2013年10月4日金曜日

いじめという現象の捉え方

『日経新聞』2013年10月3日夕刊の「あすへの話題」で
藤崎一郎氏がいじめ問題を取り上げていました。



コラムの最後の部分を抜粋して引用します。

イジメというのは、とどのつまり異分子の排斥だ。
/* 中略 */
多様性、独創性、個を尊重することこそが
遠回りのようでもイジメを減らす本道ではないか。

「異分子の排斥」を言い換えれば
「多様性を尊重しないこと」ですから、結局、

イジメ = 異分子の排斥 = 多様性を尊重しない

ということになり、
藤崎氏の主張はトートロジーに陥っています。

イジメを減らすにはイジメを減らすことが本道だ

ということですね。いじめの根本原因には目を向けていません。

ただ、この種の誤りは何も藤崎氏に限らず、
現代の日本が広く犯しがちなのではないかと思います。

先日成立した「いじめ防止法」も、実際は「いじめ介入法」ですよね。
いじめの発生を根元から断つ方法については何も語っておらず、
いじめが起こってしまってから子供の間に割って入るという対応です。

大切なのは、いじめの根本原因であるストレスを
如何に子供や、その親、周囲の社会から解消するかでしょう。

一人ひとりの内面でストレスが解消されない限り、
道徳教育など、外部からの刺激ではあまり効果が出ない気がします。

(表面上いじめが止んでも、それは単に子供が
ストレスと道徳規範の板挟みになっているだけかもしれない。)