自転車活用推進議員連盟・自転車PT大討論会に参加してきました。
会場の衆議院第一議員会館
事前配布された叩き台を予習していたので、
「さあ、本番ではどうなるか」と期待半分、不安半分で
議員会館のセキュリティーゲートをくぐりました。
事前申し込みの傍聴希望者の数が予想を超えて、
急遽会場が大会議室に変更されましたが、それでもほぼ満席。
過去何十年も不遇が続いてきた自転車環境を
今度こそ改めるんだという闘志を感じさせる熱気でした。
会場前方の発言者席には、各党議員だけでなく、
大学教授やサイクリング協会理事、サイクルライフナビゲーターなど、
関連分野で活躍している第一級の著名人が列席しており、
日本の自転車の将来を議論するに相応しい、堂々たる陣容でした。
熱く語る谷垣大臣
当初の雰囲気では、傍聴者はあくまで傍聴者、という感じでしたが、
途中からは会場後方の席からもバンバン意見が出て、
「大討論会」の名に偽りの無い、白熱したものとなりました。
中でも、自らの実体験に基づいて発言されていた方の意見には
大きな説得力とリアリティーが有って、とても参考になりました。
ただ、討論会全体を通して私が受けた印象は、
良いものばかりではありませんでした。
1. 国交省ガイドラインの問題点に言及なし
提言(最終案)には、国と地方自治体は同ガイドラインに基づいて
自転車レーンを整備せよ、との項目が載っています(1の4)が、
このガイドラインは多くの問題点を含んだ、時代遅れの代物です。
しかし、誰もその事を指摘しませんでした。
参考記事
- 日本の自転車インフラは周回遅れ
- 国交省の自転車ガイドラインの感想 p.21 整備形態の選択
- 国交省の自転車ガイドラインの感想 p.36 自転車道の構造
- 国交省の自転車ガイドラインの感想 pp.42-47 自転車レーンの構造
- 国交省の自転車ガイドラインの感想 p.50-54 バス停部分
など。「ガイドラインの感想」シリーズは他にも
たくさん記事を書いているので、探して読んでみてください。
(今読み返すと、我ながら「いや、それはおかしいだろ」と
ツッコミを入れたくなるような部分も有りますが。)
2. 玉石混淆の海外事例を一緒くたにしている
何人かの発言者から、
どこどこの国にはこんな事例が有る。日本も見習うべきだ。
というロジックの意見が出されていましたが、
私は、このような態度は非常に危険だと思います。
自転車通行環境がほとんど整備されてこなかった日本から見れば
どの国の事例も夢のように素晴らしく思えるかもしれませんが、
実際は雲壌月鼈。
海外の自転車掲示板を覗くと、アメリカやイギリスのサイクリストが
自国の道路に非難の嵐を浴びせ、オランダの道路を称讃する、
というような構図が有ったりします。
ところが、海外視察に行く日本人は、
「今から自分が見るのは先進事例だ」という思い込みが有るからか、
疑う姿勢を忘れ、都合の悪い事実からは目を背けてしまうようです。
参考記事
今日はとりあえずここまで。
後日、追記するかもしれません。