2013年10月11日金曜日

アームスフォートの自転車環境 (6) 車道

オランダのユトレヒト州で2番目に大きな都市、
アームスフォート(Amersfoort)の自転車走行環境を
Google Street Viewで見学してみました。


※Street View のキャプチャ画像には
緯度・経度を表わす数字を付記しました。
この数字でググると Google Maps 上で撮影地点が特定できます。


車道 (rijbaan)

自転車専用の通行空間が無い道路
52.150562, 5.371083

住宅街の中の道路で、歩道と車道しか有りません。
この場合、自転車は車道を通る義務が有ります。

交通規則・道路標識法(RVV 1990)5条2項
Zij gebruiken de rijbaan indien een verplicht fietspad
of een fiets/bromfietspad ontbreekt.
(サイクリストは、通行義務の有る
{自転車道 / 自転車・モペッド道}が無い場合は
車道を通行すること。)
ちなみに同条には、「障害者は歩道を通行しても良い」という
規定は有りますが、老人や子供に対する同様の免除規定は有りません。


で、その車道部分ですが、この道路では煉瓦敷です。
車のスピードを抑える構造ですが、
自転車で走るとかなり振動が来ます。

ヨーロッパの日常用の自転車でサスペンション・フォークや
太いタイヤを装備した車種が人気な理由が良く分かります。

参考サイト
GIANT Nederland - Stadsfietsen (=city bikes)


車道の右端を走るサイクリスト
52.14974, 5.377597

これは日本の現状と近いですが、
日本と違って植樹帯が無いので道路空間は広く見えます。
ただ、歩道上に路駐車両が停まっている光景にはちょっと驚きました。

一つ気付くのは、サイクリストが
ちゃんと車道の端から離れて走っている事です。
ドアゾーンや出会い頭事故のリスクを読み取って、
意識的に安全マージンを確保しているのでしょう。

日本でも最近は車道を走る自転車が増えてきましたが、
往々にして端っこギリギリ、街渠の上を走っており、
安全マージン意識がまだまだ未熟である事が読み取れます。



なお、オランダの交通規則・道路標識法(RVV 1990)には、
車が自転車を追い越す際の側方間隔についての規定が見当たりません。
オーストラリアのとある自転車団体が纏めた資料では
オランダにもその規定が有る事になっているのですが、

Amy Gillett Foundation (2013)
International Precedent: Minimum 1 Metre Overtaking Distance. p.3
Countries confirmed with 1 metre minimum overtaking distance law
include Netherlands, France, and Nova Scotia (Canada).

私は見付けられませんでした。
もしかしたら RVV 1990 ではなく
WVW 1994 に書いてあるのかもしれませんが。


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シリーズ記事の一覧

アームスフォートの自転車環境 (1) 市の概観
アームスフォートの自転車環境 (2) ネットワーク
アームスフォートの自転車環境 (3) 歩道
アームスフォートの自転車環境 (4) 自転車道
アームスフォートの自転車環境 (5) 自転車レーン
アームスフォートの自転車環境 (6) 車道
アームスフォートの自転車環境 (7) 横断歩道
アームスフォートの自転車環境 (8) バス停
アームスフォートの自転車環境 (9) 交差点
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アームスフォートの自転車環境 (14) 広場