アームスフォート(Amersfoort)の自転車走行環境を
Google Street Viewで見学してみました。
※Street View のキャプチャ画像には
緯度・経度を表わす数字を付記しました。
この数字でググると Google Maps 上で撮影地点が特定できます。
駅 (station)
自転車とアームスフォート駅
ホテルのレンタサイクルで駅まで来てみました。
アームスフォート駅のカフェのサンドイッチ
畜産大国だけあって上質なチーズが惜しみなく使われています。
西口の駐輪場
52.152645, 5.370363
52.152645, 5.370363
巨大な駐輪場が、中央北口、中央南口、西口に有ります。
写真を良く見ると、前輪を固定するラックが見えます。
オランダは自転車の盗難が多いので、
自転車を「地球ロック」できる構造物は必須です。
日本のように枠線だけ引いて「はい、駐輪場」とは行きません。
これは街中の駐輪場でも全く同じで、
必ず地球ロックできるような構造物が用意されています。
参考 Rabobank - Amsterdam, Van Baerlestraat 店
52.355826, 4.880121
52.355826, 4.880121
以前はロードレースのスポンサーをしていた銀行で、
写真はコンセートヘバウ (Concertgebouw) の横にある支店です。
店先の歩道上に前輪を固定できるラックが設置されていますね。
橋上通路から見る中央南口
アームスフォート駅のメイン通路です。
橋上通路ですが、南側は地上と同一レベルになっていて、
自転車を押してそのまま入る事ができます。
アームスフォート駅の橋上通路(南口)
日本の鉄道駅と違って改札は無く、信用乗車方式なので、
この通路が線路を跨ぐ南北自由通路を兼ねています。
自動改札機のような狭隘箇所が無いので、
自転車を押して移動するのが楽です。
アームスフォート駅の橋上通路(北口)
北口は橋上通路が2階相当なので、エレベーターか階段で地上に降ります。
エレベーターは自転車対応です。
OV-chipkaart の読み取り機
改札が無い代わり、駅構内には随所にこの読み取り機が点在しています。
OV-chipkaart は日本の SUICA に似た非接触式のカードで、
乗車駅と下車駅のそれぞれでカードを読み取り機にかざす事で、
予めチャージしておいた分から運賃が差し引かれます。
(乗車駅でタッチを忘れると高額なペナルティーが課されます。)
読み取り機は駅構内の一ヶ所に集中的に設置するのではなく、
コンコースやプラットフォーム上などに
一台ずつ、ぽつん、ぽつんと置かれています。
恐らく、乗客の動線を分散させて混雑を防ぐための配慮でしょう。
この分散配置はまた、自転車を電車に持ち込む人にとっても好都合だと思います。
いくら自転車をそのまま電車内に持ち込めるからと言っても、
駅構内では邪魔になってしまいます。しかし分散配置であれば、
人の通行が少ない場所の読み取り機を選んでタッチできますね。
広いプラットフォームとエレベーター
アームスフォート駅は日本の都市部の鉄道と比べると
あまり乗降客が多いとは言えませんが、
プラットフォームは途轍もなく広いです。
エレベーターの扉
プラットフォーム階で扉が線路側を向いています。
日本の狭い鉄道駅ではプラットフォーム上のエレベーターは
扉が線路側を向かないように設置されますが、
この駅では広大なプラットフォームを良い事に、
自由な向きで設置されています。
橋上通路階の動線などが重視された結果かもしれません。
右手の灰色の支柱は OV-chipkaart の読み取り機です。
コンコースに限らず、プラットフォーム上にも幾つか設置されています。
エレベーターに自転車を載せる乗客
エレベーターは奥行きが充分に有り、普通の自転車を
そのまま載せる事ができます。横幅は狭いですが、
2台横並びで載せる人もいます。
アームスフォートのローカル列車と自転車
これはシュールな画(笑)
日本で染み付いた既成観念がボロボロ崩れて行きます。
点字ブロックからフォームの端までの距離が
日本より長い事にも注目です。
点字ブロック自体も二重に敷かれていますね。
ホイールと電車
この構図も日本の鉄道駅ではまず撮れません。
車内の折り畳み自転車
停車中の2階建て車両を撮影。
車内に折り畳み自転車が置かれています。
車両は自転車の出し入れに便利なようにか、大型の両開きドアです。
ブロンプトンっぽい自転車を押す乗客
後述の通り、折り畳み自転車なら時間帯・車内での置き場所を問わず、
無料で持ち込めます。
フローニゲンまで小旅行
自転車インフラが進んでいる事で有名な北東部の都市、
フローニゲンまで小旅行してみました。
車内の注意書き
自転車のアイコンが有りますね。何と書いてあるのでしょうか。
注意書き(上段のオランダ語部分)
Geheel opgevouwen
vouwfietsen mogen
gratis mee. Niet
opgevouwen fietsen
alléén tegen betaling,
buiten de spits, op de
daarvoor bestemde
plekken.
上の原文の(ほぼ)逐語訳
Completely folded folding bicycles
are allowed (to take in) with (you) for free.
Non-folding bicycles (are allowed) only in exchange for payment,
off the peak time, at the previously assigned places.
注意書き(下段の英語部分)
A folded bicycle may be carried
free of charge. Other bicycles
may be carried only outside
peak times and you will need
to pay an additional charge.
あれ? 蘭語と英語で書いてある内容が微妙に違うぞ。
いずれにせよ、折り畳み自転車は携行無料という事で、
オランダでも人気が有るようです。
逆に、スポーツバイクのように前後の車輪を外して
輪行袋に詰めるという、日本で最近増えているパターンは、
この注意書きでは想定していないようですね。
フローニゲンに到着
おー、自転車をそのまま載せて来た人いたんだー。
フローニゲン駅の櫛形プラットフォーム
フローニゲン駅は島式の 6, 7 番線以外は櫛形のプラットフォームなので、
電車を降りたら駅を出るまで階段が一切有りません。
自転車を押し歩きしての移動がとても楽です。
フローニゲンのローカル列車
自転車のおじさんがドアを開ける為にボタンを押しています。
寒冷地仕様ですね。
プラットフォーム上で自転車を押す乗客
これはユトレヒト中央駅だったかな?
丸っこい犬型電車を撮るだけのつもりでしたが、
自転車も写り込みました。
車体側面の自転車マーク
上の注意書きのオランダ語で書かれていたのはこれの事でしょうか。
折り畳めない自転車の指定搭載スペース。
2階建て車両の車端部が割り当てられています。
(全車両ではありません。)
アムステルダム中央駅のエレベーター
国際列車も乗り入れ、乗客もそこそこ多いアムステルダム中央駅。
(新宿駅よりは全然少ないですが。)
ここでも駅構内で自転車が見られました。
アムステルダム中央駅のエスカレーター
あれ? 下りエスカレーターの赤いセーターの人が
ブロンプトンっぽい自転車をそのまま載せてる?
以上、現地で撮った写真はネタ切れなので、
あとは Youtube に投稿されたビデオを幾つか紹介します。
インターシティー(アームスフォート駅 → ユトレヒト中央駅)
線形が北海道並みに恵まれていますね。
表定速度が恐ろしく高いです。
トラム(アムステルダム1号線)
街中の人や自転車や車の流れが良く分かります。
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シリーズ記事の一覧
アームスフォートの自転車環境 (1) 市の概観
アームスフォートの自転車環境 (2) ネットワーク
アームスフォートの自転車環境 (3) 歩道
アームスフォートの自転車環境 (4) 自転車道
アームスフォートの自転車環境 (5) 自転車レーン
アームスフォートの自転車環境 (6) 車道
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アームスフォートの自転車環境 (8) バス停
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