自転車環境 (2) ネットワーク
アームスフォートの自転車環境 (3) 歩道
アームスフォートの自転車環境 (4) 自転車道
アームスフォートの自転車環境 (5) 自転車レーン
アームスフォートの自転車環境 (6) 車道
アームスフォートの自転車環境 (7) 横断歩道
アームスフォートの自転車環境 (8) バス停
アームスフォートの自転車環境 (9) 交差点
アームスフォートの自転車環境 (10) ロータリー
アームスフォートの自転車環境 (11) 踏切
アームスフォートの自転車環境 (12) 駅
アームスフォートの自転車環境 (13) 商店街通り
アームスフォートの自転車環境 (14) 広場