アームスフォート(Amersfoort)の自転車走行環境を
Google Street Viewで見学してみました。
※Street View のキャプチャ画像には
緯度・経度を表わす数字を付記しました。
この数字でググると Google Maps 上で撮影地点が特定できます。
自転車レーン (fietsstrook)
住宅街の中の道路に設けられた自転車レーン
52.146206, 5.368104
52.146206, 5.368104
基本的にどの家も車庫を持っているので、路上駐車が発生しません。
こういう環境の道路では自転車レーンでも不都合は無さそうですね。
それにしても溜め息が出るほど美しい町並み。
同じ地球上にこんな理想的な場所が有るなんて、
現地に行って自分の目で見ても現実として飲み込めませんでした。
センターラインの無い道路
52.146206, 5.368104
52.146206, 5.368104
車道は合計で2車線引けるくらいの幅員が有りますが、
センターラインは引かれていません。
車道を狭く見せて車の速度を抑える工夫でしょうか。
この場所は丁字路ですが、レーンの赤色ペイントは連続しています。
自転車が通り得る事をドライバーに認知させる工夫ですね。
(しかし横断歩道が無いなあ。)
アームスフォート駅の北口
52.15455, 5.373878
52.15455, 5.373878
ここは歩道と同一平面上にペイントだけで自転車レーンが引かれています。
日本の自転車歩行者道と似ています。これはちょっと意図が分かりません。
ただ、横断歩道の部分では自転車レーンにもしっかりゼブラが引かれていますね。
「自転車レーンは歩道ではない」という明確な意識が
反映されたものと考えられます。
路駐スペースが有る道路の自転車レーン
52.14672, 5.370673
52.14672, 5.370673
この道路構造はあまり安全ではありませんね。
車のドアゾーンが自転車レーンを浸食しています。
急にドアが開いたら自転車に衝突するリスクが有ります。
左右どちらかの路駐スペースは諦めて、
空間にゆとりを持たせた方が良いでしょう。
ただ、オランダでは車のドアの開け方に特殊なルールが有るので、
自転車に気付かずにドアを開けてしまうドライバーは少ないのかもしれません。
参考記事
ドア開き事故の防止ノウハウ
それから、自転車レーンのペイントが
他の道路での場合と同じく赤色ですが、
この道路では車道が煉瓦敷なので視認性が低いですね。
白い破線が有るので実用上は問題ないのかもしれませんが、
ちょっと疑問です。
自転車レーンが途切れている。
52.14851, 5.373574
52.14851, 5.373574
レーンの整備区間が終わっています。
その先はセンターラインが引かれた2車線道路です。
恐らくはこれがレーン設置前の道路の姿だったのでしょう。
元々の車道幅員にはあまりゆとりが無かったようですが、
自転車レーンの設置時に車の一方通行化までは踏み切らなかったんですね。
代替道路への迂回距離が長過ぎたのか、或いは
車も自転車も通行量が少ないので、
この形式でも問題無いと判断したのか。
意思決定の過程が気になるところです。
中心市街を取り囲む川沿いの道路
52.15722, 5.393045
幅員が狭く、車は一方通行ですが、自転車は双方向で通行できます。
車と同方向の自転車は車と同じ空間の端を通行しますが、
逆行する自転車には自転車レーンが用意されており、
安全にすれ違えるようになっています。
車道混在と自転車レーンのハイブリッドですね。
空間に余裕が無い道路に自転車レーンを整備する手法として
参考になるのではないでしょうか。
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シリーズ記事の一覧
アームスフォートの自転車環境 (1) 市の概観
アームスフォートの自転車環境 (2) ネットワーク
アームスフォートの自転車環境 (3) 歩道
アームスフォートの自転車環境 (4) 自転車道
アームスフォートの自転車環境 (5) 自転車レーン
アームスフォートの自転車環境 (6) 車道
アームスフォートの自転車環境 (7) 横断歩道
アームスフォートの自転車環境 (8) バス停
アームスフォートの自転車環境 (9) 交差点
アームスフォートの自転車環境 (10) ロータリー
アームスフォートの自転車環境 (11) 踏切
アームスフォートの自転車環境 (12) 駅
アームスフォートの自転車環境 (13) 商店街通り
アームスフォートの自転車環境 (14) 広場